個人事業主の健康診断はどこで受けるべき?お得に受ける方法とは | レバテックフリーランス
個人事業主の健康診断はどこで受けるべき?お得に受ける方法とは
会社員は毎年健康診断を受けることが義務付けられていますが、個人事業主として独立した後はどうなるのかと、不安をお抱えの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、個人事業主の健康診断について解説します。お得に受ける方法や受診先選びも紹介しているので、ぜひご一読ください。
個人事業主・フリーランスはどこで健康診断を受けるの?
会社員とは異なり、個人事業主やフリーランスの方は自身で健康診断に申し込む必要があります。
なお、個人事業主の方が健康診断を受ける際には、以下の3つの選択肢があります。それぞれの特徴や申し込み方法についてご確認ください。

地方自治体が実施する健康診断を受ける
個人事業主が健康診断を受けるにあたっては、お住まいの地域の自治体が実施している健康診断を検討してみると良いでしょう。多くの自治体では、国民健康保険に加入している住民を対象に、健康診査(特定健診)を実施しています。
自治体によって自己負担額は異なりますが、総じて安価に受診できるのが特長です。
対象者や受診方法については、お住いの市区町村のホームページを確認してみてください。
健康保険組合が実施する健康診断を受ける
健康保険組合に加入している場合は、組合が実施する健康診断を受けることも可能です。個人事業主であっても、下記の業種に該当する場合は国民健康保険組合に加入できます。
- 弁護士・税理士
- 土木建築関連
- 飲食関連
- 芸能関連
- 食品製造販売関連
- 小説家・画家など
- 美容師など
健診内容も充実している場合が多く、コストパフォーマンスに優れた選択肢と言えるでしょう。利用方法は各健康保険組合によって異なるため、加入している組合に直接問い合わせるのが確実です。
病院やクリニックで受ける
直接医療機関へ健康診断を申し込むことも可能です。多くの病院やクリニックでは、人間ドックや各種健康診断コースが用意されています。
検査項目をカスタマイズできる点は、病院・クリニックで健康診断を受けることのメリットといえるでしょう。一方で、自治体や健康保険組合の健診と比べると費用がかさみがちです。
医療機関を選ぶ際は口コミや設備の充実度、アクセスの良さなどを考慮すると良いでしょう。また、検査項目と価格のバランスも重要なポイントです。自分の健康状態や過去の病歴に合わせて、必要な検査を受けられる医療機関を選ぶことをおすすめします。
健康診断をお得に受ける方法5選
続いて、健康診断をできるだけお得に受けるための方法を5つ紹介します。
自身に合った方法を見つけて、無理なく継続的に健康診断を受けられるようにしましょう。
1.協会けんぽの補助制度を利用する
全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入しており、かつ40歳以上74歳以下に該当する個人事業主は、補助制度を利用して健康診断を受けることが可能です。検査項目によって異なるものの、一般健診であれば最高5,282円の自己負担で受診できるため、費用を抑えられます。
補助を受けられる回数は年に1回となっているため、計画的に利用することをおすすめします。
2.あんしん財団に加入する
個人事業主が健康診断を安く受ける方法として、「あんしん財団」への加入も挙げられます。
年会費は2,000円程度と比較的安価ながら、人間ドックの受診費用への補助金として6,000円が支給されます。受診費用が高額になりがちな人間ドックの受診を視野に入れているのであれば、加入の検討をおすすめします。
※費用負担額が6,000円未満の場合は、実費負担額までが対象
3.市区町村が実施する健康診断を利用する
居住する市区町村が実施している健康診断を受けることでも、費用を抑えられるでしょう。各自治体によって費用にばらつきはあるものの、概ね500円〜1,500円程度と安価であり、なかには無料で受診できるものもあります。
申し込み方法は各自治体のホームページをチェックするか、国保の窓口に問い合わせてみてください。
4.クレジットカードの付帯サービスを活用する
クレジットカードの中には、健康診断関連の特典や割引サービスを提供しているものがあります。これらのサービスを利用すれば、健康診断の費用負担を軽減することが可能です。
また、健康診断や人間ドッグの費用をクレジットカードで支払うことで、ポイント還元を受けられる場合もあります。
サービスの詳細は各カード会社によって異なるため、Webサイトを確認するかコールセンターへ問い合わせるなどして、事前に把握しておきましょう。
5.フリーランス向けの福利厚生を活用する
近年、フリーランスや個人事業主向けの福利厚生サービスが増えており、その中には健康診断の割引や補助が含まれているものもあります。年会費を支払うことで、健康診断・人間ドッグの受診に際して優遇を受けることが可能になります。
福利厚生サービスにかかる費用が発生するものの、健康診断以外にもさまざまなサービスを受けられるため、総合的に見てお得といえるでしょう。
以下の記事では、フリーランス向けの福利厚生サービスについて詳しく解説しています。併せてお読みください。
フリーランス向けの福利厚生サービス15選!内容や選び方を解説
健康診断を受ける4つのメリット
個人事業主にとって、健康診断を受けることには多くの利点があります。ここでは健康診断を受けることの主なメリットを4つ解説します。
1.病気を早期発見できる
健康診断は、特に個人事業主にとってリスク回避の観点で大きな意味を持ちます。
たとえば、病気の中には初期段階では自覚症状がほとんどないものも少なくありません。しかし健康診断で異常値が見つかれば、重症化する前に対策を講じることができます。また初期段階で対処するほうが治療費もはるかに少なくて済みます。
定期的な健康診断は、将来に欠かせない投資と考えるべきでしょう。
参考:健診・保健指導のあり方|厚生労働省
2.生活習慣を改善できる
