青色申告での住所変更に必要なものは?提出書類について解説

引っ越しをした際、役所などで転居に関する手続きをしなければなりませんが、青色申告をしている個人事業主の場合は、その他にも必要な手続きがあります。転居の予定がある方は、あらかじめ確認しておきましょう。

なお、青色申告特別控除について確認したい方は下記の関連記事もおすすめです。
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新井 智美

トータルマネーコンサルタント ファイナンシャルプランナー

マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。

現在年間200本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,500本を超える。

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納税地が変わる際の提出書類

確定申告の際に、引っ越しをした等の理由で納税地が変わっている場合、「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を提出する必要があります。ちなみに、それぞれの住所はそのままで納税地を住所地から事業所等に変更したいといった場合は、「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」の提出を行います。この2つは混同しやすいので、提出する書類を間違えないよう注意しましょう。

「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」の提出期限

届出書の提出期限は「納税地の異動があった際、遅滞なく提出」となっています。

遅滞なくとは、具体的な日数は決まっていないものの、事情の許す限り早めに提出してくださいというニュアンスで使われることが多い言葉です。ですから、特別な事情がない限りは早めに提出した方が良いでしょう。

新井 智美

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ファイナンシャルプランナー

「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」は、住所や事業所の移転に伴って納税地が変わった場合に提出する書類で、提出期限は「遅滞なく」とされています。

これは、法律上具体的な日数は定められていないものの、「異動があったらできるだけ早く」という意味で、実務上は1週間~2週間以内の提出を求めています。

提出が遅れると、納税通知や税務署からの照会文書などの重要書類が、旧住所に送られてしまうといった実務上の不都合が起こります。そのため、期限までに対応できず、結果として延滞税や加算税の発生につながるケースも考えられます。

さらに、税務調査や税務署からの問い合わせが入った際に、管轄の税務署が分からず手続きに時間がかかる可能性もあります。

このような事態を避けるためにも、住所が変わる際には住民票の異動手続きと同じタイミングで届出書を提出するよう心がけましょう。ただし、納税地が変わらない場合は提出不要です。

「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」の提出方法

「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を作成したら、異動・変更後の税務署へe-Taxで提出します。持参または郵送にて提出も可能です。

届出書は各税務署に用意してありますが、下記の参照元ページの[申請書様式・記載要領]の欄からPDFファイルをダウンロードし、フォームに直接入力して作成することも可能です。

また、手続き自体は届出書1枚のみでも行えますが、控えが欲しい場合は、控えの書類も作成し提出すれば、税務署の方で判を押したものを返してくれます。

郵送での手続きの場合は、控えと、切手を貼り付けた返信用封筒を同封すれば、控えに判を押したものを返送してもらうことが可能です。

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納税地を住所地から事業所等に変更する場合に注意したいのは、実態重視で判断されることです。つまり、形式上の所在地ではなく、「帳簿の保管場所」「日常的な事業管理や意志決定を行う拠点」がどこかが重要な判断基準になります。

仮に自宅とは別に事務所を借りていたとしても、実際の業務や管理を自宅中心に行っているケースだと、事業所を納税地にすることが認められない可能性もあります。

また、納税地を変更すると、確定申告書の提出先や税務署からの通知先も変わるため、郵便物がきちんと届く環境が整っているかも重要な確認事項です。特にバーチャルオフィスや小規模の事務所を利用する場合、税務署からの問い合わせ対応が遅れるリスクも考慮すべきでしょう。

納税地は「税務署との連絡が確実に取れる場所」かつ「帳簿や信憑書類をすぐに提示できる場所」を基準に選ぶことをおすすめします。

参照元:A1-6 所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する手続|国税庁

提出の際に必要なもの

届出書を提出する際は、個人番号(マイナンバー)の記載および、運転免許証などの本人確認書類の提示が必要です。持参して提出する場合は、忘れずに持っていきましょう。

郵送の場合は、マイナンバーカード両面の写しまたは、通知カードと運転免許証などの両面の写しを「本人確認(写)添付台紙」に貼り付け、同封する必要があります。ただし、平成30年1月以降、一部の手続について、番号確認書類(通知カード※や住民票の写し(マイナンバーの記載があるものに限ります。)等)の提示又は写しの添付を省略することができます。下記の参照元ページから添付台紙のPDFファイルがダウンロードできるので、郵送での提出を行う方はこちらもプリントアウトしておきましょう。

