ゲームデバッカーとは？仕事内容や必要なスキル・フリーランス事情を解説 | レバテックフリーランス

ゲームデバッカーの仕事内容

ゲームデバッカーの仕事内容を理解するには、デバッグ作業の理解が欠かせません。まずはデバッグ作業とは何かを解説します。

デバッグとは？仕事内容を解説

デバッグとは、ゲームが正常に動作しない、あるいは予期せぬ動作をするなどの「バグ」を洗い出して修正する作業のことです。

たとえば、キャラクターが本来行けない場所（海や山の中など）に行けてしまうことや、敵キャラクターに弾や攻撃が当たらない（当たり判定がおかしい）などがゲームの不具合に相当します。

ゲームはゲームデザイナーがシナリオや世界観を作り、ゲームエンジニアがゲームの設計を実施。そしてゲームは仕様書にまとめられて、プログラマーがソースコードを書きます。これら一連の作業の中で不具合や仕様の矛盾などが生じることは珍しくありません。むしろ、バグが存在しないプログラムはないといい切っても良いでしょう。

よってデバッグ作業はゲームを完璧なものに仕上げるための最後の作業となるのです。

実際のデバッグ作業では、ゲームの開発最終版（アルファ版）と仕様書がデバッカーチームに渡されます。デバッカーチームはゲームをプレイしながら、仕様書どおりに動くことを確認します。さらにテストプレイとして、ゲーム内でさまざまなプレイを検証し、ゲームがきちんと動くかどうかだけでなく、ゲームの難易度の適切さやゲームバランスも確認します。

デバッグ作業の計画と調整

デバッグ作業は1人で行わず、ゲームの規模によってゲームデバッカーやテスターが数名〜数十名集められます。ゲームデバッカーには、正社員だけでなくアルバイトやフリーランスの方も少なくありません。またフリーランスであれば、ゲームデバッカーには、ゲームデバッカーチームのリーダーやマネジメントを期待されているケースも多々あります。

よってデバッグ作業の計画と各部署との調整作業が仕事内容に含まれると考えて差し支えありません。

近年、ゲームはオンライン対戦ゲームとしてインターネットを通じてプレイヤー同士が対戦も可能です。このようなゲームではテストプレイやベータテストと称して、プレイヤーに開発中のゲームをプレイしてもらうことも。このようなゲームのテスト計画の立案にはゲームデバッカーが関わることもあります。

テストプレイの結果はゲームデバッカーチームやゲームエンジニアが確認して、ゲームの完成度を高めます。

ゲームプログラムのバグの情報を集めてプログラマーに報告する

ゲームデバッカーはバグの再現性や発生頻度を確認してプログラマーに報告します。プログラマーは報告された情報をもとにソースコードを修正・調整して、再度ゲームデバッカーチームに渡し、デバッグ作業が行われます。

このようなとき、デバッカーにプログラミングのスキルやデザインのスキルがあると、プログラマーとのコミュニケーションが取りやすく、ゲームの開発がスムーズに進むのです。

またデバッグ作業は工数が非常にかかることもあり、ゲーム会社やゲームタイトルによってはデバッグツールを用いた、自動テストプレイを実施しているところも。よってデバッカーチームはこれらのツールを動かしてデータを検証する仕事を行うこともあります。

デバッカーとテスターの違い

ゲームデバッカーとテスターは厳密には違うものですが、案件によってはゲームテスターと称している場合もあります。

デバッカーはテストプレイでゲームのバグを見つけ出すこともありますが、ゲームのバグ情報を収集してプログラマーに報告することや、テスターのプレイをチェックしてバグを見つけることが主な仕事です。

テスターはチェックリストに基づいてゲームのテストプレイを行い、バグと思われる箇所をデバッカーに報告する仕事です。

その他のゲーム業界に関する職種としてゲームスクリプターやインフラエンジニアがあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
ゲームスクリプターの仕事内容｜未経験者に必要なスキルや経験なども解説
ゲーム会社のインフラエンジニアとは

