ネットワークエンジニアのおすすめ資格一覧!取得の順番や難易度も解説

ネットワークエンジニアにおすすめできる資格はクラウド関連など多くあります。また、未経験から目指すなら、CCNAなどがおすすめです。

もっとも、資格は多くて難易度もバラバラなので、取る順番を意識しないと効率が悪くなります。そこで、主要な資格を取る順番例や難易度、おすすめの資格一覧などをまとめて解説していきます。

ネットワークエンジニア初心者はもちろん、経験者の年収・キャリアのアップにつながるので、ぜひじっくりとお読みください。

目次

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ネットワークエンジニアの資格取得は転職などに有利

ネットワークエンジニアが転職などで自分のスキルを証明したいときに、資格を取得しておくと有利に働きます。実務経験が足りない未経験者は、ネットワークの資格で一定のスキル証明や自身の向上心がアピールできるようになります。

ネットワークエンジニアの資格を取得するメリットと理由は以下のとおりです。

  • スキルの証明ができる:一定のスキルを持っていることの証明
  • 転職に有利に働く:未経験で転職を目指す際に、選考でアピールできる
  • スキルアップができる:スキルアップに繋がる
  • 収入アップに繋がる:企業によっては評価・給与アップする
  • フリーランスで成功しやすくなる:クライアントからの信頼獲得に繋がる

難易度が高く経験者向けの資格試験もあることから、自身のレベルに合った資格の受験をおすすめします。

なお、年収といったネットワークエンジニア自体の情報を詳しく知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
ネットワークエンジニアとは?年収や仕事内容・将来性をわかりやすく解説

ネットワークエンジニアにおすすめの資格一覧

ITに関する資格は多岐にわたり、すべてがネットワークエンジニアに関わる資格というわけではありません。ネットワークエンジニアを目指すのであれば、ネットワーク関連の資格を選ぶ必要があります。

未経験からネットワークエンジニアを目指すのであれば、以下のような資格が良いでしょう。

  • シスコ(Cisco)技術者認定
  • ネットワークスペシャリスト試験
  • 情報セキュリティマネジメント試験
  • LinuC(Linux技術者認定試験)
  • CompTIA認定資格試験(コンプティア)
  • オラクルマスター(ORACLE MASTER)
  • 基本情報技術者試験
  • 応用情報技術者試験

ネットワークエンジニア向けの資格はそれぞれ難易度が異なります。各資格の詳細を解説するので、複数の取得を考えている場合は、受験する順番を決めて計画的に学習しましょう。

なおキャリアチェンジなどのために、より汎用的な資格を取りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
ITエンジニアも資格を取得しよう!おすすめの資格30選を紹介

シスコ技術者認定【ベンダー資格】

シスコ技術者認定は、ネットワークエンジニアに必須といえるネットワークに関する知識が求められる試験です。

資格名 シスコ(Cisco)技術者認定
運営 シスコシステムズ合同会社(Cisco Systems)
試験日 通年
受験料 試験ごとに異なる
合格基準 非公表
受験資格 なし


受験はピアソンVUEのWebサイトから申し込めます。

試験内容

シスコ(Cisco)技術者認定は「エントリー」「アソシエイト」「プロフェッショナル」「エキスパート」の4つに分かれています。一般的なネットワークエンジニアの仕事と関連性が高い資格は以下になります。

  • アソシエイトレベルの「CCNA」
  • プロフェッショナルレベルの「CCNP Enterprise」
  • エキスパートレベルの「CCIE Enterprise Infrastructure」
  • エキスパートレベルの「CCIE Enterprise Wireless」

特にアソシエイトレベルのCCNAは、ネットワークエンジニア向けのベンダー資格として知名度が高いです。CCNAの試験内容は、以下の6つの分野に分かれています。

  • ネットワークの基礎
  • ネットワークアクセス
  • IPコネクティビティ
  • IPサービス
  • 自動化とプログラマビリティ
  • セキュリティ基礎

なお、CCNAは2020年2月24日に試験内容や範囲などの改定が行われており、自動化とプログラマビリティが新たに追加されました。対策本を使うときは、自動化とプログラマビリティが含まれているものを選びましょう。

難易度

シスコ(Cisco)技術者認定の合格率は公表されていません。CCNAはアソシエイトレベルに位置づけられているため、難易度は低めといえるでしょう。

学生、エンジニア、ソフトウェア開発者などを対象としており、初心者・未経験者と実務経験者のどちらにも向いている試験です。

CCNAでは、対象の受験者としてシスコ製品の実装や管理を1年以上経験していることを推奨しています。経験者も未経験の知識を問われる可能性があり、事前に資格対策の学習をする必要があるでしょう。

