【2024】カスタマーエンジニア(CE)とは?向いている人やきつい理由 | レバテックフリーランス
【2024】カスタマーエンジニア(CE)とは?向いている人やきつい理由
カスタマーエンジニア(CE)の主な仕事内容は、顧客のシステムを正常に稼働させるための運用、オフィス機器の修理などです。きついと言われる場合もありますが、直接感謝される機会も多く、やりがいも感じやすい仕事です。
ただし、将来性などは知っておくべきで、キャリアパスもよく把握しておくべきでしょう。そこで、カスタマーエンジニアの実情や需要・将来性、向いている人の特徴などをまとめて解説します。
目次
カスタマーエンジニア(CE)の仕事やは職種との違い
顧客のPCやシステムが正常に稼働するよう、サポートするエンジニアを指します。常駐、巡回訪問、臨時訪問などの形態に分けられるのが一般的です。なお「CE」とは、「カスタマーエンジニア(Customer Engineer)」の略称です。
カスタマーエンジニアの仕事の特色は、クライアントとの「距離の近さ」です。クライアントからシステムの感想を直接聞けたり、お礼を言われたりすると、やりがいにつながるでしょう。人の役に立つ実感を得やすいのが、カスタマーエンジニアの魅力です。
カスタマーエンジニアの仕事内容の詳細や他職種の違い、カスタマーエンジニアの活躍の場についても紹介していきます。
カスタマーエンジニアの仕事内容
CEの主な仕事内容は、主に以下のとおりです。
- ITシステム・機器の提案や選定、導入サポート
- 通信・OA機器の設置
- 設置後の機器の保守・点検
- ソフトウェアのインストール
- トラブル発生時の対応
- バージョンアップした自社製品の営業
上記のように、顧客の要望に応じてシステム導入に必要な作業のサポートを行うのがカスタマーエンジニアの仕事です。顧客先の従業員へITシステムの事前説明や教育を行うこともあります。
ITシステムの導入にともなう環境構築やハードウェア機器の選定・設置も実施します。ITシステム稼働後の保守点検、故障時の対応もカスタマーエンジニアの仕事です。そのため、システム稼働後は顧客先に常駐する場合もあります。
カスタマーエンジニアの仕事内容について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
カスタマーエンジニア(CE)はきつい?仕事内容や転職前のチェックポイントを解説
カスタマーエンジニアと他職種の違い
混同されがちな職種との違いを説明していきます。カスタマーエンジニアと混同されがちなのは、主にSEとインフラエンジニアです。明確な違いがあるので、確認していきましょう。
カスタマーエンジニアとSEの違い
カスタマーエンジニアもSEもコンピューターやシステムに関わります。CEは主にシステムの点検を行い、適宜トラブルシューティングや修理にも対応するのが違いです。また、SEは要件定義や設計など、システム開発に従事する点がCEと大きく異なります。
SEの仕事内容について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
システムエンジニア(SE)とは|仕事内容やスキル、年収、プログラマーとの違いも解説
カスタマーエンジニアとインフラエンジニアの違い
インフラエンジニアは、ITシステムを構成するネットワークやサーバーといったインフラの設計・構築・運用をする職種です。担当する業務範囲によっては「ネットワークエンジニア」「サーバーエンジニア」とも呼ばれます。
ハードウェア周りを担当する点で、カスタマーエンジニアと混合されることがあるようです。一番の違いは、インフラ環境の設計・構築を行うか否かです。カスタマーエンジニアはインフラ環境の設計・構築をせず、主に保守点検を行います。
カスタマーエンジニアとヘルプデスクの違い
ヘルプデスクは、顧客からの問い合わせを受けて、IT関連のトラブルを解決する職種です。カスタマーエンジニアと違って機器の保守や点検といった業務はしません。ヘルプデスクについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
ヘルプデスクとは?仕事内容やフリーランス事情を解説
カスタマーエンジニアの活躍の場
カスタマーエンジニアの活躍の場は、ベンダー企業が中心です。以下のような企業で、ITシステムなどを顧客に提供するのが主な仕事です。
- 各種機器メーカー
- コンピューターメーカー
- 半導体製造装置メーカー
- OA機器メーカー
- IT機器の導入・設置サービス企業
- 保守サービス企業
- アフターサービス販売会社
