サーバーエンジニアの将来性は?今後の需要や年収・転職の選択肢を解説 | レバテックフリーランス
サーバーエンジニアの将来性は?今後の需要や年収・転職の選択肢を解説
クラウドや開発プラットフォームの普及によって、サーバーエンジニアの将来性に対する不安の声が上がるケースもありますが、システムが存在する以上サーバーエンジニアの仕事はなくならないでしょう。ただし、これからのサーバーエンジニアは、需要の変化に対応できるよう新たなスキル習得が不可欠といえます。
目次
サーバーエンジニアの将来性
サーバーエンジニアの今後の需要
これからのサーバーエンジニアに必要なスキル
サーバーエンジニアの年収
サーバーエンジニアに必要な資格
サーバーエンジニアのキャリアパス
サーバーエンジニアの将来性
ITシステムのインフラであるサーバーを扱うサーバーエンジニアは、これからも一定の需要が続く、あるいは増加すると予測される職種です。それにも関わらず「サーバーエンジニアはやめとけ」という声が聞かれることがあるのは、主にサーバーエンジニアの仕事内容の特徴が理由と考えられます。
「サーバーエンジニアはやめとけ」といわれる理由
サーバーエンジニアは、業務の大変さから「サーバーエンジニアはやめておけ」といわれることがあります。さまざまな理由があると思いますが、その中でも代表的な理由は以下の通りです。
- 深夜に出勤することもある
- 障害対応が大変
- インフラ周りの幅広い知識も必要になる
- 常に最新の情報を勉強する必要がある
- 自動化できる作業が多い
深夜に出勤することもある
サーバーエンジニアがECサイトや社内で使うシステムを納品するときは、顧客の業務時間外に納品しなくてならないことがあります。そのため、夜中の納品作業をすることもあるでしょう。納品中にトラブルがある可能性もあり、納品作業が朝方になってしまうケースもあるようです。
障害対応が大変
納品が終わっても、サーバーエンジニアの業務は終わりではありません。納品したシステムに障害が起きたときの対応もサーバーエンジニアの仕事です。納品した環境の問題、プログラミングコードの問題、顧客のデータの問題などさまざまな原因が考えられるため、原因追究が大変な作業となります。
インフラ周りの幅広い知識も必要になる
このように、サーバーエンジニアの業務は実に幅広く、インフラ周りの広範な知識も必要になってきます。サーバー構築やDB設計、さらにはシステム運用の知識まで身につける必要があるケースもあります。
常に最新の情報を勉強する必要がある
さらに、クラウドの普及による開発環境の変化や、システム開発の方法など、サーバーに関連する最新情報は常に更新されています。基本的には何年も同じスキルが一切変わらずに役立つということはありません。長年勤めているサーバーエンジニアも、セミナーや参考書などで常に新しいスキルを身につけていく必要があります。
サーバーエンジニアは環境に応じて需要が変化しやすい職業であるため、常に最新の情報を取り入れ、日々自身のスキルをアップデートさせていくことが大切です。今の時代に必要なスキルを身につけることで、需要があるサーバーエンジニアへステップアップしましょう。
自動化できる作業が多い
自動化が可能な作業であるにも関わらず、サーバーエンジニアが手動で作業をしなければならない場合は、非効率的と感じてしまうことがあるようです。AIの普及によって自動化が進むと考えられている作業もあり、メンテナンス作業やデータのバックアップなどの単純な作業は自動化が可能である場合が多いでしょう。
クラウドの普及でサーバーエンジニアは不要になる?