勉強方法

シスコ技術者認定の勉強方法には、参考書を使用したり学習サイトを利用したり実機を使うなどがあります。学習サイトや参考書を活用する場合は、最新の製品や試験内容に対応しているかを確認しましょう。

CCNAに関しては自動化とプログラマビリティが含まれているものがおすすめです。古本屋で取り扱いしている参考書の場合は、古いバージョンが対象になっている恐れがあるので注意が必要です。

ひと通り学習が進んだ後は、本やサイトの問題集を解きましょう。実機を利用するという勉強法もあります。ただし、独学の場合、エラーが発生したときには自力で解決する必要があるでしょう。

ネットワークスペシャリスト試験【国家資格】

ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワーク関連の高い能力があることを証明できる国家資格です。

資格名 ネットワークスペシャリスト試験(NW)
運営 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)
試験日 春期(4月)
受験料 7,500円(税込)
合格基準 午前I・午前II・午後I・午後II/すべてで100点満点中60点以上
受験資格 なし
 

試験申し込みの際に試験地を選択することはできますが、試験会場については指定できません。決定した試験会場は試験日の約2~3週間前に届く受験票に記載されるので、必ず確認しましょう。

試験内容

試験ではネットワークに関する問題はもちろん、以下のように幅広い出題範囲が含まれます。

  • プログラミング・データベースなどのテクノロジー系
  • プロジェクトマネジメントなどのマネジメント系
  • システム戦略などのストラテジ系

ネットワークシステムの仕様作成、設計、構築、運用できるかが問われます。ネットワークスペシャリストを取得すると、ネットワークシステムの企画や要件定義に必要となる深い知識を証明できます

難易度

令和5年度春期に実施されたネットワークスペシャリスト試験の合格率は、14.3%です。IPAが実施しているほかの情報処理技術者試験の同年の合格率は以下のとおりです。

  • 基本情報技術者試験の合格率 48.4%
  • 応用情報技術者試験の合格率 27.2%

試験の合格率から判断すれば、ネットワークスペシャリストは、上記2つの資格よりも難易度が高いといえます。また、ネットワークスペシャリスト試験は情報処理技術者試験の中でレベル4と一番高いレベルになっています。

そのため、基本的にネットワークエンジニアなどの実務経験者向けの資格といえるでしょう。初心者や未経験者の場合は、先にITエンジニアの基礎知識を身につけられる「基本情報技術者試験」をおすすめします。

勉強方法

ネットワークに関する深い知識が問われるため、基礎知識を身につけたうえで試験対策が必要です。勉強方法には、参考書の使用やスクール・講座を利用する方法などがあります。

ネットワークスペシャリスト試験の対策本は、ネットワークの基礎知識をつけるのか試験対策をするのかで選ぶ本が変わります。まったくの初心者であれば、ネットワークの基礎を学べる入門書から始めるのがおすすめです。

ネットワークに関する基礎知識を理解した後に、試験対策の本や公式サイトで提供している過去問題集などを活用すると良いでしょう。特に論述式試験の対策では、過去問題を多数解いて出題傾向をつかみ、時間配分に慣れておくことが大切です。

スクールや講座で試験対策講座を受けるという方法では、通学タイプのほかにオンラインの通信講座も多数あります。スクールや講座は、独学で学習するのが苦手な人におすすめです。

情報セキュリティマネジメント試験【国家資格】

情報セキュリティマネジメント試験は、情報セキュリティに関する知識が問われる国家資格です。

資格名 情報セキュリティマネジメント試験(SG)
運営 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)
試験日 随時(CBT方式)
受験料 7,500円(税込)
合格基準 科目A、科目Bともに1,000点満点中600点以上
受験資格 なし


ネットワークスペシャリスト試験と同じく、IPAが実施する国家試験です。

試験内容

本試験では、情報システムのセキュリティが確保された状況の実現や維持・改善するスキルを習得できます。試験では、情報セキュリティの維持に必要な知識や不正アクセス発生時の対応知識が問われます。

ネットワークシステムにおいてセキュリティ対策は不可欠。強固なセキュリティを持ったネットワークの設計や構築などが可能になる本資格は、ネットワークエンジニアの実務において役立ちます。

難易度

情報セキュリティマネジメント試験の令和5年度12月の合格率は70.7%です。比較として、基本情報技術者試験の合格率は41.7%、ネットワークスペシャリストの合格率は14.3%です。

合格率から判断すれば、基本情報技術者試験とネットワークスペシャリストよりも難易度が低いといえるでしょう。情報セキュリティマネジメント試験は、情報処理技術者試験の中で基本情報技術者試験と同じレベル2です。

