AIエンジニアの平均年収は?未経験からの目指し方や注意点・役立つ資格も紹介

エンジニアのなかでも、最先端の分野のひとつであるAI開発を行うのが「AIエンジニア」です。注目が集まっている技術であり、未経験からAIエンジニアを目指す人もいるでしょう。今回は、AIエンジニアの現状について、平均年収や目指すための勉強方法、未経験から目指す方法と注意点などをご紹介します。

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AIエンジニアの平均年収は高い?低い?

AIエンジニアの平均年収は、働き方やスキル・知識が給与に影響することがあるため、個人差が大きいようです。あくまでも目安としてAIエンジニアの平均年収を見てみましょう。

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発行した「IT人材白書2020」によると、「AI・人工知能」分野の業務に従事するエンジニアを含む「先端IT従事者」の年収は以下のとおりです。

年収 割合
100万円未満 1.2%
100万円~200万円未満 1.0%
200万円~300万円未満 2.8%
300万円~400万円未満 6.2%
400万円~500万円未満 8.6%
500万円~600万円未満 9.4%
600万円~700万円未満 13.8%
700万円~800万円未満 10.8%
800万円~900万円未満 10.8%
900万円~1,000万円未満 9.0%
1,000万円~1,500万円未満 15.2%
1,500万円~2,000万円未満 1.8%
2,000万円以上 2.2%


参照 : IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「IT人材白書2020」

スキルなどによって年収は変わりますが、先端IT従事者のなかには年収1,000万円以上を稼いでいる人も多いことが示されており、AIエンジニアの年収相場は高めであることが推測できます。

【20代】AIエンジニアの平均年収

AIエンジニアの年収のみを集計した公的データはないため、企業のIT技術者全体の年収を参考にしてみましょう。

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発行した「IT人材白書2017」において、IT企業で働く20代のIT技術者に年収を聞いたアンケートでは、以下の割合となっています。

年収 割合
300万円未満 26.5%
300万円以上500万円未満 55.6%
500万円以上700万円未満 5.1%
700万円以上1,000万円未満 3.4%
1,000万円以上 1.7%


参照 : IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「IT人材白書2017」

20代のIT技術者の年収は300万~500万円が50%以上を占めています。また、700万~1,000万円に達している人もいることから、理系大学などでAI分野を専門的に研究していたなどの経験があれば、20代のうちから年収1,000万円を超える可能性もあるでしょう。

【30代】AIエンジニアの平均年収

30代のAIエンジニアの平均年収についても、独立行政法人情報処理推進機構の「IT人材白書2017」を参照してみましょう。IT企業で働く30代のIT技術者の平均年収は以下の通りです。

年収 割合
300万円未満 8.3%
300万円以上500万円未満 46.8%
500万円以上700万円未満 26.6%
700万円以上1,000万円未満 9.2%
1,000万円以上 2.3%


30代のAIエンジニアの年収も、300万円~500万円がおおよそ半分を占めていますが、500万~700万円の割合が20代と比べて増加しています。30代になり、ITエンジニアとしての実務経験を積んでいくと、実績が評価されることによって年収も上がりやすくなる傾向が見られます。これはAIエンジニアにも同じことが考えられるでしょう。AIエンジニアは、研究中心の業務を担当していれば海外論文のリサーチなど、専門性の高い分野も担当していきます。また、AIを活用したシステム開発の現場などでは、30代になるとより上流工程を担当することも増えるでしょう。これらの業務の実績が評価につながって年収が上がることも要因のひとつと考えられます。

【40代】AIエンジニアの平均年収

40代のAIエンジニアの平均年収についても、独立行政法人情報処理推進機構の「IT人材白書2017」を参考にしてみましょう。IT企業で働く40代のIT技術者の平均年収は以下の通りです。

年収 割合
300万円未満 3.2%
300万円以上500万円未満 23.7%
500万円以上700万円未満 34.4%
700万円以上1,000万円未満 17.2%
1,000万円以上 9.7%


40代のIT技術者の年収は、500万~1,000万円が、全体の半分以上を占めています。40代のAIエンジニアの場合、もとはSEだった人や、システム開発を経てAIエンジニアにキャリアシフトした経歴の人も少なくありません。ITエンジニアの実務経験があると、AI以外の幅広い知見を活かして現場で活躍しやすくなります。40代のAIエンジニアは、実務経験が長いほど需要も高く、年収も上がることが期待できるでしょう。

