テクニカルサポートがきついといわれる理由。年収や将来性・転職ルートは?

インターネット上などでは「テクニカルサポートはきつい」という意見も見受けられますが、その一方でやりがいを持って働いている人がいるのも事実です。テクニカルサポートは顧客と接する機会が多いサポート業務であるため、人とのコミュニケーションが好きな人や問題解決が好きな人ならきついと感じることも少ないでしょう。

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目次

テクニカルサポートがきついといわれる理由
テクニカルサポートの仕事内容
テクニカルサポートの平均年収
テクニカルサポートの求人・案件
テクニカルサポートの将来性
テクニカルサポートから転職するには
テクニカルサポートに向いている人
テクニカルサポートに向いていない人

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テクニカルサポートがきついといわれる理由

テクニカルサポートの仕事がきついといわれる理由には、以下のような要因が挙げられます。

  • クレーム対応でストレスがたまる
  • 幅広い知識が求められる
  • 残業や休日出勤、夜勤が大変

ただし、すべてのテクニカルサポートに必ず当てはまるわけではありません。きついと感じるかどうかは人それぞれの向き不向きや、勤務する職場環境によっても変わります。

クレーム対応でストレスがたまる

本来、テクニカルサポートというのは技術的な問題で顧客が分からない点をサポートする部門です。しかし、連絡を入れてくる顧客の中には、自分の思い通りにならない、マニュアルに書いてあるのと違う、ということで多少感情的になっている場合もあり、そのような人にも対応しなければならないことでストレスがたまってしまう、というケースがあります。

このような場合は、まず顧客に冷静になってもらう必要があるでしょう。そのためには顧客の説明を聞いた後、「ご迷惑をおかけしていること、大変に失礼いたしました」という一言を最初に言うなど、顧客を納得させて感情を静めるためのある種のテクニックも必要になります。

このような「相手の感情を高ぶらせないテクニック」を心得ていないことで、さらに「クレーム対応でストレスがたまる」状況に陥ってしまうこともあります。

人と人がうまくコミュニケーションを取るためには、相手の立場になって想像してみる、というテクニックが必要であり、それはテクニカルサポートに限りません。ITエンジニアにとってコミュニケーション能力は非常に重要な能力なので、これを身につけていくことで、「きつい」と感じる場面を減らしていくこともできるでしょう。

幅広い知識が求められる

テクニカルサポートには、いろいろな問題が持ち込まれます。ハード的なものもあればソフト的なものもあります。そのため、テクニカルサポートには幅広い知識が求められます。しかし、テクニカルサポートの場合、基本的には自社製品に限られるとはいえ、やはりどんな問題が飛び込んでくるか分からず、質問に答えられないことへの不安から「きつい」と感じてしまうこともあるようです。

このような問題を解決するために、現在ではACD(Automatic Call Distributor)というシステムを導入しているところが増えています。ACDではあらかじめ製品別のグループを作っておき、入ってきた問い合わせを適切な製品グループに自動的に回すなどの処理を行います。

そのため、テクニカルサポートがまったく知らない製品の電話を受けるというケースは減りつつあります。従来は全製品についての知識を要求される、という職場もありましたが、このACDの登場によってテクニカルサポートに多大な負担がかかる状況が改善されていくことが期待されています。

残業や休日出勤、夜勤が大変

テクニカルサポートに限らず、IT業界は人材不足の影響もあって多忙になりがちで、残業、休日出勤、夜勤などが発生することもあります。

しかしながら、昨今は一部業務の自動化も進んでいるほか、過度な残業などを規制する動きも広がっているため、適切な労働環境が整った職場に就職・転職できれば、「きつい」と感じる場面は少なくなるでしょう。

関連記事 : テクニカルサポートとは?仕事内容やフリーランス事情を解説

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テクニカルサポートの仕事内容

テクニカルサポートの仕事は、製品を買ってくれた顧客に対し技術支援をすることです。最初の一報は電話で入ってくることが多く、電話対応だけで済めばその場で終了します。その場で解決できない場合は現地まで行って調査をすることもありますが、近年では端末の遠隔操作も使用され、現場へ行く頻度も少なくなっている傾向があります。

