AWSエンジニアとは?仕事内容やキャリアパス、フリーランス事情について解説 | レバテックフリーランス
AWSエンジニアとは?仕事内容やキャリアパス、フリーランス事情について解説
AWSエンジニアとは、AWSを使ったシステム構築・移行業務において専門性の高いエンジニアが名乗る、あるいは呼称される職種です。AWSはAmazonが提供するクラウドコンピューティングサービスで、使用可能な機能の豊富さが特色です。
また、クラウドコンピューティングのため、使いこなすにはAWSに精通する必要があります。AWSをはじめとするクラウド利用の広がりにより、AWSエンジニアの需要は高まっています。
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目次
AWSとは?
AWSとは、Amazon Web Serviceの略称です。Webサービスの形でクライアントにシステムのインフラ環境を貸し出すサービスです。AWSでは、Amazonがインターネット上にクラウドサービスとして用意したサーバーやストレージなどのシステムインフラを利用できます。
インターネットを通じたサービス提供は主に以下の3つに大別されます。
- 1. SaaS(Software as a Service)
- 2. PaaS(Platform as a Service)
- 3. IaaS(Infrastructure as a Service)
AWSはシステムインフラをクラウドの形で提供している、IaaSに分類されるサービスです。
なお、SaaSとは、ソフトウェアをインターネット上に提供するサービスを指します。Dropboxなどのようなオンラインストレージが代表的です。また、PaaSとは、パソコン(サーバー)のようにOSとミドルウェアが入った箱をインターネット上でインターネット上で貸し出すサービスです。ユーザーは必要なソフトウェアをインストールして、借りたプラットフォームを利用します。
AWSのIaaSでは、サーバーが貸し出されます。サーバーは仮想サーバーの形で貸し出されるため、データセンターにあるような物理的なサーバーを丸々借りることはありません。ユーザーはサーバーの物理的配置や仮想サーバー間ネットワーク、ストレージなどを意識せずにシステムインフラを借りられます。
関連の職種について知りたい方は、これらの記事も見てみるとよいでしょう。
サーバーサイドエンジニアとは?仕事内容やフリーランス事情を解説
クラウドエンジニアとは|年収や資格、仕事内容について
AWSエンジニアの仕事内容
AWSエンジニアという職業に明確な定義はありません。とはいえ、AWSエンジニアを名乗って参画先で活躍するには、システム開発に精通し、なおかつAWSの知見と高い専門性を持っていることが求められます。ここでは、実際のAWSを使ったシステム開発の仕事内容を解説します。
最適なAWS環境を提案する
AWSはIaaSとして、システムインフラを貸し出すサービスです。企業がAWSを利用したい動機としては、1台〜数百台のサーバーを短期間で借りられるメリットが挙げられます。オンプレミスで大きなシステムインフラを構築するには、数ヶ月以上の準備が必要でしょう。しかし、AWSは数日~必要ならすぐに借りられます。
AWSの料金体系は、システムインフラのリソース(ストレージ利用容量やサーバー利用時間)の使用量に応じて料金が増える従量課金制です。AWSエンジニアの仕事内容には、コスト面で最適なシステム開発や運用を提案、構築することも含まれます。
特に多くのAWSを利用したいクライアントは、データセンターなどを利用せず、イニシャルコストを可能な限り抑え、必要に応じてサーバー数やストレージ規模をスケーリングしたいと考えているケースが多いです。よって、AWSエンジニアには、最適なAWS利用方法を提案する力が必要になります。
システム開発環境を整える
AWSエンジニアの仕事内容には、AWSでシステム開発環境を整えることも含まれます。開発環境はローカル環境の場合もあれば、AWSのサービスを使うこともあります。いずれにしても、本番環境がAWS上に展開されている以上、開発環境もAWSの環境に近づけることが大切です。
システム開発環境と本番環境の差はシステム開発効率やソフトウェア品質に影響します。したがって、開発環境の整備はとても重要な仕事です。
AWSに構築したシステムを運用する
AWSの運用は、システムを構築したあとに始まります。AWSの状況監視や、ストレージの増減、データ退避、OSやミドルウェアのバージョンアップ対応などを行います。
AWSに精通していなければできない作業も多く、AWSエンジニアはシステム運用担当者としての活躍も期待されます。
インフラエンジニアとの違い
AWSエンジニアの仕事は、インフラエンジニアと似ています。ただ、AWSエンジニアには「AWSというクラウドサービスを使いこなす」という特徴があります。インフラエンジニアの業務をAWSで実現するのがAWSエンジニアであるともいえるでしょう。
オンプレミスの物理環境、仮想環境を使ったシステムインフラを構築するのが従来のインフラエンジニアです。一方、AWSエンジニアは「システムインフラの構築に際して、AWSを使えるところにはAWSを活用し、システム開発の効率を上げたりコストを削減したりする」役割が期待されます。
また、現状のシステムインフラをAWSに移行する業務も、AWSエンジニアが一般的なインフラエンジニアよりも高い専門性を発揮することを期待される場面といえます。
