Kotlinを使う仕事の内容は?求人案件の特徴や未経験からのスキルアップ方法 | レバテックフリーランス
Kotlinを使う仕事の内容は?求人案件の特徴や未経験からのスキルアップ方法
Kotlinは近年開発エンジニアからの注目度が高いプログラミング言語です。主にAndroidアプリの開発で利用されていますが、Kotlinで開発可能な分野はAndroidアプリだけにとどまりません。本記事では、Kotlinの特徴や仕事内容、転職市場の求人の傾向、未経験者がKotlinエンジニアになる方法、平均年収などをお伝えします。
なお、さまざまな職種・言語のエンジニアについて知りたい方は「エンジニアの種類」の記事をご覧ください。
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■この記事の監修
さた けあや
エンジニアとしては6年目。
現在は留学で培った英語力を活かしつつ、国際チームをまとめるPLとして顧客折衝や要件定義、マネジメントを行っている。
目次
Kotlinとは
Kotlinは、世界有数のソフトウェアベンダーであるJetBrainsが2011年にリリースしたプログラミング言語です。開発者の生産性を上げるために開発された言語となっており、従来のプログラミング言語からソースコードの記載方法が簡略化されました。複雑なコードの記述を必要としないため、迅速なサービス提供や機能追加、バグの修正などを実現できることが特徴です。
2017年にはAndroid OSの提供元であるGoogleが、KotlinをAndroidアプリの推奨言語の一つとして位置付けました。そのため、現在多くの企業がAndroidアプリの開発にKotlinを採用しています。
参考 : AndroidのKotlinファーストアプローチ | Android Developers
KotlinとJava
Kotlinと同様に、Androidアプリ開発によく用いられるプログラミング言語にJavaがあります。KotlinはJavaをベースに開発された言語であるため、Java VM(仮想マシン)で稼働するマルチプラットフォームに対応しています。
Javaと比較すると、Kotlinは言語構文の記載方法が大幅に簡略化されています。そのため、JavaとKotlinの間に互換性はありません。しかし、KotlinはJava VMで稼働可能なため、JavaのプログラムやJavaのライブラリ、開発フレームワークなど、多くのJavaの資産を流用できます。
例えば、JavaからKotlinの呼び出しや、KotlinからJavaの呼び出しが可能です。Javaと相互運用できるという特徴から、Kotlinを採用することで、Javaで開発したアプリの機能追加や不具合修正などにスムーズに対応できます。
スマホアプリの開発に用いられる言語について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
スマートフォンアプリ開発に用いられる言語
Kotlinの仕事内容
Kotlinは、Androidエンジニアやサーバーサイドエンジニアの開発現場でよく採用されるプログラミング言語です。Kotlinを利用した具体的な仕事内容やニーズ、利用頻度の高いフレームワークなどを知っておきましょう。
Androidエンジニア
Androidエンジニアの仕事を順番に説明します。まず、要件定義を行います。具体的には、アプリ配信会社や自社の業務部門などと、開発する機能や画面インターフェースなどの仕様を話し合い、要件を検討します。そして、確定した要件に従い、開発やテストなどの工程を経て、Google Playストアでのアプリ配信までの一連の流れを担当します。アプリ配信後も利用者ニーズを把握し、機能改善や不具合改修などの定期的なメンテナンスをすることが欠かせません。
