個人事業主の国民健康保険料はいくら?高すぎる理由や目安額、安くするコツ | レバテックフリーランス
個人事業主の国民健康保険料はいくら?高すぎる理由や目安額、安くするコツ
「個人事業主になって気付いたけど、国民健康保険料ってこんなに高額なの?」と驚いた経験がある方がいるのではないでしょうか。
この記事では、個人事業主の国民健康保険料がなぜ高いのか、その理由を説明します。年収ごとの保険料の目安や保険料を抑える方法もまとめたので、自分の保険料を確認したうえで、負担を減らす方法を考えていきましょう。
個人事業主の国民健康保険と会社員の健康保険の違い
個人事業主が加入する国民健康保険と会社員が加入する健康保険の大きな違いは、「保険料の負担割合」と「扶養制度の有無」です。健康保険の場合、保険料は会社が半分負担してくれ、条件を満たす家族を扶養に入れることで家族分の保険料はかかりません。
一方、国民健康保険は保険料が全額自己負担となるうえに、扶養という概念がないため、家族の人数分だけ保険料が加算されます。そのため、個人事業主は会社員と同じ収入・家族構成であっても、保険料の負担が増えることになります。
以下の表では、国民健康保険と健康保険の主な違いをまとめました。
| 国民健康保険 (個人事業主) |
健康保険 (会社員) |
|
|---|---|---|
| 保険料の負担 | 全額自己負担 | 企業と折半 |
| 保険料の払い方 | 自分で払う | 給与から天引き |
| 保険料の計算 | 自治体が計算/ 前年の所得に応じて変動 |
企業が計算/ 給与額により変動 |
| 出産手当金・傷病手当金 | なし | あり |
国民健康保険だけではない!独立後の健康保険の選択肢
独立して個人事業主になった場合、国民健康保険への加入が一般的ですが、実はそれだけが選択肢ではありません。国民健康保険以外にも以下の選択肢があります。
| 保険加入の選択肢 | 概要と特徴 |
|---|---|
| 会社員時代の健康保険を任意継続する | ・退職前に入っていた健康保険を継続する ・退職日翌日から20日以内に手続きすれば最長2年間入れる |
| 国民健康保険組合の保険に加入する | ・特定の業界、職種の人が入れる ・保険料は組合によって異なる |
| 扶養に入る | ・両親や配偶者の健康保険に入る ・本人は保険料を払わなくて済む |
これから個人事業主として独立する方は、以下の記事も参考にしてください。
【年収ごとの早見表】個人事業主の国民健康保険料の目安
ここでは、世田谷区が公開している情報をもとに、令和7年度における1人分の保険料を早見表にしました。
なお、保険料は年収によって異なるので注意してください。、以下はあくまで目安であり、自治体によって計算方法や料率も異なります。また、賦課限度額の改定により、高所得世帯では実際の負担額が試算より増える場合があります。
| 年間所得額(各種収入から 経費を差し引いた額) |
介護保険料なしの場合 (0〜39歳または65〜74 歳) |
介護保険料ありの場合 (40〜64歳) |
|---|---|---|
| 300万円 | 33万1,380円 | 40万5,805円 |
| 350万円 | 38万3,380円 | 46万9,055円 |
| 400万円 | 43万5,380円 | 53万2,305円 |
| 450万円 | 48万7,380円 | 59万5,555円 |
| 500万円 | 53万9,380円 | 65万8,805円 |
| 550万円 | 59万1,380円 | 72万2,055円 |
| 600万円 | 64万3,380円 | 78万5,305円 |
| 650万円 | 69万5,380円 | 84万8,555円 |
| 700万円 | 74万7,380円 | 91万1,805円 |
| 750万円 | 79万9,380円 | 96万9,380円 |
| 800万円 | 85万1,380円 | 102万1,380円 |
国民健康保険料の内訳と計算方法
正確な国民健康保険料を把握したい方に向けて、保険料の計算方法を紹介します。保険料の内訳を知ったうえで、実際の計算式を使って自身の保険料を確かめてみましょう。
保険料の内訳
国民健康保険料の内訳は、3つの項目に分かれています。ベースとなる「医療分」、高齢者医療制度を支えるための「後期高齢者支援金分」、そして40歳以上が負担対象となる「介護分」の3つです。
そして、「医療分」「後期高齢者支援金分」「介護分」の金額は、それぞれ以下の3つの要素を合計して決定されます。
- 所得割
- 均等割
- 平等割
所得割は前年の所得に応じて計算される部分で、所得が多いほど負担額が大きくなる仕組みです。均等割は加入者一人あたりに課される定額部分で、世帯人数が多いほど合計額が大きくなります。平等割は一世帯あたりに課される定額で、世帯の人数に関わらず一定です。自治体によっては平等割がない場合もあります。
保険料の計算方法

国民健康保険料は、医療分・支援金分・介護分のそれぞれに対して、「所得割」「均等割」「平等割」を算出し、それらをすべて足し合わせることで最終的な保険料が決まります。
「均等割」と「平等割」は自治体ごとに金額が決まっています。「所得割」の額は以下の式を使って算出しましょう。
-
(前年の所得 - 基礎控除額)× 料率
料率は自治体によって異なります。基礎控除額は、合計所得金額が2,400万円以下の場合は43万円です。
世田谷区の場合の計算例