インフラエンジニアの仕事に関してさらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【エンジニアのプロ監修】インフラエンジニアとは?仕事内容や年収・必要スキル・資格などを徹底解説
AWSエンジニアの年収
2021年5月時点でレバテックフリーランスに掲載されているAWSの求人・案件の平均月額単価は76万円、最高月額単価は165万円、最低月額単価は15万円で、それぞれの12ヶ月分を年収として換算すると、以下のとおりになります。
平均年収(フリーランス) | 912万円 |
---|---|
最高年収 | 1980万円 |
最低年収 | 180万円 |
ただし、これはAWSエンジニア以外も含むと考えられるレバテックフリーランスの求人・案件データにもとづく金額であるため、参考程度にしてください。掲載媒体や案件の傾向などによっても給料や単価の相場は変動します。
関連記事 : AWSエンジニアの平均年収|仕事内容や需要、将来性、必要なスキル・資格は?
AWSエンジニアに必要なスキル
AWSエンジニアにはAWSに関する幅広い知識が必要です。案件によってAWSのどのサービスを使うかが異なるためです。さらに、仮想化技術やストレージに関するスキルがあると、AWSを効率良く利用できます。
AWSサービスの理解
AWSは20以上のカテゴリーで、200以上のサービスを提供しています。そのため、AWSエンジニアには、使用頻度の高いサービスを理解して使いこなすスキルが求められます。クライアントからはAWSサービスの使い方についての提案や、構築ができるAWSエンジニアに需要が集まるでしょう。
たとえば、AWSにはAmazon S3というストレージサービスがあります。クライアントの要望が、クラウドを使ってスケーラビリティや堅牢性が高いストレージを構築することである場合、クライアントのニーズを満たすには、S3の概要や使い方が分かる、想定される費用を算出できる、ストレージ構築ができるAWSエンジニアである必要があります。
また、アーカイブデータには長期保存を前提とした格安のストレージサービス(Amazon S3 Glacier)も用意されています。このサービスを知らないと、アーカイブデータもS3に保管してしまう可能性があります。
このように、AWSエンジニアにはAWSサービスを効率よく利用するための提案やシステム構築ができる知識、スキルが必要です。
ネットワーク構築
AWSでシステムインフラを構築するためには、オンプレミスでシステムインフラを構築する場合と同様、ネットワークのスキルが必要です。AWSエンジニアは、AWSを使ったシステムインフラの構築スキルが求められています。ネットワークやストレージといった専門性の高いAWSの知識も必要となるでしょう。
AWSを使ったネットワーク構築例としては、Amazon VPCやAWS Direct Connectなどが挙げられます。Amazon VPCとは、仮想の専用ネットワークスペースを提供するサービスです。ユーザーは専用スペース内にAWSのサービス(サーバーサービスのEC2やストレージサービスのS3など)を配置します。配置する際は、サブネットでネットワークを区切ることもできます。
また、Amazon VPCは外部ネットワークと切断されていますが、ゲートウェイを設定することで外部ネットワークとの通信が可能になります。
AWSを使ってネットワーク構築をする場合、AWSが提供するサービス(リソース)をどのようにつなぐか、外部との通信はどのように行うかなどの仕様を策定し、構築するスキルが求められます。
ストレージ(重複排除、アーカイブなど)
AWSにはストレージサービスも用意されています。システムで使うデータはもちろん、ファイルサーバーのバックアップや、クラウドへの移行のためのスキルも大切です。
AWSはストレージの利用量に応じて課金されるため、コスト最適化のためには重複排除やアーカイブ技術への知見が役立ちます。したがって、ストレージの利用に関するスキルも重要です。
関連記事 : インフラエンジニアに必要なAWSのスキルとは?求人案件や勉強方法を紹介
AWSエンジニアに役立つ資格
クライアントのニーズを満たすAWSエンジニアであることを証明するには、Amazonが提供するAWS認定を利用するのが良いでしょう。 AWSに関する知識が深ければ、AWSエンジニアとしての案件が獲得しやすくなる可能性もあります。
なお、AWS認定とは、AWSエンジニアがしっかりとしたスキルを持ち、プロジェクト全体がクラウドを利用して、より効率の良いシステム開発や運用を行うことができるかを問う資格です。
AWS認定(クラウドプラクティショナー)
クラウドプラクティショナーは、AWS認定の中で最も基礎的な資格、スキル証明です。AWSエンジニアに必須となる、AWSクラウドの概要、AWSの基本的なアーキテクチャ原理、アカウントマネジメントや料金の理解などの知識が問われます。受験資格はありませんが、テクノロジー、マネジメント、販売、購買、ファイナンスの分野で最低6ヶ月、AWSクラウドの使用した経験と、それに付随する知識が推奨されています。
エンジニアとしてのスキル証明というよりは、基礎知識の確認に向いている資格です。営業担当者などがクライアントにAWSの利用を提案したり、AWSの優位性などを説明したりするスキルの証明としても有用でしょう。
