定期昇給なしは違法?給与アップのためのにできること | レバテックフリーランス
定期昇給なしは違法?給与アップのためのにできること
「定期昇給なしの状況が続き、今のままだと将来が不安…」と感じている人はいませんか?
この記事では、定期昇給なしが違法かどうかを解説します。また、昇給制度の種類や実際に昇給している企業の割合もまとめました。収入が伸び悩む方に向けて、転職や副業、独立といった選択肢も紹介するので、現状を打開するヒントにしてください。
定期昇給なしは違法?
基本的には、就業規則に「昇給なし」と記載されているなら、昇給がなくても違法にはなりません。労働基準法においては、「就業規則と労働契約で、昇給について規定しなければならない」という定めはありますが、昇給の有無自体には特に決まりはないからです。
「昇給は年1回」と記載があるのに昇給がない場合は違法の可能性がありますが、「会社の業績によっては実施しない」といった但し書きがある場合は、違法になるとは限りません。
定期昇給なしが違法になる3つのケース
定期昇給がないことは原則として違法ではありませんが、以下の3つのケースでは違法性が問われる可能性があります。定期昇給がない人は、これから紹介するケースに当てはまるか確認してみましょう。
1.就業規則に記載がある場合
就業規則に定期昇給に関する明確な記載があるにもかかわらず、会社が昇給を実施しない場合、労働契約法に抵触する可能性があります。
就業規則には法的な効力が認められており、企業側が一方的に労働者にとって不利益な変更を行うことはできません(合理的な理由がある場合は不利益な変更が例外的に認められるケースもあります)。
2.求人票の記載と異なる場合
求人票に「定期昇給あり」と明示されていたにもかかわらず、入社後に定期昇給がない場合は、法的に問題がある可能性が高いです。職業安定法では虚偽の求人情報による募集を禁止しており、採用時に明示された内容と実際の条件が一致しないことは認められません。
たとえば、昇給を期待させる案内があったにも関わらず、入社後に昇給の機会がないケースでは、企業が意図的に労働者の判断を誤らせたと見なされる可能性が高いでしょう。
3.特定の社員だけが不当に除外されている場合
会社に定期昇給制度があるにもかかわらず、以下のような特定の社員だけが合理的な理由なく昇給から除外される場合は、不当な差別として違法性が問われることがあります。
- 特定の部署だけ定期昇給がない
- 外国人社員だけ定期昇給がない
- 上司との関係が良くない社員だけ昇給がない
上記のケースは、労働契約法の「均等待遇」や労働契約法の「労働契約の原則」に違反している可能性があります。
昇給の種類
これから転職活動する場合、応募先の昇給の種類を理解することで、将来の収入の見通しを立てやすくなります。ここでは、昇給の3つのタイプについて説明します。

定期昇給
定期昇給とは、毎年決まった時期に基本給が上がる機会が設定されていることです。定期昇給には、従業員の年齢や勤続年数に基づいて昇給する自動昇給と、能力や実績に基づいて昇給する考課昇給があります。特に、自動昇給は年功序列型賃金制度とも呼ばれ、日本企業で広く一般的に用いられてきました。
企業側が自動昇給を用いるメリットは、昇給の見通しが立てやすくコスト管理がしやすいことや、終身雇用制との相性が良いこと、離職率を抑えられることなどです。
ただし、近年は成果主義の導入により、単純な年功序列による昇給ではなく、評価と連動した定期昇給制度を採用する企業も増えています。年功的要素と能力・成果要素を組み合わせたハイブリッド型の制度が主流になりつつあるのが現状といえるでしょう。
ベースアップ(ベア)
ベースアップは、定期昇給とは無関係に賃金表の改定によって、会社全体の基本給が底上げされることです。略して「ベア」ともいわれます。
定期昇給の場合、給与の高い層が定年退職し、給与の低い新入社員と入れ替わっていくため、全体の人件費はあまり変わりません。しかし、ベースアップは会社全体の基本給の底上げなので、固定費が増加し会社に大きな負担がかかります。
大企業では労働組合が春闘にて会社側と交渉することで、ベースアップが決まることもあります。
特別昇給
