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組み込みエンジニアの将来性は?需要や年収・必要なスキルを解説します
組み込みエンジニアは将来性が期待されている職種です。理由としては、IT人材の慢性的な不足と需要の増加、各業界におけるIoTデバイスの急速な普及などが挙げられます。この記事では、組み込みエンジニアの将来性や今後の需要に加え、必要なスキル、資格、年収などについて紹介しています。
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目次
組み込みエンジニアとは?
組み込みエンジニアの将来性
組み込みエンジニアの需要
組み込みエンジニアは激務?
組み込みエンジニアに必要なスキル
組み込みエンジニアに必要な資格
組み込みエンジニアの年収
組み込みエンジニアの将来性に関するよくある質問
組み込みエンジニアとは?
組み込みエンジニアは、TV・車の部品・家電など、さまざまな製品や装置の内部にあるLSI、小型コンピューターのソフトウェアを開発したり、組み込みシステム全体の設計、開発をしたりする仕事です。
厚生労働省の職業情報提供サイトによると、組み込みエンジニアの仕事は、大きく「製品や装置を制御するためのソフトウェアを開発する仕事」と、「製品や装置を含めたシステム全体を開発する仕事」の2つに分けられます。
※参考 : 厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET)「システムエンジニア(組込み、IoT)」
前者の仕事は、ファームウェア開発とハードウェア開発に分けられます。ファームウェア開発では、ハードウェアに搭載されているCPU、マイコン上で製品を制御するソフトウェアを設計、実装します。ハードウェア開発では、機能や予算を考えながら、LSIやマイコン、その他の電子部品を選び、機器全体を設計、実装します。
後者の仕事は、クライアントの考えや必要としていることを把握して開発の要件を明確にすることからスタートし、システム全体の設計、開発を進めていきます。
関連記事 : 組み込みエンジニアとは
組み込みエンジニアの将来性
総務省の「令和2年版情報通信白書」でも示されているように、近年はIoTデバイスの普及が進み、パソコンやスマートフォンだけではなく、家電・自動車・工業用品など、さまざまな製品がインターネットにつながるようになっています。IoTデバイスの市場は、今後も成長が期待できるでしょう。
※参考 : 総務省「令和2年版 情報通信白書|IoTデバイスの急速な普及」
同書によると、コネクテッドカーをはじめとする「自動車」、スマートファクトリーやスマートシティなどが広がる「産業用途」、デジタルヘルスケアの市場が成長している「医療」、IoT製品・スマート家電が増えている「コンシューマ」といった分野は、今後大きな成長が見込まれています。一方、パソコンやスマートフォンは、これらの分野と比較すると市場が飽和状態になっているため、相対的に成長率は低めになると分析されています。
昨今、注目された製品としては、話しかけたとおりに操作をするスマートスピーカー、人と会話ができるロボットなどがあり、そうした製品の開発でも組み込みエンジニアが活躍しています。こうした背景を踏まえれば、IoT開発に対応できる組み込みエンジニアの将来性は有望なものと予想できるでしょう。
関連記事 : システムエンジニア(SE)の将来性|これからのIT業界で需要があるスキルや資格
組み込みエンジニアの需要
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発行した「IT人材白書2020」によると、IT企業に「2~3年前と比較して拡大した事業」を尋ねるアンケートを実施した結果、従業員規模301名以上の企業で最も多かった回答は「IoT、ビッグデータ、AI関連サービスの開発・提供」でした。
※参考 : IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「IT人材白書2020」
一方で、IT人材の量が「不足している」と回答したIT企業は全体の90%以上にのぼっており、組み込みエンジニアを含めたIT人材の需要は高まっているといえます。
実際に厚生労働省が発表している「一般職業紹介状況」によると、「情報処理・通信技術者」の有効求人倍率は、全職業の平均に比べて高い水準になっています。
※参考 : 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和2年12月分及び令和2年分)について」
IoT機器のニーズが増している昨今、需要の高い組み込みエンジニアになるには、ネットワークプロトコルの知識や、クラウド環境の知識も重要になるでしょう。
関連記事 : 組み込み系エンジニアの仕事内容|年収や将来性も解説
組み込みエンジニアは激務?