主な開発環境としてAndroid StudioやEclipseなどを利用します。また、開発工数削減を目的とし、Xamarin、React Native、Flutterなどのフレームワークを用いる企業も多いのが特徴と言えるでしょう。GoogleがKotlinをAndroidアプリの開発の推奨言語としたことや、シンプルな記述でJavaとの相互運用が可能なことから、開発現場では近年Kotlinを扱えるエンジニアのニーズが高まっています。
サーバーサイドエンジニア
Kotlinは、コードの読みやすさやコンパイル時にエラーを発見しやすいのが特徴です。その安全性の高さから、サーバーサイドの開発現場で需要が高まってきました。。すでにヤフーやサイバーエージェントなどでは、一部Webサービスのサーバーサイドの開発にKotlinを採用しています。
サーバーサイドエンジニアとは、アプリのプログラムを動作させるサーバーのデータ処理や、外部システムとの連携などを担当するエンジニアです。サーバーサイドエンジニアの業務範囲は広く、主に次のような仕事を担当します。
データベースの設計、構築、運用、保守
データベースの仕事では、主に以下の業務を担当します。
- DB設計:システムの基盤となるデータベースの設計
- DB構築:アプリケーション、データベース、API連携機能の構築
- DB運用:最新パッチの適用などソフトウェア保守、不具合の修正など
KotlinはJavaの資産を流用できることから、サーバーサイドの開発においてSpark Framework、Spring Frameworkなど、Javaと同じフレームワークを利用するケースも珍しくありません。
サーバーサイドエンジニアの仕事について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
サーバーサイドエンジニアとは?仕事内容やフリーランス事情を解説
Kotlinの求人・案件
ここではKotlinを扱う求人・案件の作業内容を解説します。正社員、アルバイト、フリーランスの3つに分けて説明するので、それぞれに求められるスキルレベルを確認しましょう。
正社員の求人
正社員の求人では、Androidアプリの開発エンジニアを募集する内容が多くみられました。仕事内容はアプリの企画から運用まで、上流工程から運用フェーズまで一貫して対応するものが多いです。
多くの企業は「KotlinやJavaを使ったモバイルアプリの開発経験2~3年以上」などのスキルを必要としています。また、サーバーサイドの開発経験は歓迎スキルとされ、スキル保有者を優先してする企業が多くみられました。
また、技術面だけでなく、高い自主性やリーダーシップなどのヒューマンスキルを要件に挙げる企業もあります。エンジニアは、他部署やクライアントと連携して業務を進める場面が多くあるため、コミュニケーション能力や協調性の高さは多くの企業が重要視しています。
アルバイトの求人
Kotlinのアルバイト求人は、他の言語と比べて数が限られています。学歴や職歴、Kotlinの使用経験は問われないものの、「プログラミング経験は必須」とするものが多いため、事前の学習は不可欠といえるでしょう。
また、Kotlinは他の言語と比べて歴史が浅いため、Kotlinを使えるエンジニアの数はそう多くありません。そのため、モバイルアプリやサーバーサイドの開発経験がある人材がアルバイトとして採用されやすいようです。
フリーランスの求人・案件
即戦力としての活躍が期待されるフリーランスの求人・案件では、「KotlinかJavaを使用したモバイルアプリ、もしくはサーバーサイド開発経験2〜3年程度」などが求められます。
フリーランス向けの案件では、既存システム改修や機能追加などが多くみられました。一方で、新規システム開発やアジャイル開発の実務経験を持つ人材や、フロントエンドからサーバーエンドまで対応できる人材を求める企業も少なくありません。
フリーランスエンジニアの案件獲得方法について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【2023年】フリーランスエンジニアの案件獲得方法|仕事別の単価相場も
未経験からKotlinの求人に応募できる?
