インフラエンジニアはきつい?激務って本当?未経験でも大丈夫? | レバテックフリーランス
インフラエンジニアはきつい?激務って本当?未経験でも大丈夫?
インフラエンジニアは主にネットワークやサーバーの構築、運用保守などを行います。
インターネット上などでは「インフラエンジニアは残業が多くてきつい」や「インフラエンジニアはやめとけ」といった声が見受けられることもありますが、企業や現場、あるいは向き不向きにもよることもあり、一概にそうとは限りません。
今回は、インフラエンジニアの職場環境や、インフラエンジニアに向いている人の特徴などをご紹介します。
インフラエンジニアの仕事に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【エンジニアのプロ監修】インフラエンジニアとは?仕事内容や年収・必要スキル・資格などを徹底解説
■この記事の監修
King & Wolf
MS-DOS時代からソフト開発に従事し、主にマイコン/ファームウェア系でソフト開発が多いです。例えば、医療機器用制御、Android端末、携帯基地局/端末/IP電話、DSP制御です。Windowsアプリも開発してきました。 OSは、MS-DOS、Windows系3.1~10,XP-embedded,OS/2,UNIX系(Sun,HP),Linux,VxWorks,TRON系,Android、リアルタイムOSを経験してます。主なマイコンはIntel(8085,8051,x86, StrongARM),68K,NEC(V30系, V8xx, DSP), TI(DSP C6x, C5x、ARM系), MIPS系, RENESAS系など多岐にわたります。資格はマイコン応用エンジニア(現エンベデッドシステム)があり、英語圏留学経験もありますので技術系翻訳もしています。
目次
インフラエンジニアがきついと言われる理由
インターネット上などで「インフラエンジニアの仕事がきつい」「インフラエンジニアはやめとけ」といった声が見受けられる理由としては、主に以下の2つが挙げられます。
- 休日出勤・残業
- 急な対応
実際にはインフラエンジニアに限ったことではありませんし、現場によっては上記のような勤務が発生しないような勤務体制が採られている場合もあります。
休日出勤・残業
インフラエンジニアは本当に休日出勤や残業が多いのか、については公的なデータがないため一概に言えませんが、あくまでも目安として、IT業界の残業時間の目安をご紹介します。
2017年に経済産業省が発表した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、IT関連業界で働くIT人材のうち「高度SE・ITエンジニア」の平均残業時間は月30時間~35時間程度、「IT運用・管理」の平均残業時間は月20時間強となっています。
参考 : 「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」|経済産業省
企業によって残業が発生する理由は異なりますが、いくつか考えられる理由を挙げてみましょう。
まず、社員が少ない現場は残業が増える可能性があります。プロジェクトに対して人員が少ない、あるいは人員のスキル不足が見られる場合、一人当たりの仕事量が増え、結果的に残業をせざるを得なくなるケースが考えられます。
また、プロジェクトの納期が近づいている場合に残業が増える可能性があります。システムの納期までには数ヶ月、長ければ1年以上を要する場合がありますが、開発が進むにつれて機能の結合やテストといった作業が増えていきます。このような作業でトラブルや修正が発生した場合は修正と再度テストを行いますが、納期に間に合わせるために残業しなくてはならないこともあるようです。
さらに、インフラの管理業務として、常にシステムの監視役を必要とする場合があります。毎日誰かが監視作業に当たる必要がある場合は、どうしても休日に出勤する機会が出てくるでしょう。
急な対応
インフラエンジニアは、急なトラブル対応をしなければならない機会があります。
例えばECサイトのサーバーがダウンした場合、サイトが使用できない間、購入を検討していたユーザーは商品を購入できません。商品購入において、タイミングは重要であり、購入する機会を逃してしまったユーザーは結局そのまま購入しない可能性も高いです。そうするとその間に得られるはずだった売上が、サーバーダウンが原因でゼロになってしまうことにもなりかねません。
このように企業のインフラが使えなくなると、秒単位で損害が発生する可能性もあるため、トラブルが発生したら迅速に対応しなければなりません。そのため、保守・管理業務を担当するインフラエンジニアは、そのとき取り組んでいる作業を中断してでもトラブル対応や復旧作業に対応することがあります。すぐに復旧できればいいですが、場合によっては深夜帯まで夜通し復旧作業をすることもあり得ます。
障害が発生する頻度は現場によって異なりますが、システムが新しく導入される前後や、利用者数が多い大規模システムでは対応が発生する頻度が高まる可能性があります。
インフラエンジニアに向いている人
