失業保険手当のもらい方は?受給条件や流れ・損をしないための注意点 | レバテックフリーランス
失業保険手当のもらい方は?受給条件や流れ・損をしないための注意点
失業保険手当は、被保険者期間が離職日以前の2年間のうち、労働した日数が11日以上ある日が12ヶ月以上あり、企業への就職意欲を持っていると受け取ることができます。働く意志がないのに受け取ると不正受給となるため、注意が必要です。以下に詳しく見ていきましょう。
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失業保険の概要
失業保険とは、失業者が安心して就職活動を行えるように、一定期間手当が支給される制度です。この手当は失業等給付と呼ばれており、幾つかの条件に該当する方がハローワークで申請すると受け取ることができます。
参考 :
第13章 失業等給付について - 厚生労働省
ハローワークインターネットサービス 雇用保険手続きのご案内
31日以上の雇用見込みがあり、週の所定労働時間が20時間以上の場合は、アルバイトでも加入が適用されるため、企業と雇用関係を結んでいる労働者の多くは関係のある保険だといえるでしょう。
失業保険と雇用保険
現在、失業保険法は廃止され、その代わりとして雇用保険法が制定されています。そのため、正確には失業保険ではなく雇用保険です。
しかし、当時のイメージや失業時に支給される手当というイメージから、現在でも失業保険として広く知られているため、そちらでも通じるでしょう。
確定申告について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
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失業保険手当の受給資格
失業保険手当を受け取るためには、離職日以前の2年間のうち12ヶ月以上の被保険者期間があり、ハローワークで求職の申込みを行う必要があります。
この手当は、企業に就職したいという意思と実際に働ける能力があるにもかかわらず、就職できない方に支給されます。そのため、以下のような方は受け取ることができません。
- 妊娠、出産、育児のため、今すぐには就職できない方※
- 病気や怪我をしており、今すぐには就職できない方※
- 結婚などにより、今すぐに就職しようという意思がない方
- 定年などで退職し、今すぐに就職しようという意思がない方
また、フリーランスを含む個人事業主になる意思を持って退職した方も、基本的には手当を受け取ることができません。その意志を隠して手当を受け取ると、不正受給となってしまうので注意が必要です。
※妊娠、出産、育児、疾病、負傷の場合はすぐには受け取れませんが、延長手続きをすることで受け取りを先延ばしすることができます
受給の要件
失業保険を受給するための要件は、大きく「ハローワーク窓口での求職活動を行っている」「ハローワーク窓口で各種手続きを行っている」「前職の職場で雇用保険への加入期間がある」の3つです。
ハローワーク窓口での求職活動を行っている
ハローワークでは、「失業の状態」を「就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、努力しても職業に就くことができない状態」と定義しています。
従って、失業保険の審査に当たっては、まず「働きたいという意思」と「働ける能力」を持っているかどうかが重視されます。
ここで言う「働きたいという意思」とは、ハローワークで求職の申込みを行うことや、実際に求職活動を行うことなどを指します。
また、「働ける能力」とは、現時点ですぐに働ける状態にあるかどうかを指します。(例えば、病気やけが、妊娠・出産・育児などにより退職後一定期間の休養が必要な場合、「すぐに働ける状態」に該当しないので、受給条件を満たすことはできません)
ハローワーク窓口で各種手続きを行っている
手続きの詳細については次項で解説いたします。
前職の職場で雇用保険への加入期間がある
失業保険の受給には、勤めていた会社での被保険者期間が必要です。(※被保険者期間は、雇用保険の被保険者であった期間を離職日から1ヵ月ごとに区切り、そのうち労働日数が給与支払いの基礎となる11日以上ある月をひと月として算出します)
ここで求められる雇用保険加入期間の長さは、退職の理由により異なります。
まず、懲戒解雇以外の解雇、退職勧奨、倒産、更新が予定されていた有期契約(3年~)の打ち切りといった会社都合退職の場合は、「離職日以前の12ヶ月間のうち、通算6ヵ月以上の被保険者期間があること」が条件となります。
また、労働者からの申し出により退職する「自己都合退職」の場合は、その申し出に正当な理由があるか否かによって、以下のように受給条件が定められています。
<正当な退職理由がある場合>
退職理由が「家族の介護」や「配偶者の転勤同行」「疾病」などの場合は、「離職日以前の12ヶ月間のうち、通算6ヵ月以上の被保険者期間があること」が受給条件となります。
<正当な退職理由がない場合>
上記以外の理由で自発的に退職した場合の多くは、「離職日以前の24ヶ月間に、被保険者期間が通算して12ヵ月以上あること」が条件となります。
(定年退職も、上記の正当な退職理由がない場合の自己都合退職と同様に「離職日以前の24ヶ月間に、被保険者期間が通算して12ヵ月以上あること」が条件となります。)
関連記事 : 個人事業主は再就職手当をもらえる?|受給条件と必要な証明書類
不正受給の罰則
すでに就職・就労しているのにそのことを申告せず手当を受け取っていた方や本来受給資格がないにも関わらず手当を受け取っていた方など、何らかの不正行為を行っていた方には罰則があります。
手当の支給が止まり、不正に受給した手当の返還と不正に受給した額の2倍以下の納付が命じられます。
失業保険の支給額