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ゲームデバッカーに必要なスキル

ゲームデバッカーは未経験者でも就ける仕事ですが、一定のスキルがあることで高く評価されます。ゲームデバッカーの仕事を通じて、キャリアアップするためには以下のようなスキルがあると良いでしょう。

プログラミングスキル

ゲームをシステムに置き換えると、デバッカーの仕事はシステムの品質管理そのものです。そのためプログラミングのスキルがあると、テストプレイやバグの発見時に、ソースコードのどの当たりがおかしいのか「アタリ」をつけられます。

またソースコードの一部でも読めれば、どの部分でバグが生じやすいか、1つのバグを見つけた時点で、ほかのどの場所やどのようなプレイでバグが生じるか予想することも可能です。

プログラミングのスキルがあれば、システム開発におけるテスト工程のスキルがあると見なされるため、このスキルはゲームデバッカーの案件獲得において大きなアピールポイントになるでしょう。

プロジェクトマネジメントツール

ゲームのデバッグはゲーム開発プロジェクトの一部です。さらにゲームのデバッグは計画に基づいて行われるため、プロジェクトマネジメントツールでデバッカーチーム全体が管理されることもあります。

デバッカーチームのリーダーやマネジメントを期待されているフリーランスの場合、プロジェクトマネジメントツールを扱えるスキルがあると良いでしょう。

コミュニケーション能力

ゲームデバッカーの主な仕事は、バグを発見してそれを報告することです。報告の際は、正確にかつわかりやすく詳細を相手に伝えなくてはいけません。したがって、コミュニケーション能力が必要となります。

バグの報告は企業によっては文章で伝える必要があります。そのため、口頭だけでなく、文章でも同様に伝えるスキルがあると望ましいでしょう。

さまざまなゲームに精通していること

ゲームに関わる仕事であり、かつゲームの品質管理に携わる仕事である以上、さまざまなゲームに精通していることは不可欠です。少なくとも、デバッグするゲームのジャンル（アクション・FPS・RPGなど）に詳しくなければいけません。

たとえば、シューティングゲームで弾の当たり判定がおかしいことに気づくためには、シューティングゲームのことをよく理解していなければいけません。またパズルゲームであれば、パズルゲームを解く力はもちろん、どのような点がほかのパズルゲームと違うのか、面白さはどこにあるのかを理解してテストプレイすることになります。

デバッカーはゲームのバグを修正する仕事ですが、修正の過程でゲームの面白さが損なわれては意味がありません。適切な改善案をプログラマーやエンジニアに提示するためにも、ゲームに精通していることは非常に重要です。

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ゲームデバッカーに向いている人

ゲームデバッカーの適性としては、ゲームが得意であること、ある程度ゲームの操作に慣れていること、忍耐強さなどが挙げられます。プログラミングの知識は問われないことが多いですが、その分、開発側に比べて報酬も少なめと考えましょう。

作業が長時間におよび、内容も単純作業がほとんど、さらに、好きなジャンルのゲームばかりに携われるとは限らないため、どのようなゲームのデバックでも黙々とこなせる根気強さが求められます。

ゲームデバッカーの仕事はゲーム内のバグを見つけることであり、試験仕様書の結果やバグの詳細を記録しレポートなどで提出する必要があります。どのような操作をしたら何が起こったか、どの程度の頻度で発生したか、など発生したバグの内容を開発者に的確に伝えられるレベルのコミュニケーション力も必要となるでしょう。

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未経験からゲームデバッカーになるには

未経験からゲームデバッカーになることは可能です。具体的には、以下の方法を試してみてください。

求められる知識・スキルを磨く

未経験から目指す場合、ゲームデバッカーに求められる知識やスキルを磨きましょう。本記事の「ゲームデバッカーに必要なスキル」で具体的なスキルを紹介しているので、改めてご確認ください。