テクニカルサポートには問題の難易度によりレベルがあり、以下のようになっています。

Tier 1

基本的な問題を担当するサポートレベルです。このレベルでは問題の原因を探るのではなく、症状を改善することを目的としてユーザーから必要な情報を集めます。そして集めた情報から、当てはまりそうな解決策を探り当てユーザーに実施してもらいます。このときに「ユーザーがやりたいことは何か」をはっきりさせておくことが重要です。

このレベルの担当者は基本的な知識があればよく、複雑な問題には対応できなくても構いません。このレベルでは手に負えない問題であれば、Tier 2レベルの担当者に情報を渡し、交代しましょう。

Tier 2

高度なテクニカルサポートで、Tier1より豊富な知識と経験を持った人が当たります。大抵の場合はほかでも少数ながら発生している事象であることが多く、ほとんどの問題はこのレベルで解決されます。しかし中には「全く前例のないトラブル」でTier2でも手に負えないことがあり、その場合はTier3に回されます。

Tier 3

このレベルはその製品を完全に熟知している人が当たります。実際に製品の開発を行った担当者がなることもあります。このレベルでも対応できないときは製品の交換となります。また、開発元にトラブル事例として報告を上げます。

テクニカルサポートとヘルプデスクの違い

ヘルプデスクは顧客に製品・サービスに関連する情報とサポートを提供するという点ではテクニカルサポートと重複する部分もあります。しかし、一般的にテクニカルサポートは問題を解決することが目的なのに対し、ヘルプデスクは問題解決よりも「質問に回答する」ことが目的です。

※参考 : ヘルプデスク(IT) - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)

顧客から入ってくる連絡はいろいろな種類がありますが、その中の「機能的に問題が発生したので何とかしてほしい」というのがテクニカルサポートの担当で、その他の質問についてはヘルプデスクの担当となります。

ヘルプデスクには「ローカルバグトラッカー」という問題追跡システムにより、ある程度の機能的な問題に対し回答できる設備を備えているところもあり、「よくある問題」についてはテクニカルサポートではなく、ヘルプデスクで解決してしまうことも少なくありません。

このようなケースでテクニカルサポートに回されるのは、ヘルプデスクで解決できない問題となります。ヘルプデスクには顧客からの要望や、これまで気づかれなかったニーズが寄せられることも多く、今後のマーケティングに役立つ情報が入ることもあるのです。

関連記事 : テクニカルサポートの仕事内容

テクニカルサポートの平均年収

2017年に経済産業省が取りまとめた「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、インターネット関連企業で「ヘルプデスク・顧客サポート」に従事する人の平均年収は390.9万円です。

※参考 : 経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」

ただし、この統計はヘルプデスクとテクニカルサポートを合わせたものと考えられます。テクニカルサポートだけであれば、もっと水準が上がる可能性もあるでしょう。

なお、「ヘルプデスク・顧客サポート」に従事する人のスキル標準レベルの平均は2.9でした。上記の調査結果で示されているIT関連職種の中では、年収、スキル標準レベルはともに低めとなっています。しかし、Tier 2レベルが務まるテクニカルサポートは、コールセンターの回答担当者というよりも技術者といえるため、企業によってはより高い年収を得られる可能性があります。

2021年5月時点のレバテックフリーランスの求人・案件では、テクニカルサポートの平均月額単価は50万円で、単純に12ヶ月分に換算した場合、平均年収は600万円と計算できます。

テクニカルサポートの求人・案件一覧

ただし、これは税金や保険料などを差し引く前の金額であり、あくまで目安と考えてください。

関連記事 : ITエンジニアの平均年収と給料事情|年収1000万円を目指すには?

