【エンジニアのプロ監修】インフラエンジニアとは?仕事内容や年収・必要スキル・資格などを徹底解説

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インフラエンジニアとは、ネットワークやサーバーなどの知識・スキルを駆使して、システムの基盤(ITインフラ)を設計・構築する職種です。クラウドサービスやAIの台頭によりデータセンター需要が拡大しており、求人も増加傾向にあります。加えてプログラマよりも資格取得が評価されやすい傾向にあり、未経験からの就業や、評価・給与アップ、転職、案件獲得などに明確に優位に働きます。

本記事ではエンジニアのプロである久松剛氏の監修のもと、インフラエンジニアの仕事内容や、年収、必要なスキルや向いている人の特徴なども紹介します。

フリーランスのインフラエンジニアを目指す方法に関しては、以下の記事をご覧ください。
インフラエンジニアが独立する5ステップ。案件獲得に必要なスキルは?具体的に解説
フリーランスエンジニアとは?会社員との働き方・収入の違いを解説

インフラエンジニア以外のエンジニア職種に関して知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
エンジニアの仕事の種類をわかりやすく解説!将来性や年収も解説

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■この記事の監修

久松 剛

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慶應義塾大学大学院政策メディア研究科博士(政策・メディア)。2000年より慶應義塾大学村井純教授に師事。ベンチャー企業3社にてインフラエンジニア、ソフトウェアエンジニア・情シスや中間管理職を歴任後、2022年、合同会社エンジニアリングマネージメント設立。スタートアップ・ベンチャー・老舗製造業といった複数社でのITエンジニア採用・研修・評価給与制度作成・ブランディングといった組織改善コンサル、研修、セミナーなどを担当。

目次

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インフラエンジニアとは

インフラエンジニアとは、システムの基盤(ITインフラ)となるネットワークやサーバーの設計・構築を主に担当する職種です。

そもそもインフラとは、「インフラストラクチャー(Infrastructure)」の略で、日本語で「基盤」を意味します。具体的なインフラを例に挙げると、私たちが生活するために欠かせない上下水道や電気といったライフライン、そして人やモノを運ぶ車が走るための道路、鉄道などの生活基盤がインフラといえます。

インフラエンジニアと他の職種との違いに関して知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
インフラエンジニアとSEの違い|仕事内容や資格、将来性を比較
インフラエンジニアと開発エンジニア(SE)の違い。年収や仕事内容、スキルを比較します
インフラエンジニアとプログラマーのどっちが向いている?仕事内容や転職難易度

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インフラエンジニアの仕事内容

インフラエンジニアの具体的な仕事内容の例は以下のようなものがあります。

  • 設計
  • ネットワーク機器・サーバの設置
  • 仮想環境の構築
  • 負荷試験・システムのパフォーマンスチューニング
  • トラブル対応

ITシステムにおける「基盤」とは、一般的にネットワークとサーバーを指すことが多いです。つまりインフラエンジニアの代表的な仕事内容としては、システムのインフラであるネットワークやサーバーの設計・構築などが挙げられます。

そのほかにも、運用開始後に障害が発生した場合の対処を行うこともあります。インフラエンジニアはシステムを支える基盤に関わる仕事に幅広く携わることから、求められる知識や経験も広範囲に渡ります。

ITサービスの開発・提供を支える業務がインフラエンジニアの仕事に含まれます。インフラエンジニアの仕事は担当分野によって種類が分けられ、種類ごとに仕事内容は変わります。次の項目でそれぞれの仕事内容を紹介しますので、あわせてご確認ください。

インフラエンジニアの仕事内容に関してさらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
インフラエンジニアの仕事内容|必要なスキル・資格、求人・案件例を紹介

インフラエンジニアは在宅で仕事ができる職種のひとつです。詳しくは以下の記事をご覧ください。
インフラエンジニアの在宅勤務・リモートワークが可能な求人案件はある?
在宅フリーランスの仕事17選!未経験向けや稼ぐコツも解説