ITパスポートなどのレベル1の試験に合格したIT初心者が次に目指すレベルとしておすすめです。

勉強方法

情報セキュリティは日々アップデートされるので、最新の知識を学ぶことが大切です。勉強方法には、参考書での学習やスクール・講座を利用するといった選択肢があります。

試験対策の参考書が多数出版されているので、過去問題集と合わせて対策を行いましょう。公式サイトから過去問題のダウンロードもできます。

スクールなどの対策講座は通学やオンライン通信講座から選べ、講師に質問もできます。独学で疑問が多い場合は、対策講座を利用すると良いでしょう。

LinuC(Linux技術者認定試験)【民間資格】

LinuC(Linux技術者認定試験)は、今後ITエンジニアに求められるクラウドやDXのスキルを証明できる資格です。

資格名 LinuC(Linux技術者認定試験)
運営 LPI-Japan
試験日 通年
受験料 1試験あたり16,500円(税込)
合格基準 非公開
受験資格 レベル2以上の認定を受けるには、下位レベルの認定が必要


試験はピアソンVUEから申し込むことができ、受験方法(テストセンター受験・OnVUE受験)や試験会場、日時を選択することが可能です。

試験内容

LinuC(Linux技術者認定試験)は、LinuxOSを用いたシステムの開発スキルや知識が問われる資格です。試験はレベル1~3に分かれており、レベル1の難易度が最も低く、レベル3が最も高い難易度となっています。

レベル1〜レベル2の試験内容は以下のとおりです。

  • レベル1(LinuC-1):物理・仮想Linuxサーバーの構築と運用
  • レベル2(LinuC-2):仮想マシン・コンテナを含むLinuxシステム、ネットワークの設定・構築

レベル3(LinuC-3)については、さらに以下の3つの分野に分かれています。

  • Mixed Environment:Linux、Windows、Unixが混在するシステムの設計、構築、運用・保守
  • Security:セキュリティレベルの高いコンピュータシステムの設計、構築、運用・保守
  • Virtualization & High Availability:クラウドコンピューティングシステムの設計、構築、運用・保守

レベル2の認定を受けるためにはレベル1の認定、レベル3の認定を受けるためにはレベル2の認定が必要です。

難易度

LinuCの合格率は非公開ですが、合格基準は公式サイトには65〜75%程度の正解率が目安になると紹介されています。公式サイトでは経済産業省・IPAが策定するITSS(ITスキル標準)における各レベルの試験の位置づけは以下のとおりです。

  • レベル1:ITSSレベル1
  • レベル2:ITSSレベル2
  • レベル3:ITSSレベル3

レベル1やレベル2は、初心者でもしっかり対策すれば合格できます。レベル3はLinuxプロフェッショナルの能力を証明できる資格で、開発経験がある人向けの資格といえます。

勉強方法

Linucの勉強方法には、参考書や過去問題を利用して学習する方法や、実機で確認して理解するといった学習方法があります。公式サイトにはWebの問題や認定教材が提示されているので、これらを活用しましょう。

ひとつのレベルごとに複数の教材が提示されているので、自身に合った教材を選ぶことが大切です。また、初めての方の場合の勉強時間の目安は、以下のとおりです。

  • レベル1:1ヶ月~3ヶ月程度
  • レベル2:3ヶ月~6ヶ月程度
  • レベル3:6ヶ月〜1年程度

未経験者がLinuxの基礎を学んだり実務に備えたりする場合には、Linux環境を構築して実際に作業を行うのもおすすめです。特に環境により異なる結果が出力されるコマンドの場合は、実機で動作させることで理解が深まりやすい傾向があります。

CompTIA認定資格試験(コンプティア)【民間資格】

CompTIA認定資格試験とは、IT業務での実践力や応用力などの実践的スキルを証明できる資格です。CompTIA認定資格試験には、2024年2月時点で13の認定資格があります。

中でもCompTIA Network+は、ネットワーク技術に関わる実務で必須とされるスキルを評価する資格です。ここでは、CompTIA認定資格試験の中のCompTIA Network+について解説します。

資格名 CompTIA Network+
運営 CompTIA
試験日 通年
受験料 一般価格¥47,672(税込)
合格基準 100~900のスコア形式 720スコア以上
受験資格 なし

試験内容

CompTIA Network+の試験内容は、ネットワーク技術に関するものが中心となっています。試験内容は、以下のとおりです。

  • ネットワーク設計
  • ネットワーク運用
  • ネットワークセキュリティ
  • トラブルシューティング
  • 業界標準・標準手法・ネットワーク理論

上記に加えて、今後エンジニアに求められるであろう仮想化についても理解を深めることができます。また、特定の製品に偏らないべンダーニュートラルな試験のため、汎用的なスキルを学べるといったメリットもあります。

