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在宅Webデザイナーとは
Webデザイナーは、Webサイトをデザインする仕事です。実際の業務では、サイトのデザインだけでなく、サイトの企画、サイトで使う画像などの制作、コーディング作業まで行うケースも少なくありません。これらの業務を在宅で進めるのが在宅Webデザイナーです。
在宅Webデザイナーといっても、働き方は主に2パターンあります。1つ目は企業に所属して、在宅で働いているケースです。会社員ではありますが、在宅勤務という形態で働いています。
2つ目はWebデザイナーとして独立しているケースです。フリーランスのWebデザイナーはこれにあたり、案件ごとにクライアントと契約します。
在宅Webデザイナーの仕事内容
ここでは、在宅Webデザイナーが請け負う仕事の具体的な内容をご紹介します。
在宅Webデザイナーが行う仕事は、企業や求人・案件の内容によって異なりますが、主に以下のようなものが挙げられます。
- クライアントへのヒアリングを行い、目的、希望、ターゲット、テーマ、課題などを聞き出す
- Webサイトに必要なページやレイアウトなどを決め、ワイヤーフレーム(設計図)を作成する
- Webサイトをデザインし、デザインカンプ(デザイン案)を作成する
- デザイン決定後、Webサイトのコーディングを行う
- Webサイトのテストを行い、動作を確認する
- クライアントへ納品後、更新や修正などに対応する
Webデザインをするときには、クライアントへのヒアリングが大変重要です。ヒアリング内容が不十分だと、制作するWebサイトの方向性が決められません。特に、WebデザイナーはWebディレクターを兼任する場合もあるため、Webサイト制作全般に関する知識があると役立ちます。また、HTML・CSSのコーディングにおいても、エンジニアに依頼せずWebデザイナーだけでこなしていくケースも見られます。
在宅Webデザイナーの平均収入
在宅Webデザイナーの平均年収がどれくらいなのか、実際の求人や案件から推察します。
ハローワークで企業が募集している在宅可のWebデザイナー求人では、月収20~35万円程度の案件が見られます。12か月換算すると、年収240万~420万円となり、1か月分の賞与が年2回出た場合、平均年収は280万~490万円が目安となります。
企業に属さない在宅Webデザイナーの平均収入は、フリーランスの業務委託案件単価から考えてみましょう。レバテッククリエイターでは、2020年6月19日時点でのフリーランスWebデザイナーの業務委託案件には月額単価35万~55万円のものがあります。
こちらを12か月換算すると、平均年収は420~660万円となります。ただし、レバテッククリエイターが取り扱っているのは在宅ではなく企業常駐の案件なので、実際の在宅Webデザイナーの平均年収相場とは異なる可能性があります。
参照 : レバテッククリエイターにおけるWebデザイナーの求人・案件一覧
また、フリーランスは継続的に案件を受託できるとは限らないこと、年金や保険料を自分で支払う必要があることなどを考えると、正社員と一概に比べることはできないので注意が必要です。
関連記事 : フリーランスWebデザイナーの仕事のリアル|未経験で独立して稼げる?年収は?
