脱サラとは?失敗する人の特徴や成功させるポイントを紹介

「会社の方針に縛られず、自分のやりたいことで生計を立てられないだろうか」と独立を考える方は多いのではないでしょうか。

この記事では、脱サラ後の収入の実態についてデータに基づき解説します。また、脱サラという言葉の意味やメリット・デメリット、失敗しやすい人の特徴、成功するためのポイント、おすすめの職種・仕事例もまとめています。脱サラを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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脱サラとは

脱サラとは、「脱サラリーマン」の略で、会社員を辞めて自分で事業を始めることを指します。

脱サラ後の働き方はさまざまで、個人事業主やフリーランスになる方、会社(法人)を設立する方などがいます。

個人事業主とフリーランス、法人の違いについて知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
個人事業主とは?フリーランスとの違いや手続き・メリットを解説

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脱サラする3つのメリット

脱サラには数多くのメリットがあります。ここでは、脱サラの主要なメリットを3つ紹介します。

脱サラのメリット

1.やりたいことができる

脱サラすると、自分のやりたいことに集中できます。会社勤めの場合、その会社の規則や方針に従う必要がありますが、独立すると自分の判断で仕事の内容や方向性、やり方などを決められます

たとえば、エンジニアであれば、自分が興味を持つ技術領域に特化したプロジェクトに参画し、スキルを磨けるのです。会社を設立する場合も同様に、自身の裁量で事業を進められます。

このように、自分の興味に基づいて仕事ができることは、仕事に対するモチベーションを高め、結果として成果にも良い影響を与えるでしょう。

2.働く場所や時間を選べる

参画したい案件やクライアントとの契約内容によりますが、脱サラ後は基本的に働く場所や時間を自分で決められるようになります。会社員はオフィスへの出社や勤務時間が決まっているのが基本ですが、個人事業主として独立すると仕事内容以外に働く場所や時間なども含めて案件の詳細を確認・合意してから契約できます

会社設立では事業所の設置や就業規則の制定などが必要ですが、法令に違反しない範囲でこうした内容を自身の判断で決定することが可能です。

自分の能力を発揮しやすい環境や時間帯で業務に取り組むことで、生産性の向上が期待できるでしょう。

3.収入アップにつながる可能性がある

脱サラによって、会社員時代よりも収入が増える可能性があります。会社員は決められた給与体系の中で働くため、基本給や各種手当が高くても一定以上の収入は得にくい傾向があります。しかし、独立すると自分の市場価値に見合った報酬で契約ができるため、保有するスキルや市場のニーズに応じて収入を増やすチャンスが広がるのです。

特に専門性の高いスキルを持っていると市場価値が上がり、会社員時代を上回る収入を得られるケースが珍しくありません。また、複数のクライアントと契約することで、収入源を増やすこともできるでしょう。

会社を設立した場合は、会社の利益を役員報酬や配当として得ることができるため、事業の成長によって収入増を目指せる可能性があります。

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脱サラするのときの注意点

脱サラには多くのメリットがある一方で、注意すべき点もあります。ここでは、特に重要な3つの注意点について詳しく解説します。

収入が不安定な傾向がある

脱サラする際の注意点として、収入が不安定な傾向があることが挙げられます。会社員は毎月固定給が支給されるのに対し、独立すると獲得した案件数と単価に応じ、売上・収入が変動するからです。

たとえば、案件数の多い月は高収入を得られる一方で、案件がない月は収入がゼロになります。特に、季節性のある事業では、繁忙期と閑散期で収入に差が生じることも珍しくありません。

このような収入の不安定さに対処するためには、複数の収入源を確保することが推奨されます。

クレジットカードやローンの審査に通りにくくなる

脱サラ後は、クレジットカードやローンの審査に通りにくくなる可能性があります。前述したように、安定した収入がある会社員と比べて「収入が不安定で社会的信用度が低い」と判断されることが多いからです。

たとえば、直近の収入が多くても、「今後継続して同様の収入を得られるのか分からない」「収入が減少した場合に返済が滞るのではないか」と思われてしまうのです。

特に独立直後は実績が少ないため、審査通過が難しくなるでしょう。

このため、独立前に必要なクレジットカードを作っておく、ローンを組んでおくといった対策をすることをおすすめします。

確定申告をする必要がある

脱サラして個人事業主やフリーランスになると、確定申告を自身で行う必要があります。個人事業主やフリーランスが行う確定申告とは、所得にかかる税金を計算し、税務署に申告・納税する手続きのことです。会社員時代は年末調整によって会社が代行していましたが、独立後は自身で対応しなければなりません。

法人を設立した場合も、同様に法人として確定申告を行う必要があります。個人事業主やフリーランスの確定申告は所得税が対象ですが、法人の場合は「法人税」「法人住民税」「法人事業税」「消費税」の4種類です。
個人事業主やフリーランスの確定申告よりも複雑であり、専門的な税務知識が求められる場面が多くあるため、税理士への代行依頼も視野に入れると良いでしょう。