難易度

CompTIA Network+の難易度は、初級~中級レベルと考えられます。CompTIA Network+の合格率などは公開されていません。試験内容としては、ネットワークに関する基本的な内容が出題されるため比較的挑戦しやすい試験となっています。

勉強方法

CompTIA Network+の勉強方法には、参考書の活用や模擬試験の受験がおすすめです。CompTIA Network+の試験に対応したテキストを使用して、ネットワークの基本についての知識を身につけましょう

CompTIA Network+の問題演習テキストなどを利用すると、どれくらい理解しているかなどが明確になりより知識が身に付きます。最後に、WEBでの模擬試験などを受講して試験に備えるとよいでしょう。

オラクルマスター(ORACLE MASTER)【ベンダー資格】

オラクルマスター(ORACLE MASTER)は、日本オラクル社が提供しているベンダー資格です。オラクルマスターを取得すると、データベースに関するスキルや知識を証明できます

資格名 オラクルマスター(ORACLE MASTER)
運営 日本オラクル社
試験日 通年
受験料 各試験34,300円(税込)/Platinumのみ231,000円(税込)
合格基準 試験ごとに異なる
受験資格 なし
試験内容

オラクルマスター(ORACLE MASTER)は、Oracle社のデータベースシステムに関する知識を問われる試験です。オラクルマスターでは、データベースの設計・構築・運用保守に関する問題など、データベースに関する幅広い内容が出題されます

試験のレベルと試験内容は以下のとおりです。

  • Bronze(ORACLE MASTER Bronze DBA 2019):オラクルデータベース管理の基礎知識やセキュリティ管理についての基本
  • Silver(ORACLE MASTER Silver DBA 2019・ORACLE MASTER Silver SQL 2019):Bronzeの内容にプラスして、セキュリティ管理やSQLによるデータアクセスなど
  • Gold(ORACLE MASTER Gold DBA 2019):バックアップ・リカバリや複製、マルチテナント環境の構成などの技術に加えて、データベース管理者としてのスキル
  • Platinum(ORACLE MASTER Platinum DBA 2019):ミッション・クリティカルなシステムにおいて最適な設計・構築・運用を行うスキル

Bronzeの難易度が最も低く、Platinumの難易度が最も高くなります。

難易度

オラクルマスター(ORACLE MASTER)の合格基準は、公開されていません。一般的に、目安とされている正答率は以下のとおりです。

  • Bronze:正答率65%
  • Silver:正答率60%(SQL試験は63%)
  • Gold:正答率57%
  • Platinum:正答率60%

Bronzeの試験は比較的初心者向けの内容ですが、Goldは未経験者というよりも実務経験者をターゲットとした資格といえます。そのため、Goldは実務経験を積んでから取得しても問題ないでしょう。

勉強方法

勉強方法としては、本や試験対策講座で学ぶ方法が有効です。

また、公式サイトで公開されている学習動画「ラーニング・サブスクリプション」や、サンプル問題を利用すると良いでしょう。定期的にBronze、Silver、Goldの各レベルごとに無料で参加できる試験対策オンラインセミナーが実施されています

初心者は、実際にオラクルのDB環境を構築するのがおすすめです。データベース開発では、PC上で操作することが多いため、SQL文の発行などを行うと理解の定着が早まります。

また、アプリケーションを作ることでデータベースの知識習得もできる場合があります。アプリで入力したデータの保存時にデータベースを利用する場合があり、データベースがどのように動くかを学べるわけです。

基本情報技術者試験【国家資格】

基本情報技術者試験は、コンピューターシステムやシステムの開発・運用、ネットワーク技術などについて問われる試験です。基本情報技術者試験では、ITに関する基礎的な問題が多岐にわたり出題されます

資格名 基本情報技術者試験
運営 IPA(情報処理推進機構)
試験日 通年
受験料 7,500円(税込)
合格基準 1,000点満点中600点以上
受験資格 なし
試験内容

基本情報技術者試験は、科目Aと科目Bに分かれており、それぞれ出題形式が異なります。科目Aは多肢選択式(四肢択一)、多肢選択式で出題され、科目Bは多肢択一の長文読解式です。科目Bの科目Aと科目Bの試験内容は以下のとおりです。

  • 科目A:テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系
  • 科目B:情報セキュリティ関連・データ構造及びアルゴリズム
難易度

基本情報技術者試験の合格率は、約20%と難関資格といえます。高度なIT人材に必要な基本的知識や実践的なスキルが問われる試験です。基本情報技術者試験は、基本的な知識が網羅的に必要となるため、「IT人材の登竜門」と呼ばれています。