クラウドの普及により、サーバーエンジニアに求められるスキルは大きく変化しています。そんな中、クラウドによってサーバーエンジニアは不要になるといわれることもありますが、需要の高いスキルを持ったサーバーエンジニアが不要とされることは考えにくいでしょう。
総務省「令和2年版情報通信白書」によると、2019年には企業におけるクラウドの普及率は64.7%と半数を上回っており、着実にクラウドが定着していることが分かります。さらに新型コロナウイルス感染症の影響によるテレワークの推進などに伴い、クラウド普及のスピードは上がっていくでしょう。
※参考 : 総務省|令和2年版 情報通信白書|企業におけるクラウドサービスの利用動向
企業がクラウドを導入する上では、共有フォルダの設定やメールサーバーの移行などのさまざまな設定が必要になります。サーバーエンジニアの仕事というよりは、インフラエンジニアに近い業務内容になりますが、クラウド導入を実施する企業が増えるほど、オンプレミスからクラウドへの移行作業に関する需要は増えていくでしょう。
また、クラウドを利用した新しい分野でのシステムも次々に開発されるため、ここでもサーバーエンジニアは必要になります。
厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET)では、サーバーエンジニアを含むと考えられる「システムエンジニア(基盤システム)」の説明として、「顧客の施設に物理的にサーバーを設置する仕事は減少しているが、クラウドを利用したIoT、フィンテック等新しい分野でITインフラが求められるようになっている」と説明されています。
※参考 : 厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「システムエンジニア(基盤システム)」
つまり、サーバーエンジニアの仕事内容の変化と、クラウド周りの新しいスキルを身につけたサーバーエンジニアの需要が高くなることが示唆されているといえます。同ページには「仕事内容は変化しているが、ITの根幹を担うエンジニアとして需要は高い」とも書かれています。サーバーエンジニア業務を中心に、IT全体の需要を捉えることができるエンジニアが今後も必要であること分かります。
関連記事 : インフラエンジニアの将来性|クラウド化で今後の需要や転職に必要なスキルは変わる?
サーバーエンジニアの今後の需要
主にサーバーの設計、構築、運用・保守を仕事としているサーバーエンジニアは、AWSやGCPなどのクラウドを使ったサーバーの普及により、業務内容が変化していくことが考えられます。
特にクラウドサービスはサーバーの運用と保守を自動化しているため、サーバーエンジニアが行っていた運用と保守の業務は減少していくと考えられます。その代わりに、クラウドを使った環境構築や、クラウドの仕組みなどはスキルとして身につけなくてはいけません。
需要あるサーバーエンジニアになるためには、基本的なスキルを身につけつつ、クラウドを中心とした新しいスキルを身につけていく必要があるでしょう。
サーバーエンジニアの求人・案件数
2021年5月時点で、レバテックフリーランスのサーバーエンジニアの求人・案件数は2,000件以上ありました。その中でも、クラウドサービス関連の構築や技術支援ができるエンジニアを募集している求人・案件が多数出ています。
また、クラウドサービス以外の案件では、LinuxやWindowsといった代表的なOSを用いての環境構築や、企業に導入しているサービスの保守など、開発から保守まで幅広い業務領域を任される案件が多くありました。
また、多くの案件でサーバーエンジニア経験が条件に提示されており、中には「経験何年以上」と指定している案件もありました。
サーバーエンジニアは任せられる業務内容も幅広いため、スキル要件も多岐にわたります。SQLのスキルやデータ移行のスキルなどデータベース周りの知識から、BtoBあるいはBtoCのWebサービス運用経験など、サーバー周りのスキルを複数持っているような、幅広い分野で活躍する人物を募集している案件が多い傾向にあります。
比較的高単価の案件になると、クラウドの構築、設計、提案といった最新サービスに関する案件が多くなっています。サーバー周りの幅広い知識を身につけつつ、クラウドなどの最新のスキルを身につけることで、より高単価で条件の良い案件と出会えるチャンスが増えるでしょう。
関連記事 : サーバーエンジニアの仕事内容
これからのサーバーエンジニアに必要なスキル
サーバーエンジニアとして活躍するためには、以下のスキルが必要になります。次項からそれぞれのスキルについて詳しく解説します。
- クラウドサービスを扱うスキル
- プログラミングスキル
- コンテナの知識
- CI/CDツールの知識
- セキュリティの知識
クラウドサービスを扱うスキル
クラウドが急速に普及している現在では、サーバーエンジニアもクラウドサービスを扱うスキルが必要といえるでしょう。