カスタマーエンジニアとして働くには、所属先の企業の商品となるITシステムの知識が欠かせません。そのため、未経験者の場合は研修期間をしっかり設けている企業が多いです。
カスタマーエンジニアのメリット・やりがい
カスタマーエンジニアとして働いていると、以下のようなメリット・やりがいを感じられるでしょう。
- 顧客の感謝の声が届きやすい
- 扱う製品の知識や技術が身に付きスキルアップを実感しやすい
- 自分で仕事のペースを決めやすい
それぞれの理由や詳細について解説していきます。
顧客の感謝の声が届きやすい
カスタマーエンジニアの仕事は、顧客との距離が近く、直接の関わりがあります。トラブルや故障などを解決したときに、感謝や役に立てたと感じて、やりがいを感じられるでしょう。
扱う製品の知識や技術が身に付きスキルアップを実感しやすい
カスタマーエンジニアとして働くには、扱う製品の知識や技術が必要不可欠です。仕事のなかで多様な機器に触れ、保守・点検から故障時の修復、トラブル対応まで任されます。
日々の業務のなかで扱う製品の知識と技術が身に付き、スキルアップを実感できます。
自分で仕事のペースを決めやすい
カスタマーエンジニアは、クライアント先の企業に出向いて作業することが多く、自社での作業は少ない傾向があります。同僚や上司のペースに合わせなくてはならない場が少なく、自分のペースで仕事を進めやすいです。
【きつい?】カスタマーエンジニアの辛さ・デメリット
カスタマーエンジニアの仕事がきつい・辛いといわれる理由の1つは、急なトラブルの対応です。トラブルが発生した場合、迅速な復旧が求められます。深夜・早朝や休日であっても現場に駆け付けなくてはならない場合もあります。
実際に呼び出されなくとも、「呼び出されるかもしれない」という可能性があるだけで「きつい」と感じる場合もあるでしょう。
また、トラブル発生時などに、顧客からクレームを受けることも辛さ・デメリットの1つとしてあげられます。顧客を待たせているプレッシャーのなかでの原因の特定や復旧作業がきついと感じる人もいます。
カスタマーエンジニア(CE)に必要な4つのスキル
カスタマーエンジニアには、以下のスキルが欠かせません。
- コミュニケーション能力
- トラブルへの対応力
- 自ら積極的に学んでいく姿勢
- 対応する製品やITの知識
各スキルが、カスタマーエンジニアの仕事にどう活かされるかを詳しく解説していきます。
1.コミュニケーション能力
カスタマーエンジニアには顧客とメーカーの間に立って橋渡しをする役目が求められるため、コミュニケーション能力は重要です。不具合発生時には、適切な対処をするためにも正確にヒアリングを行い、詳細な状況を聞き出す必要があります。
2.トラブルへの対応力
トラブルが起きたときに、迅速かつ的確に応じるスキルがある人は、カスタマーエンジニアの適性があります。
トラブルへの対応力には、システムや各種機器に関する広範な知識も含まれます。不具合の原因を突き止める際には、判断力と粘り強さが必要になるでしょう。
3.自ら積極的に学んでいく姿勢
スキルを身に着けるために、自ら積極的に保守対象となるシステムと機器について学習する意欲が必要です。資料を読んで最新の知識を吸収し、多くの実務経験を積んでスキルアップするのが大切です。
4.対応する製品やITの知識
カスタマーエンジニアには、対応する製品やITの知識が求められます。使い方だけでなく、運用方法やトラブル発生時に原因を追究できるだけの深い知識が必要です。
さらに、顧客の規模や状況に応じて、最適な製品を選ぶのもカスタマーエンジニアの仕事です。1つの製品ではなく、複数の製品に精通していなくてはなりません。
カスタマーエンジニアとして働くには、企業の資料を頭に入れたうえで、実務経験で得た知識も蓄積していくスキルが大切です。
カスタマーエンジニア(CE)の年収の目安
カスタマーエンジニアの年収の政府統計といったデータはありません(2024年1月時点)。そこで、国内登録者数No.1のレバテックのデータをもとに、年収の目安を紹介します。
レバテックに掲載されているCE案件の月単価は、約60万~75万円でした(2024年1月時点)。12ヶ月分に換算すると、CEの想定年収は720万~900万円です。
ちなみに厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、SE(システムコンサルタント・設計者を含む)の平均年収は約660万円でした。なお、SEの平均年収は会社員も含む金額です。
フリーランスカスタマーエンジニア(CE)の仕事の実情
将来エンジニアとして独立し、フリーランスを目指す人は多くいます。独立後のギャップを減らすために、フリーランスカスタマーエンジニアの仕事の実情を事前に把握しておくことが大切です。
