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国民健康保険
会社の退職に際して国民健康保険に加入する場合は、退職日の翌日から14日以内に手続きを行う必要があります。
ここでは東京都世田谷区在住と想定し、必要な手続きや保険料の計算方法をご紹介します。
加入手続きの持ち物と提出先
退職後に国民健康保険に加入する際は、下記の書類を用意します。
〈持ち物〉
・健康保険資格喪失証明書
・マイナンバーカードあるいは通知カード
・顔写真付きの本人確認書類(有効期限内の運転免許証やパスポートなど)※
※外国籍の場合:在留カードまたは特別永住者証明書。在留資格が「特定活動」の外国籍の方は「指定書」も必要
〈提出先〉
・国保、年金課資格賦課(世田谷区役所第2庁舎2階26番窓口)
・総合支所くみん窓口
・出張所
なお、申請書類の受付は窓口のみで行っており、郵送による提出はできないため注意してください。
保険料の納付方法
国民健康保険料の納付方法は、納付書による納付または口座振替です。
〈納付書による納付〉
・銀行や信用金庫、信用組合、ゆうちょ銀行など
・世田谷区の窓口(保険料収納課、総合支所くみん窓口、出張所)
・指定のコンビニエンスストア
・モバイルレジ
・インターネット上でのクレジットカード払い
〈口座振替〉
口座振替で納める場合、事前の申し込みが必要です。下記の3種類の申し込み方法があるため、いずれかを選び所定の場所で手続きを行ってください。
・「世田谷区国民健康保険料口座振替(自動払込)依頼書兼還付金口座振込依頼書」による申し込み
・口座振替依頼書(自動払込利用申込書)による申し込み(※ダウンロード専用)
・キャッシュカードによる申し込み
保険料の金額
国民健康保険料は、下記の3つを合わせたものを指します。
・基礎(医療)分保険料(以下:基礎分保険料)
・支援金分保険料
・介護分保険料
上記の3つのうち、介護分保険料は40歳以上64歳以下の方が納める保険料です。
なお、基本分保険料、支援金分保険料、介護分保険料にはそれぞれ「所得割額」と「均等割額」があります。所得割額は所得金額によって納める保険料が増減しますが、均等割額は所得金額に関係なく一定の保険料を納めるのが特徴です。
2019年度の世田谷区の保険料率や均等割額は、下記のとおりです。
区分 | 所得割額 | 均等割額 |
---|---|---|
基礎分保険料 (最高限度額61万円) |
加入者全員の賦課基準額 ×7.25% |
加入者数 ×3万9900円 |
支援金分保険料 (最高限度額19万円) |
加入者全員の賦課基準額 ×2.24% |
加入者数 ×1万2300円 |
介護分保険料 (最高限度額16万円) |
40歳~64歳の方の賦課基準額 ×1.76% |
40~64歳の方の加入者数 ×1万5600円 |
表中の「賦課基準額」ですが、フリーランスの場合は下記の計算式で求めることができます。
賦課基準額={総収入金額-(必要経費+青色申告特別控除)}-基礎控除
また、均等割額の「加入者数」は自分と扶養家族の人数のため、扶養家族がいない人は「1」を入れて計算します。
たとえば28歳で扶養家族なしの場合、基礎分の所得割額・均等割額と支援金分の所得割額・均等割額を合計したものを国民健康保険料として納めることになります。
参考:国民健康保険 | 世田谷区ホームページ
関連記事 :個人事業主の国民健康保険
会社員時代の健康保険(任意継続)
所定の手続きをすることで、フリーランスになってからも一定期間は会社員時代の健康保険に加入することができます。
ここでは会社員時代に全国健康保険協会(以下:協会けんぽ)に加入していたと想定し、必要な手続きや保険料について解説します。
任意継続するための条件
健康保険を任意継続するには、下記の2つの条件を満たす必要があります。
・資格喪失日の前日までに、継続して2ヶ月以上の被保険者期間があること
・資格喪失日から20日以内に任意継続の手続きを行うこと
申請時に用意するものと提出先
「健康保険任意継続被保険者資格取得申出書」に必要事項を記入し、居住地を管轄する協会けんぽ支部に提出します(東京都に住んでいる場合は東京支部)。
申請書は窓口に持参するほか、郵送による提出も可能です。
任意継続の期間