AWSをはじめ、さまざまなクラウドサービスがありますが、クラウドサービスごとに構築方法が異なり、設計に関してもインフラ周りの知識が必要です。そのため、クラウドとインフラに関してのスキルは重要なスキルとなります。
プログラミングスキル
サーバーエンジニアは、コマンドだけでなくサーバー用のプログラミング言語もスキルとして身につける必要があります。データベースを直接操作するSQLやTTLといったサーバーエンジニアの業務で使う代表的な言語も覚える必要があるでしょう。
また、サーバーエンジニアの業務効率化のために、PythonやRubyなどの言語を覚えておくことも有効な手段です。
コンテナの知識
サーバーエンジニアとしてアプリ開発を効率的に行うためには、コンテナの知識が重要になります。アプリケーションを開発するには、開発環境の構築から検証、本番環境への移行などの作業が必要ですが、コンテナ技術を使用することによってその作業をスムーズに行うことができます。
しかし、コンテナ技術のシステムに関してはサーバー周りの業務を行っていないと理解できないことも多く、ある程度サーバーサイド業務に慣れていないと勉強が難しい部分があります。そのためコンテナ技術の勉強は、仮想環境のアプリ開発に慣れてからのほうがよいでしょう。
CI/CDツールの知識
需要があるサーバーエンジニアを目指す場合は、CI/CDツールを用いた開発方法を身につけておきましょう。最近では、アプリケーションの開発の高速化が求められています。そのため、システムの実行から本番環境へのデプロイを自動で行うCI/CDツールは、サーバーエンジニアの開発環境にますます普及していくでしょう。
新しい技術であるため、スキルを身につける機会はそれほど多くないかもしれませんが、その分CI/CDツールのスキルを身につけたサーバーエンジニアは需要が高まります。
セキュリティの知識
総務省「令和2年版情報通信白書」によると、企業のIT化が浸透している現代社会で、サイバーセキュリティのリスクに対応できる人材が不足している現状が明らかになっています。
※参考 : 総務省|令和2年版 情報通信白書|サイバーセキュリティに係るリスクの高まり
IoTや5Gなど新しいテクノロジーが普及していく分、サーバーに対するセキュリティリスクも多様化していくことが考えられるため、EPP(エンドポイント保護プラットフォーム)や、AWS IAM(ユーザーアクセスと暗号化キーの管理)など、新しい技術に対するセキュリティの知識も必要です。
関連記事 : 未経験からサーバーエンジニアになるには|仕事内容や転職に必要なスキル、資格は?
サーバーエンジニアの年収
2021年5月時点でレバテックフリーランスに公開されているサーバーエンジニアの求人・案件の平均月額単価は64万円であり、最高単価が135万円、最低単価が13万円となっています。それぞれ12ヶ月分を年収として計算すると、平均年収は下記のようになります。
| 平均年収(フリーランス) | 768万円 |
|---|---|
| 最高年収 | 1620万円 |
| 最低年収 | 156万円 |
こちらはあくまでもレバテックフリーランスに掲載されているフリーランス向け案件の単価をもとに算出した、税金や保険料を差し引く前の金額です。そのため、サーバーエンジニア全体の平均年収を表したものではありません。
関連記事 : サーバーエンジニアの年収
サーバーエンジニアに必要な資格
サーバーエンジニアにとって資格は必須ではありません。しかし、資格取得をしておくとサーバーエンジニアのキャリアを形成していく上で、さまざまなメリットが生まれます。
サーバーエンジニア関連の試験内容は、サーバーエンジニアの業務に直結する問題が多く、サーバー構築などの実務試験もあることも特徴です。そのため、サーバーエンジニア関連の資格を取得することで、サーバーエンジニアの業務スキルを上げることができます。
資格を取得することによって、自身がサーバーエンジニアとしての知識を持っている人材であり、エンジニアとしての向上心も持ち合わせていることの証明につながります。エンジニアとして転職するときに、一番重要視されることが「実務経験」ですが、実績を示せない未経験者にとっても資格取得はアピール材料となります。
サーバーエンジニアの資格は数多くありますが、その中でも代表的な資格には以下の3つのようなものがあります。次項からそれぞれの資格について詳しく解説します。
- LinuC(Linux技術者認定試験)
- Microsoft試験 98-365: Windows Server Administration Fundamentals
- AWS認定試験
LinuC(Linux技術者認定試験)
「LinuC(Linux技術者認定試験)」は、NPO法人LPI-Japanによって運営されている試験です。サーバーエンジニアの多くがOSとして触れるであろうLinuxについての問題が出題されます。