在宅Webデザインの求人案件
在宅Webデザインの求人・案件の仕事内容は、サイト構成やサイトデザインの制作が中心となります。内容の詳細は求人・案件によって異なりますが、新規Webサイトの制作以外では、LP(ランディングページ)や特設ページのみの制作、あるいはWebサイト全体のリニューアルなどが主なものです。他にも、コーディングやバナー制作などを担当するケースもあります。
フリーランスの報酬制度も案件ごとに異なり、「成果報酬」「固定報酬」「時間報酬」などさまざまです。Webデザインだけでなくコーディングまでできる、Webデザインの経験年数が長い、UI/UXデザインが可能、などの条件を満たすと、単価が高まる可能性があります。
納期は制作するページ数によって異なりますが、トップページやLPのみであれば2週間ほど、複数ページがある場合は1か月前後が目安になるでしょう。
求人案件数
Webデザイナーは企業に雇用されて働く場合も、フリーランスとして働く場合もオフィスに出社するスタイルが中心なので、在宅Webデザイナーの求人・案件数はそれほど多いとは言えません。
ただし、新型コロナウイルスの流行によりリモートワーク・テレワークの導入が進んだこともあり、在宅勤務可能なWebデザイナーの求人・案件数も増えています。
Webデザイナーの仕事は、基本的にはPCとインターネット環境があれば作業を進められるため、世の中にある様々な業種の中では、在宅勤務の求人・案件を比較的探しやすいと言えます。
求人案件の探し方
在宅Webデザイナーの求人・案件は、以下のような方法で探すことができます。
- 転職サイトやフリーランス向けエージェントサイトの利用
- 知人経由での紹介
- クラウドソーシングの利用
- ポートフォリオ経由での自主営業
まず、転職サイトやフリーランス向けのエージェントサイトで、在宅勤務可能な求人・案件を探すという方法があります。たくさんの求人・案件を比較検討しやすいのがメリットですが、フリーランス向けのエージェントサイトの中には、企業に常駐する案件しか取り扱っていないサイトもあります。
知人経由での紹介は、以前の取引先や同僚から企業の求人を紹介してもらったり、フリーランス案件を受けたりする方法です。信頼関係があるため、勤務形態について交渉がしやすく、在宅での作業が可能になる場合があります。独立直後に在宅案件を探している方などにおすすめの方法です。
クラウドソーシングサイトでは、常時数千件の案件が募集されているサイトもあり、在宅案件を探しやすいというメリットがあります。ただし、単独ページのデザインのみや、デザインカンプの制作のみなどの案件も多く、単価も低いものが多いため、まずは難易度の低い在宅案件から受注してみたいという方におすすめです。
ポートフォリオとは、Webデザイナーが自分のスキルをアピールするための制作物のことです。ポートフォリオサイトを作成した場合は、問い合わせフォームや、リンク先のSNSを経由して案件を受ける方法があります。サイトやSNSに在宅勤務を希望していることを記載しておけば、企業の担当者から在宅可能な求人や案件を紹介してもらえるかもしれません。自分のスキルに合った在宅の求人・案件を探したい方におすすめの方法と言えるでしょう。
副業でできる求人案件
本業がある人や、家事や育児のために離職している主婦・主夫の人が、副業として在宅でWebデザインをすることも可能です。副業でWebデザインをする場合は、短時間で完了できるものや、単発的な案件が良いでしょう。副業におすすめの案件としては、以下のようなものがあります。
- サイトデザインのみの作成
- バナー作成
- 単独ページのデザイン作成
- デザインカンプやワイヤーフレームのみの作成
案件によってはコーディングが必要なものが多くありますが、コーディングが含まれると作業時間が大幅に増える傾向にあります。副業の場合は使える時間に制限があることが多いため、コーディングなしでデザイン作成のみ、という募集を探してみると良いでしょう。
LPやトップページのみといった単独ページの作成や、デザインカンプ・ワイヤーフレームといったデザイン案の作成もまた、サイト全体をデザインするよりも作業時間が短いです。
バナー作成では、Webサイトで使用するバナーを作成します。PhotoshopやIllustratorなどの画像編集ソフトが使用できる環境であれば自宅での作業が可能です。このような単発的な作業も作業量が少なくて済むため、隙間時間で業務ができます。
関連記事 : フリーランスWebデザイナー案件の探し方
未経験でWebデザイナーになれる?