勉強方法

基本情報技術者試験の勉強方法は、テキストの活用や講座の受講がおすすめです。基本情報技術者試験は、科目Aと科目Bで出題内容が異なります。そのため、科目Aと科目Bそれぞれの対策を行うことで合格する可能性が高まります

科目Aでは、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系が出題され、特に重要な用語の暗記が大切です。科目Bでは、アルゴリズムやロジックの暗記と変数の扱い方などを重点的に勉強しましょう。

ITの知識が少なく、効率的に合格率を上げたいなら、講座の受講をおすすめします。また、講座内で要件を満たせば本試験での科目Aが免除される制度もあります。科目Aを免除できる要件としては「免除対象科目履修講座」を受講し修了試験に合格するなどです。

講座のコースなどによって、科目Aの免除が可能になるかどうかは異なるので受講前に確認しておきましょう。

応用情報技術者試験【国家資格】

応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位試験です。応用情報技術者試験では、ITに関する高度な知識が問われる試験です。

資格名 応用情報技術者試験
運営 IPA(情報処理推進機構)
試験日 春期(4月)と秋期(10月)の年2回
受験料 7,500円(税込)
合格基準 100点満点中60点以上
受験資格 なし
試験内容

試験内容は、ITに関する出題に加えてITを活用した経営戦略の立案など、高度なIT人材と認められる内容が含まれています。応用情報技術者試験は午前と午後に分かれています。午前に行われる試験の内容は以下のとおりです。

  • テクノロジ系
  • マネジメント系
  • ストラテジ系

午後に行われる試験の内容は以下のとおりです。

  • 経営戦略の立案
  • 情報戦略
  • コンサルティング技法
  • システムアーキテクチャ
  • ネットワーク
  • データベース
  • 組み込みシステム開発
  • 情報システム開発
  • プログラミング(アルゴリズム)
  • 情報セキュリティ
  • プロジェクトマネジメント
  • サービスマネジメント
  • システム監査

午前の内容はITに関する基本問題、午後は応用問題と考えてよいでしょう。午後は記述式の問題になるので午前と比べて難易度が高くなります。

難易度

応用情報技術者試験の合格者は約20%、4人に1人が合格していると考えると難易度は高いといえます。試験内容の範囲が多く、試験内容もレベルが高いため実務経験を積んだ経験者でも試験対策なしには合格が難しい試験です。

また、応用情報技術者試験の下位試験である、基本情報技術者試験では4択問題しか出題されません。しかし、応用情報技術者試験では、考えを文章にして回答する記述式の問題が出題されるため、難易度が高くなっています。

勉強方法

応用情報技術者試験の勉強方法としては、テキストの活用と過去問題の活用がおすすめです。応用情報技術者試験は午前と午後の試験内容が異なるため、それぞれの試験内容に合った対策が必要です。

午前と午後の試験ともに、テキストを活用して基本を学んだ後、過去問題に取り組みましょう。また、細かな単語の暗記も合格するために必要な内容となります。

クラウド対応を目指す際のおすすめの資格

クラウド対応ができるネットワークエンジニアを目指す人には、クラウド関連の資格取得をおすすめします。クラウドサービスを活用する企業は増加しており、今後さらにクラウドサービスの需要は高まるでしょう。

今後、クラウド対応できるネットワークエンジニアの将来性は高いといえます。クラウド対応ができる証明となる資格を取得しておくことで、転職などが有利になるでしょう。

クラウド対応を目指す際のおすすめの資格は以下のとおりです。

  • AWSクラウドプラクティショナー【初級】
  • AWSソリューションアーキティトアソシエイト【中級】
  • AWSソリューションアーキティトプロフェッショナル【上級】
  • Azure Fundamentals(AZ-900)
  • VMware認定資格
  • Google cloud認定資格

それぞれの資格について、解説します。

AWSクラウドプラクティショナー【初級】

AWSクラウドプラクティショナーは、Amazonが運営するAmazon Web Servicesの認定資格の1つです。AWSクラウドプラクティショナーは、AWS認定資格の中でも基礎的な内容が出題される初級者レベルの資格です。

AWS認定資格を取得したい人は、まずAWSクラウドプラクティショナーから取得すると良いでしょう。AWSクラウドプラクティショナーの試験内容は以下のとおりです。

  • クラウドのコンセプト
  • セキュリティとコンプライアンス
  • テクノロジー
  • 請求と料金設定

AWSクラウドプラクティショナーの試験では、コーディングといったエンジニアリングに関する内容は出題されません。クラウドの概念やデータ保管やセキュリティ・AWSのサービスなどクラウドや製品に関する知識が問われます。

AWSソリューションアーキテクトアソシエイト【中級】

AWSソリューションアーキテクトアソシエイトは、AWS認定資格中でも中級レベルの資格です。AWSソリューションアーキテクトアソシエイトに合格するためには、クラウドに関する幅広い知識が必要となります。