【転職・中途採用】AIエンジニアの平均年収

中途採用のAIエンジニアについて平均年収を集計した公的データは存在しないようですが、厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」から、経験年数がないエンジニアの年収を参考にしてみましょう。

経験年数0年の男性システムエンジニアについて見てみると、所定内給与月額の平均およそ25.8万円です。12か月分で308.4万円、年間賞与その他特別給与額の平均約19.2万円を含めると平均年収は327.6万円となります。ただし、経験年数1~4年になると所定内給与月額は平均約27.8万円、年間賞与その他特別給与額は平均約77.1万円となり、手当などを含まない平均年収は410.7万円と上がっています。

参照 : 厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況」

上記は新卒者も含まれるデータのためあくまで目安ですが、未経験から転職してAIエンジニアになる場合も、経験年数が増えるにつれて年収も上がる可能性があります。

AIエンジニアは需要が見込める職種ですが、未経験の場合はスキルや知識が不足している可能性があり、いきなり高年収を得ることは難しいでしょう。しかし、プログラミングスキルやITリテラシーが備わっていれば、別のエンジニア職からのキャリアチェンジにより、年収が大きく下がらない可能性もあります。エンジニアとしての実務経験が十分あり、スキルが備わっている人が転職した場合は年収が上がる可能性もあるでしょう。

このように、AIエンジニアとして転職した場合、勤続年数やスキル、年齢によって、収入にばらつきが出ることを理解しておきましょう。

関連記事 : IoTエンジニアの年収|仕事内容や年収アップに役立つスキル、資格を紹介

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海外のAIエンジニアの平均年収

海外のAIエンジニアの平均年収についてまとめた公的なデータはありませんが、2016年に経済産業省が発表した「IT人材に関する各国比較調査」を参考に、海外のIT人材の平均年収を見てみましょう。

年収
アメリカ 1,157万円
インド 553万円
韓国 498万円
中国 354万円
タイ 195万円
インドネシア 192万円
ベトナム 85万円


参照 : 経済産業省「IT人材に関する各国比較調査結果報告書」

同調査の対象になった国のなかでは、日本よりITエンジニアの平均年収が高いのはアメリカのみです。アメリカは日本を含む諸外国に比べて、高度な知識や技能を有している人材が多いという特徴が示されています。AIエンジニアにおいても、特にアメリカでは高い年収が期待できると考えられます。

関連記事 : フリーランスエンジニアが海外で働くには

機械学習エンジニアの平均年収

機械学習エンジニアの平均年収の目安として、2020年11月時点でレバテックフリーランスに掲載されている「機械学習」案件の月額単価相場を見てみると、平均月額単価は82万円でした。単純に12ヶ月換算した場合の年収は984万円となります。もちろん、フリーランスの機械学習エンジニアの収入はスキルや実務経験年数、受注する案件などによっても個人差があるので、上記をそのまま機械学習エンジニアの平均年収とは考えず、目安の金額と捉えましょう。

機械学習の求人・案件一覧

機械学習エンジニアは、機械学習アルゴリズムを開発するのがメインの業務です。PythonやGoなどのコーディングに加え、SQLなどのデータベースに関する知識も求められることがあります。幅広いスキルが求められる上にまだまだ人材が少ないため、機械学習エンジニアの年収は高くなる傾向にあります。

関連記事 : 機械学習エンジニア(MLエンジニア)とは?仕事内容やフリーランス事情を解説

未経験でAIエンジニアになるには

未経験でAIエンジニアになるには様々な方法がありますが、事前に一定のスキルを身につけておくことが求められるでしょう。

AIエンジニアに必要なスキル

未経験からAIエンジニアになるには、自己研鑽を継続して行うことが重要です。身につけるべきスキルには以下のようなものが挙げられます。

  • プログラミングスキル
  • データベースに関する知識
  • インフラに関する知識

プログラミングスキル

「プログラミングスキル」は基本的に必須となるでしょう。AI開発でよく用いられるのは「Python」や「Go」、「C/C++」などの言語になります。プログラミングはスクールに通うか、オンラインのプログラミングスクールでも学ぶことが可能です。最初は無料のプログラミング学習サイトから始めるのも良いでしょう。

データベースに関する知識

データベースに関する知識もまた、大量のデータを分析するAIエンジニアには必要なスキルです。データベースを扱うために使用される「SQL」というデータベース言語の知識があると役立つでしょう。SQLに関しても、無料のプログラミング学習サイトや書籍などから学習することが可能です。

インフラに関する知識

仕事内容によっては、クラウド技術やサーバー、ネットワークなどAIシステム構築に必要となるインフラ知識が必要となるでしょう。書籍やWebサイトで学習してインフラに関する基礎知識をつけ、基礎を学んだらLinuxのサーバー構築を自宅で試してみたり、ネットワーク・エミュレータを試してみたりして実践的な内容を学習すると良いでしょう。

大学で学んでいなくてもなれる?

