システムエンジニアに必要なスキルは?具体的な習得方法を業務ごとに解説 | レバテックフリーランス
システムエンジニアに必要なスキルは?具体的な習得方法を業務ごとに解説
システムエンジニアとは、システム企画や要件定義など、システム開発における上流の仕事をこなす職種です。そのためシステムエンジニアとして業務に従事するには、ITスキルのほかにヒューマンスキルも必要になってきます。今回は、システムエンジニアに必要なスキルや、具体的なスキルアップ方法についてお伝えしていきます。
目次
システムエンジニアに必要なスキル
システムエンジニアの仕事内容
システムエンジニアに向いている人
システムエンジニアのスキルアップ方法
システムエンジニアのスキルアップに役立つ資格
フリーランスSEへの独立に必要なスキル
システムエンジニアのスキルに関するよくある質問
システムエンジニアに必要なスキル
システムエンジニアは、実際にどのような業務に従事するかによっても必要なスキルは異なりますが、ここでは一般的に必要になることが多いスキルを見ていきましょう。
ITスキル
最初に挙がるのは分野に応じたITスキルです。担当する分野のITスキルがなければ業務は遂行できません。たとえば、プログラムの領域であれば、JavaやPHPなど、担当する業務で必要とされる言語のスキルは最低限必要になります。また、インフラの領域であれば、WindowsやLinuxといった汎用サーバーの構築スキルやCiscoなどが販売するネットワーク機器の操作スキル、インフラ環境全体の構築スキルなども必要になってくるでしょう。
ロジカルシンキングスキル
ロジカルシンキングとは、合理的で筋道の通った考え方や、その思考法を指します。1990年以降にその内容が広まり、今ではITの領域だけではなく、ビジネスで一般的に用いられている考え方です。ロジカルシンキングのポイントは以下のような点です。
- 根拠にもとづいた主張ができる
- 問題を細かい要素に分解できる
- 要素の因果関係を把握できている
- 主張や根拠に偏りがない
- 言葉や数字の意味を誤ることなく扱える
- フレームワーク(枠組み)で物事を捉える
これらの内容を押さえておけば、問題解決や説得力ある主張の糸口になるでしょう。
プロジェクトマネジメントスキル
プロジェクトマネジメントとは、定められた納期を遵守してプロジェクトを成功させられるようにコントロールすることです。プロジェクトマネジメントスキルには大きく2つのポイントがあります。
プロジェクトの成果物(目標)を常に意識する
基本的には要件定義や設計、構築など、フェーズごとに成果物を顧客に納品して了承をもらうことで、プロジェクトの各フェーズは完了します。それらのフェーズごとに目標を定めてプロジェクトを進めていくことが、最終的な成功につながるでしょう。
プロジェクトの進行にあたって適切なスケジュールを組む
成果物納品にあたっての必要事項を洗い出したら、その内容をもとにスケジュールを組んでいきます。プロジェクトを進めるなかで、スケジュールに遅延が発生した場合の調整能力もプロジェクトマネジメントスキルに含まれます。
言語化能力
言語化能力とは、相手に状況や自分の意見などをわかりやすく伝える能力のことです。たとえば「あれ」や「それ」といった指示語を極力減らすことや、仕事の状況報告の際に「順調に進んでいます」だけではなく「◯◯の件は××さんに連絡して返答待ちです。返答日は△日の予定です」など、分かりやすく伝える能力が必要です。
傾聴力
傾聴力とは、その名の通り相手の話に耳を傾け、伝えたいことをより深く引き出すスキルのことです。心理学のカウンセリングなどで用いられる技術でしたが、最近ではビジネスパーソンの間にも浸透しています。傾聴する際には、言葉の理解はもとより、相手の表情やしぐさ、声のトーンなどに注意を払い、相手の気持ちに寄り添いながら話を聞くことが重要です。
提案力
提案力とは、相手の状況や問題を理解し、対応策を提示するスキルのことです。特にシステムエンジニアの提案では、ITスキルが広く求められます。顧客が持っている問題に対して、自身のITスキルやその他の知識を駆使して解決策を提案できれば、一人前といえるでしょう。
関連記事 : システムエンジニアを未経験から目指す方法|求人状況や転職後の年収、おすすめ資格も紹介
システムエンジニアの仕事内容