AWSソリューションアーキテクトアソシエイトの試験内容は以下のとおりです。

  • セキュアなアーキテクチャの設計
  • 弾力性に優れたアーキテクチャの設計
  • 高パフォーマンスなアーキテクチャの設計
  • コストを最適化したアーキテクチャの設計

AWSソリューションアーキテクトアソシエイトでは、クラウドやネットワークの知識に加えてAWSの設計・運用知識も必要です。また、コーディングの深い知識などは必要ありませんが、プログラミングの基礎知識は必要となるでしょう。

AWSソリューションアーキティトプロフェッショナル【上級】

AWSソリューションアーキテクトプロフェッショナルは、AWS認定資格の中でも上級者向けの資格です。AWSソリューションアーキテクトプロフェッショナルは、2年以上のクラウドシステム設計・実装経験を持つ人材を対象とした試験です。

AWSソリューションアーキテクトプロフェッショナルの試験内容は以下のとおりです。

  • 複雑な組織に対応するソリューションの設計
  • 新しいソリューションのための設計
  • 既存のソリューションの継続的な改善
  • ワークロードの移行とモダナイゼーションの加速

AWSソリューションアーキテクトプロフェッショナルの試験では、高度で包括的な知識が必要となります。

Azure Fundamentals(AZ-900)

Azure Fundamentals(AZ-900)では、代表的なクラウドサービスの1つであるAzureの基礎知識やスキルが問われます。Azureは、Microsoftが提供する資格で、Azure Fundamentals(AZ-900)はその中でも初級レベルにあたる資格です。

Azure Fundamentals(AZ-900)の試験内容は以下のとおりです。

  • クラウドの概念について
  • Azureとアーキテクチャとサービスについて
  • Azureの管理とガバナンスについて

Azure Fundamentals(AZ-900)の試験内容は、クラウドの基礎知識となるので初級者向けといえます。しかし、英語の試験問題が翻訳されているため、分かりづらい箇所がある可能性があります。模擬試験などを活用して問題に慣れておくとより合格しやすくなるでしょう。

VMware認定資格

VMware認定資格は、ネットワーク仮想化市場において国内・海外において70~80%のシェアを誇るVMwareの認定資格です。クラウド対応ができるエンジニアは、高いシェアを持つVMwareの知識が必須といえます。

VMware認定資格は、6つの資格と4つのレベルに分かれています。その中でも、ネットワークエンジニアにはNetwork Virtualization(NV)の資格取得がおすすめです。Network Virtualization(NV)は、ネットワーク仮想化製品NSXに関する問題が出題されます。

Google cloud認定資格

Google cloud認定資格は、Googleが提供するクラウドサービスに関する資格です。Google cloud認定資格は、以下の資格に分かれています。

  • 基礎的な認定資格:クラウドのコンセプト、Google cloudのプロダクト、サービスツール、機能ユースケースに対する幅広い知識が問われる
  • アソシエイト認定資格:クラウドプロジェクトをデプロイして維持するための基礎スキルが必要
  • プロフェッショナル認定資格:主要な技術職務とGoogle cloudプロダクトの設計・実装・管理における高度なスキルが必要

Google cloud認定資格は、クラウド対応できるネットワークエンジニアにとって取得が推奨される資格です。

主要資格の難易度の目安と取得順の例

ネットワークエンジニアに関する資格は複数あり、運営元が異なります。そのため、難易度を比較しづらく、どの資格から取得すればよいか迷いがちです。そこで、ネットワークエンジニアが取得すべき主要資格の難易度の目安について解説します。

また、取得の順番についても紹介します。無駄なくステップアップを図ってください。

難易度の目安

ネットワークエンジニアが取得すべき資格を経済産業省が定めたITスキル標準に基づいて難易度を比べます。難易度は、受験者の能力やスキル・経験によって異なるため、あくまで目安として参考にしてください。

  レベル1 レベル2 レベル3 レベル4
シスコ技術者認定試験 CCT CCNA CCNP CCIE
情報処理技術者試験 ITパスポート 基本情報技術者試験 応用情報技術者試験 ネットワークスペシャリスト
LinuC レベル1 レベル2 レベル3  
LPIC レベル1 レベル2 レベル3  


上記のとおり、シスコ技術者認定試験とネットワークスペシャリストはITスキル標準の最難関であるレベル4に分類されます。また、ネットワークスペシャリストの合格率は2021年の12.8%と、2022年の17.4%からも難関試験であることがわかります。