レベル1、レベル2、レベル3と3つのレベルに試験が分かれており、レベルが上がるに連れて難易度が上がります。レベル1、レベル2はLinuxを使っての環境構築や基本的なコマンドが出題されるため、初心者でも半年ほどの勉強時間で合格を狙えるでしょう。
レベル3になると、セキュリティを考慮しながらのサーバー構築などより専門的な内容が含まれるため、OSを実装した経験がないと難しい試験内容になります。サーバーエンジニアとして即戦力になる人材を目指す場合は、レベル3合格を目標にしましょう。
※参考 : IT資格といえば LinuC | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan
Microsoft試験 98-365: Windows Server Administration Fundamentals
「Microsoft試験 98-365: Windows Server Administration Fundamentals」は、マイクロソフト社が運営する試験です。合格すれば、Windows Serverの管理の概念とテクノロジに精通していることを証明できます。
ただし、マイクロソフトの認定資格は定期的に内容がリニューアルされており、本試験も2022年6月30日に廃止予定とされているので注意しましょう。
※参考 : Exam 98-365: Windows Server Administration Fundamentals - Learn | Microsoft Docs
※参考 : The future of Microsoft Technology Associate (MTA) certifications - Microsoft Tech Community
AWS認定試験
「AWS認定試験」は、AWSというクラウドサービスを世界中に展開しているAmazon社が運営している試験です。急速に普及しているAWSサービスを中心として試験が出題されます。
試験の内容は、サーバー技術だけでなくクラウドサービスやデータの処理方法、AI技術に関してなど、最新技術についても出題されます。資格の種類はレベルや専門分野に応じてさまざまですが、この資格を取得すれば、サーバーエンジニアとしてのスキルだけでなく、AWSやAIの知識も豊富な需要あるエンジニアであることを証明できるでしょう。
※参考 : AWS 認定 – AWS クラウドコンピューティング認定プログラム | AWS
関連記事 : サーバーエンジニアの資格|転職やスキルアップにおすすめの資格は?
サーバーエンジニアのキャリアパス
サーバーエンジニアのキャリアパスの代表的な例としては、以下の3つが挙げられます。次項からそれぞれのキャリアパスについて詳しく解説します。
- インフラエンジニア
- クラウドエンジニア
- セキュリティエンジニア
インフラエンジニア
サーバーエンジニアの仕事をひと通り経験した後は、インフランジニアとしてキャリアを積むというキャリアパスがあります。インフラエンジニアとは、サーバーだけでなく、サービスを提供するためのネットワークなどを含むインフラ全般の業務を担うエンジニアのことです。
インフラエンジニアの業務は大きく分けて設計、構築、運用の3種類があります。サーバーエンジニア業務に比べてインフラ全体の業務を行うため、手掛ける範囲が広くなることが特徴です。
サーバーエンジニアとしての業務よりもさらに視野を広げ、インフラ全体の業務に目を向けてみましょう。
クラウドエンジニア
最新技術に興味のある人は、需要の高いクラウドエンジニアにキャリアチェンジするのもよいでしょう。IT化に伴いシステムを取り入れている企業は現在、物理的サーバーを置くオンプレミスからクラウドに移行してきています。そのため、これからはクラウドの知識に特化したエンジニアのニーズも高まるでしょう。
AWSやGCPなどのクラウドサービスの種類から、コンテナや宣言型APIの活用など専門的なクラウドのスキルを持つことによって、より需要の高いクラウドエンジニアを目指すことができます。
セキュリティエンジニア
企業や個人のIT化が進んでいく中で、人材が不足している分野がセキュリティです。クロスサイトスクリプティングのようなアプリケーション攻撃や、ビッグデータ流出のような大きなサーバー攻撃までセキュリティの脆弱性を脅かす問題は後を絶ちません。
そのため、セキュリティに詳しいセキュリティエンジニアが常に必要とされています。セキュリティエンジニアに対しての需要は今後さらに増えていくでしょう。
エンジニアとしての業務だけでなく、サーバーエンジニア関連の試験にもセキュリティの問題が出題されます。そのため、セキュリティエンジニアとしてキャリアチェンジしたい人は、業務以外でもセキュリティについての勉強を始めることをおすすめします。
関連記事 : インフラエンジニアのキャリアパス|転職の選択肢や資格、女性のキャリア形成を解説
最後に
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