オフショア開発とは?注目される理由やブリッジSEの役割 | レバテックフリーランス
オフショア開発とは?注目される理由やブリッジSEの役割
オフショア開発とは何かを知りたい方に向けて概要を解説します。具体的には、主要な委託先となっている国の最新ランキングや、多くの企業で導入が進んでいる理由についてまとめました。
また、オフショア開発に不可欠な「ブリッジSE」の役割や年収相場についても紹介します。自社の開発体制に新たな選択肢を検討している方はもちろん、グローバルな環境で活躍するブリッジSEに興味がある方も、ぜひ最後までご覧ください。
オフショア開発とは
オフショア開発とは、自国以外の海外企業にソフトウェア開発を委託する開発手法です。主に、人件費の安い新興国に開発を依頼することで、コスト削減と開発リソースの確保を同時に実現できます。
そもそもオフショア(offshore)とは、「そこから離れること」という意味の英単語です。ビジネスでは「海外」という意味で用いられます。国内のIT人材不足が課題となっている昨今、オフショア開発は多くの企業から注目されている選択肢です。
オフショア開発の発注先となる国
オフショアに特化した発注先選定支援サービスを展開する「オフショア開発.com」の「オフショア開発白書2024年版」によると、オフショア開発委託先国別ランキングは以下の通りです。
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1位 ベトナム(42%)
2位 中国(26%)
3位 その他(8%)
4位 インド(7%)
5位 ミャンマー(4%)
6位 東欧諸国(3%)
6位 フィリピン(3%)
8位 韓国(2%)
8位 バングラデシュ(2%)
8位 タイ(2%)
11位 シンガポール(1%)
ランキングによると、半数近くの企業がオフショア先としてベトナムを選んでいることが分かります。ベトナムが選ばれる背景としては、新日国であることや勤勉な国民性であること、単価が低いことが考えられます。
2位の中国は昔からオフショア開発先として選ばれてきた歴史があり、市場規模が大きいことが特徴です。ただ、同白書によると近年はカントリーリスクや単価向上といった影響から、オフショア先がベトナムをはじめとするその他の国にシフトしつつあることが指摘されています。
参考:オフショア開発白書2024年版|オフショア開発.com
なぜ今、オフショア開発が注目されるのか
オフショア開発が注目される背景には、複数の要因が絡み合っています。それぞれの理由について確認していきましょう。
国内IT人材の確保が難しくなっているから
オフショア開発が注目される理由としては、日本国内でIT人材の確保が難しくなっていることが挙げられます。国内では、少子高齢化による労働人口の減少やIT需要の高まりを背景に、開発に必要な人手を集めるのは簡単ではありません。
レバテックの調査によると、2025年6月時点におけるIT人材の転職求人倍率(※)は11.2倍という高水準で、開発に必要な人手を集めることの大変さが分かります。
こうした状況を打開する手段として、海外の人材を活用するオフショア開発が注目されています。特に新興国では若い世代の人口が多く、ITエンジニアの数も増加傾向にあるため、日本企業にとって貴重なリソースとなり得るのです。
エンジニアの需要動向について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
※求人倍率の定義
【算出式】求人倍率=求人数÷転職希望者数
【求人数】レバテックのエージェントサービスで募集中の中途採用求人数
【転職希望者数】レバテックのエージェントサービスで正社員転職を希望している利用者数
参考:50代IT人材の転職希望者が3年で約2.9倍に、「フルリモート」求人はピーク比約30%減少、出社回帰の傾向か|レバテック
国内IT人材の人件費が高騰しているから
国内IT人材の人件費高騰も、オフショア開発が選ばれる要因の一つです。IT人材の不足により、国内エンジニアの年収は上昇傾向にあり、中でも経験豊富な中堅以上のエンジニアやマネージャーの人件費が著しく上昇しています。