「任意継続被保険者」となってから2年間です。
任意継続被保険者になった場合、原則として途中でやめることができません。「やっぱり国民健康保険に入りたいので任意継続をやめたい…」という理由は基本的には認められないため注意しましょう。ただし、これは協会けんぽの場合です。
例えば、関東のITエンジニアに加入者が多い関東ITソフトウェア健康保険組合でいえば、保険料を期日までに納付しなかった場合は翌日に資格喪失となり、国民健康保険に入ることになります。任意継続を考慮する際は、こうした違いをあらかじめ確認しておきましょう。
参考 : 任意継続被保険者でなくなるとき | [ITS]関東ITソフトウェア健康保険組合
保険料の納付方法
納付書による納付と、口座振替の2種類の方法があります。
納付書による納付では、指定のコンビニエンスストアや銀行等の窓口・ATM、Pay-easy(ペイジー)、モバイルレジで納めることが可能です。
口座振替にする場合、事前に居住地を管轄する協会けんぽ支部へ所定の申請書を提出する必要があります。
保険料の金額
2019年4月分からは、退職時の標準報酬月額(※)×9.63%~10.75%を健康保険料として納めることになっています。ただし、退職時の標準報酬月額が30万円を超えていた場合は、標準報酬月額は30万円で計算します(平成31年3月分までは28万円)
参考 : 5.保険料と納付方法 | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
保険料率は居住地の都道府県によって異なり、東京都在住の場合は9.90%です。さらに40歳以上64歳以下の人は、介護保険料(国民健康保険の介護分保険料にあたるもの)として退職時の標準報酬月額×1.73%(全国一律)を納める必要があります。
※会社が支給する1ヶ月あたりの給与(住宅手当などの各種手当を含む)を報酬月額といい、協会けんぽの健康保険料額表(等級表)では報酬月額の範囲ごとに標準報酬月額が決められています。
そのほか、任意継続における保険料の金額は、下記の場合を除いて2年間変わらないことになっています。
・任意継続期間中に40歳になり、介護保険料の支払い対象となった場合
・任意継続期間中に65歳になり、介護保険料の支払い対象外となった場合
・健康保険料率や介護保険料率が変わった場合
・標準報酬月額の上限が変わった場合
・保険料率が異なる都道府県に引っ越した場合
なお、会社員時代は健康保険料を会社と折半していましたが、任意継続の際は全額を自分で納める必要があるということを覚えておきましょう。
参考:全国健康保険協会
関連記事:フリーランスが入れる健康保険とは?任意継続の場合は標準報酬月額も考慮
国民健康保険組合
都道府県知事の許可を受けて設立される国民健康保険組合(国民健康保険法に基づく)は、同じ事業・業務に携わる人で構成されています。
国民健康保険組合の一つに文芸美術国民健康保険組合(以下:文美国保)があります。文美国保に加入するには、日本在住で文芸・美術・著作活動を行っていることと、文美国保の加盟団体の会員であることが条件です。
文美国保はクリエイターの方が入る健康保険組合ですので、フリーランスエンジニアの方は基本的に加入できませんが、デザイン系の業務を主に行う方でしたら加入できるケースもあるようです。
文美国保の加入手続きの際に用意するもの
・加入申込書(所属団体からの承認印が必要)
・承認済口座振替依頼書
・3ヶ月以内に発行した住民票
・文芸、美術、著作活動を行っていることの証明になるもの(確定申告書と作品の写し)
保険料の納付方法
口座振替で保険料を納めます。
保険料の支払い回数は、年1回、2回、4回、6回から選ぶことが可能です。
保険料の金額
組合員の1ヶ月あたりの保険料(基礎分保険料+支援金分保険料)は、所得金額に関わらず1万9600円です(2019年度の場合)。
組合員が40歳以上64歳以下の場合、これに加えて介護分保険料の4000円(1ヶ月あたり)を納めます。
関連記事:フリーランスの健康保険などの切り替え
※本記事は2019年7月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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