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独立後の収入の実態

脱サラ後、事業が成功するかどうか、十分な年収を得られるのかどうかは人によって異なります。

日本政策金融公庫総合研究所の「2024年度新規開業実態調査」によると、開業直前の職業として「正社員・正職員(管理職・管理職以外を含む)」と回答した人が72.8%を占めており、多くの開業者が会社員経験を持つことが分かります。

このうち、2024年度の採算状況について「黒字基調」と回答した開業者は67.3%でした。開業に成功している人は多い傾向にあるといえるでしょう。

2024年度の採算状況

引用元 : 2024年度新規開業実態調査|日本政策金融公庫総合研究所

なお、年収については、フリーランス協会の「フリーランス白書2025」によると、年収400万円未満のフリーランスは47.2%、400万円以上は47.7%となっています。

フリーランスの年収分布

引用元 : フリーランス白書2025|フリーランス協会

また、同調査によれば、1週間あたりの稼働時間と平均報酬には比例関係が見られます。
具体的には、週20~40時間未満の稼働で月5万円~10万円未満の収入を得られる割合は24.1%です。一方、週40~60時間未満の稼働では52.9%、60時間以上では46.7%まで上昇することが分かりました。

1週間あたりの稼働時間と平均報酬の割合

引用元 : フリーランス白書2025|フリーランス協会

この結果から、より高い年収を得るためには、ある程度の稼働時間が必要になると考えられるでしょう。

参考:
2024年度新規開業実態調査|日本政策金融公庫総合研究所
フリーランス白書2025|フリーランス協会

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脱サラで失敗する人の特徴

脱サラはすべての人に適しているわけではなく、失敗するケースも少なくありません。ここでは、脱サラ後に苦戦する人に共通する特徴を3つ紹介します。

経験やスキルのない分野で事業を始める

脱サラに失敗する人の特徴として、経験やスキルのない分野で事業を始めてしまうことが挙げられます。「好きなこと・やりたいこと・市場ニーズが高いこと」と「稼げること」は、必ずしも一致しないという現実を見落としがちです。

たとえば、エンジニアが店舗運営や食品衛生管理、接客などの知識やスキルがないまま飲食店経営に挑戦した場合、競争の激しい飲食業界で生き残るのは難しいでしょう。

自己管理能力が低い

脱サラ後に苦戦する人は、自己管理能力が低い傾向があります。会社員時代は組織のルールや上司のチェックによって仕事が進みますが、独立すると、すべてを自分でコントロールしなければなりません

自己管理能力が低くタスク管理ができない場合、生産性や品質が低下し、事業継続が難しくなるでしょう。

会社員時代の成功に固執している

脱サラに失敗しやすい人の特徴として、会社員時代の成功体験への過度な依存が挙げられます。会社員時代は、組織の社会的信用やブランド力、他部署・他職種からのサポートなどに支えられて成果を上げていた面が大きいものです。

しかし、独立後は個人の実力のみで業務を遂行する必要があり、信用関係も一から構築していかなければなりません。そのため、会社員時代には容易に達成できていたことが独立後にできなくなり、モチベーションが低下する人もいます。

会社員時代の成功体験を活かしつつも、独立後の環境に適応した柔軟な思考や行動ができないと、事業の成長は難しいでしょう。

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脱サラを成功させるための4つのポイント

脱サラを成功させるためには、しっかりとした準備が必要です。ここでは、独立を検討している人が特に押さえておくべき4つのポイントを紹介します。

1.綿密な事業計画を立てる

脱サラを成功させる第一歩は、綿密な事業計画を立てることです。無計画で独立すると、「案件が獲得できない」「思ったほどの収益が得られない」といった厳しい現実に直面し挫折するリスクが高まります

事業計画では、以下の項目を明確にすることが重要です。

  • 提供するサービスや商品の具体的な内容
  • ターゲットとなる顧客層
  • 競合との差別化ポイント
  • 収益モデル
  • 価格設定
  • 初期投資額と運転資金

事業計画の策定においては、市場リサーチが不可欠です。リサーチにより、市場ニーズや競合状況を把握でき、需要のある商材を見極めたり、競合との差別化ポイントを明確にしたりできます。

また、人脈に頼ることも検討しましょう。既存の人脈を通じて顧客を獲得したり、事業に関する助言を得たりして、スムーズに事業を立ち上げられる可能性が高まります。

さらに、すぐに独立するのではなく、副業として会社を辞めずに事業を開始することも考えてみましょう。この方法であれば、リスクを抑えつつ、事業を立ち上げられるか検証できます。

2.十分な資金を準備する

事業をスムーズに開始し安定的に運営をしていくには、開業前に初期費用と運転資金を十分に準備することが重要です。検討すべき具体的な資金は、開業費と資金調達額です。

開業費は事業を始めるために使用する費用のことで、設備購入費や店舗改装費、広告宣伝費などが該当します。一方、資金調達額は事業資金として、銀行からの融資や投資家による出資、自己資金などを合わせた総額のことです。

