Pythonの将来性は?メリット・デメリットやJavaとの比較を解説 | レバテックフリーランス
Pythonは汎用性が高く、AIやデータサイエンス分野でも活用されています。しかし、Pythonは本当に将来性が高い言語なのか、ほかの言語と比較してPythonにはどのような強みがあるのかなど、わからないことも多いでしょう。
今回は、Pythonの将来性が高いと言われる理由や多言語との比較、Pythonのメリット・デメリットなどを解説します。Pythonを独学する方法についても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
Pythonを使用する仕事のひとつにWebプログラマーがあります。詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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目次
Pythonの将来性が高いと言われる理由
Pythonは、1991年に開発されたオープンソースのプログラミング言語です。WebサイトやWebアプリケーション、組み込みアプリケーションなどさまざまな開発に用いられています。
Pythonは、TIOBEが発表しているTIOBE Indexで、2023年3月・2024年3月ともに1位になるほど人気のあるプログラミング言語です。そして、今後も需要が見込まれる将来性の高い言語と言われています。
ここでは、Pythonの将来性が高いと言われる3つの理由を解説します。
参照:TIOBE「TIOBE Index for March 2024」
AI分野の需要が高まっているため
Pythonは、AI開発に活用できるライブラリやディープラーニング用のフレームワークが充実しており、AI開発に適しています。AI開発といえばPython、というイメージがあるほど、AI開発に欠かせないプログラミング言語です。
AI分野の需要が高まっている中、Pythonも将来性が高い言語と言えるでしょう。
データサイエンス分野が注目されているため
Pythonは、データ処理や数値計算に関するライブラリも充実しており、データ分析にも強みがあります。大量のデータを収集し、素早く分析できるのが特徴です。
ビッグデータの重要性やデータサイエンス分野が注目されている昨今、Pythonの需要はさらに高まっていくと考えられます。
サーバーサイド言語として活用できるため
サーバーサイド言語とは、サーバー側で動作するプログラムを実装する言語のことです。システムの本体部分を開発するために欠かせません。代表的なサーバーサイド言語には、PythonやJava、PHPなどがあります。
Pythonは、AI分野やデータサイエンス分野だけではなく、WebアプリケーションやWebサイトの開発にも活用されます。その汎用性の高さも、将来性が高いと言われる理由の1つです。
そもそもPythonでできることとは
Pythonは、インタプリタ言語でコンパイルが必要ないという特徴があります。コンパイルとは、プログラムを機械が認識できる形式に変換することです。Pythonは、プログラムの実行と変換作業を同時に行う言語であり、動作確認をしながらプログラムを書けます。
また、ライブラリやフレームワークが豊富であり、幅広い開発に活用できるのがポイントです。以下では、Pythonでできることと習得難易度について解説します。
Pythonでできること
Pythonでできることは、以下のように多岐に渡ります。
- Webサイト・Webアプリケーションの開発
- 組み込みアプリケーションの開発
- IoT開発
- Webスクレイピング
- ブロックチェーン開発
- データ分析
- AI開発
- 事務作業の自動化による業務効率化
上記のとおり汎用性が高い一方、変換作業とプログラム実行を同時に行うことから、実行速度は遅いのが特徴です。そのため、基幹システムの開発のように高速処理が求められる開発には適していません。
Pythonの習得難易度
Pythonの習得難易度は高くありません。文法がシンプルでわかりやすく、コードも簡潔で読み書きがしやすいためです。
また、開発環境を整えるハードルが低いのもポイントです。プログラミング言語の中には、開発環境の構築が難しいものも多く、その段階で挫折してしまうケースも少なくありません。一方、Pythonは公式サイトからダウンロードし、インストールするだけで開発環境を構築できます。