なお、シスコ技術者認定試験の2023年度の合格率は公開されていません(2024年1月時点)。

取得順

資格取得の順番は、ITパスポート取得後にシスコ技術者検定のCCNAまたはLPICレベル1がおすすめです。ITパスポートは、ITに関する基礎知識を証明できる国家資格です。

ネットワークエンジニアにITパスポートの資格は必須ではありませんが、未経験の場合は取得しておいて損はない資格でしょう。

おすすめの資格取得の順番はあくまで目安です。自分のスキルや経験に応じて適切な資格を取得してください。

ネットワークエンジニアの資格取得のための勉強方法

ネットワークエンジニアの資格取得のためには、勉強方法が重要です。勉強方法は、ネットワークエンジニアの人と未経験の人では方法が異なります。すでにネットワークエンジニアとして活躍している人は、参考書や過去問などの活用が効果的でしょう。

一方、未経験から資格を取得する人はスクールや講座を受講する方がメリットが多いと考えられます。おすすめの勉強方法について、それぞれの特徴をふまえて自分に合った勉強方法を見つけてください。

4つの勉強方法

まず、資格取得のための勉強環境を決めておきましょう。最初に勉強方法を決めておくと、後々迷うことを防げます。自分のスキルや経験・生活スタイルによって適切な学習環境は異なります。それぞれの特徴を知っておきましょう。

参考書を活用して独学する

資格取得のためのコストを抑えたい人は、参考書やテキストを活用した独学がおすすめです。資格にフォーカスした参考書やテキストが販売されているので、コストを抑えて学習できます

ただし、参考書やテキストを活用する独学の場合、不明点について質問することができません。そのため、不明点を解決できるようなリサーチ力が必要でしょう。

学習サイトを活用して独学する

学習サイトを活用すると、スクールに通うよりも低価格で学習できます。学習サイトには、無料で利用できるサイトと有料で利用できるサイトがあります。有料の学習サイトでも、資格スクールなどに比べると低価格で利用可能です。

学習サイトでは、実践的な試験対策として問題集を活用する場合があるため、事前に参考書で基礎知識を身に着けておくと理解しやすいでしょう。

e-lerningを活用して独学する

独学で資格取得したいけど、参考書などの活字よりも動画の方が理解しやすい人にはe-lerningがおすすめです。e-lerningは、エンジニア向けの講座が用意されており低価格で利用が可能です。

無料で利用できるサービスもあるので、自分に合ったe-lerningサービスを利用しましょう。

スクール・講座を受講する

効率よく資格取得の学習をしたい人は、スクール・講座を受講しましょう。ITエンジニア向けの資格スクールや講座は全国に多くあります。資格スクール・講座を受講するメリットは、専門知識を持っている講師に質問して不明点を解決できる点です。

ただし、独学と比べると費用が多くかかるため、自分に合ったスクール・講座を受講するのが重要です。

勉強の進め方・コツ

ネットワークエンジニアが取得すべき資格の中には、比較的取得しやすいものから難易度が高いものまでさまざまです。効率的な学習方法のコツを知っておくと、スムーズに資格取得までの勉強を進めることができます

試験内容を把握しておく

試験内容を把握してから、細部に取り組むことで効率的に理解を深められます。まずは、内容が理解できなくてもよいので試験に出題される内容や分野ごとの出題の割合などを把握しておきましょう。

勉強のスケジュールを立てる

勉強を始める際には、試験の開催日に合わせて学習スケジュールを立てましょう。試験によっては、通年開催されているものや年に数回しか開催されていないものもあります。

試験の開催日に合わせて勉強のスケジュールを逆算して立て、計画的に学習を進めましょう。

スケジュールは詰め込みすぎず、分野ごとに理解が進んでいるか確かめるために、TO DOリストを付けるなどの工夫が効果的です。

繰り返し問題集や過去問を解く

試験に合格するためには、同じ問題集や過去問を繰り返し解くと知識が身に付きやすいです。最初に多くの問題集や過去問を購入するとコストがかかるだけでなく、どれから取り組むべきか迷ってしまいます。

さらに、異なる問題集や過去問の言い回しの違いに注意が向いてしまって、勉強が進められなくなる可能性があります。同じ問題集や過去問を解いて知識を定着させた後に、次の問題集や過去問に進みましょう

プログラミングの練習をする

試験によっては、実際に実機を使用するものもあるため、プログラミングの練習が必要になります。実務試験がある試験の場合、トラブルシューティングやネットワークの設計・運用について問われる場合もあります。