AWSエンジニアの場合、次に解説するアソシエイトレベル以上のスキル証明があれば、新規案件獲得や、対応可能な業務の幅の拡大に効果的です。
※参考 : AWS 認定クラウドプラクティショナー | AWS
試験日 | 随時(テストセンター) |
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受験料 | 12,100円(税込) |
合格基準 | 換算スコア700点以上 |
試験形式 | 全65問 複数選択または複数応答のいずれか |
AWS認定(アソシエイト)
アソシエイトレベルは1年間、AWSを利用したことがあるエンジニアに向けた試験です。AWSの実務経験だけでなく、個人利用の経験も役立つでしょう。また、AmazonのAWS認定公式サイトには、AWSに関する教材もあるので、試験日前の学習に利用してみましょう。
なお、アソシエイトレベルには「Solution Architect(アーキテクト向け)」「SysOps Administrator(運用担当者向け)」「Developer(開発者向け)」の3種類の試験が用意されています。
どれも、前提条件として1年以上の実務経験を必要としています。ソリューションアーキテクトでは、AWSの分散システムの可用性やコスト効率などの設計に関する経験、アドミニストレーターではAWSのデプロイ・管理・運用経験、デベロッパーではAWSをベースとしたアプリケーション開発や保守の経験が必要です。
AWSエンジニアであれば、担当したい業務領域の試験合格だけを目指すよりも、3つの試験の合格を目指しましょう。AWSを使うクライアントに大きく貢献できることを証明した方が、将来的にも有利だといえます。
※参考 : AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト | AWS
※参考 : AWS 認定 SysOps アドミニストレータ- – アソシエイト | AWS
※参考 : AWS 認定 デベロッパー – アソシエイト | AWS
試験日 | 随時(オンラインまたはテストセンター) |
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受験料 | 16,500円(税込) |
合格基準 | 換算スコア720点以上 |
試験形式 | 全65問 複数選択または複数応答のいずれか |
AWS認定(プロフェッショナル)
プロフェッショナルレベルには、「Solutions Architect(アーキテクト向け)」と「DevOps Engineer(運用・開発担当者向け)」の2種類の試験区分があります。
Solutions Architectでは、前提条件として2年以上クラウドアーキテクチャの設計やデプロイに関する実践経験があることや、スクリプト言語、WindowsおよびLinux環境についての知識などが必要とされています。
DevOps Engineerでは、1つ以上のハイレベルプログラム言語でのコード開発や、OS(オペレーティングシステム)管理の経験があることが望まれます。こちらも、AWS環境のプロビジョニング運用、管理などで2年以上の実践経験が前提条件です。
AWSについて高度な知識や技術があることを証明できる認定試験です。実務経験を積みながら、合格を目指しましょう。
※参考 : AWS 認定ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル
※参考 : AWS 認定DevOpsエンジニア – プロフェッショナル
試験日 | 随時(オンラインまたはテストセンター) |
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受験料 | 33,000円(税込) |
合格基準 | 換算スコア750点以上 |
試験形式 | 全75問 複数選択または複数応答のいずれか |
AWS認定(専門知識)
AWSを用いたソリューションが提供できるスキルを証明します。試験区分は以下のとおりです。
- Advanced Networking
- Data Analytics
- Database
- Machine Learning
- Security
それぞれ1~5年程度の実務経験が必要なほか、クラウドプラクティショナーやソリューションアーキテクトアソシエイト、プロフェッショナルの認定保有者であることが推奨されています。推奨レベルは試験区分によっても異なるので、公式サイトで確認してください。
AWSエンジニアとして得意領域を作りたい方、広い知識を有することをアピールしたい方は、専門知識の試験を受験してスキルを証明しましょう。案件獲得につながります。
※参考 : AWS 認定 高度なネットワーキング – 専門知識
※参考 : AWS 認定 データアナリティクス – 専門知識
※参考 : AWS 認定 データベース – 専門知識
※参考 : AWS 認定 機械学習 – 専門知識
※参考 : AWS 認定セキュリティ – 専門知識
試験日 | 随時(オンラインまたはテストセンター) |
---|---|
受験料 | 33,000円(税込) |
合格基準 | 換算スコア750点以上 |
試験形式 | 全65問 複数選択または複数応答のいずれか |
関連記事 : クラウドエンジニアにおすすめの資格|未経験からの転職に資格は必要?