インフラエンジニアの仕事に向いている人の特徴として、以下の3点が挙げられます。
- ITの勉強が好き
- 機械相手の仕事を楽しめる
- リモートワークをする事情がある
ITの勉強が好き
インフラエンジニアはITに関する勉強が好きな人や、新しいことを学び続けることができる人に向いている仕事です。
近年のインフラ環境は変化しており、施設内で管理するオンプレミスではなく、インターネットを介して提供されるクラウドが多く利用されるようになってきました。実際に様々な業界において、既存のシステムをクラウドに移行していく企業が見られます。そのため、インフラエンジニアにも、AWS(Amazon Web Service)やGCP(Google Cloud Platform)、Microsoft Azureなどのクラウドサービスに関するスキルが求められています。
また、5G回線が普及して企業で運用できるようになると、インフラの設計ではネットワーク構成や対応ミドルウェアなどを新たに検討しなくてはならないでしょう。
今後もこれらのような新技術の登場や普及によって、インフラエンジニアには新しい技術の習得が求められるようになります。これらの技術や知識の習得に前向きに取り組める人は、インフラエンジニアに向いていると言えるでしょう。
また、これらの新技術に関するスキルを持ったインフラエンジニアになれば、自身の市場価値を高めることができます。高待遇の職場への転職や給与アップにもつながるといったメリットも期待できるでしょう。
参考 : 「第5世代移動通信システム(5G)の今と将来展望」|総務省
機械相手の仕事を楽しめる
インフラエンジニアの業務は、直接顧客やユーザーと接する機会が多いとは言えません。開発前のヒアリングを行うこともありますが、開発中はサーバーやネットワークの構築や機器の配線や設置、ソフトウェアや監視ツールなどの開発に集中します。運用後は、モニタリングやログの確認といった作業が中心です。
監視中にトラブルが発生したら状況確認や対応について人と話すことはありますが、復旧作業に入るとまた機械が相手となります。復旧したとしても、トラブルが発生することはいつでもあり得ることです。したがって、事前にトラブルが起きた際を想定して動いたり、念のための作業を行っておいたりすることも、機械相手の仕事として重要となります。
このように、インフラエンジニアは営業やサービス業などと比べれば、機械相手の仕事が多い傾向にあります。そのため、人と接することなく黙々と作業することが好きな人はインフラエンジニアに向いていると言えるでしょう。
リモートワークをする事情がある
家庭の事情や遠方在住などを理由にリモートワークをしている人にもインフラエンジニアは向いていると言えるでしょう。
最近のクラウドはフルリモートでもインフラ構築ができます。そのため、出社せずともインフラエンジニアの仕事をすることも可能です。もちろん、会社の規定には基づきますが、インフラエンジニアは、リモートワークをしなくてはならない事情がある人にもおすすめです。
インフラエンジニアを辞める理由
インフラエンジニアを辞めて別の職種に転職する人も中にはいます。インフラエンジニアを辞める理由として、以下のような点が挙げられることがあります。
- 仕事がつまらない
- すぐ稼げるようになると思っていた
- ブラック企業だった
インフラエンジニアは機械に向かってコツコツ進める作業が多いこと、思っていた労働環境とは違っていたことなどが理由となっているようです。
仕事がつまらない
仕事がつまらないという理由でインフラエンジニアを辞める人も一定数いるようです。もちろん「面白い」「つまらない」というのは人の主観なので、一概には言えない部分が大きいですが、インフラエンジニアは人と接する機会があまりなく、機械に向かって作業をする時間が多くなります。したがって、コツコツと作業していくことが苦手な人や、人と話すことが好きな人にとってインフラエンジニアの業務は退屈だと感じるかもしれません。
同僚やチームメンバーとのコミュニケーションはありますが、職場によっては顧客との関わりやユーザーと直に接するような機会は少ない場合もあります。そのため、サービス業のように直接お客さんから感謝の言葉を言われる機会もあまりなく、やりがいを感じづらいという人もいるようです。
また、インフラエンジニアの仕事は、IT系職種のなかでもクリエイティブな業務は少ないと言われることもあります。ITエンジニアというと、スマホアプリやWebサービスを発案して便利なものを世の中に浸透させるイメージを持つ人もいますが、インフラエンジニアの仕事では、基本的にそのような業務はあまりなく、システムの性能や耐障害性と向き合う業務がメインとなります。そのため、自分が作りたいものや興味がある業務に携われず、想像していたより仕事がつまらないと感じる人もいるようです。
そのほかのエンジニア職種についても検討したいという方は、こちらの解説も参考にされるとよいでしょう。
ITエンジニアはきつい?未経験だと大変?転職前のチェックポイント
すぐ稼げるようになると思っていた