参考書を読むだけでは、実務試験に対応するのは難しいでしょう。まずは、自分が受験する試験に実務試験があるかどうかを確かめておきましょう。

スキルもネットワークエンジニアにとって重要

ネットワークエンジニアに転職するためには、資格だけではなくスキルや実績も重要です。代表的なスキルを6つ紹介していくので、資格と合わせて獲得に努めてください。

最後までやり遂げる力

ネットワークエンジニアには、最後までやり遂げる力が必要です。ネットワークエンジニアは、ネットワークの構築・運用・保守を行います。加えて、予期せぬトラブル対応に追われる場合には、トラブルの原因を突き詰めて対応しなければいけません。

根気強さが必要なネットワークエンジニアは、最後までやり遂げる力を持つことで社内の評価に繋がります。資格取得の際の勉強においても、不明点をそのままにせず理解できるまでリサーチするなど最後までやりきる力が必要です。

資格は、知識やスキルそのものを証明するだけでなく最後までやりきる力を証明することもできます。

俯瞰的かつ先読みができる

俯瞰的かつ先読みができるネットワークエンジニアは、高評価を得ることができマネージャーなどへキャリアアップしやすくなります。ネットワークエンジニアの動向や今後どのように変化していくのかなどをさまざまな情報の中から取捨選択する力が必要です。

自発性や問題意識を持っている

ネットワークエンジニアは、新たな技術やスキルを自発性や問題意識を持って学び続けることが大切です。ネットワークエンジニアの環境は、新たな技術やエンジニアの動向などによって変化します。

常に求められるネットワークエンジニアになるためには、自発的に新たな技術への理解を深めたり知識を増やす必要があります

コミュニケーション能力がある

ネットワークエンジニアは、クライアントへヒアリングをする業務に携わる場合があります。また、サーバーエンジニアなど関係部署との連携のために、ミーティングや連絡をも多くなります。

ネットワークエンジニアをやる上で、業務をスムーズに進めるためにコミュニケーション能力は必須です。

ロジカルシンキングができる

ネットワークエンジニアには、要件作成やトラブル対応の際にロジカルシンキングが必要となります。ネットワークの設計・運用・保守の業務には、物事を論理的な繋がりを捉えながら対応するスキルが重要となります。

ネットワークを設計・構築する際に、機器はどのくらい必要になるのかを設計書にまとめる際にも論理的思考法が必要です。また、トラブル発生時にはトラブルの種類や発生原因などを仮説を立てて解決していかなければいけません。

トラブル対応の際には、再発防止を含めて適切な処置が求められます。ネットワークエンジニアを目指すなら、日頃からロジカルシンキングを意識して生活すると良いでしょう。

ITへの興味・関心がある

変化の激しいIT業界のトレンドに合わせるために、ネットワークエンジニアは常にITへの興味や関心を持ち続けなければいけません。IT業界で現在使われている技術が、数年後には古い技術になることも珍しくありません。

新たな技術やIT業界のトレンドについて日々、興味・関心を持って接するようにしましょう

国家資格や民間資格の違い

ネットワークエンジニアが取得すべき資格には、ベンダー資格・国家資格・民間資格といった3つの種類に分けられています。それぞれの資格の種類の特徴について知っておくことで、キャリアに必要な資格や転職に有利な資格について理解できます。

また、就職先に効果的な資格が明確になるので、それぞれの資格の種類について解説します。

ベンダー資格

ベンダー資格とは、ハードウェアやソフトウェアを提供している商品を販売するベンダー企業が実施する試験のことです。主に、自社製品の操作技術や管理技術を満たしているかどうかを測定する試験です。

IT業界内のシェアが大きい製品のベンダー企業の試験の場合、取得しておくことで特定の製品への知識やスキルを証明できます。代表的なベンダー資格は、Cisco社が提供しているCCNAなどです。

国家資格

国家資格は、一度取得しておくと有効期限がないのが特徴です。更新を忘れて資格を失効することもありません。また、受講料が比較的安価で認知度が高いため、就職時に評価に繋がりやすいメリットもあります

代表的な国家資格は、基本情報処理技術者試験やネットワークスペシャリストなどです。

民間資格

民間資格とは、特定のベンダーではなく中立的な立場で開発された資格のことです。実務に近い問題が多いため、実務に活かすことができます。代表的な民間資格は、CompTIA社が提供しているCompTIA認定資格試験などです。

ネットワークエンジニア資格に関するよくある質問

ネットワークエンジニア資格に関するよくある質問を紹介します。

Q. ネットワークエンジニアになるには何が必要ですか?

ネットワークエンジニアには、ネットワークやセキュリティ・クラウドに関する知識が必要です。

Q. ネットワークスペシャリストは誰でも受けられる資格ですか?

受験資格は設けられていないので、誰でも受験できます。

Q. ネットワークエンジニアに向いている人はどんな人ですか?

ネットワークエンジニアには、機器に対して興味関心があり、故障やトラブルに対して忍耐強く作業を遂行できる人などが向いているでしょう。

最後に

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