レバテックの調査では、部長・マネージャークラスのIT人材の年収は「年収1,000万円以上」の割合が最も多い結果となっています(回答数:2,558人)。職種別では、「PMO」「PL・PM」においてそれぞれ約2割が年収1,000万円を超えており、プロジェクト管理職を採用するには高年収を提示する必要があることが伺えるでしょう。
こうした人件費の高騰は企業の開発コストを押し上げる要因となるため、予算に制約のある企業が人件費の安価な海外に開発を依頼するケースが増えていると考えられます。
参考:プロジェクト管理職のIT人材、 約3人に1人は年間「200万円以上」のボーナスを受給|レバテック
オフショア開発国の技術力が向上しているから
オフショア開発が注目される理由には、開発国の技術力が向上していることもあります。ベトナムをはじめとするオフショア開発国では、技術教育の充実や国家的なIT産業振興策により、技術レベルが向上しています。
また、日本企業は1990年頃からオフショア開発を活用するようになりました。そのため、長くオフショア開発を行っている企業には、技術力はもちろん、人材育成やマネジメントに関するノウハウも蓄積されています。今や、オフショア開発は安価な労働力の確保にとどまらず、高品質な技術力・サービスを導入するために活用する価値がある選択肢といえるでしょう。
オフショア開発が普及し導入の抵抗が薄れているから
オフショア開発の普及により、導入への心理的抵抗が薄れています。多くの企業による成功事例の共有が進んだことで、「うちの会社でもできるかもしれない」という認識が広がってきました。
オフショア開発には、文化的なコミュニケーションや習慣の違いといった課題もあります。ただ、近年ではすでにそうした課題が明らかになり対処法が普及したことも、IT業界でオフショア開発が当たり前の選択肢の一つになった理由といえるでしょう。
リモートでのやりとりが容易になったから
オフショア開発が注目される背景には、リモートでのコミュニケーションが容易になったこともあります。最近は、ZoomやMicrosoft Teamsなどのビデオ会議ツール、Slackをはじめとするチャットツールの普及により、地理的な距離を感じさせないコミュニケーションが可能になりました。
新型コロナウイルスの流行をきっかけに国内開発でもリモートが当たり前になったことで、オフショア開発特有の距離感に対する抵抗も相対的に小さくなったといえるでしょう。
オフショア開発をサポートするブリッジSE
オフショア開発において、日本の顧客企業とオフショア先の企業をつなげる役割を果たすのが、ブリッジSEです。ここでは、ブリッジSEを目指す方に向けて、詳しい役割や平均的な年収、必要なスキルを紹介します。
オフショア開発におけるブリッジSEの役割
ブリッジSEは、日本国内企業と海外企業の両社の間に立ち、コミュニケーションの支援や開発の進捗報告、設計書の翻訳などを行います。オフショア開発のデメリットであるコミュニケーションリスクや品質管理の難しさを解消するためには、ブリッジSEの存在が重要です。
ブリッジSEの具体的な仕事内容は以下の通りです。

各種文書の翻訳においては、言葉の裏にある意図や文化の違いまで汲み取って現地へ伝え、認識のズレを防ぐのがブリッジSEの役割です。開発中は両社の窓口として進捗を管理し、トラブル発生時には解決に向けて動きます。さらに、納品物にミスがないかといった品質チェックや、状況に応じた修正の指示も行います。
ブリッジSEのさらに詳しい仕事内容については、以下の記事も参考にしてください。
ブリッジSE(ブリッジエンジニア)とは?オフショア開発との関係も紹介
ブリッジSEの年収相場
ブリッジSEの年収は、経験やスキル、勤務地域、担当するプロジェクトの規模によって異なります。参考として、レバテックのデータによるとフリーランスのブリッジSEの想定平均年収は約819万円です(※)。語学とITの両方に精通した人材は希少であるため、実績を積むことでさらなる収入アップを目指せる可能性もあります。
レバテックの利用者が参画した案件データから、稼働日数が5日のものに絞って案件単価を算出しました。年収の算出にあたっては、ひと月の案件単価に12ヶ月を乗じています。(2026年3月時点)
ブリッジSEに必要なスキル
ブリッジSEとして活躍するためには、以下のスキルが求められます。
- 語学力
- コミュニケーションスキル
- マネジメントスキル
