所得控除の種類

所得控除を受けたい場合、個人事業主の方は必要事項を確定申告書に記載しなければなりません。ここでは、15種類の所得控除の適用条件や計算方法などをご紹介するので、ぜひご一読下さい。

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所得控除の概要

所得控除は、配偶者・子供の有無、健康状態など個人的事情を加味し、税負担の公平性を保つための制度です。2023年11月時点で15種類の所得控除があり、計算方法や控除額はそれぞれ異なります。

適用条件を満たしていても、個人事業主の方は確定申告書に必要事項を記入しないと控除を受けられません。適用漏れがないよう、どのような所得控除があるのか知っておくことが大切です。

所得控除の概要について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
所得控除は15種類!あなたはどれを受けられる?

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人的控除に分類される所得控除

所得控除は、納税者の個人的事情を考慮した人的控除と、それ以外の控除に分けられます
ここでは、人的控除にどのようなものがあるか確認しましょう。

基礎控除

確定申告や年末調整の際、総所得金額などから納税者本人の合計所得金額に応じて控除額を差し引く制度です。

参考:国税庁「No.1199 基礎控除」

配偶者控除、配偶者特別控除

配偶者控除は、納税者と生計を一にしている配偶者で、年間の合計所得金額が48万円以下の人に適用されます。ただし、控除を受ける納税者の合計所得金額が1000万円を超えるときや、配偶者が青色・白色事業専従者の場合、配偶者控除は受けられません。

なお、配偶者の合計所得金額が48万円を超えて配偶者控除を受けられない場合でも、133万円以下であれば配偶者特別控除が適用されます。

配偶者控除や配偶者特別控除の金額は、納税者本人や配偶者の合計所得金額、年齢などによって変わります。

参考:
国税庁「No.1191 配偶者控除」
国税庁「No.1195 配偶者特別控除」

扶養控除

配偶者以外に両親や祖父母、子供などの扶養親族がいる場合、要件を満たすと扶養控除を受けられます。扶養親族は、納税者と生計を一にしていて年間の合計所得金額が48万円以下の人。青色・白色事業専従者でないことも条件です。扶養控除の対象者は、扶養親族のうちその年の12月31日時点で16歳以上の人となります。

参考:国税庁「No.1180 扶養控除」

障害者控除

納税者本人や同一生計配偶者(※1)、扶養親族が所得税法の障害者に該当する場合、障害者控除が受けられます。控除額は一般に27万円ですが、「特別障害者」は40万円、「同居特別障害者」は75万円です。

※1 : 納税者と生計を一にする配偶者(青色事業専従者等を除く)で、合計所得金額が48万円以下の者

参考:国税庁「No.1160 障害者控除」

寡婦控除、寡夫控除

寡婦控除と寡夫控除は、夫や妻と死別・離婚した後に婚姻をしていない、または生死が明らかでない場合に、一定の要件を満たすと受けられる控除です。

寡婦控除では、納税者本人の合計所得金額が500万円以下で、扶養親族がいる場合27万円控除されます。

寡夫控除の金額は一律27万円となっており、納税者の合計所得金額が500万円以下で生計を一にする子(※2)の総所得金額等が38万円以下のときに適用されます。

※2 : ほかの人の控除対象配偶者や扶養親族になっていないことが条件です。

参考:
国税庁「No.1170 寡婦控除」
国税庁「No.1172 「寡夫控除」

勤労学生控除

個人事業主として働く方にはあまり関係ありませんが、働きながら学校で学ぶ勤労学生に向けた「勤労学生控除」という控除もあります。給与所得など勤労による所得のある納税者が「特定の学校」(※3)の学生、生徒で、合計所得金額が75万円以下(給与所得など勤労に基づく所得以外の所得が10万円以下であること)の場合に27万円の勤労学生控除が適用されます。

※3 : 「特定の学校」は下記が該当します。
・「学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校など」
・「国、地方公共団体、学校法人等により設置された専修学校又は各種学校のうち一定の課程を履修させるもの」
・「職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の課程を履修させるもの」

参考:国税庁「No.1175 勤労学生控除」

ひとり親控除

合計所得金額が500万円以下等の条件を満たし、ひとり親に該当する納税者は、ひとり親控除の対象となります。ひとり親控除の金額は35万円です。正確な要件など、詳細を確認したい方は国税庁のホームページをご覧ください。

参考:No.1171 ひとり親控除|国税庁

個人事業主になるための準備について気になっている方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
個人事業主になるには?開業に必要な知識を解説

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人的控除に分類されない所得控除

ここでは、人的控除以外の所得控除をご紹介します。

雑損控除

災害や盗難、横領などによって資産に損害を受けたときは、雑損控除を受けられます。資産の所有者が納税者本人、または生計を一にする配偶者・親族(その年の総所得金額等が48万円以下)であることや、損害を受けた資産が棚卸資産、事業用固定資産等、「生活に通常必要でない資産」(※4)に該当しないことが条件です。