システムエンジニアは、ITシステム開発において、要件定義や設計などをこなす役割を持ちます。また、細かい業種に関係なく一括りにシステムエンジニアと呼ばれることが多いため、業種によって必要になってくるスキルや仕事の流れも違います。ここでは、ITシステム開発における一般的な仕事内容についてお伝えします。
要件定義
顧客の課題解決のために求められるシステムの要件を定義します。要件定義に漏れがあると、大幅な手戻りになってしまうこともあり得るため、クライアントの課題を綿密に分析して注意深く対応しなければなりません。
設計
要件定義で決定した内容に従い、システムを設計していきます。プログラムの場合はUMLやフローチャートなどで、インフラの場合は、ネットワーク構成図などでそれぞれ設計を進めていきます。
構築
設計フェーズで取り決めた内容に従い、システムを構築していきます。実際のプログラミング作業は、システムエンジニアではなくプログラマーが行うことも多いでしょう。
テスト
顧客の要件を満たしているかテストを実施します。一般的には機能ごとのテストから開始し、連携テスト、全体テストといった流れで大きな規模のテストへと進んでいきます。
運用
顧客にシステムを納品した後は、システムを滞りなく運用することが求められます。特にエラーが発生した際は、迅速に復旧させ、原因に対して確実に対処していくことが求められるでしょう。
関連記事 : システムエンジニア(SE)とは|仕事内容やスキル、年収、プログラマーとの違いも解説
システムエンジニアに向いている人
他の仕事と同様に、システムエンジニアにも、向いている人の適性が存在します。どのような人がシステムエンジニアに向いているのか順番に見ていきましょう。
ITに興味がある人
コンピュータやシステムの仕組みに興味がある人は、システムエンジニアに向いているといえます。どの仕事でもそうですが、その分野への好奇心があるというのは何より重要です。
知識欲がある人
システムエンジニアになると、プログラミングやネットワーク、セキュリティなどの知識はもちろん、担当する顧客の業界のことも勉強する必要があるため、新しい知識がどんどん必要になります。知への探求心がある人は向いているといえるでしょう。
変化を受け入れられる人
ITの世界は日進月歩で進化を続けています。昨今ではDX(デジタルトランスフォーメーション)と呼ばれる概念が浸透し、AIやIoTなどの普及が加速しています。今後もこういった新技術は途絶えることなく出てくるので、変化を受け入れて柔軟に対応できることはシステムエンジニアの仕事を続けていくうえで重要です。
関連記事 : システムエンジニアに向いている人の特徴|SEに求められる適性とは
システムエンジニアのスキルアップ方法
それでは、システムエンジニアとして自身のスキルを上げていく方法は何があるのでしょうか。ここでは、スキルアップの方法を順番に見ていきましょう。
システムエンジニアとして実務経験を積む
一番はやはり、SIerなどの企業に入社してシステムエンジニアとしてのスキルを磨くことに尽きるでしょう。システムエンジニアは転職においても、最も重要視されるのは実務経験といえます。プログラミングはもとより、顧客との折衝や社内調整などは、実際にやってみないと分からない部分が多いはずです。企業の中で可能な限り多くの業務をこなすことで、システムエンジニアとしての力もついていきます。
参考書やWebサイトで独学する
企業での仕事で新しい知識が必要になった際には、業務をこなすだけでは知識の習得が追いつかない場合があります。その際には参考書などを購入したり、Webサイトで調べてみたり、スクールの講座を受講したり、勉強会に参加したりといった方法で独学することでスキルを伸ばしていけます。また、業務に関係がなくても興味のある分野は積極的に勉強するとよいでしょう。
自分でシステムを構築してみる
自身で保持しているPCにある程度のスペックがあれば、自分でシステムを構築してみるのも手です。近年はクラウド上のレンタルサーバーを安値で借りることもできるようになり、環境は容易に準備しやすくなりました。ひと通り自分で構築してみることで、関連スキルや対応内容などの知識が手に入ります。転職面接などの際にも、自身が作ったシステムをポートフォリオとして提示できればアピールできます。
関連記事 : システムエンジニア(SE)の勉強方法|初心者に必要な勉強時間は?