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インフラエンジニアの種類と役立つ資格

インフラエンジニアは担当分野によって、以下の種類に分けられることがあります。

インフラエンジニアの種類

基本的には、それぞれの領域で要件定義・設計・構築・運用などを担当することが仕事です。スキルによっては、他の種類の役割を兼任することも珍しくありません。

インフラエンジニアの種類や仕事に役立つ資格に関しては、以下の記事でも紹介しています。
インフラエンジニアの種類|仕事内容や年収、必要なスキル・資格を種類別に解説
インフラエンジニアにおすすめの資格13選!難易度や勉強方法もを紹介

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアは、ネットワーク環境の要件定義・設計・構築・運用を担当します。

ネットワークエンジニアに役立つ資格

ネットワークエンジニアに役立つ資格には、以下のようなものがあります。

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が運営する国家試験のひとつであるネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークエンジニアとして高度なスキルを持っていることを証明できます。

ネットワークエンジニアに関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
ネットワークエンジニアとは?年収や仕事内容、必要な資格・スキルを紹介
インフラエンジニアとネットワークエンジニアの違い

サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは、サーバー環境の要件定義・設計・構築・運用を担当します。

サーバーエンジニアに役立つ資格

サーバーエンジニアに役立つ資格には、以下のようなものがあります。

Windows、Linux、SolarisなどサーバーOSに関しての資格を取っていると業務に活用していけるでしょう。

サーバーエンジニアの仕事に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
サーバーエンジニアの仕事はきつい?未経験からの転職に必要なスキルや将来性

また、サーバーエンジニアと似た職種にサーバーサイドエンジニアがあります。サーバーサイドエンジニアに関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
サーバーサイドエンジニアとは?仕事内容やフリーランス事情を解説

クラウドエンジニア

クラウドエンジニアは、クラウド環境の要件定義・設計・構築・運用を担当します。

近年は自社管理の設備にシステムを設置するオンプレミス環境からクラウド環境への移行に伴う仕事が増えています。オンプレミス環境をそのままクラウドに移行するクラウドリフトと、クラウド環境に合わせてシステムやアプリケーションの再設計・改修を含めて移行するクラウドシフトがあります。

クラウドエンジニアに役立つ資格

クラウドエンジニアに役立つ資格には、以下のようなものがあります。

AWSやAzure、VMwareなどの資格はクラウドエンジニアとして押さえておくといいでしょう。その他、ここまで紹介したネットワークやサーバーの資格もあれば、業務の幅が広がります。

近年はエンジニア志望の方がプログラマとしての就活を諦め、AWSの資格を取得してエンジニア転職するケースが見られます。資格があることで学習意欲が評価されるため、優位に働くでしょう。しかし、同様の動機でAWSの資格をコレクションしクラウドエンジニアを志望している方が多いため、レッドオーシャンな傾向があります。案件数が多く、志望者が少ないAzureの資格取得も視野に動きましょう。

クラウドエンジニアに関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
クラウドエンジニアとは?年収や資格、仕事内容について

データベースエンジニア

データベースエンジニアは、各システムのデータベースの要件定義・設計・構築・運用を担当します。

データベースエンジニアに役立つ資格

データベースエンジニアに役立つ資格には、以下のようなものがあります。

IPAが運営するデータベーススペシャリスト試験を中心に、OracleやMicrosoft SQL Serverなど有名なデータベースに関する資格を取得しておくと、実務に役立つでしょう。

近年は若手経験者プログラマにもORM(Object-Relational Mapping)ありきでないとデータベースアクセスが発生するプログラミングやデータ抽出ができない方が増加傾向にあります。こうしたデータベース系の資格を取得しておくことで書類選考上、優位に立ちやすい可能性が高いです。

データベースエンジニアに関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
データベースエンジニアとは?仕事内容や役立つ資格・必要なスキルを解説
インフラエンジニアとデータベースエンジニアの違いは?