雑損控除では、「(差引損失額)-(総所得金額等)×10%」または「(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円」のいずれか多い方の金額を控除できます。

※4 : 別荘のような娯楽、保養が目的の不動産や、30万円超えの骨董、書画などが該当します。

参考:国税庁「No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)」

社会保険料控除

社会保険料控除は、国民健康保険や国民年金などの社会保険料を支払った際に適用される制度です。生計を一にする配偶者・親族の社会保険料を支払った際は、その分についても所得控除を受けられます。

参考:国税庁「No.1130 社会保険料控除」

小規模企業共済掛金控除

小規模企業共済の掛け金や個人型確定拠出年金の掛け金などを支払った際、その掛け金について所得控除を受けられます。小規模企業共済掛金控除の金額は、その年に支払った掛け金の全額です。

参考:国税庁「No.1135 小規模企業共済等掛金控除」

生命保険料控除

生命保険料控除は、生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料を支払った際に、一定の金額の所得控除を受けられる制度です。

新契約(平成24年1月1日以後に締結した保険契約等)と旧契約(平成23年12月31日以前に締結した保険契約等)にかかる保険料で、それぞれ生命保険料控除の扱いが異なります。
保険期間が5年未満の生命保険などの中には、控除の対象外になるものもあるため注意してください。

参考:国税庁「No.1140 生命保険料控除」

地震保険料控除

地震保険料控除は、支払った地震保険料に対して一定の金額の所得控除を受けられる制度です。年間の支払保険料の合計が5万円以下の場合は全額、5万円超えの場合は一律5万円が控除額となります。

なお、平成18年12月31日までに契約した長期損害保険については、最高1万5000円の控除を受けられます。

参考:国税庁「No.1145 地震保険料控除」

寄附金控除

寄附金控除は、国や地方公共団体、公益社団法人などに寄付を行った場合に受けられます。寄付金控除額は、「その年に支出した特定寄附金の額の合計額」または「その年の総所得金額等の40%相当額」のいずれか低い金額から2000円を引いて算出する仕組みです。

参考:国税庁「No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」

医療費控除

医療費控除は、納税者や生計を一にする配偶者・親族の医療費が一定の金額を超えたときに受けられます。医療費には、診療代のほか通院費や薬代などが該当します。
医療費控除の金額は、(実際に支払った医療費の合計額)-(保険金などで補填される金額)-10万円で算出。ただし、その年の総所得金額等が200万円未満の場合、総所得金額等の5%の金額が医療費控除額となります。

なお、医療費控除の特例として、2017年1月から「セルフメディケーション税制」が始まっています。健康の維持・増進や疾病予防として一定の取り組みを行う個人(※5)が、スイッチOTC医薬品(※6)を年間1万2000円を超えて購入した際、超えた金額(上限は8万8000円)についてその年分の総所得金額等から控除できる制度です。スイッチOTC医薬品の購入金額は、納税者本人だけでなく、生計を一にする配偶者・親族の分も含むことができます。
現行の医療費控除とセルフメディケーション税制は同時に利用できないため、注意してください。

※5 : 特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診
※6 : 要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品

参考 :
国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
厚生労働省「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について」

関連記事:フリーランスが支払う税金――所得税と所得税率の基礎知識

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所得控除の種類に関するよくある質問

ここでは、所得控除の種類に関するよくある質問に答えていきます。

Q. 雑損控除の対象となる資産は何ですか?

資産の所有者が納税者もしくは納税者と同一生計かつ総所得金額が38万円以下の親族の場合、生活に必要な資産が雑損控除の対象となります。

Q. 所得控除にはどんな種類がありますか?

所得控除には、雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、寄付金控除、配偶者控除、青色申告特別控除等の種類があります。

Q. 扶養控除の対象者になるためには、どんな条件を満たす必要がありますか?

扶養控除の対象者になるためには、下記5つの条件をすべて満たす必要があります。

  • 配偶者以外の6親等内の血族及び3親等内の姻族である。
  • 納税者と生計を一にしている。
  • 控除対象扶養親族の年間合計所得金額が48万円以下である。
  • 青色申告者の事業専従者給与を受けていない、又は白色申告者の事業専従者ではない。
  • 控除を受けるその年の12月31日時点で16歳以上である。

Q. ひとり親控除の控除額はいくらですか?

ひとり親控除の控除額は子供の人数にかかわらず一律35万円です。

Q. 配偶者特別控除を受けるためには、配偶者の1年間の合計所得金額が何万円以下である必要がありますか?

配偶者特別控除を受けるためには、配偶者の1年間の合計所得金額が48万円超133万円以下である必要があります。

※本記事は2023年11月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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