具体的な事例として、以下の条件で東京都世田谷区における1年間の国民健康保険料を計算する手順を見てみましょう(世田谷区では「均等割・所得割」を採用)。
- 年齢:40歳
- 前年の所得金額:600万円
- 家族構成:単身
【世田谷区の所得割の料率と均等割額(令和7年)】

(1)賦課基準額を求める
所得割の計算するうえでは、所得割のベースとなる「賦課基準額」を求める必要があります。賦課基準額とは、前年の所得から基礎控除を差し引いた金額です。
-
賦課基準額:600万円(前年の所得) - 43万円(基礎控除) = 557万円
(2)医療分・後期高齢者支援金分・介護分の「所得割」と「均等割」を計算する
医療分
-
均等割:1人 × 47,300円 = 47,300円
所得割:557万円 × 7.71% = 42万9,447円
後期高齢者支援金分
-
均等割:1人 × 16,800円 = 16,800円
所得割:557万円 × 2.69% = 14万9,833円
介護分
-
均等割:1人 × 16,600円 = 16,600円
所得割:557万円 × 2.25% = 12万5,325円
(3)すべてを合計する
医療分・後期高齢者支援金分・介護分のすべての金額を足し合わせた78万5,305円が年間の国民健康保険料となります。
-
国民健康保険料: 47,300円 +429,447円+ 16,800円 + 149,833円 + 16,600円 + 125,325円 = 785,305円
同じ所得でも世帯人数や自治体によって金額は変わりますので、ご自身の状況に合わせた計算を行ってください。また、国民健康保険料は各区分に年間で支払う上限額(世帯最高限度額)が設定されています。
国民健康保険が高すぎるときに安くする方法9選
個人事業主にとって国民健康保険料の負担は重く感じられますが、いくつかの方法を活用することで、負担を軽減できる可能性があります。以下で具体的な方法を確認しましょう。
1.国民健康保険組合の保険に入る
業種によっては、国民健康保険組合(国保組合)に加入することで、保険料を抑えられる可能性があります。国保組合とは、同じ職業に従事する人たちが共同で運営する保険制度です。
建設業や土木建築業、医師、歯科医師、薬剤師、弁護士、税理士など、多くの職種で国保組合が存在します。国保組合は一般の国民健康保険よりも保険料を安く設定しているケースがあり、付加給付が充実している場合もあります。
2.会社員時代の健康保険を任意継続する
会社を退職して個人事業主になる方は、会社の健康保険を任意継続する方法があります。これは退職後20日以内に手続きをすれば、最大2年間、元の健康保険に加入し続けることができる制度です。
任意継続の場合、保険料は退職時の給与額によって決まります。在職中と違って全額自己負担となるため、会社員のときの約2倍の保険料になると考えれば良いでしょう。ただし、扶養家族の保険料はかからないため、扶養家族がいる人は国民健康保険よりも世帯全体の保険料を抑えられます。
参考:健康保険任意継続制度(退職後の健康保険)について|全国健康保険協会
3.家族の扶養に入る
配偶者や両親が会社員で健康保険に加入している場合、その扶養に入ることで保険料負担をゼロにできる可能性があります。年収130万円未満であれば、被扶養者として認められ本人の保険料負担なしで健康保険に加入することが可能です(年収条件は年齢により異なります)。
独立したばかりで収入が安定しない時期に関しては、この選択肢が最も経済的です。ただし、扶養に入るために意図的に収入を抑制することは事業の成長を妨げる可能性があるため、長期的な視点も忘れないようにしましょう。
4.世帯を合併または分離する
世帯を合併または分離すると保険料が安くなるケースがあります。世帯の合併とは、住民票上で世帯が違う同居家族の世帯を一つにまとめることです。世帯の分離とは、同居家族の住民票上の世帯を分けることです。
たとえば、それぞれ国民健康保険に加入している親と子の世帯を合併すると、世帯ごとに定額でかかる「平等割」が1世帯分で済むようになります。
ただし、保険料を安くすることだけを目的とした世帯合併・分離は受理されない可能性があるので注意してください。加えて、自治体によっては夫婦間の世帯分離は認めていない場合もあります。
また、自治体によって採用している計算方式が異なるため、実際にどのくらい保険料が安くなるのかはあらかじめ自分で計算して確認しましょう。世帯合併・分離を行うと、税金や年金といったほかの制度にも影響する可能性があるため、総合的に判断することも必要です。
5.経費をもれなく計上する
国民健康保険料は前年の所得をベースに計算されるため、経費を計上して適正に所得を抑えることが大切です。たとえば、以下の費用は、経費として計上できます。
- 自宅の一部を事務所として使用する場合の家賃や光熱費の一部
- 仕事に使うスマートフォンやインターネット料金の通信料
- 仕事で使う書籍代
経費にできるものの詳細については、以下の記事を参考にしてください。
6.青色申告特別控除を受ける
確定申告で青色申告を選択すると、最大65万円の特別控除を受けられるため、課税所得が減少し、結果的に国民健康保険料の軽減にもつながります。
青色申告の特別控除を受けるには、事前に「青色申告承認申請書」を提出し、日々の取引を複式簿記で記録しなければなりません。65万円の特別控除を受けるためには、これに加えて電子申告(e-Tax)を利用すること、貸借対照表を含む確定申告書を提出することが条件となります。なお、e-Taxを利用しない場合は55万円、簡易的な帳簿づけの場合は10万円の控除となります。