AIエンジニアになるためには、大学で専門的な内容を履修することは必須ではありません。ただし、理系大学で理数系の科目や統計学などを学んでいると、AIエンジニアの仕事に活かすことができるでしょう。

また、理系大学に限らず、文系や高卒の人でもAIエンジニアになれる可能性はあります。未経験でも継続的にプログラミングの勉強やAIに関する知識を学習することによって、AIエンジニアの一部業務を担当することができるだけのスキルを身につけることは可能です。

また、エンジニア職の実務経験があると、AIエンジニアとして採用される可能性が高くなる場合があるので、ITエンジニアとして勤務しながらAIに関する勉強を続け、転職するという方法もあるでしょう。

AIエンジニアになる方法

エンジニア経験が全くない状態からAIエンジニアを目指すことは簡単ではないでしょう。まずはエンジニア職として就職し、その後AIエンジニアになる方法として以下の2つのルートをご紹介します。

  • エンジニアとして勤務して、会社内でAIエンジニアに転向
  • エンジニアとして勤務して、別の会社でAIエンジニアに転職

社内でのキャリアチェンジ

ひとつは、エンジニアとして勤務して社内でAIエンジニアに転向する方法です。社内にAIエンジニアのポジションがあることが前提となります。エンジニアとしてシステム開発の実務経験を積みながらAIの勉強を自主的に行い、自分から配置転換の希望を出してキャリアチェンジしていくのがオーソドックスなルートです。部署移動という形でAIエンジニアになれる可能性が高まります。

転職によるキャリアチェンジ

もうひとつは、エンジニアとして勤務し実務経験を積んだ後に、AIエンジニアとして他の企業に転職する方法です。この場合も、エンジニアとして実務経験を積みながらAIに関する自己学習を続け、AIエンジニアとして中途採用に応募します。AIエンジニアとしての実務経験がない状態で転職を行うので、難易度は高めかもしれません。しかし、社内でのキャリアチェンジよりも多くの選択肢のなかから転職先を選ぶことができるというメリットがあります。

関連記事 : 未経験からAIエンジニアになるには|求人状況や転職後の年収、役立つ資格を紹介

AIエンジニアにおすすめの資格

AIエンジニアになるために必須の資格はありませんが、以下のような資格を取得しておくと、業務や転職において役立つ可能性があります。

  • G検定(日本ディープラーニング協会)
  • E資格(日本ディープラーニング協会)
  • データ分析試験(Pythonエンジニア育成推進協会)

ディープラーニング、データ分析はともにAIエンジニアの業務に必要な知識なので、これから目指す人は取得を検討すると良いでしょう。

G検定(日本ディープラーニング協会)

資格名 G検定
運営 一般社団法人日本ディープラーニング協会
受験費用 一般 : 12,000円(税抜)
学生 : 5,000円(税抜)
試験時間 120分
出題数 約220問
公式サイト https://www.jdla.org/certificate/general/


「G検定」は、ディープラーニングの基礎知識があり、事業に活用していく能力や知識を有しているかを問う検定です。「G検定」を取得することで、ディープラーニングに関する一定の知識、スキルを持っていることを証明できます。

試験内容としては、人工知能分野や機械学習の具体的手法、ディープラーニングの概要など、基礎的な部分がメインとなります。したがって、AIエンジニアを目指す上で駆け出しの人や転職を考えている人などにとっては、一定のスキルを証明するのに役立つ検定と言えるでしょう。

E資格(日本ディープラーニング協会)

資格名 E資格
運営 一般社団法人日本ディープラーニング協会
受験費用 一般 : 33,000円(税込
学生 : 22,000円(税込
会員 : 27,500円(税込)
試験時間 120分
出題数 約100問
公式サイト https://www.jdla.org/certificate/engineer/

「E資格」とは、ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかが問われる資格です。受験には「JDLA認定プログラム」という、機械学習に関するオンライン講座を修了することが必須となっています。

「E資格」を取得することで、ディープラーニングに関する高度な知識や、実務的なスキルがあることを証明できます。

試験内容としては、応用数学や、機械学習の基礎から実践、深層学習の応用知識、開発、運用環境についても問われます。AIエンジニアとしてさらにスキルアップをしていきたい人に最適な資格です。