参照元:番号制度に係る税務署への申請書等の提出に当たってのお願い|国税庁

関連記事:青色申告と開業届を解説|個人事業主を始めるならば

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事業所の移転・増設における提出書類

事務所の移転や増設があった場合は、「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。

これは開業する際にも必要となる手続きなので、過去にも同様の手続きを行っているはずですが、あまり覚えていないという人は念の為、提出期限や提出方法を確認しておきましょう。

個人事業の開業・廃業等届出書の提出期限

提出期限は、「事業の開業や廃業、移転、増設の事実があった日から1ヶ月以内」です。
なお、提出期限が土日・祝日だった場合はその翌日が期限となります。納税地異動の手続きとは異なり、明確な期限があるので注意しましょう。

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「個人事業の開業・廃業等届出書(以下、開業届)」は、提出が遅れたとしても原則として罰則はありません。

しかし、青色申告の適用不可といった実務上の不利益が発生する可能性があります。なぜなら、青色申告承認申請書は、原則、開業日から2ヶ月以内が期限のため、届出書の提出が遅れると申請期限を過ぎてしまい、初年度に65万円(もしくは55万円)の控除を受けられなくなってしまうからです。

また、屋号での口座解説や融資、補助金の申請の際には、開業届の控えが事業を開始しているという公的書類として扱われるケースが多く、開業届の提出が遅れることにより手続きが進まないことも考えられます。

さらに、税務署側でも事業開始時期が不明確だと、経費計上の起算日や事業性の説明にあたっての確認が発生しやすくなります。

実務を円滑に進めるためにも、開業の意思が固まった時点で速やかに提出するようにしましょう。

個人事業の開業・廃業等届出書の提出方法

納税地異動の手続きと同じく、e-Taxで提出します。持参または郵送にて提出も可能です。事務所移転の場合は、事務所移転前の納税地である税務署が提出先です。

届出書は税務署に備え付けてあるほか、下記の参照元ページでダウンロードすることができます。また、本人確認書類の添付や控え等についても納税地異動手続きと同様です。

参照元:A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁

「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」は不要

「個人事業の開業・廃業等届出書手続」と内容の似た手続きに、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」がありますが、こちらは給与等の支払事務を取り扱う事務所が対象です。

参照元:A2-7 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出|国税庁

関連記事:個人事業主が廃業届を出す際の注意点

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青色申告の住所変更に関するよくある質問

ここでは、青色申告の住所変更に関するよくある質問に答えていきます。

Q. 納税地が異動になった場合、どのような書類が必要ですか?

納税地が異動になった場合、異動後の納税地を所得税又は消費税の申告書に記載すれば、届出不要です。ただし、年の途中で税務署からの文書の送付先を変更したい場合は、所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書を提出することができます。

Q. 事務所の移転があった場合、個人事業の開業・廃業等届出書には、どのような情報を記載する必要がありますか?

個人事業の開業・廃業等届出書には、移転前の住所、移転後の住所、提出先の税務署名などの記載が必要です。

Q. 納税地の変更を伴わない転居の場合、どのような手続きが必要ですか?

納税地の変更を伴わない転居の場合、個人事業の開業・廃業等届出書を税務署へ提出する必要があります。

Q. 事務所の移転や増設後、個人事業の開業・廃業等届出書の提出期限が過ぎた場合には、どのような罰則が課される可能性がありますか?

提出期限が過ぎた場合、特に罰則はありませんが、速やかに税務署へ提出しましょう。

Q. 所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書を提出する際、必要となる書類はありますか?

届出書を提出する際には、個人番号(マイナンバー)の記載と運転免許証などの本人確認書類の提示が必要です。

※本記事は2023年11月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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