AWSエンジニアのキャリアパス
AWSエンジニアは先進的技術を駆使する職種です。今後のキャリアパスとしては、上級SEやフルスタックのインフラエンジニア、ITコンサルタントなどの選択肢があるでしょう。
プロジェクトリーダー(PL)
AWSエンジニアとして求められる能力の中には、AWSに最適化されたコーディングやインフラ設計などシステム全般を俯瞰(ふかん)的に見るスキルが挙げられます。システム開発プロジェクトをゴールに導くプロジェクトリーダーとしても、その能力を発揮できるでしょう。
プロジェクトリーダー(PL)の求人・案件一覧
インフラエンジニア
AWSを使うシステムインフラ設計の経験は、インフラエンジニアとしてのスキルにも通じます。システムのインフラの一部でAWSを使うなど、さまざまな要件に対応できるインフラエンジニアは、高いニーズがあると予想されます。
インフラエンジニアの求人・案件一覧
ITコンサルタント
将来的にAWSが得意という強みを生かしたITコンサルタントになれる可能性もあります。AWS、クラウドコンピューティングは今後も業界を問わず多くの企業で取り入れられていくでしょう。AWSなどの知識をもって経営に資するアドバイスができるITコンサルタントは、さらに価値が高まると予想できます。
ITコンサルタントの求人・案件一覧
関連記事 : ITコンサルタントとは|仕事内容、年収、転職に役立つスキルや資格など
フリーランスのAWSエンジニアになるには
フリーランスAWSエンジニアはAWSを用いた経験、できれば実務経験があるのが望ましいといえます。
AWSを使ってシステムを構築してみる、実務経験を積む
実務経験がない場合、AWSの学習として、既存のWebサービスをコピーしてトレーニングしてみましょう。個人的にAWSをまねて構築してみることで、スキルが身につきます。
AWSエンジニアとして働くためには、AWS特有の課題や長所、短所などを理解できるようになると良いでしょう。
実務経験に勝るものはありませんので、AWSを使った案件に参画できる機会があれば、積極的に参画してみましょう。
関連記事 : フリーランスAWSエンジニア案件の単価相場
AWSエンジニアに関するよくある質問
ここでは、AWSエンジニアに関するよくある質問に答えていきます。
Q. AWSエンジニアとして活動するには、どのようなスキルが必要ですか?
AWSエンジニアとして活動するにはクラウドインフラの知識、アプリケーション開発と運用スキル、セキュリティ対策スキル、ミドルウェアの知識等が必要です。
Q. AWSエンジニアはどのような資格を取得した方が良いですか?
AWSエンジニアはAWS認定資格、Linux技術者認定試験、シスコ技術者認定、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、ネットワークスペシャリスト試験等の資格を取得すると良いでしょう。
Q. AWSエンジニアがAWS認定試験を取得すると、どのようなメリットがありますか?
AWS認定試験を取得することで、AWSについてのスキルを身につけられる、転職や就職が有利になる、キャリアアップにつながる、AWSの知識をアップデートできる等のメリットがあります。
Q. AWSエンジニアの平均年収はどの程度ですか?
AWSエンジニアの平均年収は約800~900万円です。
Q. AWSエンジニアとしてのスキルを強化するには、どのようなキャリアアップ方法がありますか?
資格を取得する、クラウドサービスやインフラの知識・スキルを高める、マネジメントスキルを身につける等のキャリアアップ方法があります。
最後に
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