たとえば、開業費が500万円必要な場合でも、事業開始後の運転資金や予期せぬ出費に備え、これより多い金額を調達するケースが一般的です。

日本政策金融公庫の調査によると、2024年度の開業費用としてかかった額は、「250万円未満」が20.1%、「250万~500万円未満」が21.0%でした。500万円未満で開業する人は、全体の41.1%を占めているという結果です。
なお、開業費用の平均値としては985万円、中央値は580万円となっています。

対して、資金調達額の平均は1,197万円です。資金調達の内訳は、「金融機関等からの借入(平均780万円)」が65.2%で、「自己資金(平均293万円)」が24.5%となっています。

事業の種類によるものの、開業前には、平均調達額に近い約1,200万円程度の資金を調達しておくと安心と考えられるでしょう。

参考:2024年度新規開業実態調査|日本政策金融公庫総合研究所

3.助成金や補助金を活用する

脱サラを成功させるためには、国や地方自治体が提供する助成金や補助金を積極的に活用することも重要です。これらの制度を利用することで、開業や事業にかかる費用の負担を軽減し、事業の安定化を図ることができます

一例としては、以下のようなものがあります。

個人事業主やフリーランス向けの助成金・補助金にはほかにもさまざまな種類があるため、より詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
【2024年最新】フリーランス・個人事業主向けの給付金・助成金・補助金まとめ

4.税金や社会保険などの知識も身につけておく

脱サラを成功させるためには、税金や社会保険に関する知識を身につけることが欠かせません。会社員時代は会社が代行してくれていた手続きを、自分で行う必要があるからです。

たとえば、確定申告の知識がないと、記載漏れや手続き遅延により、無申告加算税や延滞税が課されたり税務調査の対象となったりするリスクが高まります。

また、退職すると会社で加入していた社会保険から脱退することになるため、国民健康保険への加入手続きを行わなければなりません。国民健康保険に加入するまでの医療費は全額自己負担となるうえ、最長で2年間、保険料をさかのぼって請求されます。

さらに、社会保険には厚生年金と国民年金も含まれますが、このうち国民年金は退職後に加入手続きをして保険料を払わなければなりません。支払わない場合、延滞金が発生する可能性があります。

なお、会社を設立した場合には、法人税といった法人特有の税金の支払いに加え、自身や従業員の社会保険・厚生年金への加入と保険料の支払い義務が発生します。

参考:
確定申告を忘れたとき|国税庁
日本年金機構の取り組み(国民年金保険料の強制徴収)|日本年金機構

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脱サラ後に成功しやすい職種・仕事例

脱サラを検討する際は、独立後に成功確率の高い職種を選ぶことも重要です。ここでは、特に成功しやすいと考えられる4つの職種・仕事を紹介します。

1.エンジニア

脱サラ後に成功しやすい職種として、エンジニアが挙げられます。
エンジニアが独立後に成功しやすい背景としては、以下の理由があります。

  • IT分野に限らずIT需要が拡大している
  • 需要に対してIT人材が不足している
  • 年齢よりもスキルや経験が重視されるという業界特性がある

特に、特定の専門分野を深く追求することで、高単価な案件を獲得しやすくなります

個人事業主やフリーランスのエンジニアとして独立をお考えなら、レバテックフリーランスの活用がおすすめです。レバテックフリーランスは、IT分野に特化したエージェントとして、企業と個人事業主・フリーランスのマッチングを行っています。希望する稼働時間や報酬、業務内容に合った案件をご紹介できますので、ぜひご検討ください。

2.デザイナー

デザイナーも独立後に成功しやすい職種の一つです。企業のブランディングやマーケティングにおいてデザインの重要性が高まっているため、業界を問わず需要があります

デザイナーとして独立する際は、自分の得意分野を明確にしてアピールすることが重要です。たとえば「SaaSのUI/UXデザイン専門」「小売業のブ
ランディングデザイン専門」など、特定のジャンルやクライアント層に特化することで、差別化を図れます。

3.美容系サロンの経営

理美容院やネイル・エステサロンなど美容系サロンの経営も、脱サラ後の選択肢の一つです。

美容系サロンの経営では、独自のコンセプトや確かな技術力、質の高い接客によって他事業者との差別化を図ることが可能です。これにより、リピーターの増加、ひいては安定収入につなげやすいという特徴があります。口コミによる集客効果も期待できるでしょう。

4.飲食店の経営

飲食店の経営も脱サラ後の選択肢として考えられます。人々の食への需要は常にあるため、独自性のあるメニューや優れたサービスを提供できれば、顧客を獲得できる可能性があります

飲食店を成功させるためには、「誰に」「何を」提供するのか、明確なコンセプト設定が重要です。
たとえば、「健康を気遣う層に、栄養バランスの取れた料理を提供する」「お酒好きな人に、世界各国のビールを手軽に楽しんでもらう」というように明確化することで、他店との差別化を図ることができます。

※本記事は2025年11月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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