このように、Pythonは難易度が低い言語であり、初心者でも比較的習得しやすいでしょう。
「Pythonは時代遅れ」「やめとけ」と言われる理由
Pythonは将来性が高く人気である一方、「Pythonは時代遅れ」「やめとけ」という声を聞いたことがある方もいるでしょう。
- 大規模なシステム開発には向いていないから
- 実行速度が遅いから
- インデントしなければエラーが発生してしまうから
- 日本語によるサポートが少ないから
Pythonに将来性がないというわけではありません。しかし、Pythonにもデメリットがあり、Pythonのみであらゆる開発に対応することは難しいでしょう。
幅広い開発現場で活躍できるエンジニアになるためには、Python以外の言語も習得することをおすすめします。
他言語と比較したPythonの将来性
ここでは、Pythonと並んで人気が高い、JavaやRuby、PHPと比較したPythonの将来性を解説します。
JavaとPythonの比較
JavaとPythonは、どちらも汎用性が高く人気の言語です。
Javaは、国内でも多くの企業に用いられている、デファクトスタンダードのような言語です。
大企業やSIer系の案件で盛んに活用されており、今後も安定して需要があると言えるでしょう。
一方、JavaはPythonに比べると学習難易度が高いのが難点です。PythonはJavaよりも新しい言語であり、文法やコードがシンプルでわかりやすい、AIや機械学習分野に強みがあるなど、Javaにはない独自の強みがあります。
Javaプログラマーの仕事内容については、以下の記事で詳しく解説しています。
Javaプログラマーの仕事内容は?未経験から実務レベルになるには
RubyとPythonの比較
Rubyは、日本で開発されたプログラミング言語です。直感的に理解できるわかりやすさや、フレームワークを用いて効率よく開発できる点などから人気を集めています。
また、国産であるため日本語でのドキュメントや参考資料が充実しており、学習しやすいのも魅力です。Rubyは、効率的に開発を進めやすい言語であることから、特にスタートアップやベンチャー企業で多く用いられています。汎用性も高く、習得すれば幅広いプロジェクトで活躍できるでしょう。
一方、PythonのようにAIや機械学習、データサイエンス分野に強いわけではありません。
近年注目されている分野の開発に携わりたい場合は、Pythonを習得するのがおすすめです。
Rubyエンジニアの仕事内容については、以下の記事を参考にしてください。
Rubyエンジニアの仕事内容は?求人・案件例や必要なスキル・年収を解説
PHPとPythonの比較
PHPは、WordPressにも採用されている、Web開発に特化した言語です。HTMLに埋め込めるのが特徴で、WebサイトやWebアプリケーションにおける動的コンテンツの開発に用いられています。
PHPは、Pythonと同様に習得難易度が低い言語です。文法が簡単でコードも短いため、初心者でもスムーズに学習できるでしょう。
一方、Pythonに比べると汎用性は低いのが難点です。汎用性という点では、Pythonの方が将来性が高い言語と言えます。
PHPエンジニアについては、以下の記事で解説しています。併せて参考にしてください。
PHPエンジニアとは?未経験からなることは可能?仕事内容や転職方法を解説
Pythonを習得するメリット・デメリット
以下では、Pythonを習得するメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリット
Pythonを習得するメリットは以下のとおりです。
- オープンソースであるため無料で利用できる
- オフサイドルールが適用されており、コードがわかりやすい
- 文法がシンプルで読み書きしやすい
- ライブラリが充実している
- フレームワークを活用して、効率よく開発を進められる
- 汎用性が高い
Pythonはオープンソースであり、誰でも無料で利用できます。
また、コードや文法がシンプルでわかりやすいのも大きなメリットです。Pythonにはオフサイドルールが適用されており、ブロックごとに字下げして範囲を指定します。処理のまとまりがわかりやすいため、コードを読み書きしやすいのがポイントです。
さらに、ライブラリやフレームワークが充実しているため、効率よく開発を進められます。
幅広い開発現場で活用できる汎用性の高さも魅力です。AIやデータサイエンスなど、先進的な領域の開発でも役立ちます。
デメリット