完全に未経験の場合、Webデザインの知識がない状態からWebデザイナーになるのは難しいでしょう。特にフリーランス案件のクライアントは実務経験の有無や実績、スキルなどを見て、案件を任せられるかどうか、即戦力となるかどうかを判断します。そのため、実務経験やスキルは必要不可欠なのが現状です。
Webデザイナーの経験はなくても、イラストレーターやグラフィックデザイナーなどの実務経験があれば、PhotoshopやIllustratorのスキルを買われて案件を受注できる可能性がありますが、まずはWebデザインを学んでから未経験のWebデザイナーを受け入れている企業に就職し、Webデザイナーとしての実務経験を積むのがおすすめです。
関連記事 : 自由に働くフリーランスデザイナーブログまとめ
在宅Webデザイナーになるには
在宅Webデザイナーになるには、デザイナーとしての技術と実績が必要です。そのため、以下の2つのポイントが重要になります。
- デザインスキルは必須
- ポートフォリオで作品をアピール
それぞれを詳しく見てみましょう。
デザインスキルは必須
Webデザイナーになるには、資格や学歴は必須ではありません。ただし、Webページをデザインするためのデザインスキルは必要です。
デザインスキルとは、制作するサイトの目的に応じて適切な配色や配置などを決められるスキルです。デザインスキルが不足していると、ページが閲覧されない、すぐにページから離脱されてしまう、サイトのユーザビリティが下がる、といった結果を招いてしまう恐れがあります。
クライアントからサイトの構造は決められていたとしても、基本的にサイトのデザインはWebデザイナーが担当します。しかし、在宅のWebデザイナーの場合、クライアントと対面でのコミュニケーションを取る機会が少なくなりがちです。そのため、特に在宅のWebデザイナーには、クライアントの意図を正しく汲み取って的確にデザインできるスキルが必須なのです。
ポートフォリオを作成
Webデザイナーは、ポートフォリオを作成することも大切です。フリーランスのWebデザイナーなら、ポートフォリオサイトにスキルや実績などを掲載しておくことで、クライアントの目に留まる可能性がありますし、スキルや実績の提示を求められても即座にURLを提示して見てもらうことができます。
今勉強していることや、挑戦しているデザインなどを掲載しておくと、デザインスキルを磨いているというアピールにもなり、新たなジャンルの案件獲得につながる可能性があります。
また、在宅勤務が可能な企業の採用試験や面接を受けに行くなら、紙に印刷したポートフォリオと、タブレットなどで閲覧できるWebのポートフォリオサイトの両方を提示できるようにしておくと良いでしょう。面接中にインターネットが使えない状況になっても、紙に印刷したポートフォリオを見てもらうことができます。
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Webデザイナーのスキルを身につける方法
在宅Webデザイナーとして働くには、スキルを身につけることが必要です。Webデザイナーのスキルを身につける方法として、以下の2つが挙げられます。
- Webデザイナー講座を受ける
- 研修期間ありの企業に就職する
それぞれの方法について、詳しくご紹介します。
Webデザイナー講座を受ける
Webデザイナーとしてスキルを身につけるために、スクールなどでWebデザイナー講座を受ける方法があります。Webデザイナー講座の種類は、以下のようなものです。
- 公共職業訓練
- 求職者支援訓練
- 民間の通学型スクール
- 民間の在宅型スクール
それぞれの特徴についてご説明していきます。
公共職業訓練
公共職業訓練は、厚生労働省の支援によって行われている求職者や転職希望者向けの訓練です。主に失業保険を受給している人を対象としたもので、受講するにはハローワークを通して申請をする必要があります。求職者支援訓練も含めた総称として「ハロートレーニング」とも呼ばれているものです。
参照 : 厚生労働省「ハロートレーニング」
Webデザインの職業訓練では、Webデザインの基本とPhotoshopやIllustratorといったツールの基本的な使い方、HTML・CSSのスキル、jQueryやWordpressを使ったWeb制作手順などを学ぶことが可能です。訓練期間はおおむね2ヶ月~半年間程度ですが、1年や2年といった長期の訓練も実施されています。
職業訓練のメリットは、離職者なら基本的に無料で受講できる点です。デザインスクールに通う場合は一定の金額がかかりますが、公共職業訓練なら受講料をかけずに済みます。
ただし、職業訓練のWebデザイン系のコースは数が少なく応募倍率が高い場合があるので、自分が通いたいタイミングで受講できるとは限りません。通いたくてもコースが開催されなければ申し込むことができないのはデメリットといえます。
