中小企業診断士におすすめの副業は?コンサル案件の仕事内容や始め方 | レバテックフリーランス
中小企業診断士におすすめの副業は?コンサル案件の仕事内容や始め方
中小企業診断士は財務や労務など、経営面に不安のある中小企業に対して診断とアドバイスを行います。経営コンサルタントに関する唯一の国家資格であり、実務経験の年数を問わないことから、大学生など若年層からも注目を集めています。
また、この資格に対する企業からの信頼は非常に高く、近年では中小企業診断士の資格保持者が副業として経営コンサルタントの開業を行うケースが増えています。
本記事では副業で中小企業コンサルタントを行う際に知っておきたい仕事内容や報酬、案件の取り方について紹介します。
レバテックフリーランスではフリーランスの
ITコンサル案件をご紹介しています案件を探してみる
目次
中小企業診断士の資格を活かせる副業の種類
中小企業診断士は取得にあたり財務・会計から運営管理まで、経営全般に関わる知識を学ぶため、さまざまな業種で資格を活かすことができます。国家資格であることから企業からの信用度も高く、近年ではビジネスパーソンによる取得も増加傾向にあります。ここでは中小企業診断士の取得者が請け負うことが多い業種について紹介します。
コンサルティング
中小企業診断士の資格を最も活用できるのがコンサルティング業務です。財務の分析や雇用、マーケティングの見直し、事業計画や販売目標の確立など、中小企業におけるさまざまな業務課題に対してアドバイスを行います。
近年ではシャッター通りとなっている商店街などを復興させる取り組みに代表されるような、個人商店からの需要も増えています。
執筆業
雑誌や Webなどメディアからの依頼により、中小企業の課題解決などに関連した記事を執筆します。自分で運営するブログなどに記事をアップすれば、アクセス数に応じて広告収入を得ることも可能です。
依頼を受けて執筆する場合は納期などの条件がありますが、比較的場所や時間の融通がききやすい業務といえるでしょう。
講師・添削指導
中小企業診断士の資格を取得した人の中には、豊富な知識を活かし、セミナー講師として活動する人も見受けられます。講演テーマは「補助金の申請」や「事業計画の立て方」などさまざまですが、安定した受注を得るには、ある程度のキャリアが必要です。
また、通信講座や予備校の講師として、講義や模擬試験の添削などを行う人もいます。
補助金・助成金申請などのサポート
国の行政機関や全国の自治体では、不定期に中小企業向けの助成金や補助金の募集が公示されます。コロナ禍以後は特に種類も増えていますが、書式や申請方法が複雑なものも多く、企業の担当者だけでは対応できないケースが多いです。
中小企業診断士が受けられる案件には、書類の書き方のサポートから事業計画書など必要書類の準備、審査の対策指導などを手伝う業務があります。申請が採択されると報酬を得られる契約が一般的ですが、採択後のレポート作成を手伝うこともあります。
中小企業や個人向けの補助金については、こちらの記事でも解説しているのでチェックしてみてください。
【2023年8月版】フリーランス・個人事業主向けの給付金・助成金・補助金を紹介
副業で中小企業のコンサルティング業務を行うメリット・デメリット
本業が比較的忙しい人が副業で中小企業コンサルタントを始めると収入アップが見込める反面、時間の制約に追われるという側面があり、開業にあたっては慎重な準備が必要です。ここでは副業を始める前に把握しておきたい中小企業コンサルのメリット・デメリットについて解説します。
副業で中小企業コンサルを行う場合のメリット
中小企業のコンサルタントを副業で行う場合、大きなメリットとなるのが人脈の広がりです。個人事業主や副業を行っている人たちをサポートしているフリーランス協会の調査によると、フリーランスの仕事の受注先は約3割が人脈から、さらに約3割が過去の勤務先や既存の取り引き先からという結果が出ています。
仕事の成功を重ねながらネットワークを広げていけば幅広い業種からの受注が期待できるでしょう。クライアントとの取り引きで経営者としての感覚や税務・会計などの知識を身に着けられるのもメリットの1つです。実績を重ねると長期的な契約依頼も増え、収入の増加が期待できます。セミナーや講演の講師といった案件でも、最初の報酬は2時間で3万円程度ですが徐々に金額の増加が見込まれるでしょう。
また、ITやシステム、広報、マーケティングなど、コンサルティング対象として幅広い業種に対応することで知見も広がり、本業にも良い影響を及ぼすでしょう。
参考:フリーランス白書2023|フリーランス協会
副業で中小企業コンサルを行う場合のデメリット
ほとんどの副業に当てはまることですが、休日や空いた時間を作業に充てることによりプライベートが削られてしまうでしょう。年間での所得が20万円を越えると確定申告の必要があるなど業務上の手間も増加します。