- 自社製品のサポートが中心のため、フリーランスは難しい
- CE案件は客先常駐型が多い
- 即戦力が求められる
- 修理やトラブル対応の経験があると案件獲得に有利
具体的には、上記のようなことを知っておくと良いでしょう。それぞれ詳しく解説します。
自社製品のサポート中心で、フリーランスは難しいのが実情
カスタマーエンジニアの仕事は、自社製品のサポートが中心のため、フリーランスは難しいのが実情です。自社製品を販売するにあたって、フリーランスに依頼する企業側は固定の顧客がほしいと考えます。
顧客側にとって、担当となるカスタマーエンジニアは企業の顔となります。それが、その企業に属さないフリーランスとなると少し印象が異なるでしょう。
そもそも製品の導入から保守点検までを自社のサービスとしているのに、外部のフリーランスに依頼することはあまりありません。
しかし、なかにはフリーランスとして活躍するカスタマーエンジニアも存在します。そのためには、幅広い知識と新たな知識を吸収する向上心、豊富な人脈が必要です。
CE案件は客先常駐型が多い
CEは委託元に常駐する案件もありますが、どちらかというとクライアントの元に出向く業務が多い傾向にあります。委託元のオフィスにいる時間は比較的短いでしょう。
在宅型案件も、他のエンジニアに比べて少ないと考えられます。CEは修理機器の持ち出しなどでオフィスを訪問することが多く、完全在宅やリモート勤務は難しいためです。
即戦力が求められる
フリーランス案件に参画するエンジニアは、一定の実務経験と高いスキルを持っているのが一般的です。CE案件に参画する場合は、「案件の募集要項を見て、業務内容の詳細が分かる」程度の経験を積むのが大切です。
ITエンジニアとして仕事をしていれば、CEの仕事であるトラブル対応やオフィス機器点検などに関わる機会もあるでしょう。フリーランスを目指す方は、CEの役割に近い業務を積極的にこなしておくのがコツです。
修理やトラブル対応の経験があると案件獲得に有利
カスタマーエンジニアは機器の修理やトラブル対応など、経験を積みながらスキルと業務への理解力を伸ばしていきます。そのため、フリーランス転向前に機器修理やトラブル対応の仕事に就いたことがあれば、フリーランス案件獲得で有利になるでしょう。
顧客を訪問して機械修理などができるスキルがあるだけでも、フリーランスカスタマーエンジニアとして働きやすくなります。
SEから転身する場合は、システムのハードウェアリプレース、アップデート、ネットワーク保守のような経験が活かされるでしょう。
フリーランスカスタマーエンジニア(CE)の需要と将来性
フリーランスカスタマーエンジニアの需要はこの先減少していくと考えられます。その理由やカスタマーエンジニアとして生き残るためにはどうしたら良いかを解説していきます。
カスタマーエンジニアの需要は減少する見込み
カスタマーエンジニアの需要がこの先減少していくと考えられるのは、AIによる障害対応の自動化が主な理由です。また、環境構築時のクラウド利用の拡大などで、CEがトラブルに対処しなければならない場面が減っているのも理由の1つです。
システムを使うのが人間である以上、今後も対面のサポートが求められる機会はあるでしょう。ただし、高収入を狙うなら別の職種にキャリアアップするのも手です。
IT業界で生き残るにはキャリアアップが必要
カスタマーエンジニア経験を積んだ後は、CEを束ねるマネージャー職や品質管理系の職種に就くキャリアが想定されます。
カスタマーエンジニアとして経験を積む過程で、製品故障率やシステム稼働率などの管理を任されることもあるでしょう。ゆくゆくは、IT品質管理の中核となる人材を目指す人は多いと考えられます。
エンジニアとして多くの経験を積みたいと考えているなら、SEやインフラエンジニアなどにキャリアチェンジするのもおすすめです。特にインフラエンジニアは、ハードウェア周りを担当するという共通点もあり、カスタマーエンジニアの経験を活かしやすいです。
また、クライアントと関わるなかで、カスタマーエンジニアは接客スキルやコミュニケーションスキルが磨かれます。スキルと経験を生かせられれば、セールスエンジニアや営業職への転向も可能です。
未経験からカスタマーエンジニア(CE)になるには
CE未経験者歓迎の求人・案件では、電気工事系や接客スキルがある人材が重宝されます。これらのスキルがなくとも、仕事内容に合わせたIT知識を手に入れれば、カスタマーエンジニアになれるでしょう。
ここでは、未経験からカスタマーエンジニアになるための方法を紹介します。これから目指そうと考えている方はぜひ参考にしてください。
まずマニュアル化されたルーチン業務をこなす