7.経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)に入る
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)に加入することも、国民健康保険料の軽減につながります。経営セーフティ共済は、取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐための共済制度です。経営セーフティ共済に加入すれば、取引先が倒産した場合に無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)までの借り入れが可能です。
経営セーフティ共済では掛金の全額を必要経費にできるため、国民健康保険料の計算のもととなる所得を抑えられる点から保険料の軽減に有効です。月々の掛金は5,000円から20万円まで自由に設定でき、最大800万円まで積み立てられます。
解約する場合も40ヵ月以上掛金を納めていれば、掛金の全額が戻ってきます。ただし、頻繁な解約と再加入に対しては制限があるので注意が必要です。一度解約すると、その後2年間は再加入しても掛金・損金を経費に算入できない資産計上となるため、経営セーフティ共済は長期的な視点で活用しましょう。
8.マイクロ法人を設立する
国民健康保険料を軽減する一つの選択肢として、「マイクロ法人」を設立する方法もあります。マイクロ法人は法的な区分ではなく、代表者が1人で設立する小規模法人の呼称です。会社法上においては通常の法人と同様の扱いであるため、設立の際は会社設立登記を行う必要があります。
個人事業主としてのメイン事業は残しつつ、別の事業でマイクロ法人を設立すると、国民健康保険から外れて法人の社会保険(健康保険・厚生年金)に加入することになります。社会保険には扶養の概念があるため、扶養家族分の保険料負担がなくなります。また、法人から自分に支払う「役員報酬」を少額に設定することで、社会保険料を抑えることが可能です。
以下の記事では法人化のメリットとデメリットを比較しているので、詳しい情報を知りたい方は参考にしてください。
9.免除・減免制度を利用する
前年と比較して収入が著しく減少した場合や災害に遭った場合、産前産後の期間中など、一定の条件を満たすと国民健康保険料の免除や減免を受けられる場合があります。
前年の所得が一定基準を下回る世帯は、均等割・平等割の定額負担(応益分保険料)が「7割・5割・2割」のいずれかの割合で減額されます。また、未就学児の均等割が一律で5割軽減されたり、出産時には産前産後の保険料が4ヶ月分免除されたりする仕組みもあります。
利用条件や実際の減免額は自治体や状況によって異なるため、保険料の支払いに困ったときや生活状況が変わったときは、まず自治体の窓口に相談してみましょう。
【節税に有効!】国民健康保険料は社会保険料控除の対象になる
国民健康保険の保険料は「社会保険料控除」として所得から差し引けます。課税所得が少なくなれば税負担を軽減できるため、確定申告の際には忘れずに申請しましょう。社会保険料控除は、国民健康保険料だけでなく、国民年金保険料といったその他の保険料もその全額が対象となります。
参考:社会保険料控除|国税庁
また、「国民健康保険料の負担が大きい…」という悩みを根本から解消するには、今より年収を増やすことにも目を向けましょう。国民健康保険には年間で支払う額に上限があるため、一定以上の所得を超えればそれ以上保険料負担が増えることはありません。
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個人事業主が入る国民健康保険に関するよくある質問
ここでは、個人事業主が抱きがちな国民健康保険に関する疑問に答えていきます。
Q.個人事業主の国民健康保険料が高いのはなぜ?
会社員は会社が保険料の半額を負担してくれますが、国民健康保険では全額自己負担となるため、実質的な負担感が約2倍になります。国民健康保険料は前年の所得をベースに計算されるため、収入が安定しない個人事業主にとっては、収入が減少した年の保険料の負担が大きく感じられることもあるでしょう。
さらに、国民健康保険には扶養の制度がないため、家族分の保険料を支払わなくてはならないことも、会社員の健康保険と比べて負担が大きいと感じる理由です。
Q.国民健康保険料を払わないとどうなる?
決められた期間中に健康保険料を払わないと、延滞金がかかる可能性があります。催促に応じないと、財産が差し押さえられる場合もあります。国民健康保険には免除・減免制度があるので、払えないときは放置せず自治体の窓口に相談しましょう。
Q.国民健康保険料を安くする方法はある?
青色申告を選択して特別控除(最大65万円)を受けたり、経費をもれなく計上したりすることで、課税所得を減らせば結果的に保険料を抑えられます。また、家族の扶養に入れる条件を満たす場合は、扶養に入ることで保険料負担をゼロにできます。
ほかには、同業者で組織される「国民健康保険組合」に加入し保険料を抑える方法もあるでしょう。国民健康保険組合は、国民健康保険より保険料が低い場合があります。建設業、医師、弁護士など職種別の組合があるため、該当するか確認してみましょう。
※本記事は2026年3月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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