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、セキュリティを考慮したITインフラの要件定義・設計・構築・運用を担当するほか、セキュリティに関する相談やセキュリティポリシーの策定、セキュリティ教育なども対応することがあります。

セキュリティエンジニアに役立つ資格

セキュリティエンジニアに役立つ資格には、以下のようなものがあります。

IPAが運営する情報セキュリティマネジメント試験をはじめ、国家資格である情報処理安全確保支援士試験や、ベンダーニュートラルの民間資格であるCompTIA Security+がおすすめです。その他の各領域の試験にもセキュリティに関する出題があるため、知識の補填につながるでしょう。

セキュリティ分野については国際政情が不安定になるほど需要が高まる傾向があります。加えてクラウドストレージが普及したことで、設定ミスなどによる個人情報漏洩などの事故が相次いでおり、需要が高まっています。こうした資格を持つことで体系的なセキュリティについての知識を持っていることがアピールできるため、書類選考の上でも優位に働きます。

しかし、セキュリティ分野は攻撃手法が刻々と進化・変化していく分野であるため、資格取得に満足せず、興味を持って能動的に情報を収集したり、自主的に検証したりする姿勢が強く求められる傾向にあります。

セキュリティエンジニアに関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
セキュリティエンジニアとは?仕事内容や必要なスキルを解説

運用監視オペレーター

運用監視オペレーターとは、ネットワークやサーバーが正常に稼働し続けられるよう運用や管理を担当します。サーバーのリソース監視を行ったり、ハードウェアやソフトウェアから送信されるアラートを元に対応を行ったりします。

加えて、障害時の復旧作業もオペレーターの業務範囲です。基本的には手順書に沿って作業を行いますが、必要に応じてシステムエンジニアとの連携も必要となります。

運用監視オペレーターに役立つ資格

どれも良く導入されているネットワークやサーバーに関しての資格であり、取得しておくと各機器を扱える知識やスキルの証明になります。将来的なステップアップにも有効です。

運用監視オペレーターの仕事に関してさらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
インフラエンジニアの監視業務

また、インフラエンジニアの需要や市場動向に関して知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
インフラエンジニアは人材不足?背景や今後の市場動向を解説

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インフラエンジニアの年収

2024年5月時点でレバテックフリーランスに掲載されている公開案件をもとにしたフリーランスの単価・年収例をご紹介します。

職種 単価相場 年収相場(単価×12ヶ月)
インフラエンジニア全体 68~78万円 約816~936万円
ネットワークエンジニア 67~70万円 約804~840万円
サーバーエンジニア 67~70万円 約804~840万円
クラウドエンジニア 70~75万円 約840~900万円
データベースエンジニア 69~80万円 約828~960万円
セキュリティエンジニア 72~74万円 約864~888万円
オペレーター 55~67万円 約660~804万円
プロジェクトマネージャー 81~94万円 約972~1,130万円


案件によって単価の幅が広いため、参考程度に考えると良いでしょう。その他のエンジニア職種や言語別の年収が知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスエンジニアの月収はいくら?言語別・職種別の平均単価も解説

インフラエンジニアの中でも設計などの上流工程に関わることで年収が上がる可能性があります。また、インフラエンジニアの平均年収に関しては以下の記事でも紹介しています。
インフラエンジニアの平均年収や未経験から1,000万円の目指し方を解説
フリーランスインフラエンジニアの年収|求人・案件の単価相場は?

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インフラエンジニアに必要な知識やスキル

インフラエンジニアが担当する仕事の領域は、ネットワークやデータベースなど特定の分野に限ったものではありません。システムの基盤に関連する技術は一通り押さえ、スキル・能力として習得していることが望ましいでしょう。インフラエンジニアに必要な知識やスキルを紹介します。

  • ネットワークのスキル
  • サーバー・データベースのスキル
  • パブリッククラウドサービス・仮想化のスキル
  • セキュリティのスキル

ネットワークのスキル

ネットワークはサーバー、クライアント、デバイスなどが相互接続するために不可欠なものです。データセンターからクラウド、そしてオフィス内ネットワークに至るまでネットワークはあらゆるところに存在しています。

ネットワークのスキルとは、ルーター・スイッチ・ファイアウォール・負荷分散などの知識などです。求められるサービス品質からネットワークの設計・機材選定から始まり、設定や運用・保守を行っていきます。多くの現場では、物理ネットワークだけではなく、ネットワークの仮想化技術についても求められるようになっています。

