65万円の青色申告特別控除を受けるにはどの帳簿を作成すべき?
青色申告に必要な帳簿は?

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青色申告の場合、正規の簿記による帳簿付けを行うのが原則です。簡易簿記と複式簿記の二種類ある簿記方式のうち、「正規の簿記」とは一般的に複式簿記を指します。それぞれの簿記方式によって、帳簿の種類や各種の必要書類の保管期間が異なります。

◆この記事の監修
あおば会計事務所 共同代表
税理士 小池 康晴氏
IT関連の企業やフリーランス(個人事業主)の顧客を多く持ち、それぞれのニーズを重視した税務アドバイスとコンサルティングを行う。IT業界の税務や新しいサービスの動向などにも精通している。
http://aoba-kaikei.jp/index.html

 

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0. 目次

1. 帳簿の付け方
2. 65万円の青色申告特別控除に必要な帳簿
3. 帳簿・書類の保管義務

1. 帳簿の付け方

帳簿の記帳方法には「簡易簿記」と「複式簿記」の2種類があります。

■簡易簿記
簡易簿記は、家計簿のように入金・出金を一つずつ記録していく方式です。業務内容によって使用する帳簿の種類は異なりますが、一般的なものとして下記の例が挙げられます。

・現金出納帳 
・売掛帳
・買掛帳 
・経費帳
・固定資産台帳

現金が増減した際に、その原因と金額を記載する仕組みです。複式簿記に比べると帳簿が容易ですが、財政状態を把握しづらいというデメリットがあります。

■複式簿記
複式簿記は、取引を結果と原因の二面に分けて考え、一つの取引に対し借方・貸方の二つに分けて記録する方式です。複式簿記の帳簿は主要簿と補助簿の2種類で、具体的には下記の帳簿があります。

◯主要簿 
・仕訳帳
・総勘定元帳

◯補助簿 
・補助記入帳…現金出納帳、当座預金出納帳、小口現金出納帳、売上帳、仕入帳、受取手形記入帳、支払手形記入帳
・補助元帳…商品有高帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳

複式簿記では仕訳帳と総勘定元帳が主要簿で、補助簿は必要に応じて活用します。

簡易簿記や複式簿記を行う上で基本となるのが、「発生主義」という考え方です。

発生主義では、取引が発生する度に収益や費用を計上します。例えば商品を納めて、翌月に代金を受け取る場合、納品と代金受け取りのそれぞれを分けて記帳します。それに対して現金主義は、現金の受け取りや支払いの事実があった際に収益・費用を計上する考え方です。

簿記では発生主義が原則とお伝えしましたが、青色申告者で前々年分の事業所得、不動産所得(青色事業専従者給与の控除額を必要経費に算入せずに計算した金額)の合計金額が300万円以下の場合、現金主義を選択することが可能です。

現金主義を希望する方は、適用を受けたい年の3月15日まで(1月16日以降に新規開業した人は2ヶ月以内)に「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書」を税務署に持参または送付しましょう。これから青色申告しようと考えていて現金主義を選択する方は、「所得税の青色申告承認申請書(兼)現金主義の所得計算による旨の届出書」を提出します。3月15日が土日・祝日にあたるときは、翌日が期限です。

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2. 65万円の青色申告特別控除に必要な帳簿

まずは、65万円の青色申告特別控除の受給要件を見ていきましょう。

・不動産所得あるいは事業所得を得ている
・正規の簿記(一般的には複式簿記)で記帳している
・貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付し、法定申告期限内に提出している

現金主義を選択している人や簡易簿記による記帳を行っている青色申告者は、10万円の特別控除が適用されます。

前項でもご紹介しましたが、複式簿記の主要簿は仕訳帳と総勘定元帳です。それぞれの役割をこちらで確認しましょう。

■仕訳帳
仕訳帳は、取引の勘定科目を決定して借方、貸方に分けるための帳簿です。取引が発生した順番に取引の年月日と内容、勘定科目、金額を記載します。

■総勘定元帳
総勘定元帳は、取引を勘定科目の種類によって分類し、整理・計算する帳簿です。勘定科目ごとに、取引の年月日や相手方の勘定科目、金額を記します。

取引が発生したら、仕訳(仕訳帳)→元帳記入(総勘定元帳、補助簿)→試算表の作成→決算(貸借対照表、損益計算書)という流れで記帳します。

3. 帳簿・書類の保管義務

帳簿・書類は、下記のようにそれぞれ保管期間が定められています。

白色申告者の場合
  保存が必要なもの 保存期間
帳簿 収入金額や必要経費を記載した帳簿
(法定帳簿)
7年
業務に関して作成した上記以外の帳簿
(任意帳簿)
5年
書類 決算に関して作成した棚卸表その他の書類 5年
業務に関して作成し又は受領した
請求書、納品書、送り状、領収書などの書類
5年
青色申告者の場合
  保存が必要なもの 保存期間
帳簿 仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など 7年
書類 決算関係書類 損益計算書、貸借対照表、棚卸表など 7年
現金預金取引等関係書類 領収証、小切手控、預金通帳、借用証など 7年(※)
その他の書類 取引に関して作成し又は受領した上記以外の書類
(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など)
5年

※前々年分の所得が300万円以下の方は5年

※引用元:国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_2.htm

帳簿や書類は税務調査の際に必要となるため、管理に注意しましょう。

※本記事は平成30年9月時点の情報を基に執筆しております。

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