テクニカルサポートの求人・案件

2021年5月時点でレバテックフリーランスに掲載されているテクニカルサポートの求人・案件数は約190件でした。

求人・案件の内容には幅がありますが、スキルの条件としては、基本的に何らかのIT関連業務の実務経験が求められます。特に純粋なテクニカルサポート要員の募集では、何かのサポート経験や、ヘルプデスクの経験があることが条件になっていることも少なくありません。

テクニカルサポートは顧客と直接会話をするので、一般的な社会常識や言葉遣いなどを含めて顧客対応に問題があると業務に支障をきたしてしまう可能性があります。そのため、テクニカルサポートの要員には、ヒューマンスキルの面でもしっかりした人物が求められるでしょう。

条件が多い案件や、業務内容が特別な案件であるほど、給与も高額になっていく傾向があります。クラウド型自動会計システムのテクニカルサポート案件では、カスタマーサポートやテックサポートの実務経験者、プログラミングやマクロを用いた自動化・効率化の実務経験者といった条件で最高単価95万円となっていました。

テクニカルサポートであっても際立ったスキルや経験を身につけていれば、年収1000万円も実現できる可能性はあるといえるでしょう。

関連記事 : ヘルプデスクとは?仕事内容やフリーランス事情を解説

テクニカルサポートの将来性

総務省の平成30年版情報通信白書にもあるように、近年は「AI・IoTによる自動化」が普及してきています。コールセンター業務などの顧客の問い合わせ対応業務においては、AI技術を用いた効率化の取り組みが進められ、AIによる回答候補の提示やチャットボットなどによる自動応答などが導入されています。

※参考 : 総務省|平成30年版 情報通信白書|業務効率化の現状

つまり、テクニカルサポートのような顧客の問い合わせ対応は、AIや自動応答で業務の効率化が進んでいることが分かります。AIの普及に伴いデータが蓄積されていけば、いずれはTier 1のレベルの一部はAIに代替されるかもしれませんが、Tier 2レベル以上となると、ただちにAIに代替されていく可能性は低いでしょう。テクニカルサポートとしてのキャリア形成を考えるのであれば、Tier 2を務められるレベルまでスキルアップするのがおすすめです。

関連記事 : ITエンジニアの将来性|今後の需要が見込める仕事の種類やスキルを紹介

テクニカルサポートから転職するには

テクニカルサポートから転職するときの選択肢として、以下の例が挙げられます。

  • SE・プログラマーに転職する
  • セールスエンジニアに転職する
  • カスタマーエンジニア(CE)に転職する

セールスエンジニアやカスタマーエンジニアは、顧客との対応経験を活かせます。SE・プログラマーは、培ったITスキルを活かせる職種です。

SE・プログラマーに転職する

テクニカルサポートをしていると、ハードウェアやソフトウェアに触れる機会が多くなります。そのため、SE・プログラマーに転職する、というのは自然な流れといえるでしょう。論理思考能力を持っていれば、SE・プログラマーの適性は高いといえます。

また、SEは上流工程で顧客対応を行う機会があるので、テクニカルサポートで多くの顧客に対応してきたというのは強みになります。もちろん、SE・プログラマーもコミュニケーション能力が必要です。テクニカルサポートから転職したSE・プログラマーは、コミュニケーションの面などで頼りにされるでしょう。

セールスエンジニアに転職する

セールスエンジニアとは、これから受注しようという顧客に対し営業活動を行うエンジニアです。ただの営業職ではなく、現在のシステムの問題点を聞き出して解決案を提示するという、エンジニア視点で顧客と接します。

セールスエンジニアになるにはIT知識のみならず、優れたコミュニケーション能力が必須です。また、テクニカルサポートで顧客のさまざまなトラブルを見聞きしていると、「トラブルの可能性」にも気づきやすい傾向にあります。これらの長所は、顧客の信頼を得るのに重要なことです。

システム開発というのは高額な費用がかかるので、発注する側は慎重に信頼できる発注先を選びます。このとき選ばれるかどうかはセールスエンジニアの腕にかかっている、という人もいるほどです。セールスエンジニアへの転職では、テクニカルサポートの経験がアピール材料になるでしょう。

カスタマーエンジニア(CE)に転職する

カスタマーエンジニアとはシステムの開発をするのではなく、でき上がったシステムの保守、点検、機械トラブル対応などを行うエンジニアです。その作業内容は電気機器をはじめ広範囲にわたります。SEとは違って電気機器を扱うことも多いため、電気主任技術者などの資格を持っているカスタマーエンジニアも多く見られます。

ある程度以上の規模のシステムには専任のカスタマーエンジニアが必要となる場合が多いので、需要も一定数見られます。テクニカルサポート出身のカスタマーエンジニアであれば、クライアントと良好な関係を作りやすくなるでしょう。