サーバー・データベースのスキル

インフラエンジニアには仕事を進めるうえで、インフラ以外のエンジニアとも連携する必要があります。そのため、Webサーバー、データベースなどの知識も理解しておくべきです。また、マーケティング施策によってアクセス数などが大きく変化するため、キャパシティプランニングの観点からマーケターなどとの連携も求められます。

サーバー技術にはLinuxやWindowsServerなどがあり、データベースにはMySQLやPostgreSQL、Oracle Databaseなどが挙げられます。求められるサービス要件や予算、現場スタッフの習熟度などによって使用するOSやデータベースは異なるため、各技術のメリット・デメリットを意識しながら技術選定ができると、よりインフラエンジニアとして活躍することができるでしょう。

LinuxやSQLに関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
Linuxエンジニアとは?仕事内容や年収・フリーランス事情を解説
SQLの勉強方法!独学での学び方や初心者におすすめの本・サイトを紹介

ゲームや広告事業の会社でもインフラエンジニアとして働くことができます。AWSやAzureといったパブリッククラウドでは求められる技術要件(応答スピードなど)が達成できなかったり、コストの観点からオンプレミスを選定していたりするためです。詳しくは以下の記事をご覧ください。
ゲーム会社のインフラエンジニアとは?役割や必要なスキル

クラウドサービス・仮想化のスキル

かつてはオンプレミス環境においてハードウェアを操作できることがインフラエンジニアに求められていました。しかし現在では、計算機環境がリッチになり、計算機資源を抽象化、多重化、統合化した仮想化技術が一般的です。仮想化によって柔軟に計算機資源を分割できるようになったため、柔軟なインフラ設計ができるようになりました。

こうした仮想環境を専門の事業者が設計・運用し、利用者に手軽に提供しているのがパブリッククラウドサービスです。オンプレミスだけでなくパブリッククラウド環境にも対応できることは、インフラエンジニアにとって重要なスキルといえます。

代表的なパブリッククラウドサービスとしてはAWS(Amazon Web Services)Microsoft AzureGCP(Google Cloud Platform)などがあります。特にAWSは大手クラウドサービスの先駆け的な存在であり、AWSでシステム基盤を構築できるインフラエンジニアは求人・案件数も多いです。業界のなかでも比較的就職先の選択肢が充実している傾向にあるといえます。

DockerKubernetesなどコンテナ型仮想化に関わる技術も、インフラエンジニアが身につけておきたいスキルに挙げられます。コンテナ型仮想化とは、コンテナという仮想的なユーザー空間を提供し、ユーザーがアプリケーションを実行するためのリソースが提供されるものです。

AWSに関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
AWSエンジニアとは?仕事内容やキャリアパス、フリーランス事情について解説

セキュリティのスキル

セキュリティ需要が高まる中、攻撃からサービスを守るために防御をしたり、攻撃を検知したり、侵入を検知したりするなど、インフラエンジニアにはセキュリティのスキルもあると望ましいです。

インフラエンジニアの仕事には、システム基盤のセキュリティ強度をテストすることも含まれます。インフラエンジニア自ら、あるいは専門家とともに疑似攻撃などを行い、セキュリティ上の弱点を洗い出し、修正していくことが必要です。

Webサービスなどではプログラマと連携して、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング対策なども考慮する必要があります構築するシステムに必要なセキュリティ対策を見極めることが重要です。

世界情勢が不安定になるほどセキュリティ攻撃は増加傾向になります。また、インターネットの浸透によって、自社サービスで取り扱う情報も増加し、機微になってきています。広範囲なレイヤーのセキュリティ知識と、新しい脆弱性や攻撃性にアンテナを張るセキュリティスキルは、今後も高い需要となるでしょう。

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インフラエンジニアに向いている性格は?

