「青色申告の方がお得らしい」とは聞くけれど
青色申告とは?メリット・デメリットや申請方法を解説

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確定申告には白色申告と青色申告の2種類が存在します。青色申告の場合、特別控除や赤字の繰り越しといった税金面での特典があるのをご存知でしょうか。ここでは青色申告の概要からメリット・デメリット、青色申告を始めるまでの手続きをご紹介します。

◆この記事の監修
あおば会計事務所 共同代表
税理士 小池 康晴
IT関連の企業やフリーランス(個人事業主)の顧客を多く持ち、それぞれのニーズを重視した税務アドバイスとコンサルティングを行う。IT業界の税務や新しいサービスの動向などにも精通している。
http://aoba-kaikei.jp/index.html

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0. 目次

1. 青色申告とは
2. 青色申告のメリット・デメリット
3. 青色申告の申請の仕方

1. 青色申告とは

確定申告は、1年間の収入や売上から経費と控除(所得控除・青色申告特別控除後述)を差し引いた所得から納税額を計算し、税金を納めたり、払いすぎた分の還付を受けたりする手続きです。

会社員の場合、勤務先から得ている給与に関しては、基本的に会社が源泉徴収により所得税を天引きし、会社が年末調整により過不足を精算してくれるため、確定申告は行う必要がないケースがほとんどです。

一方で企業や団体などに所属していないフリーランスの場合は、そのままでは税金の計算・納税が行われないため、自分で確定申告を行う必要があるのです。

確定申告には白色申告と青色申告の2種類があり、青色申告は白色申告よりもハードルが高い反面、節税面では優遇されているという特徴があります。ただし、お得だからといって誰でも青色申告できるわけではありません。

青色申告できる所得の種類は法律で決まっており、例えば会社員の給与(給与所得)や土地/株式などを売った利益(譲渡所得)は青色申告できません。会社員でも、副業(事業所得となるもの)やアパートの家賃による収入の分は青色申告できますが、基本的には個人事業主が対象と考えてよいでしょう。

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2. 青色申告のメリット・デメリット

青色申告にはどんなメリットがあるのか、白色申告と比べて何がデメリットなのか、具体的に見ていきましょう。

青色申告の主なメリット

■青色申告特別控除が受けられる
青色申告特別控除は、最大65万円の特別控除を受けられる制度です。65万円の特別控除が適用されるには、下記の条件を満たす必要があります。

・不動産所得、事業所得、山林所得である
・複式簿記で記帳している
・法定申告期限内に確定申告書と青色申告決算書(損益計算書・貸借対照表)を提出している

青色申告であっても、上記の条件を満たさない――簡易簿記で記帳している、期限を過ぎてから確定申告した、といったケースでは10万円の特別控除となります。

つまり青色申告をしているだけで無条件に所得から10万円or65万円を差し引けるため、税金を抑えられるということになります。白色申告には上記のような特典がないため、青色申告ならではの大きなメリットです。


■赤字を繰り越せる
赤字がある場合は翌年以降の3年間繰り越すことができ、これを「純損失の繰越控除」といいます。人によりけりですが、開業直後から黒字であり続けるのはなかなか難しいもの。白色申告では、その年の赤字はその年の所得にしかかからないため、事業のスタートに不安がある方にとっては役立つこともあるかもしれません。

そのほか前年も青色申告をして黒字だった際に、赤字分を繰り戻して還付を受けることが可能です。

■家族への給与を経費にできる
生計を一にする配偶者や親族のうち、15歳以上でその事業に専ら従事しているときは、適正な金額であれば、支払った給与を全額経費にすることができます(青色事業専従者給与)。


例えば個人で活動するフリーランスであっても、経理や電話番などの事務を手伝ってもらう従業員として奥さんへ給与を支払うことで節税につながります。ただし青色事業専従者は、扶養親族や控除対象配偶者になれないため注意しましょう。

青色申告の主なデメリット

■事前の申請が必要
青色申告を始める場合、期限内に「所得税の青色申告承認申請書」を出す必要があります(後述)。また、先述した青色事業専従者給与の特典を受けようとした場合も同様に「青色専従者給与に関する届出書」を提出しなければなりません。

指定の期限内に申請しなかった場合、その年の確定申告は自動的に白色申告になります。そのため、開業時から青色申告でいこうとお考えの方は、開業に向けた手続きの中に青色申告の申請が加わります。


■簿記の知識が必要
65万円の青色申告特別控除を受けようとした場合の要件として、複式簿記で記帳する必要があります。簿記の知識が必要となるため、初めての人にはハードルが高く感じることもあるようです。

ただし、会計ソフトの中には、初心者でも複式簿記での記帳やそれに伴う青色申告決算書の作成をサポートしてくれるものもあったり、税理士へ依頼することで「青色申告による節税+税務の効率化」を見込めたり、といった方法もあります。

3. 青色申告の申請の仕方

前項でご紹介したように、青色申告をしたいときは期限内に税務署へ「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
申請書は税務署や青色申告会で入手できるほか、国税庁のWebサイトからダウンロードもできます。


参考:[手続名]所得税の青色申告承認申請手続https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm

青色申告承認申請書の提出期限

■新規で開業する場合の期日
・1月1日から15日の間に開業する場合 : 確定申告をする年の3月15日まで※
・1月16日以降に開業する場合 : 開業の日から2ヶ月以内

■白色申告から青色申告へ切り替える場合の期日
・確定申告をする年の3月15日まで※

※土日祝日の関係でずれる場合あり

青色事業専従者給与に関する届出書の提出期限

また、青色事業専従者給与の特典を受けたい場合は「青色事業専従者給与に関する届出書」も提出します。
こちらの期限は原則的にその年の3月15日まで、1月16日以降に新規開業あるいは新たに専従者を雇うことになったときは2ヶ月以内。青色申告承認申請書と似たような期限になっています。

参考:[手続名]青色事業専従者給与に関する届出手続
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/12.htm

個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)の提出期限

なお新規で個人事業主を始める際は、原則的に「個人事業の開業・廃業等届出書」も提出する必要があります。開業届は事業開始から1ヶ月以内に税務署へ提出する決まりとなっているため、青色申告承認申請書とともに提出する方も多いようです。

参考:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm

※本記事は平成30年7月時点の情報を基に執筆しております。

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