フリーランスの青色申告承認書の書き方|65万円の控除を受けるための手続きを解説

青色申告者になるためには、「所得税の青色申告承認申請書」を税務署へ提出する必要があります。ここでは、青色申告承認申請書の提出期限や書き方、開業の際に必要な書類を見ていきましょう。

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目次

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青色申告承認申請書の概要

事業所得や不動産所得、山林所得を得る個人事業主の方で、青色申告をしたいときは「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。青色申告承認申請書の提出期限は、下記のとおりです。

  • 1月1日から1月15日までに新規開業する場合…青色申告をしようとする年の3月15日まで
  • 1月16日以降に新規開業する場合…開業してから2ヶ月以内
  • 白色申告から青色申告へ切り替える場合…青色申告をしようとする年の3月15日まで

青色申告者の事業を相続した場合は、下記の期間内に提出してください。

  • 亡くなった日がその年の1月1日から8月31日まで…亡くなった日から4ヶ月以内
  • 亡くなった日がその年の9月1日から10月31日まで…その年の12月31日まで
  • 亡くなった日がその年の11月1日から12月31日まで…その年の翌年の2月15日まで

期日が土日・祝日にあたるときは、これらの翌日が期限です。作成したら税務署へ持参または送付しましょう。

なお、青色申告承認申請書は税務署で入手するほか、国税庁のWebサイトからダウンロードすることもできます。ダウンロードした青色申告承認申請書は、直接入力して印刷することが可能です。

参考:所得税の青色申告承認申請手続|国税庁
関連記事 : 青色申告をする前に「青色申告承認申請書」の提出を

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青色申告のメリット・デメリット

下記に青色申告のメリットとデメリットをまとめました。
それぞれを理解した上で自分にあった確定申告のやり方を選びましょう。

青色申告のメリット

青色申告には、

  • 青色申告特別控除を受けられる
  • 赤字の繰り越しができる
  • 家族への給与を経費化できる

といったメリットがあります。

青色申告特別控除を受けられる

帳簿の付け方や決算書の種類によって、10万円もしくは55万円(65万円)の控除を受けることができます。
所得税の節税に効果的な仕組みです。

詳しい条件について知りたい方は、以下の解説をご参照ください。
青色申告の特別控除額は最高65万円!条件や申請方法とは

赤字の繰り越しができる

事業を行う上で損失が出た場合、その損失を最大で3年間繰り越し可能です。
事業を始めたばかりで経費にお金がかかってしまった時に、翌年以降の利益と相殺することで節税になるといった利点があります。

家族への給与を経費化できる

家族が事業を手伝ってくれた場合に支払った対価を、「専従者給与」という経費として扱うことができます。
専従者給与を支払うためには「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出が必要です。

青色申告のデメリット

青色申告には、

・申請書を提出しなければならない
・帳簿付けが複雑になる


といったデメリットもあります。

申請書を提出しなければならない

青色申告を始めるには「青色申告承認申請書」を、税務署に提出しなければなりません。

帳簿付けが複雑になる

最大で65万円の控除を受けることができる青色申告をする場合に必要になる複式簿記は、単式簿記に比べて記帳方法が複雑です。損益計算書や貸借対照表のほか、帳簿の種類も増えるので、本業をしつつ収支の記録もしっかり行うのは難しいという場合もあるかもしれません。

青色申告関連の作業を税理士さんに任せることにより、青色申告のデメリットは軽減される場合があります。
レバテックフリーランスでは無料の税理士紹介サービスを実施中。経理の専門家による節税や経営分析といったアドバイスを受けることもできるので、ぜひお気軽にご相談ください。

関連記事 : 青色申告のメリット・デメリット

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青色申告承認申請書の記入方法

ここでは、青色申告承認申請書について項目ごとの記入方法を見ていきましょう。

青色申告承認申請書の記入例

※記入例は「渋谷区在住の初めてフリーランスエンジニアになる方で、青色申告(簡易簿記)」を選択した場合のもの

① : 税務署長名

納税地の管轄税務署名を記載します。

② : 提出日

青色申告承認申請書の提出日を記入しましょう。

③ : 納税地

「住所地」「居所地」「事業所等」から該当するものにチェックを入れて、住所と電話番号を記入します。

④ : 上記以外の住所地・事業所等

納税地以外に住所地、事業所等があるときに記入します。納税地と同一であれば記入しなくても問題ありません。

⑤ : 氏名、生年月日

氏名と生年月日を記載し、押印します。印鑑は認印で大丈夫ですが、シャチハタはNGです。

⑥ : 職業、屋号

「職業」には事業内容を記載し、屋号(店名など)がある際はそちらも記入します。

⑦ : 青色申告を始める年

青色申告したい年を記入します。

⑧ : 事業所又は所得の基因となる資産の名称及びその所在地

「名称」に記載するのは、屋号(ないときは氏名)や「○○支店」「本店」など。店舗や屋号もない場合は「事務所」等でも問題ありません。「所在地」には「名称」に書いた屋号等の住所地を記入します。