特別昇給とは、時期を定めず特定の従業員に対して行われる昇給です。通常の定期昇給の枠組みとは別に、ある従業員が重要なプロジェクトで成果を挙げた際や、特殊な業務を遂行した際などに、その功績に報いるために行われます。
特別昇給は特定の理由にもとづき行われるため、定期昇給と比べると発生頻度は低いのが一般的です。
定期昇給実施の割合
厚生労働省の調査にもとづき、定期昇給やベースアップを実施している企業の割合を紹介します。実際に昇給がどの程度行われているのか気になる方は参考にしてください。
定期昇給制度の有無および定期昇給実施の割合
厚生労働省「令和7年度 賃金引上げ等の実態に関する調査(定期昇給制度、ベースアップ等の実施状況)」によると、定期昇給制度がある企業、ない企業の割合は以下の通りです(対象:2025年中に賃金の改定を実施したまたは予定している企業および賃金の改定を実施しない企業)。
- 定期昇給制度がある:81.2%
- 定期昇給制度がない:17.7%
定期昇給の実施状況については、以下の通りです。
- 定昇を行った・行う:76.8%
- 定昇を行わなかった・行わない:2.6%
- 定昇を延期した:0.1%
この調査によると、約8割の企業が定期昇給制度を導入していることが明らかになりました。制度を設けている企業のうち、大半の企業が実際に定期昇給を実施または予定していることも分かります。
参考:令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況|厚生労働省
定期昇給とベースアップの区別の有無およびベースアップ実施の割合
定期昇給を行う企業のうち、定期昇給とベースアップなどを区別している企業の割合は以下の通りです。
- 区別あり:73.0%
- 区別なし:25.5%
また、ベースアップを行ったかどうかの割合は以下の通りでした(対象:2025年中に賃金の改定を実施したまたは予定している企業および賃金の改定を実施しない企業のうち定期昇給制度がある企業)。
- ベアを行った・行う:57.8%
- ベアを行わなかった・行わない:15.1%
上記からは、定期昇給とベースアップを区別しているかどうかにかかわらず、約6割の企業が定期昇給とは別にベースアップを実施または実施予定であることが分かります。
定期昇給「あり」「なし」どっちの企業がいい?
転職を考える際、定期昇給制度の有無は重要な判断材料の一つです。定期昇給がある企業に対して良いイメージを抱く人は多いですが、定期昇給がない企業でも給与体系によっては高い収入を得られるケースがあります。
ここでは、「定期昇給あり」「定期昇給なし」のメリット・デメリットを紹介するので、企業選びの参考にしてください。
定期昇給「あり」のメリット・デメリット
定期昇給ありの企業では、安定した収入増加が期待できるメリットがあります。勤続年数に応じて給与が上がるため、収入面での将来計画が立てやすく、長期的な安心感が得られるでしょう。定期昇給制度がある企業は年功序列の要素が残っていることから、長く勤め続けることでの報酬が約束されている点も特徴です。
デメリットは、昇給額が固定的である場合が多く、努力や成果が十分に反映されない場合があることです。高いパフォーマンスを発揮する人材にとっては、能力や貢献に見合った報酬が得られない環境だと感じることもあるでしょう。
定期昇給「なし」のメリット・デメリット
定期昇給なしの企業では、定期昇給がない代わりに基本給を高く設定していることがあります。基本給の水準が高ければ、入社直後や若手のうちから一定水準の収入を得られるのがメリットとなるでしょう。
また、企業によっては定期昇給制度を設けず成果を挙げた従業員にインセンティブを支給していることもあります。この場合、従業員にとっては高いパフォーマンスを発揮すれば、年齢や勤続年数に関わらず収入アップできる可能性があり、自分の実力が給与に反映されるやりがいがあります。
ただ、一方では成果を出さない限りは昇給やインセンティブがない可能性があり、収入が不安定になるというデメリットが存在します。昇進の基準が明確でない場合は、スキルアップのモチベーションが湧きづらいという問題も想定されるでしょう。
定期昇給なしで給与水準が低い場合はどうする?