求職者支援訓練
求職者支援訓練は、原則として失業保険を受給できない人、再就職が叶わないまま失業保険の受給期間が終わってしまった人が対象です。収入が月8万円以下で世帯全体の金融資産が300万円以下など各条件をみたすことで、通学できます。
訓練期間は、公共職業訓練と同様に2ヶ月~6ヶ月ほどのものが中心です。Webデザインの訓練では、Webデザイナーになるために必要となるデザインスキル、コーディングスキルを学べます。
求職者支援訓練のメリットは、条件を満たせば「職業訓練受講手当」という給付金を受給しながら通学ができる点です。給付金は月額10万円となっており、40万~50万円の料金を払って通うこともあるスクールとは形態が大きく異なります。給付金がもらえなくても受講料は無料です。
求職者支援訓練のデメリットは、公共職業訓練と同じく、希望しても受講できないことがある点です。人気が高いコースには選考があり、訓練を受ける必要がないと判断された場合などは、訓練に参加できない可能性もあります。
民間の通学型スクール
民間の通学型スクールでは、本格的なWebデザインに関する学習ができるところもあります。受講内容としてはPhotoshopやllustratorの使い方、HTML・CSSの知識といった内容に加え、スクールによっては、マーケティングやサーバーに関するノウハウ、グラフィックデザインなどまで学ぶことが可能です。
受講期間はスクールやコースによりますが、まとまった内容を体系的に学ぶとなると数ヶ月程度が一般的です。受講料も幅広いですが、長期的なコースなら、少なくとも20万円以上の料金がかかることを見込んでおくと良いかもしれません。
民間の通学型スクールのメリットは、習得したいスキルを自由に身につけやすい点です。公共職業訓練や求職者支援訓練に比べて、たくさんの選択肢の中から自分が学びたい内容に合ったコースを選択することができるので、身につけたいスキルを着実に習得しやすい環境といえます。また、卒業後の仕事紹介サービスや、転職支援サービスを提供しているスクールなら、受講後のキャリアアップもしやすいでしょう。
一方、デメリットは料金が高額になってしまうことがある点です。基本的には無料で受講できる公共職業訓練や求職者支援訓練とは異なり、数十万円の受講料がかかることが多いです。
民間の在宅型スクール
民間の在宅型スクールは、オンラインでWebデザインを学ぶことができます。PC環境さえあれば受講ができるため、本業の仕事を続けながら、空いている時間でスキルアップを目指していきたい人におすすめの方法といえます。
スクールによっては、オンライン授業を通して実践的なSEOスキルやWebマーケティングに関する知識、UIデザインなどを習得することも可能です。
カリキュラムによって受講期間も様々で、料金は月額数千円程度のものから、通学型スクールのように合計数十万円を要するものまで幅広くなっています。
民間の在宅型スクールのメリットは、インターネット環境があれば場所を選ばずに受講が可能な点です。動画教材が主なので、カフェや自宅など、好きな場所で受講できるでしょう。デメリットは、基本的にモチベーション維持やスケジュール管理を自分で行わなければならない点です。自宅で一人受講を続けていくので、転職や就職を目指すタイミングから逆算してスケジュールを立て、計画的に学習を継続する必要があるでしょう。
研修期間ありの企業に就職する
企業が未経験者を採用し、研修を行ってWebデザイナーとして活躍できるように育てるという求人もあります。最低限のPCスキルは必要と考えておくべきですが、入社後の研修が充実している企業であれば、未経験からWebデザイナーになることも不可能ではありません。研修が終了すると現場に出て実務を担当するという流れが一般的なので、そのまま実務経験を積むこともできるでしょう。
この方法は、給料をもらいながらスキルアップができ、実務経験を積めるのがメリットです。ただし、未経験者を採用している企業でも、必ず教育体制が整っているとは限らないので、求人に応募する前に募集要項や企業の採用ページなどをチェックして、Webデザイナーとして成長できる環境かどうかを確認しておきましょう。
関連記事 : デザイン思考を学ぶ際に役立つ記事・本まとめ
まとめ
在宅のWebデザイナーを目指すには、基本的に実務経験とWebデザインのスキルが必要不可欠です。まずは職業訓練校やデザインスクールで最低限のWebデザインのスキルを習得しましょう。現在本業がある方は、仕事を続けながら学ぶことができる在宅型のスクールを活用すると良いでしょう。これから在宅Webデザイナーを目指す方は、ぜひ検討してみてください。
関連記事 : フリーランスの仕事をイメージできる!フリーランサーブログまとめpart5
最後に
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