COBOLエンジニアに今後も仕事はある?需要や仕事内容と平均年収を紹介

COBOLとは、1950年代に開発された歴史あるプログラミング言語です。そのため、一部で将来COBOLを使う仕事がなくなるとの意見もあります。

しかし、COBOLを使った既存システムは今も存在するため、今後も一定の需要は期待できるでしょう。また、COBOLエンジニアの人数が減る見込みのため、COBOLエンジニアとしての将来性も低くはありません。

これからCOBOLエンジニアとして仕事をし続けるためには、専門知識を身につけることやCOBOL以外のプログラミング言語を習得することが大切です。本記事では、COBOLエンジニアの将来性や、仕事を続けるためのコツを詳しく解説します。

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COBOLを使う仕事は今後なくなる?

プログラミングの仕事をする様子

近年、「COBOLを使う仕事が今後なくなるのでは?」という意見があります。なぜなら、今までCOBOLが担ってきた役割をJavaなどの新しいプログラミング言語がこなし始めているためです。

とくに、新規システム開発の分野において、COBOLだけのスキルでは仕事を得られなくなる可能性があります。ただし、COBOLが他のプログラミング言語と比較して古い存在になっても、一部の分野・業務では今後も一定の需要を期待できるでしょう。

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COBOLに一定の需要・将来性がある理由

金融機関のシステム

COBOLは古くなりつつあるプログラミング言語で、Pythonなどの他の言語と比べると将来性が高いわけではありません。しかし、COBOLエンジニアには今後も一定の需要や将来性を期待できます。主な理由は、以下のとおりです。

  • COBOLを使った既存システムが存在
  • COBOLエンジニアの人数が減る見込み

それぞれ解説します。

理由1:COBOLを使った既存システムが存在

COBOLを使った既存のシステムが今も存在しているため、今後も一定の需要を期待できます

COBOLを用いた新規開発は、今後減少するでしょう。しかし、以前はさまざまな分野における新規開発でCOBOLが使われていました。

過去にCOBOLで開発された既存システムが存在する限り、システムの保守で需要が期待できます。また、Javaなどのプログラミング言語を用いた新規システムに既存システムを移行する場合にも、COBOLを扱える人材が必要です。

理由2:COBOLエンジニアの人数が減る見込み

COBOLエンジニアを使える人口が将来的に減ると予測されるため、COBOLエンジニアの人手不足により、COBOLにもある程度の将来性があると考えられます

近年、新規開発に使われることが減りつつあるため、新たにCOBOLを身につけようとする人は決して多くありません。また、以前からCOBOLを扱ってきたエンジニアは高齢化が進んでおり、今後COBOLエンジニアが減る可能性が高いです。

そのため、今あえてCOBOLの知識やスキルを身につけておけば、競争相手が少ないため仕事を獲得しやすくなるでしょう。

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COBOLとはどんなプログラミング言語?

プログラミング作業を進めるイメージ

COBOLとは、「共通事務処理言語」を意味する「Common Business Oriented Language」を略した言葉です。事務処理を目的とした高水準言語・高級言語(人間にとって理解しやすいプログラミング言語)として開発されました。

COBOLが公開されたのは、1959年です。そのため、1995年に公開されたJavaやRubyなどと比較し、古く歴史あるプログラミング言語として位置付けられています。

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COBOLを用いるメリット

同僚とプログラミングの議論をする様子

ITエンジニアがCOBOLを用いるメリットは、主に以下のとおりです。

  • 文法がわかりやすい
  • 事務処理に向いている

ここから、各メリットを紹介します。

文法がわかりやすい

文法がわかりやすい点が、COBOLを用いる主なメリットとして挙げられます。

COBOLで使う構文(プログラミングにおける構造を統制する規則)は、英語に近いです。そのため、英語を読解するような感覚で、COBOLを理解できます。

他のメンバーが記述したCOBOLも、ひと目でわかるでしょう。また、シンプルな文法で、今までプログラミングを学んだことがなくても習得しやすい点もCOBOLの強みです。

事務処理に向いている

COBOLは共通事務処理言語のため、事務処理に向いている点もメリットです。

COBOLは2進化10進数を採用しており、小数点の計算に誤差が生じない仕組みが整っています。そのため、金融機関のシステムや給与計算システムなどに馴染みやすい点が強みです。