ITエンジニアは稼げるという理由でインフラエンジニアとして働きだした人は、想像よりきついという理由で辞めてしまう場合があります。
インフラエンジニアは、インフラの設計・構築・運用保守まで行います。一度プロジェクトが動き出すと、インフラの設計ではネットワークやサーバーの構成、機器の選定などを行い、構築では機器の設置やツールの開発などを行います。プロジェクトが終わったと思ったら、運用保守で深夜帯や休日の作業も発生することもあります。
このようにインフラエンジニアの業務範囲は多岐にわたるため、ひとりで仕事ができるレベルに達するまでには時間がかかるでしょう。特に未経験でインフラエンジニアになった場合は、エンジニア経験者よりもスキル習得に時間が必要となり、スキルや実績が上がるまでは収入があまり変動しないこともあるようです。そうすると、思うように稼げないと感じてしまう可能性があります。インフラエンジニアとして高い収入を得るには、やはり自己学習やスキルアップが必要になります。
ミスマッチによる早期退職を避けるためには、インフラエンジニアの仕事は長期的に時間をかけて実務経験を積んでいくことが給与アップにつながるということを理解し、長いスパンで目標を立てて日々の業務に携わっていくことが重要です。
ブラック企業だった
インフラエンジニアとして勤務した会社がブラック企業だった、という理由で辞める人もいるようです。現場の社員が少なく、残業・休日出勤が続いてしまう現場も、なかにはあるかもしれません。たとえば、プロジェクトメンバーが体調を崩してその穴埋めを頼まれ、過度な休日出勤や残業が慢性化したまま放置されているような職場環境は、ブラック企業に当てはまると考えられます。
また、業務内容以外のところで難がある現場もあります。たとえば、パワハラなどが横行している、社風が時代に逆行しているような企業はきついと感じる人がほとんどでしょう。IT企業だからといって、社風が先進的であるとは限りません。このように、職場環境が耐え難いブラック企業だということが原因で、インフラエンジニアを辞めてしまうケースもあります。
勤務形態や現場の雰囲気を事前に知るためには、転職時に面接や働いているスタッフなどの様子からどのような企業なのかを読み取ることも大切です。
入社前のチェックポイント
インフラエンジニアとして転職を検討するうえでは、入社前にできるだけ待遇や職場環境を把握しておくことが大切です。面接時などに確認したいポイントとしては、主に以下の3点が挙げられます。
- 社員に活気や元気があるか
- 残業・休日出勤状況
- 福利厚生
面接は勤務環境を直接見ることができる機会です。また、入社前には雇用条件をしっかり確認しておくと、ブラック企業でないか見抜くことにもつながります。
社員に活気や元気があるか
社員の表情や話し方などに活気があるかを見ておくことは、入社前のチェックとして重要です。オフィスの雰囲気が悪かったり、社員の表情があまり優れない様子だったりする場合、理想的な労働環境とは言えない可能性もあるためです。
企業の特徴は社員の言動からも読み取れるので、入社前に現場を見ることで、入社後に自分が無理なく働いていけるかを判断するひとつの材料にすることができるでしょう。
単純に活気や元気があるかだけでなく、社風や雰囲気が自分に合っているかどうかも重要なチェックポイントのひとつです。入社前にこれらのポイントをチェックすることで、ミスマッチが生じる可能性を減らせるでしょう。
残業・休日出勤状況
月の平均の残業時間や休日出勤について、具体的にどれくらいあるかを確認しておきましょう。募集要項にもこれらの情報は記載されていることがありますが、現場で働く人から実際の状況を聞く機会があれば、失礼にならない程度に聞いてみると具体的な様子が分かる可能性があります。
また、インフラエンジニアは業務の性質上、残業が多くなってしまうこともあるため、みなし残業代が給与に含まれているケースも少なくありません。みなし残業代がどれくらい含まれているかについても、できれば事前にチェックしましょう。
入社してから想像していた給料と違ったというケースを避けるためにも、あらかじめ自分で具体的な数字を確認しておくことが大切です。
福利厚生
福利厚生が充実しているかどうかは、企業の社員として勤務する上で重要な項目です。給与以外で提供される福利厚生が充実していると、業務のモチベーションアップにもつながります。
福利厚生では、健康保険や厚生年金などの法定福利と、交通費や住宅手当などの法定外福利があります。実際にどのような福利厚生があるのかについては、求人票には明記されていないケースもあります。
たとえば、住宅手当や単身赴任手当などはそれぞれどれくらいの金額がでるのか明記されていない場合があります。手当の金額によって生活に影響が出てくることも考えられるので、具体的な金額や、直近の実績について確認しましょう。また、将来的な昇給時期や、実際に現場の社員はどれくらい給料が上がっているのかについても聞いておけると安心です。
インフラエンジニアの年収に関して気になる方は、以下の記事をご覧ください。
インフラエンジニアの平均年収や未経験から1,000万円の目指し方を解説
未経験でインフラエンジニアになるときつい?