組み込みエンジニアの仕事は「激務」というイメージを持たれることもあります。たしかに製品開発の終盤では、不具合の修正業務や動作テストを繰り返し行い、仕事の負荷が増えることもあります。ただし、それが「激務」とされる状態になるかどうかは、職場環境やプロジェクトの状況次第であり、一概に「組み込みエンジニアは激務」とは言い切れないでしょう。
また、近年は開発環境の自動化などを採用することで、業務負荷が特定の時期に集中しないようにして、効率的に開発を進められるようにする動きも広がりつつあります。
関連記事 : ITエンジニアはきつい?|未経験だと大変?転職前のチェックポイント
組み込みエンジニアに必要なスキル
ここでは、組み込みエンジニアに必要な知識・スキルを5つ紹介します。
プログラミングスキル
IPAが発行した「組込みソフトウェア開発データ白書2019」によると、組み込みシステムの開発で使われる言語には、C、C++、C#、Java、アセンブラなどが挙げられます。
※参考 : IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「組込みソフトウェア開発データ白書2019」
また、厚生労働省の職業情報提供サイトでは、ハードウェア側のプログラム開発ではCやC++、サーバー側のプログラム開発ではPHP、Java、C#、Haskellなどが使われる言語として紹介されています。
組み込みエンジニアには、C言語を中心に上記のようなプログラミング言語を使いこなすスキルが求められるでしょう。
電気・電子回路の知識
組み込み開発では基盤を扱うので、電気の知識が求められます。たとえば、オームの法則から、コンデンサー・ダイオード・トランジスタなどの知識が必要です。
実際に制御する中で、最適なセンサー値として電圧を確認したり、消費電流を抑えるために、電流を測定したりすることもあります。
デバイスの知識
LSI・IC・マイコン・メモリなど、デバイスの知識が必要です。どのようにプログラムが動くか、システムや仕組みを理解する必要があります。
組み込みデバイスは、PCと違いリソースは豊富にありません。限られたリソースの中で機能を実現するためには、デバイスの機能をフル活用していくことが重要です。
OSの知識
「組込みソフトウェア開発データ白書2019」によれば、開発対象の製品やシステムに組み込まれているOSの種類としてはWindows系、Linux系のほか、ITRON系、VxWorksなどがあります。
これらのOSの特徴を踏まえて開発するため、仕事で使用するOSの知識は身につけておく必要があります。
コミュニケーションスキル
組み込みシステムの開発では、機能ごとに担当者がいることがよくあります。たとえば、変更や修正をお願いしたいときには、先方の機能を意識してドキュメントなどを用意し、丁寧に説明する必要があるでしょう。
関連記事 : 組み込みエンジニアのスキル
組み込みエンジニアに必要な資格
ここでは、組み込みエンジニアの仕事に役立つ資格を3つ紹介します。
ETEC
ETECは、Embedded Technology Engineer Certification、組込み技術者試験制度の略です。一般社団法人組込みシステム技術協会が運営しており、組み込みソフトウェアエンジニアに必要な知識を確認するための試験です。エントリレベルの試験(クラス2)と、ミドルレベルの試験(クラス1)が用意されています。
※参考 : JASA(一般社団法人組込みシステム技術協会)「ETEC(組込み技術者試験制度)」
OCRES
OCRESは組み込みエンジニア向けの資格試験であり、OMG認定資格試験のひとつです。2021年2月時点では、英語で受験する必要があります。Foundation・Intermediate・Advancedの3つのレベルに分かれています。
※参考 : Object Management Group「OMG Certified Real-Time And Embedded Specialist」
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
IPAが運営する試験です。国家試験となり、情報処理技術者試験のひとつです。IoTを含む組み込みシステムの開発に関する幅広い知識やスキルを活用し、最適な組み込みシステム開発基盤の構築や、組み込みシステムの設計、構築、製造を主導的に行うエンジニアを対象とした資格となっています。
※参考 : IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」
関連記事 : 組み込みエンジニアの資格|仕事内容やスキル、将来性、年収も解説
組み込みエンジニアの年収
経済産業省が発表した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、組み込みエンジニアの平均年収は約604万円です。
※参考 : 経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」(「SE・プログラマ(組込みソフトウェアの開発・実装)」の平均年収を参照)
また、「IT人材白書2016」に掲載されている年収分布のデータによると、組み込みエンジニアは「年収300万円以上500万円未満」の割合が37.4%と最も高くなっており、「年収500万円以上700万円未満」が29.6%で2番目に高くなっています。組み込みエンジニアの勤務先企業の業界別のデータでは、「情報通信業」と比較すると、「製造業」の年収が高い傾向にあるのが特徴です。
※参考 : IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「IT人材白書2016」
関連記事 : 組み込みエンジニアの年収|求人状況や仕事内容、転職に役立つスキルは?
組み込みエンジニアの将来性に関するよくある質問
組み込みエンジニアの将来性に関するよくある質問と回答をまとめました。
Q. 組み込みエンジニアは将来性が見込める職種ですか?
A. 組み込みエンジニアは将来性が期待できる職種と考えられています。その理由のひとつが、IoTデバイスの普及です。今後も医療や自動車、産業用途など、さまざまな分野で高成長が見込まれています。
Q. 組み込みエンジニアとして需要が高い人材でいるために必要なスキルはありますか?
A. 需要が高まっているIoT開発に対応するためには、ネットワーク、クラウドなどの知識が必要になるでしょう。また、組み込みエンジニアに求められる基本的なスキルとしては、組み込みシステムの開発で使われることが多いC言語やC++のプログラミングスキルが挙げられます。
Q. 未経験から組み込みエンジニアになることは可能ですか?
A. 厚生労働省職業情報提供サイトによると、組み込みエンジニアに新卒から就職する場合は「工学、情報、通信等を履修している者が多い」とされます。また、中途採用の場合は「学部学科よりも、どのような開発をしてきたかという経験が重視される」とあるため、未経験から転職するにあたっては、C言語を用いた開発経験などがあると役に立つでしょう。
関連記事 : 組み込みエンジニアのキャリアパス|転職に役立つスキルや将来性は?
最後に
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