また、COBOLは1959年に公開されて以来、金融機関や官公庁などの機関で長きにわたって使われ続けてきました。そのことを踏まえ、信頼性が高いこともCOBOLを用いるメリットです。

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COBOLを用いるデメリット

スマホアプリを使うイメージ

ITエンジニアがプログラミング言語にCOBOLを用いるデメリットは、主に以下のとおりです。

  • AI開発ができない
  • Web・スマホアプリ開発に向いていない

ここから、各デメリットを解説します。

AI開発ができない

AI開発ができない点が、COBOLを用いるデメリットです。AI開発とは、機械学習(マシンラーニング)や深層学習(ディープラーニング)のように、プログラミングを用いてコンピューターに人間の知識や認知能力を習得させることを指します。

AI開発は、近年注目を集める開発分野です。しかし、1950年代に事務処理を目的として誕生したCOBOLでは、AI開発が難しいでしょう。

それに対し、AI開発に向いている言語として注目されているのがPythonです。IPAが実施する「基本情報技術者試験」でも、AI分野における利用の拡大を理由に、2020年春よりPythonに関する問題が新たに出題されるようになりました(その代わりにCOBOLの出題を廃止)。

Web・スマホアプリ開発に向いていない

COBOLはWeb・スマホアプリの開発にも向いていない点もデメリットとして挙げられます。

Webアプリとは、インターネットに接続できる端末を使えば、いつでも利用できるアプリケーションのことです。一方、スマホアプリとは、iPhoneやAndroidなどのスマートフォンにダウンロード・インストールすることで、使用できるアプリケーションを指します。

Webアプリやスマホアプリの開発は、近年仕事としての需要が高い分野です。しかし、AI開発と同様に、COBOLでWebアプリやスマホアプリを開発することは現実的ではありません。

なお、Webアプリの開発にはJava・Ruby・Pythonなど、スマホアプリの開発にはJava・Kotlin・Objective-C・Swiftなどのプログラミング言語とが使われることが一般的です。

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COBOLエンジニアの主な仕事内容

システム開発を進めるイメージ

COBOLエンジニアの主な仕事は、以下のとおりです。

  • 開発
  • 保守・運用
  • 移行

それぞれの内容について、詳しく解説します。

開発

既に紹介したとおり、COBOLを使った新規開発案件は以前ほど多くありません。ただし、金融機関や官公庁など、信頼性が重視される業種・機関において、いまだにCOBOLを使った開発機会はあります。

COBOLで開発する際は、規模が大きな案件になることが一般的です。また、開発にあたって業界特有の専門知識が問われることもあります。

保守・運用

保守や運用が、COBOLエンジニアの主な仕事です。

保守とは、システムに問題が生じた場合に原因を特定して解決を図る業務を指します。それに対して運用は、システムの稼働状態を維持する業務のことです。

COBOLエンジニアは、とくに金融機関や官公庁から既存システムの維持管理や機能の追加などの業務を求められることがあります。

移行

近年、COBOLエンジニアには移行の仕事も求められています。移行とは、COBOLを使って稼働していた既存システムを、新しい言語を用いたシステムに移したり、COBOLを使ったままプラットフォームを変更したりする作業のことです。

なお、一般的に別の言語に移行する際は、Javaなどのプログラミングが採用されています。

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COBOLエンジニアの平均年収目安

COBOLエンジニアとして働くイメージ

COBOL求人の平均年収相場は、390〜610万円です。実際の年収はスキル・経験や勤め先などによって異なります。

近年トレンドとなりつつある開発分野を扱っていないため、一般的にJavaやPythonのエンジニアと比べると、COBOLエンジニアの平均年収は低い傾向にあります。ただし、大企業のシステムに携わる仕事に関われれば、COBOLエンジニアも高収入を得られることがあるでしょう。

なお、フリーランスのCOBOLエンジニアの平均月単価は最大約58万円でした(レバテックフリーランスで「 COBOL 技術者」案件の月単価を平均して計算)。そのため、フリーランスとしてCOBOLの案件を受注する場合、700万円前後の年収を得られる可能性はあります。

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フリーランスのCOBOLエンジニアに仕事・案件はある?