現状では、開発経験がなくても応募可能なKotlinの求人はほぼアルバイトのみでした。アルバイトでも応募のハードルが高い求人が多く、Androidアプリやサーバーサイドの開発経験を求められるケースが多いです。実務経験を問わない求人でも、何らかのプログラミング言語でコーディングができることを条件とする企業がほとんどのため、自己学習は必須と言えるでしょう。
Kotlinは、コードの記述方法がシンプルで未経験者でもマスターしやすいプログラミング言語と言われています。しかしながら現在の転職市場にあるKotlinの求人の多くは、実務経験を求める内容がほとんどでした。特に、短期間でのリリースが要求されるモバイルアプリの開発現場では、アルバイト自体の求人数が少ないので、未経験者には狭き門と言えるでしょう。
未経験者でも採用されやすい言語を習得し、数年程度の実務経験を身につけてから、Kotlinの求人に転職する方法も1つの手段です。利用者が多い言語の方が、教育体制が整っている可能性が高く、採用の確率が高くなるでしょう。そのため、未経験者はKotlin求人に応募する前に、PHPやJava、Rubyといった別言語で実務経験を身につけることをおすすめします。
Javaエンジニアを目指す方法について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
Javaエンジニアの年収|未経験から転職して高収入を目指すには
未経験からKotlinのスキルを身につけるには
では、未経験者がKotlinのスキルを身につけるにはどのような方法があるのでしょうか。ここでは、主な学習方法を2つ解説します。
入門サイトや学習サイトなどを利用して独学で勉強する
Kotlinは日本語に翻訳された公式ドキュメントや、日本でKotlinを利用している方が公開している入門者向けの本、プロが解説するオンライン学習サイトなどで勉強できます。これらのサイトは全て無料で、オンライン学習サイトの受講料も1,000円〜2万円前後とそれほど高額ではありません。
しかしながら、、プログラミングを理解するためには、前提となるITの知識が必要です。そのため、プログラミングが初めての人は、初心者でも覚えやすいと言われるKotlinも難しく感じるかもしれません。独学で学習する場合は、誰かに質問する機会がなく、挫折する方も多くいるので注意が必要です。
プログラミングスクールに通う
プログラミングスクールは、独学で挫折をしてしまった、もしくは独学に自信がない人に適した学習方法です。初歩から実践的な知識まで、プロの講師から体系的に学ぶことができます。受講後に就職サポートをしてくれるスクールもあるので、未経験者には非常におすすめと言えるでしょう。
しかし、サポートが手厚い分、10万~100万円前後という受講料が発生します。また、オンラインでは受講できないスクールもあるため、仕事が忙しい人や地方に住む人はスクール選びを慎重に行う必要があります。
プログラミングの学習法について知りたい方は、以下の記事でも解説しているのでチェックしてみてください。
プログラマーになるための勉強法|プログラミング初心者におすすめの学習内容
Kotlinエンジニアの年収
Kotlinエンジニアの年収を見ていく前に、エンジニア・プログラマ全体の年収を確認してみましょう。厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、企業で働くSE・プログラマーの平均年収は以下のようになっています。
企業規模会社員 | プログラマー | |
---|---|---|
10人以上 | 568.9万円 | 425.8万円 |
10~99人 | 536.91万円 | 389.82万円 |
100~999人 | 532.23万円 | 427.41万円 |
1000人以上 | 627.23万円 | 547.76万円 |
※「きまって支給する現金給与額」を給料、「年間賞与その他特別給与額」をボーナスと考え、給料×12カ月+ボーナスで算出した平均年収
この数字は、雇用形態や役職、年齢、性別、勤続年数に関係なく、フルタイムで働く従業員の平均年収を算出したものです。エンジニアの年収は実務経験やスキルにも大きく左右されるため、技術力やマネジメント経験がある人は、この平均値よりも高い年収を得ている可能性が高いです。
Kotlinの場合は、比較的最新技術であることから実務経験者が少なく、エンジニア市場における希少価値が高いです。そのため、Kotlin経験者であれば平均よりも高い年収も期待できるでしょう。
また、2023年7月時点で、レバテックフリーランスに掲載中のKotlinの月額平均単価は81万円となっています。この単価で12カ月稼働した場合、フリーランスのKotlinエンジニアの平均年収は972万円となりました。メジャーな言語であるJavaの月額平均単価が68万、PHPの月額単価が72万のため、Kotlinエンジニアの希少価値の高さが伺えます。
Kotlinのフリーランス案件一覧【レバテックフリーランス】
Javaのフリーランス案件一覧【レバテックフリーランス】
PHPのフリーランス案件一覧【レバテックフリーランス】
ITエンジニアの年収について気になる方は、以下の記事をご覧ください。
ITエンジニアの平均年収と給料事情|年収1000万円を目指すには?
