業務委託とアウトソーシングの違いは?それぞれのメリットデメリットを解説

業務委託とアウトソーシングには明確な線引きがありません。業務委託をアウトソーシングの手段のひとつとする解釈もあれば、厳密には別物だとする解釈もあります。

この記事では業務委託とアウトソーシングの違い、業務委託と派遣の違いについてそれぞれ解説します。フリーランスエンジニアとして業務委託で案件を受注するメリット・デメリットについても紹介しています。業務委託の働き方に興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。

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業務委託とアウトソーシングの違い

業務委託とアウトソーシングには、どのような違いがあるのでしょうか?

明確な定義はない

実は両者には、明確な定義がありません。そのため、業務委託とアウトソーシングの違いをはっきりと区分するのは難しいといえるでしょう。

業務委託とは

業務委託とは、事業者や組織などが外部の第三者に業務を委託することです。

アウトソーシングとは

経済産業省の資料「サービス産業競争力強化調査研究 アウトソーシング産業事業規模基本調査」によれば、アウトソーシングは「Out」と「Sourcing」を掛け合わせた言葉であり、日本語では「外部資源化」と訳されていたと記載されています。ただし同資料内でも、解釈には幅があるとしており、明確な定義には言及していません。

業務委託をアウトソーシングの手段のひとつとする解釈もあれば、両者を明確に区別する解釈もあります。

業務委託の副業についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
業務委託で副業は可能?確定申告や案件受注時の注意点について解説

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業務委託と派遣の違い

正規雇用ではない働き方を検討するとき、派遣(労働者派遣)も選択肢に上がることがあります。業務委託と派遣には明確な違いがあるため、押さえておきましょう。

雇用契約の有無

1つ目の大きな違いは、雇用契約を結ぶかどうかです。派遣の場合は、派遣会社との間で雇用契約を結び、派遣先企業で業務に従事します。

一方、業務委託では、(準)委任契約、請負契約が結ばれることがほとんどであり、雇用契約を結びません。委託者と受託者の間に雇用関係が発生しないため、原則として労働基準法も適用されない点を押さえておきましょう。

指揮命令権の有無

派遣の場合、派遣スタッフは派遣先の指示を受けて業務を進めます。一方、業務委託では、委託者であるクライアント企業と受託者は、基本的に対等な関係で業務を進めます。(準)委任契約や請負契約を結んで業務を委託したクライアント企業は、受託者に対して業務遂行に関する細かな指示を出したり、社員の就業規則と同じ時間拘束をしたりしてはいけません。

もしこのルールが守られなかった場合、「偽装請負」として委託者にペナルティが課されることがあります。また受託者側も、偽装請負であることを認識した上で指揮命令を受けていた場合、同様にペナルティを受けることがあります。(準)委任契約、請負契約で案件を受注する際は、偽装請負にならないように注意しましょう。

関連記事 : 業務委託とは?派遣、客先常駐の準委任、請負との違い

業務委託のメリット・デメリット

最後に、フリーランスとして業務委託で案件を受注したいと考えている人に向けて、業務委託のメリット、デメリットを紹介します。

業務委託のメリット

業務委託のメリットとしては、以下が挙げられます。

年収が上がる可能性がある

高スキルを有している場合、単価が高くなり、会社員時代よりも年収が上がることがあります。エンジニアであれば、下流工程から上流工程まで一人で完結できるような人材は、高単価の案件を受注できる可能性があります。

また、作業量の制限もないため、たくさん案件を受注すればその分収入が増えるでしょう。会社員の場合は作業スピードが速くても、仕事量が収入額に比例するとは限りません。その点業務委託なら、基本的には案件をこなした数だけ収入が増えるため、働くことが好きな人には向いている働き方といえるでしょう。

人間関係のしがらみが少ない

業務委託は会社員に比べて、人間関係のしがらみが少ない働き方です。とくに在宅案件では、クライアントとのやりとりは主にチャットやメールで行うため、一人で黙々と作業しやすいでしょう。また、エンジニア職は常駐案件が多いですが、常駐といっても、クライアント企業で作業するのは契約期間中のみ。その点では「会社員よりも気が楽だ」と感じる人もいるようです。

働く時間や場所を選べることも

業務委託契約では、クライアントと受託者が対等な関係にあります。そのためクライアントは、受託者に対して細かく1日の作業時間を指定することは基本的にできません。常駐型の場合はクライアント企業のオフィスで作業するよう契約書を取り交わすことが多いですが、在宅案件では作業場所を自由に選べることもあります(ただし、情報漏えいリスク等により、契約書で作業場所が指定されている場合などは例外)。

業務委託のデメリット

一方、業務委託のデメリットとしては、以下が挙げられます。

収入が不安定になりやすい

業務委託は案件をこなした数だけ収入を得られますが、逆に言うと案件を受注できなければ収入も得られない働き方です。毎月一定の収入を得られる会社員に比べ、収入面の不安定さは否めません。

フリーランスの収入は、定期的に案件を発注してくれる「お得意様」が増えてくると安定する傾向にあります。また、在宅案件のみではなく、常駐案件も並行して受注することで、収入が安定しやすくなる場合もあるでしょう。大手企業の案件を受注するには、個人で契約するのが難しいケースもあるため、エージェントを利用する人も多いようです。

積極的にスキルアップする必要がある

常駐案件では簡単な研修が用意されていることもありますが、会社員のように育ててもらえる訳ではありません。そのため、プライベートの時間を使って勉強したり、キャリアビジョンに合わせて案件を選んだりして、積極的にスキルアップを図る必要があります。

また業務委託とは、多くの場合「自社で賄えない業務の外部委託」であり、クライアントは高スキルの人材を求めていることが多いです。「トレンド技術や開発手法に精通したフリーランス」を求める企業は多いと考えられるため、常に新しい技術や業界の動向にアンテナを張っておくことで価値を高められるでしょう。

確定申告や保険手続きを自分で行わなければならない

会社員なら、所得税の計算や納税、保険料の納付などは基本的に会社側で行ってくれます。しかし、フリーランスになると、これらをすべて自分でやらなければいけません。フリーランスは一定以上の収入を得ると、確定申告をする必要があります。

経理や事務がどうしても苦手な人は、確定申告の代行サービスや会計ソフトを利用すると良いでしょう。また、確定申告については、税理士事務所のほかフリーランスエージェントに相談できることもあります。エージェントを利用しているなら、一度相談してみるのも良いでしょう。

関連記事 : 【2023年版】フリーランスの保険ガイド|定番サービスや健康保険組合

業務委託とアウトソーシングに関するよくある質問

ここでは、業務委託とアウトソーシングに関するよくある質問に答えていきます。

Q. 業務委託とアウトソーシングの違いは何ですか?

業務委託とアウトソーシングの違いは、委託する業務の意思決定権が自社側にあるか、委託先にあるかです。

Q. 業務委託にはどんな種類がありますか?

一般的には請負契約、委任契約、準委任契約の3種類です。

Q. 企業が業務委託を導入するメリットは何ですか?

コストが削減する、自社に無い専門人材や即戦力人材を活用できる等のメリットがあります。

Q. アウトソーシングの需要が増加している理由は何ですか?

顧客ニーズの多様化による多角化経営の要請の高まりや労働人口の減少による人材不足等の理由で、アウトソーシングの需要が増加しています。

Q. アウトソーシングを活用するメリットは何ですか?

従業員がコア業務に集中できる、外部の専門的な知見やノウハウを活用できる、人件費や固定費の削減につながる等のメリットがあります。

※本記事は2023年12月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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