定期昇給がなく、給与水準も低い、収入アップのチャンスがないという状況は、将来への不安や経済的なストレスの原因となります。以下では、給与アップのための具体的な方法について説明します。
昇給しない原因を特定する
給与が上がらない状況に対処するためには、まず昇給しない原因を特定することが大切です。昇給しない原因の例は、以下のとおりです。
- 会社の業績が振るわない
- 自分のスキルや貢献が足りない
- 会社の昇給方針が厳しい
自分の能力不足で昇給しないと考えられる場合、どうすれば評価が得られるか上司に相談するのがおすすめです。「契約数を◯件まで増やす」「◯◯に対応できるスキルを習得する」などの具体的なアドバイスが得られれば、目指すべき方向が分かり、昇給に向けた行動をとりやすくなります。
もらえる手当を増やす
定期昇給がない会社で給与を上げたいなら、付与される手当を増やしましょう。
会社によっては、特定の資格を取ることで資格手当がもらえる場合があります。業界特有の専門資格が対象となることが多いでしょう。資格取得は自己啓発になり、キャリアアップにも役立つ一石二鳥の方法です。
さらに、住居に応じて支給される住宅手当が適用されないかというような、会社が用意しているすべての手当をチェックしてみましょう。
転職する
今の会社の昇給制度に不満があり、改善の見込みがない人は、転職するのも1つの選択肢です。転職の際は、給与体系や昇給制度がどうなっているのか確認しましょう。
また、福利厚生や労働環境も含めた総合的な判断を行うことも忘れないようにしましょう。給与が高い企業でも、長時間労働が常態化していたり、自分と合わない社風だったりすると、早期退職につながってしまいます。
もし、給与や労働環境に関することを聞きづらいと感じるのであれば、労働条件の確認や交渉、調整などを代行してくれる転職エージェントの活用がおすすめです。
副業をする
本業の給与が上がらない場合、副業で収入を補うことも有効な選択肢です。近年は働き方改革の流れもあり、副業を認める企業が増えています。まずは自社の副業に関するポリシーを確認し、ルールの範囲内で副業を始めることを検討しましょう。
副業で稼ぐコツは、既存のスキルや専門性を活用することです。本業で培った知識や経験を活かせる案件を選ぶことで、効率よく収入を得ることが可能です。
以下の記事では、IT系の副業の探し方や単価について紹介しているので、気になる方はぜひご覧ください。
フリーランスになる
一定のキャリアを積み、自分のスキルに自信があるという方はフリーランスになるという道もあるでしょう。フリーランスになれば、自分の市場価値に応じた報酬を直接得ることができ、スキルと実績に応じて収入を増やせる可能性が出てきます。
フリーランスとして収入を安定させるには、「複数のクライアントと取引する」「フリーランス向けのエージェントを利用する」といった方法があります。
ITエンジニアの場合は、安定した収入を得やすい「常駐型フリーランス」という働き方を選ぶ道もあるでしょう。常駐型フリーランスについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
また、IT系のフリーランスとして独立を目指す場合は、レバテックフリーランスにご相談ください。レバテックフリーランスでは、独立に向けたアドバイスや案件情報の提供を行っています。
独立に向けた準備については、以下の記事も参考にしてください。
定期昇給に関するよくある質問
定期昇給に関するよくある質問とその回答をまとめました。
Q. 定期昇給がない企業は違法?
企業によっては定期昇給がない場合もありますが、違法ではありません。ただし、就業規則で定期昇給があると明記しているにもかかわらず、昇給がない場合は違法の可能性があります。
Q. 定期昇給がない企業で働くメリットはある?
定期昇給がない企業は基本給を高く設定していたり、成果主義的な報酬体系を採用していたりする場合があります。前者であれば新入社員でも収入が安定しやすいこと、後者の場合は年齢や勤続年数にかかわらず実力が給与に反映されることがメリットとなるでしょう。
Q. 定期昇給とベースアップの違いは何?
定期昇給とは、年に1回といった一定タイミングで昇給することを意味します。ベースアップとは、賃金表を書き換えることによって、企業全体の給与水準が一律に上がることです。
定期昇給は個人ごとに昇給額が異なる場合が多く、勤続年数や業務成績によって差がつくことが一般的です。一方、ベースアップは原則として全従業員に一律または一定の基準で適用され、給与テーブル自体が上方修正されます。
Q. 昇給制度にはどんな種類がある?
昇給制度には、定期昇給やベースアップ、特別昇給などがあります。定期昇給は毎年決まった時期に基本給が上がる制度で、年功的な自動昇給と実績に基づく考課昇給に分かれます。ベースアップは会社全体の基本給を一律に底上げすることです。特別昇給は、特定の従業員の特別な功績に対して臨時に行われます。
※本記事は2026年1月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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