健康診断の結果は、自身の生活習慣を見直すきっかけともなります。検査結果を通じて、現在の健康状態が数値として客観的に示されるため、生活改善の必要性を実感しやすくなるのです。
たとえば、検査結果が基準値を超えていた場合、食生活や飲酒習慣を見直す具体的な動機づけになります。また、運動習慣の改善に取り組む契機ともなるでしょう。医師からのアドバイスも受けられるため、何から改善すべきかの指針も得られます。
特にデスクワークを中心としている個人事業主の場合、運動不足や不規則な食生活に陥りやすいものです。健康診断の結果を見ながら、「定期的な運動の実施」「食事内容の見直し」など、具体的な行動計画を立てることができるでしょう。
以下の記事では、個人事業主の方向けに健康管理のコツについて詳しく解説しています。併せてお読みください。
フリーランスは健康管理が大切!その理由や具体的な健康管理方法を紹介
3.収入面でのリスクを回避できる
個人事業主にとって、病気やけがによる長期の入院・治療は、収入面での死活問題となります。そのため、健康診断の受診によりこれらのリスクを低減する必要が殊更重要になってくるのです。
健康を維持することは、事業を安定して継続する上で第一といっても過言ではありません。
また、健康診断の結果を踏まえて、必要に応じて所得補償保険や医療保険の見直しを行うこともできます。自分の健康リスクを正確に把握した上で、適切な保険を選ぶことで、万一の際の収入減少にも備えを講じられます。
4.セルフメディケーション税制を利用できる
健康診断を受けることで、「セルフメディケーション税制」の対象となり、税制面での恩恵も受けられる可能性があります。セルフメディケーション税制は、健康の維持増進や疾病の予防への取組として一定の取組をしている人が対象医薬品を購入した場合に適用される制度です。一定の取組には、「健康診断」や「予防接種」などが含まれます。
制度の利用により年間1万2,000円を超える特定の市販薬(OTC医薬品)購入費用について、その超過分が所得控除の対象となり、最高8万8,000円まで控除可能です。たとえば風邪薬や胃腸薬、湿布薬などが対象となります。
健康診断を受けた証明書は確定申告の際に必要となるため、5年間は保管しておきましょう。
参考:セルフメディケーション税制とは|国税庁
健康診断を受けないことのリスク
個人事業主が健康診断を受けないことには、さまざまなリスクが伴います。
まず、健康診断を受けないことで疾病を初期段階で発見できず重症化を許してしまえば、QOLは大幅に低下しかねません。
個人事業主の場合、休業期間が増大するリスクもあります。休業により収入減につながるだけでなく、長期にわたって休むことになれば事業の存続自体が危うくなるでしょう。
さらに、疾病の早期発見・早期治療の機会を逃すことで、将来的な医療費の負担が増える可能性も考えられます。健康診断の費用を惜しんだ結果、何十倍もの出費を強いられては、本末転倒といわざるを得ません。
個人事業主にとって健康診断は「事業継続のためのリスク管理」でもあることを肝に銘じておきましょう。
健康診断(人間ドック)について知っておきたいこと
個人事業主として健康管理を行ううえでは、人間ドッグについても正しい知識を持っておきたいところです。
健康診断と人間ドックの違いについて、以下の表にまとめました。
| 健康診断 | 人間ドック | |
|---|---|---|
| 特徴 | 基本的な検査を行う | より精密な検査を行う |
| 目的 | 健康状態の確認 病気の予防 |
病気の早期発見 将来のリスク管理 専門医にアドバイスを仰ぐ |
| 検査項目 | 少ない ※血液検査やレントゲン検査 など10数項目程度 |
多い ※超音波検査や胃カメラなど 40~100項目程度 |
| 費用 | 数千円~1万円程度 | 1万円~5万円程度 ※検査項目・オプション によりひらきがある |
検査内容と費用のバランスを勘案しつつ、ご自身にあったものを選んでください。
健康診断の結果が芳しくなかったときはどうする?
健康診断の結果が思わしくなかった場合でも、見て見ぬふりはせず、適切に対処しましょう。
第一に、結果を正しく理解することに努めてください。健康診断の結果表には通常、基準値と自身の検査値が記載されています。当該の項目・値が何を意味するのか、また自身の値がどの程度問題であるかを把握することが大切です。
異常値が出た項目については、その重症度によって対応が異なります。「軽度異常(要経過観察」)であれば、生活習慣の改善で対処できる場合もあります。
一方、「要精密検査」「要再検査」と判定された場合は、医療機関での詳しい検査が必要です。できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
健康診断の受診先選びのポイント
最後に、健康診断の受診先選びのポイントをお伝えします。
検討に際してはまず、受診目的に合った検査項目が用意されているかどうかに着目しましょう。基本的な健康チェックだけでいいのか、特定の疾病リスクを詳しく調べたいのか、目的によって選ぶべき医療機関や検査コースも変わります。
医療機関の設備やどの診療科に力を入れているかといった点にも注目しておきましょう。最新の検査機器を備えた医療機関では、より精度の高い検査を受けられますし、権威のある専門医が在籍していれば、より専門的な視点からアドバイスを仰げます。
費用対効果も重要です。単純に安ければ良いというわけではなく、必要な検査に対しての費用感が適切かを見ておきましょう。複数の候補をピックアップのうえ、比較検討することをおすすめします。
受診先選びにおいては、口コミも役立ちます。特に説明の丁寧さや、異常値が出た際のフォロー体制については、実際に受診した人の体験談が参考になります。
上述の判断要素をもとに、慎重に受診先選びを進めてください。
※本記事は2025年10月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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