一方、Pythonには以下のようなデメリットもあります。
- 実行速度が遅い
- インデントが必要
- メソッドを定義する際、引数に必ずselfが必要という独自のルールがある
- 日本語でのサポートや参考資料が少ない
Pythonはインタプリタ言語かつ動的型付き言語であることから、実行速度が遅いのが難点です。
また、インデント(字下げ)が必要なのはデメリットとも言えます。インデントをしなければエラーになるため、インデントに慣れていない方にとってはストレスになってしまう恐れがあります。
メソッドの引数にselfが必要という独自のルールがある点にも注意が必要です。メソッドとは処理のまとまりに名前をつけたものであり、Pythonでメソッドを定義する際は、第1引数にselfを使わなければなりません。
さらに、日本語でのサポートや参考資料が少ないというデメリットもあります。
Pythonエンジニアの平均年収・需要
Pythonエンジニアの年収目安は600〜800万円程度です。年収が1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
フリーランスの場合は、案件の単価や引き受ける案件数によって年収は大きく異なります。レバテックフリーランスによると、Python案件の平均単価は月76万円です。単純計算で、年収は900万円ほどになります。
Pythonは将来性が高く、案件の数も豊富であることから、Pythonエンジニアの需要は安定して高いと言えるでしょう。
参考:レバテックフリーランス「Pythonの求人・案件一覧」
Pythonを独学する方法
Pythonは読み書きしやすく学習難易度が低い言語であり、独学も十分可能です。独学なら、プログラミングスクールに通う場合に比べて、コストを抑えて自分のペースで学習を進められます。
Pythonの独学で挫折しないためには、Pythonを学ぶ目的を明確にすることが大切です。「Pythonエンジニアとしてキャリアアップを目指したい」「AI開発に携わりたい」などの目的を持って学習を始めることで、学習を続けるモチベーションになります。
以下では、Pythonを独学するための具体的な方法を紹介します。
Pythonの文法や関数を理解する
まずは、書籍や学習サイトなどを用いてPythonの文法や関数を理解しましょう。
Pythonはメジャーな言語であるため、初心者向けの書籍や学習サイトが充実しています。自分に合った、使いやすい教材を見つけることから始めましょう。
文法は、1つずつ着実に学習することが大切です。項目を飛ばすとわからなくなってしまう可能性があるため、順番に学習を進めましょう。
Pythonをインストールしてコードを書いてみる
基礎知識をインプットしたら、実際にPythonをインストールしてコードを書いてみましょう。
Windowsの場合、Python公式サイトからパッケージをダウンロードし、パッケージをインストールしてください。その後、PowerShellでスクリプトの実行許可を設定しましょう。
Macの場合、Pythonが標準搭載されているケースがあります。しかし、バージョンが古いことが多いため、公式サイトから新しいPythonをダウンロードしてインストールしましょう。
学習サイトを活用し、練習問題を解きながら実際にコードを記述してみるのもおすすめです。
簡単なWebアプリケーションを作ってみる
ひととおり知識を身につけたら、最後に簡単なWebアプリケーションやシステムを作ってみましょう。アウトプットを繰り返すうちに、自然と知識が自分のものになります。簡単なアプリケーションであっても、一から作ったという事実が自信とモチベーションにつながるでしょう。
作成したアプリケーションやシステムは、ポートフォリオとして紹介できるのもメリットです。
ポートフォリオとは、自身のスキルや実績をまとめた書類です。Pythonエンジニアとして転職する際や案件を獲得する際に、自身のスキルを証明する材料になります。
Pythonの知識・スキルを活かせる職種
最後に、Pythonの知識・スキルを活かせる職種として、AIエンジニア、データサイエンティスト、Webエンジニアの3つを紹介します。仕事内容や求められる知識・スキル、向いている人の特徴なども解説しているため、キャリアを考える際の参考にしてください。
AIエンジニア
AIエンジニアは、AI自体の研究・開発や、AIを活用したシステムの開発を手がけるエンジニアです。AIの活用が進んでいる昨今、AIエンジニアの需要はさらに高まると予想されます。