⑨ : 所得の種類

「事業所得」「不動産所得」「山林所得」で該当するものにチェックを入れます。

⑩ : いままでに青色申告承認の取消しを受けたこと又は取りやめをしたことの有無

これまでに青色申告承認の取り消し・取りやめをしたことがある場合は、(1)の「有」にチェックを入れ、取り消し通知があったあるいは取りやめを届け出た年月日を記入します。該当しないときは、(2)の「無」にチェックを入れてください。

⑪ : 本年1月16日以後新たに業務を開始した場合、その開始した年月日

「個人事業の開業・廃業等届出書」に記載した開業の年月日を記入します。

⑫ : 相続による事業承継の有無

事業を相続した人は(1)の「有」にチェックし、相続開始年月日と被相続人の氏名を記載します。該当しない場合は(2)の「無」をマークしましょう。

⑬ : その他参考事項

「簿記方式」は「複式簿記」「簡易簿記」「その他」から選び、「備付帳簿名」は青色申告で備え付ける帳簿名を選択します。ここで記入した簿記方式や帳簿に関しては、後からでも特段の手続きなしで変更することが可能です。

なお、「青色申告者になって65万円の青色申告特別控除を受けたい」とお考えの方もいるかと思いますが、65万円の青色申告特別控除を受けるには「正規の簿記の原則」による記帳(一般的には複式簿記)が必要です。

複式簿記の主要簿(必須となる帳簿)は仕訳帳と総勘定元帳で、代表的な補助簿には現金出納帳、預金出納帳、固定資産台帳、買掛帳、売掛帳などがあることを知っておきましょう。

参考:所得税の青色申告承認申請手続|国税庁
関連記事 : 屋号と商号の違い

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そのほか開業の際に必要な書類

ここでは、開業の際に必要となる書類の例をご紹介します。

個人事業の開業・廃業等届出書

個人事業主として開業する際は、原則として「個人事業の開業・廃業等届出書」を税務署に提出します。事業所得や不動産所得、山林所得が発生する事業を始める方が対象で、提出期限は開業してから1ヶ月以内です(※1)。

参考 : 個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁

青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書

妥当な金額の範囲内であれば家族へ給与を全額経費にできる、青色申告ならではの特典である青色事業専従者給与。利用する場合は「青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書」を提出します。

期限は原則としてその年の3月15日までですが、その年の1月16日以降に開業あるいは専従者を雇うことになったときは、その日から2ヶ月以内に出してください(※2)。

参考:青色事業専従者給与に関する届出手続|国税庁

※1,2 : 期日が土日・祝日の場合は、これらの翌日が期限となります。

個人事業の開業・廃業等届出書や青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書についても、国税庁サイトからのダウンロードや入力・印刷が可能です。作成したら、税務署へ送付または持参しましょう。

開業届の提出については「フリーランスは開業届の提出は必須?書き方やタイミング、メリットデメリットを徹底解説」もご確認ください。

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青色申告承認申請書の書き方に関するよくある質問

ここでは、青色申告承認申請書の書き方に関するよくある質問に答えていきます。

Q. 青色申告承認申請書には、どのような情報を記入する必要がありますか?

青色申告承認申請書には、事業の所在地や青色申告を始める年、所得の種類などの記入が必要です。

Q. 青色申告承認申請書を提出する期限はありますか?

青色申告承認申請書の提出期限は、青色申告書による申告をしようとする年の3月15日までです。その年の1月16日以降に開業した場合はその日から2ヶ月以内に提出が必要です。

Q. 青色申告特別控除はどのようなメリットがありますか?

青色申告特別控除は、10万円もしくは65万円の控除を受けられます。青色申告特別控除を適用することで、所得税の節税に繋がります。

Q. 65万円の青色申告特別控除を受けるためには、どのような簿記方式で記帳する必要がありますか?

65万円の青色申告特別控除を受けるためには、複式簿記で記帳する必要があります。

Q. 青色申告者が家族への給与を経費にするためには、どのような手続きが必要ですか?

家族への給与を経費にするためには、青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書を税務署へ提出することが必要です。

※本記事は2023年11月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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