Kotlinの将来性
Kotlinは将来性のあるプログラミング言語と言えるでしょう。米国のアクセス解析ソフト会社Statcounterの統計「Mobile Operating System Market Share Worldwide」によると、2023年7月時点の全世界のモバイルOSのシェアの70.79%がAndroidという結果になっています。近年では、日本でもAndroidのシェアが増加しています。
Androidの需要拡大する一方で、Androidアプリを開発できるエンジニアの数は不足しています。Android開発を行っている企業の多くが人手不足に陥っているため、Androidアプリの推奨言語であるKotlinの需要は高いと判断できるでしょう。
また、サーバーサイドの開発でもKotlinの需要が増えています。これからKotlinを学習する人は、Androidアプリの開発スキルに加え、OS、データベースなどサーバーサイドの知識を身につけておくと、将来の選択肢が広がるでしょう。
Kotlinの将来性についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
Kotlinの将来性|エンジニアの需要や求人・案件数、年収を解説
Kotlinエンジニアが年収アップを狙うには
Kotlinエンジニアが収入アップを目指すには、どんな能力が必要となるのでしょうか。ここでは「スキル」「キャリア」「資格」という3つの面から、収入アップを実現する上で必要とされる内容を解説していきます。
スキル
Kotlinの開発案件を見てみると、JavaとKotlinを併用するといった案件が多い傾向にあり、Javaの開発経験は武器となるでしょう。また、AndroidアプリとiOSアプリを並行して開発する案件も多く、SwiftなどiOSアプリに対応した開発環境を扱えるスキルも持っていると、収入アップに繋がる可能性があります。
キャリア
高単価のKotlin案件は、上流工程からプロジェクトに参画する案件が多い傾向にあります。そのため、システム構想や基本設計などの上流工程における実務経験があると、大きな武器になるでしょう。基本設計から実装、リリースに至るまで、一連の工程すべてに対応できるスキルを身につけることが理想的です。
資格
Kotlin案件にはAndroidアプリ開発に関わるものが多いため、Android開発に関連した資格を取得していると、より単価が上がる可能性が高まります。代表的なものに「Android 技術者認定試験」があります。
また、KotlinはJavaと互換性が高いことから、「Javaプログラミング能力認定試験」も有効でしょう。この資格を保有していると、一定レベル以上のJavaプログラミング能力があると判断され、高単価案件を獲得できる可能性が高まります。
Kotlin関係の資格については、以下の記事でも詳しく解説しています。
Kotlinの資格|Androidアプリケーション開発のスキル証明におすすめの資格は?
Kotlinを使う仕事に関するよくある質問
最後に、Kotlinを使う仕事に関するよくある質問に答えました。
Q. Kotlinを使う仕事にはどんなものがありますか?
KotlinはAndroidアプリの開発でよく利用されるプログラミング言語です。Androidアプリの開発では、既存アプリの改修よりも新規アプリを開発できる人材が歓迎されます。近年では、Kotlinをサーバーサイドの開発に利用するケースも多く、Javaなどの既存のプログラミング言語からKotlinに置き換える企業も少なくありません。
Q. Kotlinの求人に未経験で応募することはできますか?
正社員やフリーランスの場合、即戦力を求める企業が多いです。そのため未経験者はアルバイトからキャリアをスタートさせるとよいでしょう。ただし、アルバイトでもプログラミング経験がある人は選考で有利になります。応募前に、Androidアプリを自作できるスキルは身につけておく必要があるでしょう。
Q. Kotlinのスキルを未経験から独学で習得することは可能ですか?
Kotlinは、ソースコードの複雑な記述を必要としないため、未経験者でも独学で習得しやすい言語といわれています。パソコンやソフトウェアなどのITの知識がある人は、Kotlinの公式サイトやオンライン学習サイト、書籍などを利用し、未経験でも独学でマスターできる可能性が高いでしょう。一方でITの知見があまりない人は、プログラミングスクールに通う方が学習しやすいかもしれません。
未経験からAndroidエンジニアを目指す方法については、以下の記事をご覧ください。
Androidエンジニアの需要|将来性や仕事内容、年収、求人・案件数を紹介
※本記事は2023年7月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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