未経験でインフラエンジニアになることは不可能ではありませんが、仕事についていけるかはまた別の話です。新卒で入社するのであれば、多くの場合、企業が行う新人研修などを通して、未経験レベルから実務を学んでいくことができるでしょう。
しかし、まったくの未経験でインフラエンジニアとして中途採用されることは簡単ではないうえに、インフラエンジニアになったとしてもスキルが不足していることから、採用されてもすぐに希望する業務に就けるとは限りません。希望する業務に就けないとモチベーションが低下し、仕事がきついと感じてしまうこともあるでしょう。
このような事態を避けるためには、現場での実務経験がなくても、就いた業務にしっかり対応できるよう、できるだけプログラミングスキルや必要なIT知識を持ち合わせておくことが大切です。そのためには、プログラミングスクールに通ったり、独学で勉強をしたりして、日頃から自主学習を進めておきましょう。
近年ではオンラインで利用できるプログラミングスクールもあり、時間や場所を問わず学習しやすくなっているので、特に本業を続けながら転職を検討している人は、オンライン学習を活用するのがおすすめです。
未経験からインフラエンジニアになる方法に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
未経験からインフラエンジニアになるには|求人数や転職後の年収、おすすめの資格を紹介
インフラエンジニアの将来性
基本的にインフラエンジニアには常に一定の需要があり、特に近年はクラウドに関するスキルを持つ人材だと、より市場ニーズが高い傾向にあります。
このことから、インフラエンジニアは将来性のある職種と考えられており、人手不足も懸念されています。また、少子高齢化もIT業界の人材不足に影響しており、定年を迎えたIT人材に対して就職する学生の数が少なくなる可能性もあります。
このような背景からも、インフラエンジニアとして高いスキルを持っていれば、今後より需要が高く価値のある人材になることが可能だと言えるでしょう。
転職前に下調べはしっかりと
「インフラエンジニアはきつい」「インフラエンジニアはやめとけ」と言われる理由については、就職・転職した会社の職場環境や、向き不向きに起因するケースも多くあります。
しかし、これらのポイントは、いずれも就職する前にある程度はチェックすることが可能です。インフラエンジニアに応募しようと考えている場合は、残業時間や休日出勤の頻度など、調べられる範囲のことは事前にしっかり確認しておきましょう。
インフラエンジニアがきついと言われる理由に関する質問
ここでは、インフラエンジニアがきついと言われる理由に関する質問に答えていきます。
Q. インフラエンジニアとして取得すべき資格はありますか?
基本情報技術者やネットワークスペシャリスト、AWSなどの資格取得がおすすめです。
Q. フリーランスのインフラエンジニアを目指す場合、求められるスキルは何ですか?
ネットワークやソフトウェア、セキュリティに関する技術的なスキルの他に、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルも必要です。
Q. 未経験からインフラエンジニアになる場合、どのような勉強方法がありますか?
書籍や学習サイト、オンライン講座での学習や認定資格の取得などが効果的です。
Q. 5G回線普及に伴い、インフラエンジニアが求められることはありますか?
5G回線普及に伴い、低遅延通信技術やIoT技術の更なる発展、高速データ処理技術やセキュリティ技術の向上が求められます。
Q. 今後の技術変化がインフラエンジニアの将来性にどのような影響を与えますか?
IoTやAI、ブロックチェーンなどの新技術の普及に伴い、従来のインフラエンジニア業務も大きく変化することが予想されます。しかし、インフラ基盤がなければ新技術も利用できません。よって、インフラエンジニアの存在意義は今後も高いと考えられます。
※本記事は2024年2月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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