フリーランスエンジニアとして働くイメージ

COBOLエンジニアにも、フリーランス案件はいくつかあります。ただし、案件を受注するにあたって経験を重視される可能性があるため、単にCOBOLのスキルを学んだだけで簡単に受注できるものではないことを理解しておきましょう。

フリーランスの案件を探すにあたって何をすべきかわからない場合は、フリーランスの案件を提案しているサイトなどを利用することがポイントです。

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今後もCOBOLで仕事・案件を受注する5つのコツ

案件を受注するイメージ

今後もITエンジニアとしてCOBOLを使って仕事を得たり、案件を受注したりするには、以下の点が重要です。

  • 業界の専門知識を身につける
  • マネジメントスキルや経験を身につける
  • コミュニケーションスキルを磨く
  • 関連するプログラミング言語を習得する
  • OS・ハードウェアの知識を身につける

ここから、5つのコツについて詳しく解説します。

業界の専門知識を身につける

今後もCOBOLを使った仕事や案件を受注し続けるために、業界の専門知識を身につけましょう

COBOLは、主に金融や官公庁など、特有の業界におけるシステムに使われています。過去に対象の業界に勤めていたり、金融関連や行政の知識を持っていたりすると他のエンジニアとの差別化を図れるため、案件を受注しやすくなるでしょう。

マネジメントスキルや経験を身につける

マネジメントのスキルや経験を身につけることも大切です。

マネジメントなどの上流工程のスキルや経験があれば、スケジュール管理やトラブル対応への能力があると認識され、案件獲得や高収入につながる可能性があります。マネジメントスキルとは、手元にあるリソースをうまく管理することで、目的を達成する能力のことです。

なお、マネジメントスキルがあれば、プロジェクトにおけるスケジュールやメンバーの管理を主な業務とする、プロジェクトマネージャーへ転向する機会も高められます。

コミュニケーションスキルを磨く

コミュニケーションスキルも、磨いておくとよいでしょう

クライアントからの相談を受けたり、移行案件などで他のエンジニアと打ち合わせしたりする機会があるため、コミュニケーションスキルが欠かせません。コミュニケーションスキルを有していれば、トラブルが発生した際もチームのメンバーと協力してスムーズに解決手段を講じられます。

なお、コミュニケーションスキルを磨くには、人と接する機会を増やしたり、相手が理解しやすい話し方を心がけたりすることが大切です。

関連するプログラミング言語を習得する

COBOLエンジニアとして活躍し続けるためには、関連するプログラミング言語を習得することも必要です。既存システムの移行先で使われているプログラミング言語を習得すれば、COBOLの移行案件を受注しやすくなります。

COBOLのシステムの移行先で用いられる主なプログラミング言語は、Javaです。JavaはCOBOLと比べて複雑な部分もあるため、移行案件を獲得したければ早めに学び始めておくとよいでしょう。

OS・ハードウェアの知識を身につける

プログラミングだけでなくOSやハードウェアの知識も習得しましょう。OSはハードウェアの制御やメモリの管理などの機能を果たすソフト、ハードウェアとはコンピューターなどの機器を構成する部品のことです。

COBOLは基本的に大規模なシステムで用いられています。そのため、COBOLだけでなく関連するOSやハードウェアの知識も身につけておけば、対応できる業務が広がり収入をアップさせたり、案件を受注したりしやすくなるでしょう。

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COBOLエンジニアに関するよくある質問

ここでは、COBOLエンジニアの需要に関するよくある質問に答えていきます。

Q. フリーランスのCOBOLエンジニアとして働くために必要なスキルは何ですか?

フリーランスのCOBOLエンジニアとして働くには、プログラミングスキルやプロジェクト管理能力、コミュニケーションスキルなどが必要です。また、COBOLの専門性を高めるための継続的な勉強も必要です。

Q. COBOLエンジニアはどのような業務に携わることが多いですか?

COBOLエンジニアは、膨大なデータを処理するシステム開発や、既存システムの改修や保守に携わることが多いです。

Q. COBOLを使用するメリットやデメリットはありますか?

COBOLのメリットは、信頼性が高く、大規模システムやバッチ処理に向いていることです。デメリットは、構文が複雑で学習コストが高いことや、現代的な開発手法に対応しきれないことがあります。

Q. COBOLエンジニアが求められる業界はどのようなものがありますか?

主に金融機関、保険会社、公共機関、インフラ企業などの業界で需要があります。

Q. フリーランスのCOBOLエンジニアの年収はどの程度ですか?

フリーランスのCOBOLエンジニアの平均年収は600~700万程度です。

※本記事は2024年5月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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