ゲーム開発会社やデバッグ専門会社へ就職する

ゲーム開発会社やデバッグ専門会社へ就職して、ゲームデバッグの仕事を担当するという手段があります。ただし、デバッグ専門会社では、ゲーム以外のデバッグの仕事も行うことになるでしょう。

ゲーム開発会社やゲーム業界では、どのようなバグが起こりやすいのか学ぶために、新人はゲームデバッカーを担当することが多い傾向があります。

未経験歓迎の求人も多い

ゲームデバッカーは、未経験者でも受け入れる求人が多いことが特徴です。ただし未経験者歓迎の求人は、デバッカーというよりもテスター寄りの仕事が多いため、まずはテスターとしてゲーム業界に参画することになると想定されます。

テスターとしての経験を積み、ゲーム独特のバグの洗い出し、テスト手法に慣れてくればゲームデバッカーとしても活躍できるようになるでしょう。

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ゲームデバッカーに役立つ資格

案件を獲得するために有利に働くと考えられる以下の資格について解説します。

• MOS（マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト試験）
• ITパスポート

基本的にゲームデバッカーには特別な資格は必要ありませんが、ITスキルを証明することで案件獲得に有利に働くと考えられます。

MOS（マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト試験）

本試験はマイクロソフトオフィス製品を扱うスキルを証明できる試験です。試験にはWordやExcel、PowerPoint、Outlook、Accessの各製品ごとにスペシャリスト認定があります。またWordとExcelには上級のエキスパート試験も用意されています。

デバッグ作業ではドキュメントやチェックリストをWordやExcelで管理することが多いため、これらのアプリケーションを使いこなせるスキルが証明できると、案件獲得に有利に働くでしょう。

参照：MOSとは｜MOS公式サイト

ITパスポート

本試験は独立行政法人情報処理推進機構（IPA）が主催する試験で、ITに関する基礎的な知識・スキルを証明できる試験です。ITを利活用するすべての社会人に向けた試験のため、ゲームデバッカーの案件に関わらず、取得しておいて損はないでしょう。

ゲームデバッグの現場ではコンピューターシステムやITツールが頻繁に使用されます。そのためパソコンが扱えるというレベルではなく、ITそのものに一定のスキルがあることが期待されます。ほかのフリーランスに差をつけるためにも、取得すると案件獲得の上で役立つといえるでしょう。

参照：【ITパスポート試験】情報処理推進機構

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ゲームデバッカーのキャリアパス

ゲームデバッカーの先にあるキャリアには以下のようなものがあります。

• ゲームプログラマー
• ゲームエンジニア
• システム開発の品質管理

それぞれについて解説していきます。

ゲームプログラマー

ゲームデバッグの経験はゲーム制作にも活きてきます。ゲームのどのようなところでバグが生じやすいのか、プログラマーはどのような仕事をしているのかなどを間近で見ることが可能です。またプログラミングスキルがあれば、ゲームデバッグを通じてプログラミングのヘルプ作業を行うことも考えられます。

ゲームプログラマーになると、デバッカーに比べて格段に、ゲームの制作に携われるため、ゲームへの情熱がある方には非常に魅力的なキャリアパスといえるでしょう。

ゲームプログラマーの仕事に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【エンジニアのプロ監修】ゲームプログラマーとは？仕事内容や必要なスキルを解説

ゲームエンジニア

ゲームエンジニアは、ディレクターやゲームデザイナーが作成したゲームのシナリオや世界観を仕様書に起こして、ゲームを制作する職種です。またゲームプログラマーやデバッカーチームを取りまとめて、ゲーム制作の進行管理や品質管理を行います。

ゲームエンジニアはシステムエンジニアに近い仕事ですので、ゲーム業界にこだわらなければ、一般的なシステムのプログラマーを経て、システムエンジニアへの転身も可能です。
システムエンジニア（SE）とは｜仕事内容やスキル､年収､プログラマーとの違いも解説