インフラエンジニアに向いているのは、以下のような性格・長所を持った人です。

  • 体力に自信がある人
  • コミュニケーション能力が高い人
  • 人々の生活を支えたい人
  • 論理的思考力ができ、事前にトラブルを想定して行動できる人

体力に自信がある人

インフラエンジニアは、特にオンプレミス環境に携わる場合、現場に機器を運搬して組み立てや取り付けを行わなくてはいけない場合もあります。そのような仕事では、重い機器を高い位置まで持ち上げる機会も少なくありません。さらに、データセンターなどは室温が低く、湿度も低いために体調を崩す可能性もあります。

夜勤や休日出勤により不規則な生活になる可能性がある点でも、体力に自信がある方が望ましいです。夜間のアラートに気づき、対応が求められる場合もあるため、寝起きが良い人や、お酒を自省できる人も向いています。

コミュニケーション能力が高い人

インフラエンジニアはプログラマーやSE、クライアントの担当者など、さまざまな人々と連携しながら業務を行う必要があります。業務時間外のトラブル発生時には、インフラが専門外の人にも何が起きているのかを関係者に端的に伝えなければなりません。

インフラエンジニアというとハードウェアと向き合う仕事に感じる方も多いかと思いますが、要所要所で高いコミュニケーション能力が問われる職種です。

人々の生活を支えたい人

インフラエンジニアは、フロントエンジニアのようにエンドユーザーが実際に触るサイトの表側などを作る業務に携わる場合もありますが、ネットワークやサーバーなどの構築、運用・保守といったユーザーに見えない裏側の業務の方が多いです。自身の作業が視覚的に他人に伝わりやすいアウトプットにはなりにくい傾向があります。

華やかなアウトプットを求める人よりは、影の立役者、縁の下の力持ちを狙う人に向いています。

論理的思考ができ、事前にトラブルを想定して行動できる人

インフラエンジニアはトラブルや緊急時の適切な対応が求められる仕事です。企業のITインフラが停止してしまうと、わずかの間でもその事業に多額の損失が発生する可能性があります。

現在のインフラはハードウェアと仮想化が複雑に入り組んで構成されているため、障害対応の際には論理的かつ迅速に原因を特定する必要があります。そのため、事前にあらゆるトラブルを想定し、準備や行動ができる人もインフラエンジニアに向いていると言えます。

インフラエンジニアに向いている人の特徴は以下の記事でも紹介しています。
インフラエンジニアに向いている人・向いていない人。適性がないと辛い?

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インフラエンジニアのキャリアパス

インフラエンジニアのキャリアパス

インフラエンジニアはシステム基盤を設計・構築する仕事のため、幅広い知識とスキルを身につけている場合も多いでしょう。

そのため、インフラエンジニアのキャリアパスには、高い設計能力とスキルが求められるインフラ開発プロジェクトのリーダーやマネージャー、経営者視点でITシステムを検討するITコンサルタント、より専門分野のスキルに特化したITスペシャリストなど、さまざまな選択肢が考えられます。よりユーザー(社員)に近い情シスに転向される方も多く見られます。

プロジェクトリーダー(PL)・プロジェクトマネージャー(PM)

インフラの要件定義や設計にあたって社内の部署間の調整や進捗確認、予算管理といった業務に関わるプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーもインフラエンジニアのキャリアパスに含まれます。

インフラエンジニアの経験を活かして、システム開発に能動的に関わることは、キャリアアップ方法の一つと言えます。

プロジェクトマネージャーの仕事に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
プロジェクトマネージャー(PM)とは|役割や仕事内容、年収は?

SRE

サービスシステム開発の現場では高い生産性と効率性が求められており、開発と運用担当が連携して開発を進める、「DevOps」のような手法も広がっています。

SRE(Service Reliability Engineering)では、SLI(Service Level Indicator:サービスレベル指標)SLO(Service Level Objective:サービスレベル目標)、SLA(Service Level Agreement:サービスレベル契約)を合意し、サービスの信頼性を担保するための指標として業務を遂行しています。また、開発者体験の向上を目的に、CI/CDの整備やサーバーのコンテナ化に取り組むことをSREの業務として据えている組織も増加中です。