AIエンジニアになるためには、Pythonはもちろん、数学や統計、機械学習やディープラーニングに関する知識が必要です。また、大量のデータを用いてAIに学習させるため、データベース運用のスキルも役立ちます。
データ分析が得意な方や、先進的な領域に興味がある好奇心旺盛な方は、AIエンジニアに向いていると言えるでしょう。
AIエンジニアに興味がある方は、以下の記事も参考にしてください。
AIエンジニアになるには?仕事内容や将来性、必要なスキルを解説
データサイエンティスト
データサイエンティストは、ビッグデータを分析し、その結果を業務改善や経営戦略の策定などに活かす職種です。単にデータを収集・分析するだけではなく、そこから課題の解決や新しい知見につながる情報を得られるよう、結果を考察します。
データサイエンティストになるためには、数学や統計、データベースに関する知識に加え、分析対象の事業分野に関する知識も求められます。また、AIを用いてデータを処理することも多いため、AIや機械学習に関する知識も必要です。
大量のデータに根気強く向き合い続けられる、忍耐強い方はデータサイエンティストに向いています。
データサイエンティストの仕事内容や必要な資格などについては、以下の記事で詳しく解説しています。併せて参考にしてください。
データサイエンティストとは?仕事内容や必要な資格・スキルを紹介
Webエンジニア
Webエンジニアは、WebサイトやECサイトなどで使用するシステムやアプリケーションを開発するエンジニアです。システムの設計から開発、運用、保守までを担当します。Webサービスの利用が当たり前になっている昨今、Webエンジニアは生活になくてはならない存在と言えるでしょう。
Webエンジニアには、PythonやJava、PHP、HTML、CSSなど幅広い言語を扱うスキルが必要です。また、デザインやUI/UXに関する知識、ITインフラに関する知識なども役立ちます。
Webエンジニアに向いているのは、新しい知識を積極的に吸収できる方や、コミュニケーション能力が高い方です。特に、Webエンジニアはさまざまなエンジニアと協力して開発を進めるため、コミュニケーション能力が求められます。
Webエンジニアにおける2つの職種
Webエンジニアは、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの2つに分けられます。
フロントエンドエンジニアは、ユーザーの目に触れる部分(ホーム画面やログイン画面など)の開発を担当する職種です。UI/UXを考えながら、フロントエンドの開発を行います。
バックエンドエンジニアは、ユーザーの目に見えない部分の開発を担当する職種です。たとえば、OSやサーバー、データベースなどの設計・開発を行います。
Webエンジニアの仕事内容や年収、将来性などについて気になる方は、以下の記事をご覧ください。
Webエンジニアとは?職種や仕事内容、年収、将来性などを解説
Pythonの将来性に関するよくある質問
最後に、Pythonの将来性に関するよくある質問をまとめました。
Q. Pythonに将来性があると言われる理由は何ですか?
Pythonの将来性が期待されている理由の一つには、近年需要が高まっているAIやデータサイエンスの分野で使用される機会が多いことが挙げられます。今後これらの技術がさらに普及していくと、Pythonの需要もますます高くなることが見込まれます。
Q. Pythonを独学で勉強するにはどんな方法がありますか?
Pythonを独学で勉強する方法としては、入門書を使って学習する、Pythonの基礎から学べるオンライン学習サービスを利用するといった方法が挙げられます。オンライン学習サービスはPythonの基礎部分を学ぶ場合は無料でも利用可能な場合があり、まずはオンライン学習サービスから始め、足りない知識を本で補完する、というのも方法の一つです。
Q. Python以外に将来性が見込まれる言語はありますか?
Python以外に将来性が期待されている言語としては、汎用性が高く安定した需要があるJavaやC#、PHP、JavaScriptなどのほか、比較的新しい言語であるGo言語やSwift、Kotlinなどが挙げられます。
※本記事は2024年4月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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