フリーランスに残業代は出る?会社員との違いや知っておきたい法律も紹介

この記事でわかること
  • フリーランスにも残業代が出るかどうか
  • 働くうえでフリーランスと会社員が結ぶ契約の違い
  • フリーランスが「残業代」をもらう方法

フリーランスの働き方に関心を持っている人の中には、「残業代が出るのか?」を気にする方もいるでしょう。本記事では、フリーランスの残業代の有無のほか、会社員との働き方の違いや労働基準法に代わる法律も紹介します。フリーランスの「残業」の扱いについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

なお未経験からフリーランスを目指したいと思っている方は、こちらの関連記事もぜひお読みください。
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目次

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フリーランスには基本的に残業代は支払われない

結論から言えば、フリーランスにはいわゆる「残業代(残業手当)」はありません

「残業(=時間外労働)」は法定労働時間を超えて行った業務を指し、「労働者」に適用される概念です。フリーランスは労働基準法第9条が定める労働者には当てはまらないため、原則として残業代は支払われません。

参照
e-Gov法令検索「労働基準法」
厚生労働省「しっかりマスター労働基準法―割増賃金編―」

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フリーランスに残業代が出るケースもある?

フリーランスには残業代が支払われないと述べましたが、「労働者性」が認められれば支払われる可能性があります。フリーランスの働き方の実態が、厚生労働省が提示する労働者の基準に抵触している場合です。具体的には、次のような例が挙げられるでしょう。

  • 業務委託契約なのに拘束時間が決まっている
  • 作業をする時間や場所が決まっている
  • 受注する作業が自由に決められない
  • 作業の進め方について指示を受けている

上記のような就労実態から「労働者性あり」と判断できる場合、クライアントはフリーランスが働いた時間分の報酬を支払わなければなりません。報酬の額は労働基準法、および最低賃金法に則って計算します。

参照 : 厚生労働省『「労働者」について』

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労働者性が認められるときに残業代を払ってもらうには

労働者性が認められると思われる場合、フリーランスは証拠となる事実をしっかりと残すことが大切です。クライアントと交わした文書や、残業時間が分かる書類などが証拠となります。詳しく見ていきましょう。

文書の証拠を残す

クライアントと交わした業務委託契約書などの書類は、「労働者性の有無」を判断する証拠になります。契約書以外では、発注書や受注書、作業の指示書、報酬の明細なども有効性が高いでしょう。クライアントと交わしたメールの内容も証拠になり得るので、あわせて保存しておいてください。

「残業」した時間の証拠を残す

具体的な時間(数字で示された時刻)の証拠を残すことも重要です。時間が刻まれたタイムカード、クライアント先の入退館記録などがあれば、有効な証拠になると考えられます。

クライアントが時間管理をしていない場合は、相手とメールなどでやりとりした証拠を残すようにしてください。客観的な証拠が示せない場合は、個人的に記した記録(手帳の書き込みや日記など)が使える可能性もあります。

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フリーランスと会社員の違いを把握しておこう

フリーランスと会社員の大きな違いは雇用契約を結ぶかどうかです。契約によって影響を受ける法律も異なるので、把握しておくようにしましょう。

フリーランスは業務委託契約を結ぶ

フリーランスは、クライアントと「業務委託」契約を結んで働くのが基本。業務委託契約では発注者と受注者が対等の立場になるため、指揮命令権は発生しません。契約内容にもよりますが、業務の進め方や作業をする場所・時間は、基本的にフリーランスの自由です。

雇用契約ではないため、雇用保険や労災保険は対象外となります。会社で行われる年末調整もないので、事業で利益が出ている場合は確定申告が必要です。

会社員は雇用契約を結ぶ

会社員は、企業と雇用契約を結んで働きます。就業場所や業務内容、始業・終業時刻などは、就業規則で決まっているのが一般的です。

雇用契約を結ぶと、その人は法的な意味での「労働者」となります。労働者になれば労働基準法が適用されるため、残業代や有給休暇が発生するのがポイントです。

フリーランスと会社員の違いを詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。

関連記事:会社員と個人事業主の違い

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フリーランスが知っておきたい労働基準法に代わる法律

フリーランスには労働基準法が適用されませんが、それに代わる法律はあります。フリーランスが自身の立場を守るために知っておきたい法律を見ていきましょう。

独占禁止法

独占禁止法(正式名称「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」)は、消費者の利益を確保するため、事業者同士の公正で自由な競争を妨げる行為を禁止する法律です。市場で事業者同士の競争がなされれば、消費者はより高品質のものや安いものを選べるようになります。