失業手当の支給額は、「基本手当日額」と「所定給付日数」をもとに算出されます。
「基本手当日額」とは1日あたりの受給額のことで、「所定給付日数」とは受給できる日数のことです。
受給期間について
雇用保険の受給期間は、原則として離職した日の翌日から1年間と定められていますが、失業の理由によっては期間が前後します。
たとえば、雇用保険の受給期間中に妊娠、出産、育児、病気、けがといった理由で継続して30日以上働くことができなくなった場合には、その日数に応じて受給期間を延長することができます。(最長3年間)
基本手当日額
失業保険(基本手当)で受給できる1日あたりの受給額を「基本手当日額」と呼びます。
「基本手当日額」の算出方法は以下の通りです。
基本手当日額の算出方法
賃金日額(退職前6ヵ月の賃金合計÷180)×給付率(45~80%)
※給付率については、前職の賃金が高かった人は低く、低かった人は高くなるように設定されています。
年齢区分ごとの上限額
「基本手当日額」は、加入者の年齢によって上限額が異なります。
年齢別の日額上限金額は、以下の通りです。
- ~29歳 6,945円
- 30歳~44歳 7,715円
- 45歳~59歳 8,490円
- 60歳~64歳 7,294円
失業保険手当受給の手順
失業保険手当は以下の手順を踏むことで受け取ることができます。
在職中の準備
受給手続きをスムーズに行うためにも、準備は在職中から行っておくことをおすすめします。在職中に「雇用保険被保険者証」があるかの確認、企業がハローワークに提出する「離職証明書」の記載内容(離職理由、離職日 など)の確認を行っておくと良いでしょう。「離職証明書」は自身で記載する項目があるため、その時に確認することができます。
受給資格の判定
離職後は、「雇用保険被保険者離職票(-1、2)」をはじめとする以下のものを持ち、ハローワークにて求職の申込みを行ってください。
- 雇用保険被保険者離職票(-1、2)
- 下記の個人番号確認書類のうちいずれか1つ
- (マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票(住民票記載事項証明書))
- 運転免許証やマイナンバーカードなど写真付きの身元確認書類、もしくは公的医療保険の被保険者証や児童扶養手当証明書などの身元確認書類2つ
- 最近の写真2枚(正面上半身、縦3.0cm×横2.5cm)
- 印鑑
- 本人名義の預金通帳もしくはキャッシュカード(一部指定できない金融機関あり)
雇用保険受給者初回説明会
受給資格が認められたら、雇用保険に関する説明が行われる雇用保険受給者初回説明会に出席しなければなりません。
受給資格があると決定した後に受け取る「雇用保険受給資格者のしおり」、印鑑、筆記用具などが必要です。
その説明会で1回目の失業認定日も知らされますので、失業認定日に提出しなければならない「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」を受け取ってください。
失業認定日
4週間に1度、記入した「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」を提出し、失業の認定を行う必要があります。認定を受けたら手当を受け取ることが可能です。手当は認定後、通常5営業日に指定の預金口座に振り込まれます。
フリーランスは基本的に失業保険手当を受け取ることができませんが、雇用保険の中に含まれる就職促進給付により、再就職手当や就業促進定着手当などを受け取れる場合があります。
その手当を受け取るためには、7日間の待機期間後に事業を開始している、所定支給日数が3分の1以上残っているなどの条件に該当していなければなりません。しっかりと受給資格を確認の上で手続きを行ってください。
フリーランスとして働くことが決まったら、単価や案件の内容などで悩みが出てくることでしょう。
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関連記事 : 退職時の離職票発行の手続き
失業保険に関するよくある質問
ここでは、失業保険に関するよくある質問に答えていきます。
Q. 失業保険手当を受けるための条件は何ですか?
失業保険を受けるためには、過去2年間で12カ月以上の雇用保険に加入していた必要があります。また、認定対象期間に一定回数の求職活動を行っていた実績が必要です。
Q. 失業保険の受給金額はどのように算出されますか?
失業保険の受給金額は、基本手当日額と給付日数で算出されます。基本手当日額は、離職日の直前6か月に毎月支払われていた賃金の合計を180で割って算出した賃金日額の45%〜80%です。45%〜80%のうち、どの給付率が適用されるかは年齢や賃金日額で変わります。
Q. 雇用保険と失業保険の違いは何ですか?
雇用保険とは、企業に雇われる従業員が加入する労働保険のひとつです。失業保険とは、退職をした方が経済的な心配をせずに就職活動できるよう、失業中にお金を支給してくれる制度です。
Q. フリーランスや個人事業主は失業保険手当を受け取ることができますか?
フリーランスや個人事業主は下記の条件をクリアすれば失業保険手当を受け取ることが可能です。
- 働く意思を持って求職活動をしている。
- 独立の準備や副業をしていない。
- 失業保険の待機期間中に開業届を提出していない。
Q. 失業保険を申請する際はどんな書類が必要ですか?
雇用保険被保険者離職票、マイナンバーカード、証明写真、本人名義の預金通帳・キャッシュカード等が必要です。
※本記事は2024年8月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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