未経験者がCEを目指す場合は、まずマニュアル化されたルーチン業務から始めます。その後、顧客先で1人でトラブル対応や修理ができるようになるまで経験を積むのが一般的です。
電気工事系や接客のスキルがあると始めやすい
未経験でも、電気工事系や接客の経験スキルがあると採用時に評価されやすい傾向があります。ハードウェアの設置など電気工事系のスキルがあり、資格などでそれを証明できればカスタマーエンジニアの転職で有利です。
また、カスタマーエンジニアの仕事は顧客とのやりとりが発生するため、コミュニケーションスキルが求められます。そのため、接客経験があれば、IT知識を身に着けることで採用される可能性が高まるでしょう。
SEとして開発経験・実績を積む
未経験でカスタマーエンジニアとしての転職は難しい傾向があります。ハードウェアとITシステムの知識がどちらも必須であるためです。しかも、顧客に対して説明できるだけの理解が求められます。
SEとして開発経験・実績を積んだあとに転職した方が、可能性は高いといえるでしょう。
資格取得を目指しつつ学ぶ
カスタマーエンジニアになるにあたって、資格取得を目指しつつ学ぶのもおすすめです。資格があれば、知識やスキルを証明でき、書類選考や採用面接などで役立ちます。
なお、カスタマーエンジニアの仕事に役立つ資格は、「電気工事に関する資格」「IT知識全般の資格」の2種類に分けられます。それぞれどのような資格があるのか以下で確認していきましょう。
電気工事に関する知識を証明する資格
電気工事に関する知識を証明する資格として、「電気工事士」「認定電気工事従事者」「工事担当者」などの国家資格が挙げられます。
カスタマーエンジニアの業務範囲である、通信設備に関わる機器の導入や電気系統を扱うには、これらの資格が必要です。
そのため、資格があれば採用される可能性も高まるうえに、活躍の場が広がります。
IT知識全般の知識を証明する資格
IT知識全般の知識を証明するのに有効な資格として「基本情報技術者」「応用情報技術者」「ITパスポート」などの国家試験が挙げられます。ほかに「マイクロソフト認定技術者試験」「シスコ技術者認定」などの資格もIT知識の証明として役立ちます。
エンジニア向けの資格について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
エンジニア向けの資格|取得すべき資格やメリットは?
カスタマーエンジニア(CE)に向いている人の特徴
カスタマーエンジニアに向いている人は、以下のような特徴があります。
- コミュニケーションを取るのが好き
- 人に役立つことにやりがいを感じる
- 機械に触れるのが好き
- 精神力と体力がある
- 注意深い
カスタマーエンジニアの仕事は、コミュニケーションや機械に触れることが好きであれば、楽しいと感じられるでしょう。
さらに、カスタマーエンジニアの仕事には、顧客との距離が近いという特徴があります。そのため、システムの感想やお礼を言われることもあるため、やりがいを感じられるでしょう。
また、カスタマーエンジニアはシステムやソフトウェアの異変にも気付けるような注意深さが求められます。ときには休日トラブル対応やクレーム対応も必要となるため、精神力と体力も必要です。
カスタマーエンジニアに関するよくある質問
カスタマーエンジニアに関するよくある質問と回答をまとめました。
Q. カスタマーエンジニアとして独立するにはどんなスキルが必要ですか?
カスタマーエンジニアとして独立するには、技術的な知識のほかに、コミュニケーション能力、トラブル対応力などが必要です。
Q. カスタマーエンジニアとして働くために必要なIT系資格はありますか?
カスタマーエンジニアとして働くためにIT系資格は必要ありませんが、業務上必要な知識を取得できる資格は業務に役立ちます。資格例として、オラクル認定資格、基本情報技術者試験、シスコ技術者認定、マイクロソフト認定技術者試験(MOS)等が挙げられます。
Q. カスタマーエンジニアとSEの違いについて教えてください。
カスタマーエンジニアは顧客の側で、ITシステムの導入・保守やハードウェア機器の選定・設置、問い合わせ対応を行います。一方、SEはソフトウェアの設計・開発等の上流工程を行う職種です。
Q. カスタマーエンジニアの業務内容にはどのようなものがありますか?
カスタマーエンジニアの業務内容は、主に以下のとおりです。
- サーバーやネットワークの保守・点検
- コンピュータのトラブルシューティング
- 顧客サポート
※本記事は2023年12月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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