関連記事 : CE(カスタマーエンジニア)の仕事内容とは

テクニカルサポートに向いている人

テクニカルサポートに向いている人の特徴には、以下の点が挙げられます。

  • コミュニケーションを取る仕事が好き
  • 積極的に新しい知識を身につけたい
  • 相手の問題を解決することにやりがいを感じる

コミュニケーションが好きな人が向いているのは前述したとおりです。他の点はテクニカルサポートの業務内容に則して必要となる特徴といえます。

コミュニケーションを取る仕事が好き

テクニカルサポートの仕事は電話を受け、顧客の話を聞き、理解することから始まります。問題解決に導くためには、現在の状況や試したアクションなどを把握し、効果的なアクションを探らねばならないためです。また、誰かに問題解決を頼むことになったとしても、その人にしっかりと情報を確実、正確に伝えなければなりません。

テクニカルサポートには、さまざまな人とコミュニケーションを取る能力が必要です。他人とコミュニケーションするのが苦ではない人、むしろ好きな人はテクニカルサポートに向いているといえます。

積極的に新しい知識を身につけたい

テクニカルサポートは新しい製品が出れば、その知識を覚えなくてはなりません。自分で解決できない場合は、よりレベルの高いエンジニアに任せることになりますが、正確に状況を伝えるにはその製品についての正確な知識も必要です。テクニカルサポートにやってくる問題は多種多彩なので、必然的に応答する側もたくさんの知識を身につけておかねばなりません。

このような点から、積極的に新しい知識を身につけようとする人はテクニカルサポートに向いているといえます。これはITエンジニア全体にいえることで、新しいことを覚えるのは面倒だという人はITエンジニアになっても苦労するでしょう。

相手の問題を解決することにやりがいを感じる

テクニカルサポートに入ってくる電話は、何らかの問題が発生したときがほとんどです。そのため、顧客の最大の望みは問題解決であり、その問題を解決するのがテクニカルサポートです。

問題がスムーズに解決した場合や大きな問題を解決できた場合は、顧客から感謝されることも少なくありません。自分も「誰かの役に立てた」という充実感や達成感を得られるでしょう。

他の人を助けることや誰かの問題を解決することにやりがいを感じる人は、テクニカルサポートに向いているといえます。

関連記事 : サポートエンジニアの仕事内容

テクニカルサポートに向いていない人

一方、テクニカルサポートに向いていない人の例として、以下の特徴が挙げられます。

  • 接客やクレーム対応が不得意
  • システム開発に携わりたい
  • 言語化や説明が苦手

向いている人と対極な要素ともいえます。このような傾向のある人は、他のエンジニア職などを検討するほうがよいかもしれません。

接客やクレーム対応が不得意

テクニカルサポートの主な仕事内容は、製品を買ってくれた顧客に対し技術支援をすることです。時には現地に赴いて直接会話をすることもあります。電話対応や接客が不得意な人にはテクニカルサポートの仕事はあまり向いていないといえます。

また先述したとおり、テクニカルサポートに連絡をしてくる顧客の中には、感情的になってクレームを入れてくる人もいます。経験を積むうちに仕事に慣れることはできますが、そのようなクレーム対応が苦手という人も、テクニカルサポートには向いていない可能性があります。

システム開発に携わりたい

テクニカルサポートの主な業務は、電話対応になります。もちろん自社製品に関する幅広い知識が必要にはなりますが、テクニカルサポートが直接的にシステムの開発に携わることは基本的にはありません。

ITエンジニアになったからにはシステム開発に携わる仕事をしたいという人には、テクニカルサポートはおすすめできません。

言語化や説明が苦手

テクニカルサポートは、顧客からの自社製品に関するさまざまな質問に答えなければなりません。電話をかけてくる顧客は、専門的に知識を持っていないことがほとんどです。したがって、そういった情報をかみ砕いて分かりやすく説明する必要があるでしょう。

そのためには、自分の頭の中にある知識を言語化し、説明するというスキルが必要になります。人に説明するのが苦手という人は、あまりテクニカルサポートには向いていないといえるでしょう。

関連記事 : ITエンジニアはきつい?|未経験だと大変?転職前のチェックポイント

最後に

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