- システム開発の知識
まず前提として欠かせないのが語学力です。英語をはじめとする外国語のスピーキング力に加え、仕様書を正確に翻訳するリーディング・ライティング力が必須となります。単に言葉が話せるだけでは不十分であり、日本企業と海外企業の間を取り持つ高いコミュニケーションスキルも不可欠です。ブリッジSEには、現地の企業に日本側の細かな要望を伝えるとともに、文化の異なる現地メンバーと積極的に関わり、深い信頼関係を築くことが求められます。
また、システムの要件を正確に翻訳したり、現地で起きた技術的なトラブルに解決策を提示したりするためには、システム開発に関する一連の知識も必要です。
さらに、プロジェクトを期日通りに完了させるには、マネジメントスキルも欠かせません。海外の文化や商習慣を理解したうえでメンバーのモチベーションを高めつつ、柔軟なスケジュール調整やこまめな進捗・品質管理を行う技量が問われるでしょう。
ブリッジSEになる方法
未経験からブリッジSEに挑戦することは不可能ではありませんが、基本的にはエンジニアとしての実務経験が求められます。ブリッジSEは単なる橋渡し役にとどまらず、プロジェクトの進行管理や現地メンバーとの細かな交渉、予期せぬトラブル対応といった高度な業務を担うためです。
そのため、まずはプログラマーやシステムエンジニアとしてIT企業に就職し、数年間の経験を積むのが王道のルートです。システム開発の一連の流れを理解し、可能であれば海外プロジェクトにも参画して実績を作ることで、ブリッジSEとして活躍できるようになるでしょう。
ブリッジSEとして経験を積んだ後は、フリーランスとして独立する道もあります。レバテックフリーランスの単価診断ツールでは、10年以上にわたって蓄積してきた稼働者データにもとづくリアルな単価の算出が可能です。
今すぐ独立する予定がなくても、現時点での自身の市場価値を知っておくと、キャリアプランを考えたり、転職先を選んだりする際の参考になります。ぜひ以下のページで自分の年収を診断してみてください。
オフショア開発に関するよくある質問
ここでは、オフショア開発に関するよくある質問に答えていきます。
Q. オフショア開発とは?
オフショア開発とは、自国以外の海外企業にソフトウェアやシステム開発を委託する手法です。主に人件費の安い国や地域に開発を依頼することで、コスト削減と開発リソースの確保を実現します。
Q. オフショア開発の発注先として代表的な国は?
オフショア開発の発注先として代表的なのは、主にアジア地域です。中でも、ベトナムは日本企業からの注目度が高まっている国です。親日国であり、日本語を学ぶエンジニアも多いため、コミュニケーションがとりやすいというメリットがあります。
ほかには、中国も主要なオフショア先の一つです。日本に地理的に近く、時差が少ないことが利点です。しかし、近年は人件費が上昇傾向にあり、コスト面でのメリットは以前ほどではなくなっているともいわれています。
Q. オフショア開発のメリットは?
オフショア開発のメリットは、開発コストの削減です。日本と比較して人件費が安い国に開発を委託することで、同等の開発規模でも大幅なコスト削減が可能となります。次に挙げられるメリットは、開発リソースの確保です。日本国内ではIT人材の不足が深刻な問題となっていますが、オフショア開発を活用することで、必要な開発リソースを柔軟に確保できます。
Q. オフショア開発のデメリットは?
オフショア開発のデメリットとしては、まずコミュニケーションの難しさが挙げられます。言語や文化の違いが原因で、意図が正確に伝わらないことがあります。次に品質管理の難しさがあります。地理的な距離があるため、細かな品質チェックや進捗確認が困難になりがちです。特に、開発プロセスや品質に対する考え方が異なる場合、期待する品質水準を満たせないリスクが高まります。
※本記事は2026年3月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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※相場算出に個人情報の取得はおこないません。
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