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個人成りとは
第5回目は、個人成りについて解説していきます。
個人成りとはあまり聞きなれない言葉かもしれません。前回まで説明してきた法人成りが、個人事業から法人化(法人を設立)することでしたが、個人成りとはその反対、法人から個人事業主に戻ることを意味します。
法人から個人事業主にもどる(個人成りの)理由はさまざまですが、大きな理由の一つは会社の売上の縮小です。また法人化すると、社会保険や税金、決算(税理士への依頼)など、個人事業主でいるときよりも手間と費用の負担は大きくなりますので、割が合わないと感じ、個人事業に戻す方がいらっしゃいます。
個人成りのメリット/デメリット
法人化にもメリット/デメリットがあるように、個人成りにもその両面があります。
第2回目に法人化のメリットを説明いたしましたが、まず「社会的信用度が高い」という点が挙げられます。仕事内容にもよりますが、法人(企業)だからこそ出来る取引や登録できる資格もあります。
また「役員報酬や保険料を損金として算入できる」というのも法人の特徴のひとつ。
法人であれば役員報酬になりますので、受けとった報酬にたいして給与所得控除も使えます。一方の個人事業主の場合は利益に対して所得税・住民税が掛かってきますので、個人成りをすることで、人によっては税金が上がる可能性があります。
他にも、会社として掛けていた保険は、内容によっては保険料が損金扱いとすることが可能でしたが、個人事業主ではそれはできません(各種保険料控除として使うことは可能です)。
つまり、個人成りすることでこれらの恩恵を受けることができなくなります。仕事する本人は変わらないのですが、法人・個人の違いでこれらを失うことは、考え方によっては大きな損失になるのではないでしょうか。これがデメリットです。
一方で個人成りのメリットには、
- 赤字であっても、年間7万円以上かかっていた税金の負担がなくなる
- 税理士への依頼費用がなくなる
- 社会保険(厚生年金・健康保険)への加入義務がなくなる
などがあげられます。
しかしながら、社会保険については、ご自身の家計負担が増えるというマイナスの影響もありますので触れておきたいと思います。
社会保険を廃止すると、個人で加入する国民年金保険・国民健康保険の保険料負担が発生します。ゼロになるわけではありません。
仮に配偶者が健康保険上での扶養だった場合には、国民年金保険料、16,340円/月(平成30年度)×2人分の保険料を納めることになりますから、年間の国民年金の保険料だけでも約40万円増となります。さらに、厚生年金がなくなることで、万が一の場合の保障(遺族年金・障害年金)の手厚さも薄くなります。
国民年金保険料は収入よりダイレクトに保険料に反映されることになります。結果的に負担額はあまり変わらなかった。と言うこともありえるのです。
個人成りに必要な手続き
法人を設立したときに諸々の手続きがありましたが、個人成りにも手続きは必要です。
個人成りをするための方法は以下の2つがあります。
- 会社を解散及び清算(完全に消滅させる)
- 会社を休眠させる
まず会社を解散する場合は、登記の手続きが必要ですので費用がかかります。また、借入金などの負債がある場合には返済方法も検討する必要があります。
一方、休眠の手続きはほとんど費用がかかりませんが、休眠後も決算申告や登記などの手間は継続されます。
「個人に戻したい」となる時は、やはり事業を縮小したいという時が多いと思います。法人化した後に個人事業主に戻ることは可能ですがが、時間もお金もかかりデメリットもあるため、法人化する前によく考えてほしいところです。
とは言っても、せっかくのビジネスチャンスを逃すのは大きな損失でもあります。法人成り(法人化)に不安な点があれば、まずは専門家に相談するのがシンプルで賢い方法とも感じています。ぜひチャンスを掴んで頂ければと思います。
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