SREについてさらに知りたい方は以下の記事をご覧ください。
SREとはどんなエンジニア?仕事内容や必要な資格、求人状況を解説

ITコンサルタント

インフラエンジニアからITコンサルタントへのキャリアパスを歩むチャンスもあります。

ITコンサルタントの主な仕事は、経営の効率化や課題解決のために、顧客の抱える課題を整理し、解決手法を提案することです。デリバリーフェーズにも関わる場合は要件定義や設計以降の業務も発生します。そのため、インフラエンジニアとして培ったスキルや経験を顧客と対話をしながら活かしていきたい人に向いているキャリアパスだといえるでしょう。

ITコンサルタントの仕事に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
ITコンサルタントとは|仕事内容、年収、転職に役立つスキルや資格など

ITスペシャリスト

ITスペシャリストは、プラットフォーム、ネットワーク、データベース、アプリケーション共通基盤、システム管理、セキュリティの各分野でハードウェア、ソフトウェアに関する専門スキルを活用し、クライアントの環境に最適なシステム基盤を設計・構築する職種です。

インフラエンジニアとして培ってきた知識やスキルをさらに突き詰めたいというスペシャリスト志向の人に向いているキャリアパスです。

情シス(情報システム部門)

インフラエンジニアから情シスに転向するキャリアパスもあります。

情シスとは、情報システム部門の略であり、社内の情報システムの企画や開発、運用・保守を担当する仕事です。主な業務内容としては、社内インフラの開発・運用・管理、ヘルプデスクなどがあります。

社内システムの開発・管理により社内全体の業務効率化に貢献していきます。ビジネス要件を理解する必要があるため、インフラエンジニアの技術力を活かしながらも、よりビジネス寄りの業務に挑戦したい人に向いているキャリアパスです。

インフラエンジニアのキャリアに関して詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
インフラエンジニアのキャリアパス|転職の選択肢や資格、女性のキャリア形成を解説

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インフラエンジニアの仕事はやめとけ?辛いの?

インフラエンジニアはシステムの基盤を支える重要な役目を担う職種であり、責任とともにやりがいが多くある仕事です。

ライフラインに近いITサービスや、企業の売り上げを支えるようなインフラエンジニアは、万が一のトラブルに備えるため、24365(24時間365日)体制を組みます。万が一のトラブルに備えるだけでなく、システムを安定して稼働させるためのメンテナンスやアップデートなど、システムが稼働している間は常に何らかの役割を担っているといえるでしょう。サービスへのアクセスが少ない時間帯を理由に、休日夜間作業をする場合もあります。

残業や夜勤、急な呼び出しによる休日出勤が発生する場合もあり、システム稼働を最優先に仕事をこなさないといけないため、体力的にきついと感じることもあるかもしれません。また、交代制や代休、手当の制度が整っている場合は良いですが、ブラック企業では予算や人員不足を理由に長時間稼働を強いられたり、裁量労働制を設定することで残業代などが出ないといった個別の職場環境が原因で辛いと感じてしまうケースもあるでしょう。

さらに、インフラエンジニアはあらゆる部署と連携を取る必要があるため、顧客や社内の他エンジニアの要望を聞き、調整に走り回ることもあります。例えばECサイトにおいてセールが企画されたり、大手ニュースサイトで取り上げられたり、TV番組で当該ITサービスが取り上げられたり、プッシュ通知によるユーザー掘り起こし施策があったりすることでアクセスが集中することもあるでしょう。そういった場合には、臨時サーバの増設や、万が一の事態に備えて待機することが必要です。プログラマと協力をしながらリファクタリングやリアーキテクト、パフォーマンスチューニングをするケースもあります。

インフラエンジニアはシステムの稼働に対して大きな責任を負うことから、やりがいを感じられる一方で、仕事の大変さを感じる可能性もある職業であるとも言えます。適性としてインフラエンジニアに向いているかどうかや、職場の状況によっても違うため、一概に「インフラエンジニアはきつい」とは言い切れないことは留意しておきましょう。

さらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
インフラエンジニアはきつい?激務って本当?未経験でも大丈夫?
インフラエンジニアはつまらない?仕事がきついとされる理由や対策