Python3エンジニア認定データ分析試験(Pythonエンジニア育成推進協会)

資格名 Python3エンジニア認定データ分析試験
運営 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会
受験費用 一般 : 10,000円(税抜)
学生 : 5,000円(税抜)
試験時間 60分
出題数 40問
公式サイト https://www.pythonic-exam.com/exam/analyist


「Python3エンジニア認定データ分析試験」は、Pythonに関する基礎的な知識や、データエンジニアに関する知識などを問う試験です。「データ分析試験」に合格することで、データサイエンスに関する一定の知識を持っていることを証明できます。

試験内容としては、Pythonの基礎知識や、数学の基礎、データ分析の実践的な内容などが出題されます。AIエンジニアを目指している人や、未経験から転職を目指している人などに適切な試験です。転職の際にはスキル証明として役立つでしょう。

関連記事 : データサイエンティストに役立つ資格|難易度や試験内容、必要なスキルを解説

未経験でAIエンジニアになるときの注意点

未経験でAIエンジニアになっても短期間で退職してしまう人もいます。たとえば、AIエンジニアとして就職したけれども、実際に働いてみると想像していた業務とは異なっていた、というミスマッチを感じて辞めてしまったケースが挙げられます。

未経験OKの求人で就職した場合、最初から本格的な分析や開発といった業務をいきなり任されてもスキル不足から対応できないでしょう。資料作成やデータ収集など、サポート業務から始める可能性も高いです。そのため、しばらくはエンジニアとして仕事をしている実感が持てないこともあり得ます。

しかし、これはAIエンジニアに限らず、どの分野でも未経験で採用された場合はあり得るケースです。まずは自分に任された業務を遂行し、長い目で見て徐々にスキルアップしていくことを目指す姿勢も必要です。

関連記事 : AIエンジニアとは?仕事内容やフリーランス事情を解説

AIエンジニアの将来性

AIエンジニア人材は、この先も需要に対して供給が不足することが考えられます。

IPAの「IT人材白書2019」では、IT企業におけるAI人材の有無を調査していますが、そのうち「AI人材はいないが獲得・確保を検討している」企業は、28.4%にも上っています。このことからも、AIエンジニア人材の需要は高いと考えられます。

参照 : IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「IT人材白書2019」

医療や金融の業界をはじめ、様々な現場でIT技術が活用され始めており、将来的にはさらに多くの業界においてAIが活用されていくことも予測されます。しかし、AIエンジニアは専門性の高い知識を必要とするため、育成にも時間がかかる職種です。そのため、需要の高さは基本的に続いていくと予想されます。

関連記事 : Go言語エンジニアの年収は?将来性やフリーランス案件事情と合わせて検証

AIエンジニアのキャリアパス

AIエンジニアのキャリアパスとしては以下のようなものがあります。

  • プロジェクトマネージャー
  • データサイエンティスト

プロジェクトマネージャー

「プロジェクトマネージャー」は、プロジェクト全体を管理する役職です。AIエンジニアとして実務経験を積んでいき、スキルアップして社内で評価されていくと、プロジェクトマネージャーとしてプロジェクトをまとめるチャンスが来るでしょう。AIエンジニアにおいて、マネージャークラスの人材は特に貴重で高い需要が期待できます。AIエンジニアとして、マネジメント面にも携わっていきたい人に向いているキャリアパスです。

関連記事 : プロジェクトマネージャー(PM)とは|役割や仕事内容、年収は?

データサイエンティスト

「データサイエンティスト」は、データ分析に特化したポジションです。加えて、データをもとに企業に経営戦略をアドバイスするなど、コンサルティング的な業務を行うケースもあります。データサイエンティストもデータ分析ツールを用いて大量なデータを分析するので、AIエンジニアとして培った知識を活かせるでしょう。データを用いた課題解決などに深く携わっていきたい人に向いているキャリアパスです。

関連記事 : データサイエンティストとは?仕事内容やフリーランス事情を解説

就職・転職は計画的に

AIエンジニアは今後も活躍の場が増えると予測される職種で、年収1,000万円といった高収入を得ることも夢ではありません。文系・理系にかかわらず、未経験からでもAIエンジニアを目指すことは可能です。まずはエンジニア職として実務経験をつけ、スキルアップを図りながら自主学習を進めてAIエンジニアへの転職を考えてみてはいかがでしょうか。

関連記事 : フリーランスの種類別・職種別平均年収|年収1000万円を目指す方法も解説

最後に

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