フリーランスが独占禁止法で着目したいのは、立場の優位性を悪用した取引を禁止している点です。特定のクライアントが大量の作業を発注した場合、フリーランスは他社との取引の機会を失う恐れがあります。つまり、1つのクライアントに大きく依存する状況になります。

限度を超えて修正を求められたり、理不尽に報酬を減らされたりした際、1つのクライアントに依存するフリーランスは相手の要求を飲まざるを得ません。独占禁止法の効力でこのような取引は「不正」となる可能性があるため、フリーランスを保護することにつながります。

参照
e-Gov法令検索「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」
公正取引委員会「独占禁止法の概要」

下請法

下請法(正式名称「下請代金支払遅延等防止法」)は、下請取引を公正化し、下請事業者の利益を守るための法律です。同法では、発注者は下請代金を不当に減額してはならない、報酬は役務提供後60日内に支払う…といったルールを定めています。

日本政府は2022年、下請法の保護対象にフリーランスを追加する調整に入りました。フリーランスも今後、同法の保護を受けられる可能性があります(2022年11月時点)。

現行法では、「資本金が1000万円以下」の発注者は取り締まりの対象外でした。法改正が実現すれば、下請けのフリーランスが不公正な取引を強いられた場合、小規模な発注者も取り締まりの対象となります。

参照
e-Gov法令検索「下請代金支払遅延等防止法」
公正取引委員会「下請法の概要」

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報酬トラブルが不安な人はフリーランスエージェントを活用しよう

報酬のトラブルが不安な方は、フリーランスエージェントを利用して案件を獲得するのも手です。フリーランスエージェントの案件は、月間「140~180時間」のように精算幅が決まっています。精算幅を上回って働けば「超過」として処理され、「残業代」にあたる報酬が支払われるので安心です。

精算幅を設けるのは、各月の営業日に合わせてフリーランスに適切な額の報酬を支払うためです。月単価を定額にして精算幅をなくすと、クライアントは営業日が少ない月でも常に同じ額をフリーランスに支払わなければなりません。精算幅は、クライアント側の損失を減らす仕組みでもあります。

なお、報酬の支払われ方も含めてフリーランス転向について相談したい方は、ぜひレバテックフリーランスの無料個別相談会にお申込みください。経歴や希望条件の確認からキャリアパスの相談まで、プロのコーディネーターが親身に対応します。

フリーランスの残業代に関するよくある質問

ここでは、フリーランスの残業代に関するよくある質問に答えていきます。

Q. フリーランスと会社員の違いは何ですか?

フリーランスは自分で仕事を獲得し、報酬は自己責任で決定しますが、会社員は雇用主から仕事を割り振られ、固定給が定められています。また、社会保障などの福利厚生も異なります。

Q. フリーランスや個人事業主にとって、業務委託で働くメリットは何ですか?

業務委託で働くことのメリットは、自分の時間を柔軟に使えること、独立性が高いこと、自分のスキルや経験をフルに活かせること、収入の範囲が広がることなどです。

Q. 下請法がフリーランスにも適用される場合、報酬の支払期限はどのように決まりますか?

下請法がフリーランスにも適用される場合、支払期限は原則として60日以内と定められています。

Q. フリーランスが労働基準法に代わる法律を知ることは必要ですか?

フリーランスは労働基準法が適用されないため、自己管理が必要です。例えば、報酬の未払いや成果物の受け取り拒否などのトラブルを防ぐために「下請法」や「独占禁止法」などの労働基準法に代わる法律を理解することが重要です。

Q. 独占禁止法や下請法に違反した場合、どのようなペナルティが課せられる可能性がありますか?

独占禁止法や下請法に違反した場合、法的手続きが起こされ、信用失墜や損害賠償などのペナルティが課せられる可能性があります。
※本記事は2022年11月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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