また、公的機関の業務などは規模の大きさから法人を対象にしていることが多く、個人事業主では受注できる可能性が低いです。
確定申告については以下の記事で解説していますので、やり方を確認しておきましょう。
青色申告とは?やり方や白色申告との違いを解説
中小企業コンサルの副業の仕事内容
副業で中小企業のコンサルタントを行う場合、空いた時間や休日などでクライアントに対応する「スポットコンサル」という業務形態が一般的です。年間で契約するコンサルタントとは違い、何かしらの相談事が発生した際に気軽に利用できるため、近年、中小企業の間で需要が高まっています。
クライアントとのやり取りは対面のほか、オンラインや電話での対応も選択肢に含まれるでしょう。スポットコンサルは単発的な発注が多く、業務改善のような定番案件のほか、市場調査や研修・ワークショップの講師といった依頼を受けることも可能です。
ここでは、中小企業のスポットコンサルが請け負う主な仕事内容を紹介します。
ブランディングやマーケティングの戦略を確立
業績が伸び悩んでいる企業の中には、ヒットの可能性を秘めた商品を保持していながら、ブランディングや情報発信がうまくできていないケースもあるでしょう。
そのような課題に対してターゲット層の見直しや製造・在庫の管理も含めてコンサルティング支援を行います。商品の見直しが完了したら効果的な広告・販売戦略を立案し、マーケティングの側面から業務改善を図ることが可能です。
個人事業主として企業の宣伝戦略を担うという役割はマーケターとも共通します。マーケティングの仕事についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
フリーランスWebマーケティングの年収や案件、未経験からなる方法
経営戦略を含む業務改善
中小企業コンサルの立場と知見を活かし、業績が低迷し経営難に陥っている企業に対して、業務全体の現状を調査し、改善点を洗い出した上で新たな業務フローの提案を行うことも可能です。
改善点の抽出にはロジックツリーやバリューチェーン分析などの手法が用いられ、確立された業務改善案を実行・定着化させるための支援を行います。その後の効果を測定し、必要な場合にはソフトウェアの導入まで携わることもあるでしょう。
業務改善の中には資金調達やブランディングの見直しといった項目も含まれますが、それぞれに特化したコンサルタントも存在します。
IT戦略やDX推進のサポート
ITを軸にしたコンサルティング業務も中小企業診断士の副業に挙げられます。近年、作業効率の向上を目的とした業務のIT化や領収書などの書類をデータに置換えるDX推進が、企業にとって避けて通れない課題となっています。
日本は先進国の中でもとりわけDX推進が遅れているといわれており、歴史の長い企業になるほど、これらの知識に長けた人材が不足しがちです。
サイバー攻撃やデータ流出により損害を防ぐためにも、システムの改善が必要とされ、知見を持ったコンサルタントへの依頼が急増しています。
ITコンサルタントの仕事について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
ITコンサルタントの単価相場は?フリーランスになるメリットや将来性について解説
セミナーや研修の講師
前述した通り、中小企業診断士の業務内容として行う講師の業務がありますが、コンサルタントとして稼働する場合には、より企業の内部に入り込んで専門的な課題解決に当たります。
厚生労働省による働き方改革が実施されて以降、人事や労務に対する学びを改める動きが加速しており、大手企業では専門部署でこれらの課題解決に当たっているのが現状です。
しかし、資金面で及ばない中小企業では公開セミナーや企業内研修を行うことで社会の動きに対応し、コンサルタントが講師として指導を行います。また、新規事業を立ち上げる際のワークショップなどでもコンサルタントが講師を務めるケースが多く見られます。
中小企業コンサルの副業の収入の相場
副業で中小企業のスポットコンサルを行う場合、1時間あたりの報酬は対面で1万円〜5万円程度、オンラインで1万5000円〜3万円程度(簡易な内容の場合は5000円〜1万円程度)が相場とされ、月額で10万円程度の収入とされています。
休日を利用して集中的にコンサルティングを行う場合の収入は、月額で30万円程度にまで達することもあるでしょう。
副業コンサルタントでは財務コンサルタントや戦略コンサルタント、ECコンサルタントなどが比較的高単価とされており、月に50万円以上の収入を見込める案件もあります。しかし、専門性の高さから豊富な実績や経験年数を求められることが多く、副業コンサルタントの中でも限られた領域であるといえるでしょう。
税理士が行うコンサルティング業務についても、こちらで解説しています。
税理士でもコンサルティング業務はできる?仕事内容や始め方を解説!