システムエンジニアのスキルアップに役立つ資格
資格を取得することで、その資格に関係する体系的な知識が手に入ります。ここでは、システムエンジニアのスキルアップに役立つ資格を3つお伝えします。
応用情報処理技術者
応用情報技術者試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が運営する「情報処理技術者試験」のひとつで、IT全般に対して一定の知識があることを示せます。基本情報処理技術者試験に合格してからのチャレンジがおすすめです。
参照 : IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 : 制度の概要 : 応用情報技術者試験
Oracle Certified Java Programmer
Oracle Certified Java Programmer(Oracle認定Javaプログラマー)は、オラクル社が運営する試験で、Bronze、Silver、Goldの3種類があります。合格することで、プログラミング言語として需要が高いJavaでの体系的な知識があることを示せます。
参照 : Java SE 11 認定資格 | オラクル認定資格制度 | Oracle University
CCNA(Cisco Certified Network Associate)
CCNAは、シスコ社が運営する試験で、ネットワーク機器で高いシェアを誇るCisco社の機器に対する一定の技術力を示せます。認定期間は3年間で3年経過後は再認定を受けなければならないため、注意が必要です。
参照 : CCNA 認定とトレーニングプログラム - Cisco
関連記事 : システムエンジニア(SE)に必要な資格|難易度や取得方法、独学のポイントは?
フリーランスSEへの独立に必要なスキル
システムエンジニアの業務に慣れてくると、少なからずフリーランスへの興味が湧いてくる人もいるのではないでしょうか。ここでは、フリーランスSEへの独立に必要なスキルを見ていきましょう。
セルフマーケティングスキル
まずは自分の強みを再確認しましょう。ある程度のシステムエンジニア経験があれば、自分の得意な領域があるはずです。明確にした自分のスキルは、SNSやブログ、Webサイトなどで発信していくと、スキルに興味を持つ人の注目が集まる可能性があります。
求人案件受注のための営業スキル
フリーランスは会社員とは違い、仕事が割り振られるわけではありません。そのため、自ら案件を受注するために営業をする必要があります。営業が不得手であれば、エンジニア向けのフリーランスエージェントを活用するという方法もあります。
セルフマネジメントスキル
フリーランスになると、基本的に自身の管理は自身で行わなければなりません。業務はもとより、確定申告や保険料の支払いなど、会社にある程度面倒を見てもらえていたことも自分で実施する必要があります。
関連記事 : SE(システムエンジニア)の独立
システムエンジニアのスキルに関するよくある質問
システムエンジニアのスキルについて、よくある疑問と回答をまとめました。
Q. システムエンジニアになるにはどんなスキルが必要ですか?
A. ITスキルやプロジェクトマネジメントスキルなどはもとより、傾聴力や提案力なども必要です。本記事の「システムエンジニアに必要なスキル」の項目にまとめていますので、ぜひご覧ください。
Q. システムエンジニアがスキルを評価されると年収は上がりやすくなりますか?
A. 経済産業省の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」にある、IT人材のスキルレベルと年収の相関関係を示すデータを見ても、システムエンジニアは基本的にスキルに対する評価が年収アップにつながりやすい職種といえます。システムエンジニアの職務を遂行するなかで、自分の得意なスキルが評価されれば、そのスキルに見合った業務が割り当てられていき、年収も上がっていくことがあります。
Q. システムエンジニアがスキルアップするとどんな職種に転職できる可能性がありますか?
A. システムエンジニアのキャリアパスとしてはさまざまな職種が考えられますが、一般的にはプロジェクトマネージャー(PL)やプロジェクトマネージャー(PM)、特定の領域に特化した高度SEなどが転職によるキャリアアップの選択肢として挙げられます。
関連記事 : SE(システムエンジニア)の平均年収|男女・年齢別の年収相場
最後に
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※相場算出に個人情報の取得はおこないません。
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