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未経験からインフラエンジニアになるには

まったくの未経験からいきなりインフラエンジニアとして転職するのはなかなか難しいでしょう。インフラエンジニアの仕事には、専門的な知識が必要になるからです。

しかしNIerやSESであれば、プログラマよりも資格が評価されやすい傾向にあるため、独学の上で資格を取得してから就職・転職活動をすることが有効です。

未経験からインフラエンジニアを目指す方法に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
インフラエンジニアへの転職は未経験でも可能?その理由と適性がある人の特徴も紹介

また、文系出身でもインフラエンジニアになれるか気になる方は、以下の記事をご覧ください。
文系出身でのインフラエンジニアについて

インフラエンジニアになるための勉強に役立つ本

未経験からインフラエンジニアになるための勉強に役立つ代表的な書籍を紹介します。インフラエンジニアになるにあたって、実務に勝る勉強方法はありませんが、実務をスムーズに進めるためにも本などを使って独学し、一般論や体系的な知識を蓄えておくことは有用です。

インフラエンジニアの教科書(佐野裕著、シーアンドアール研究所刊)

本書はシステムインフラの管理や構築に携わっている著者が、実務的視点から「インフラエンジニアとはどういう仕事なのか」を解説した書籍です。

インフラエンジニアに求められる知識やスキルなど、未経験からインフラエンジニアを目指している方だけでなく、現役のインフラエンジニアにも役立つ情報とエッセンスが詰まっているため、あらゆるスキルレベルの方におすすめといえる本です。また、本記事で解説したインフラエンジニアの仕事内容や役割などを、さらに深堀りしたい方にもおすすめです。

参考:インフラエンジニアの教科書(佐野裕著、シーアンドアール研究所刊)

改訂3版 サーバ/インフラエンジニア養成読本(養成読本編集部編、技術評論社刊)

本書はインフラエンジニアとして職務をこなすために、実践的な講座やコマンド入門などが紹介されている本です。

新人エンジニアのための基礎講座や自習用のサーバ構築法、AWS移行・運用事例、クラウド/仮想化など実務に生かせる内容が充実しています。

これからインフラエンジニアを目指す方や、インフラエンジニアとしてさらに成長したい方におすすめの1冊です。

参考:改訂3版 サーバ/インフラエンジニア養成読本(養成読本編集部編、技術評論社刊)

インフラエンジニアの勉強方法に関しては以下もご覧ください。
インフラエンジニアになるための勉強方法|未経験者・初心者はどんな順番で学習する?
インフラエンジニアがJavaを習得したら?メリットや案件例を紹介

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インフラエンジニアに関するよくある質問

インフラエンジニアに関してよくある質問に答えていきます。

Q. インフラエンジニアとはどんな仕事ですか?

インフラエンジニアとは、システムの基盤(ITインフラ)となるネットワークやサーバーの設計・構築を主に担当する職種です。担当分野によって、「ネットワークエンジニア」「
サーバーエンジニア」「クラウドエンジニア」「データベースエンジニア」「セキュリティエンジニア」「運用監視オペレーター」に分けられることがあります。

Q. インフラエンジニアの仕事は辛いですか?

インフラエンジニアはシステムの基盤を支える重要な役目を担うことから、やりがいが多い仕事です。一方で、万が一のトラブルに備えたり、システムを安定して稼働させるためのメンテナンスやアップデートをするといった仕事内容に、場合によっては大変さを感じる可能性があるかもしれません。

Q.フリーランスのインフラエンジニアの平均年収はどの程度ですか?

フリーランスインフラエンジニアの平均年収は約820〜930万円です。勤務先・経験・スキルによっては年収差が起こる可能性があるので、参考程度に考えると良いでしょう。

また、フリーランスエンジニア需要や1,000万円を稼ぐコツを以下の記事にて紹介しています。
フリーランスの需要はある?エンジニアなどの職種一覧と市場価値を知る方法
フリーランスで年収1000万を稼げる職種やコツ・手取り額を解説

Q. インフラエンジニアに向いてる人にはどのような特徴がありますか?

インフラエンジニアに向いている人には人々の生活を支えたいという思いのある人や、関係者と調整ができるコミュニケーション力が高い人、事前にトラブルを予測し行動できる人などの特徴があります。

※本記事は2024年5月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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