システム開発の品質管理

デバッカーの仕事はゲームの品質管理です。これはシステムの品質管理に通じるところもあるため、一般的なシステムの品質管理部門で案件を獲得できます。

テスターはチェックリストに従ってテストを行いますが、デバッカーはバグを洗い出し、修正など多くの仕事を手がけます。また、バグを見つけ出すことは経験値も必要で、時間も手間もかかりますが、品質管理部門の案件は少なくありませんので、デバッカーとしてのキャリアは大いに活かせるでしょう。

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フリーランスゲームデバッカーの年収

ここではゲームデバッカーの年収の参考として、レバテックフリーランスでの公開案件を基にした年収例をご紹介します。

平均年収（フリーランス）	528万円
最高年収	900万円
最低年収	396万円

※上記の金額はお支払いを約束するものではございません。

なお、会社員とフリーランスとでは、社会保険料や税金の計算が異なる、会社員は月給のほかに賞与もある、など収入の計算の仕方に違いがあるため、両者の金額を単純比較できないという点はご注意ください。

参照：ゲームデバッカーの求人・案件一覧（2022年12月時点）

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フリーランスのゲームデバッカーとして働くには

ゲームデバッカーの案件はアルバイトで募集していることもあるため、ほかのエンジニア案件に比べると獲得しやすいと考えられます。ただしゲームへの情熱や知見といった、エンジニア経験よりゲームに対する情熱と粘り強さが重要です。

フリーランスのゲームデバッカーには、エンジニア経験のほかにも同等にゲームへの情熱が求められます。一般的なシステムの品質管理、バグの洗い出しとゲームのデバッグは違います。

ゲームのデバッグはテストプレイをしなければいけませんし、プレイする上で不具合となる箇所を見つけるにはゲームへの知見が不可欠です。またゲームの面白さを左右する重要な仕事のため、ゲームへの情熱がある方が望ましいと考えられます。

さらにゲームは基本的に、発売後はバグの修正ができません。最近は発売後にネットワークを通じてゲームのバージョンアップができるゲームタイトルもありますが、発売時のバージョンでゲームの評価はほぼ決まるため、デバッグ作業の重要度は非常に高いです。

そして何度もテストプレイを重ねることや、ゲーム内のパラメータの微調整に対応するテストプレイやデバッグ作業など、粘り強くデバッグに取り組む気持ちが求められます。

このような情熱と粘り強さがあれば、ゲームデバッカー、ゲームプログラマーなど、ゲーム業界でキャリアを築いていけるでしょう。

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ゲームデバッカーに関するよくある質問

ゲームデバッカーの仕事内容は？

ゲームデバッカーの仕事内容は、主に開発中のゲームのバグや不具合を見つけて報告することです。さらに、発見したバグや不具合を修正することも仕事に含まれます。

ゲームデバッグの流れは？

ゲームデバッグの仕事は、まずバグを発見するためにゲーム内にバグが有ることを行いながらプレイをします。バグを発見したらその条件を洗い出し、問題のコード範囲を特定する、という流れで行われます。

ゲームデバッカーのやりがいは？

ゲームデバッカーのやりがいは、仕事として未発売のゲームをプレイできることや、そのなかでバグを発見した際に達成感を得られることです。

また、自分が携わったゲームが発売した際にも、やりがいを感じられるでしょう。企業やゲーム、担当した範囲にもよりますが、場合によってはゲームのスタッフロールに名前が載ることもあるようです。

ゲームデバッカーの将来性は？

ゲーム市場はスマホゲームやオンラインゲームも普及とともに需要が拡大しており、将来性も十分にあるといえるでしょう。ゲームデバッカーはまだ知名度が低い傾向がありますが、近年のゲームのリリーススケジュールがタイトになるなか、ゲームでバッカーの存在が求められていくようになると考えられます。

※本記事は2022年12月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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