中小企業コンサル副業に求められるスキル
ここでは、副業で中小企業コンサルタントを行う場合に求められるスキルを解説します。
コミュニケーション能力
中小企業コンサルタントとして副業を始める際、最も重要なスキルの一つが効果的なコミュニケーション能力です。コンサルティング業務は、基本的にクライアント企業との対話がベースとなるため、そのニーズを正確に把握し、適切なアドバイスを提供するためには、優れたコミュニケーションが不可欠です。副業であればなおさら効率よく、クリアなコミュニケーションを取ることが求められるでしょう。
また、クライアントの期待を超える新たな提案を行うことも重要で、そのためには論理的かつ柔軟な思考が求められます。このようなコミュニケーションスキルを駆使して、信頼関係の構築と維持を図ることが、中小企業コンサルタントとしての成功に直結するといえます。
戦略的思考能力
中小企業コンサルタントは、戦略的思考能力も同様に重要です。ここでいう戦略的思考とは、市場環境や競合他社の動向、業界のトレンドを分析し、クライアント企業が直面している課題を解決するための戦略を立案する能力のことを指します。
このスキルにより、中小企業が持つ独自の課題に対し、テンプレート的な解決策ではなく、最適で本質的なソリューションを提供できるようになります。また、クライアントが中小企業だからこそ、限られたリソースの中で最大の効果を発揮させることが求められるでしょう。
最新技術を使いこなす適応力
現代のビジネス環境では、IT技術の進歩による変化が大きく、中小企業コンサルタントとして副業を行う場合にも、最新のテクノロジーへの理解とそれをビジネスに活かす能力が求められます。デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や、クラウドサービス、SaaSツールなどの導入支援は、コンサルティングのニーズが高まる分野の一つです。
また、データ分析によって市場の機会を見出し、データドリブンな意思決定をサポートすることも、中小企業コンサルタントにとっての大きな役割となっています。このように、最新の技術動向を敏感に捉え、クライアントに対して価値ある情報を提供し続けられる能力は、中小企業コンサル副業において非常に重要です。
中小企業コンサルタントの副業案件の取り方
中小企業診断士の資格を取得し、副業でコンサルタントを始める場合、案件の獲得方法にはいくつかの方法があります。オンライン上のマッチングサービスやSNSなどでの情報発信、友人やこれまで仕事で築き上げてきた人脈などを活用して業務の開拓を行いましょう。
エージェントサイトやマッチングサイトへの登録
副業で中小企業のコンサルタント案件を獲得する場合、最も定番とされているのがエージェントサイトやマッチングサイトへの登録です。
エージェントサイトの場合は担当者が付くことで、自分のキャリアに沿った案件をすばやく見つけることができ、営業にかける時間を大幅に短縮できます。また、中小企業関連の支援団体に登録しておけばクライアントの目に触れる可能性も高まるでしょう。
フリーランスエージェントのレバテックフリーランスでは、コンサルタントを含めた様々な種類のフリーランス・個人事業主向けの案件をご紹介しています。確定申告代行やマネープラン相談、福利厚生サポートなどのサービスもそろえています。案件探しをご検討中の方はぜひご利用ください。
友人や過去のクライアントからの紹介
友人や知人、過去のクライアントから案件を紹介してもらうこともキャリアを積み上げる近道になります。一定の信頼を得た上で案件を獲得するため、人脈を広げる上でも効果的な方法でしょう。
ただし、本業の就業規則に副業に関する規則が定められている場合は、独自のルートで活動することがルール違反になることもあるため注意が必要です。
個人事業主の人脈作りについて、詳しい解説が知りたい方は以下の記事をご覧ください。
フリーランスが人脈を作る方法とは?なしでも仕事を得る方法も解説
SNSやブログで情報を発信
ブログやSNS、動画サイトで自分のスキルやこれまでの実績を発信することも有益な手段です。ブログの場合は文字数の制限もないため、ある程度の文字数で詳細に内容を書くことができます。しかし動画の場合、大半の人が短時間で素早く情報を取得することを目的としているため、簡潔かつ的確な内容に仕上げるように心がけましょう。
しかし、これらのような一方的な情報発信は、不特定多数を対象としていることから確実に案件につながる保証がありません。じっくり時間をかける必要があるため、すぐに案件を獲得したい人にとっては不向きな方法であるといえるでしょう。
中小企業診断士の副業に関するよくある質問
ここでは、中小企業診断士の副業に関するよくある質問に答えていきます。
Q. 中小企業診断士の資格を活かすことができる副業にはどのようなものがありますか?
コンサルティング、執筆業、セミナー講師、補助金・助成金申請のサポート業務などの副業があります。
Q. 中小企業のコンサルティングを副業で行うメリットは何ですか?
中小企業のコンサルティングを副業で行うメリットは、人脈を広げることができること、自身のスキルアップができること、収入の増加が期待できることなどです。
Q. 中小企業コンサルタントの仕事内容はどのようなものがありますか?
中小企業コンサルタントの仕事内容は、業績改善のための分析、マーケティング戦略の立案、IT戦略などです。
Q. 中小企業コンサルタントに必要なスキルは何ですか?
業界知識や経験、コミュニケーション能力、プレゼンテーションスキルなどが必要です。
Q. 中小企業のコンサルティングを副業で行うデメリットはありますか?
副業所得が年間20万円を超える場合、確定申告を行う必要があります。また、プライベートの確保が難しくなるというデメリットもあります。
※本記事は2023年9月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
簡単4ステップ!スキルや経験年数をポチポチ選ぶだけで、あなたのフリーランスとしての単価相場を算出します!
※相場算出に個人情報の取得はおこないません。
役に立った/参考になったと思ったら、シェアをお願いします。