個人事業主が年収800万円のときの税金はいくら?法人化のメリットも紹介 | レバテックフリーランス
個人事業主が年収800万円のときの税金はいくら?法人化のメリットも紹介
個人事業主が一定条件下において年収804万円(月単価67万円の12ヶ月分)を稼いだとき、税金や保険料を差し引いた手取りを計算すると、約614.2万円になります。ただし、個人事業主の手取りは経費や税金などさまざまな条件によって異なるので、これはあくまで目安と考えてください。この記事では、個人事業主が納める税金の種類や、法人化を視野に入れている人に向けて、個人事業主が法人化するメリット・デメリットなども紹介しています。
また、これから個人事業主になろうと準備を進めている方は、再就職手当をもらえる可能性があります。詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
個人事業主は再就職手当をもらえる?受給条件と必要な証明書類
個人事業主が年収800万円のときの手取り
年収800万円の個人事業主の手取りがどれくらいになるか、レバテックフリーランスの案件をもとに月単価67万円の12ヶ月分、年収804万円のケースで具体的な額をシミュレートしていきます。
| 年収 | 804万円 |
|---|---|
| 所得税 | 53万765円 |
| 住民税 | 49万3,674円 |
| 国民年金 | 21万120円 |
| 国民健康保険 | 66万3,140円 |
| 手取り額 | 614万2,301円 |
※ [世田谷区在住/30歳/独身・扶養なし/国民年金加入/常駐型フリーランス/青色申告/月額経費10万]の場合
【算出ロジック】
- 収益に経費代は含まれないものとします(経費とは、プロバイダーや携帯などの通信費・交通費・PC購入費・打合せの際の飲食費・衣類・書籍やセミナー費用・有料Webサービスなどの仕事で必要なものを指します)。
- 所得の算出方法 : (月額単価×12ヶ月)-(経費×12ヶ月)
- 税・年金・保険額について : 年間所得額をもとにした所得税・住民税(世田谷区)・国民健康保険額
- 消費税について : 前々年の課税売上高が1,000万円以下の場合として算出
参考:
所得税の税率|国税庁
個人住民税|総務省
保険料の計算方法|世田谷区公式ホームページ
上記シミュレーションは2025年10月時点の法令を基礎として納税額の簡易計算をしています。シミュレーションによると、年収800万円の手取り額はおよそ614万円であることが分かりました。
個人事業主が納める税金や保険料
会社員は給与から税金や保険料が天引きされますが、個人事業主・フリーランスはそうではありません。会社員時代より年収が増えたと思っても、手取り額にすると「意外と増えていなかった」ということもあります。個人事業主が納める税金と保険の種類は、以下のとおりです。
所得税
所得税は、1年間に得た個人の所得に対して課される税金です。所得税は、課税所得が高くなるほど税率が高くなる「累進課税制度」を採用しており、基本的には所得が多い人ほど多くの税金を納める仕組みです。2025年度の税制改正により、所得税の基礎控除額が見直され、合計所得金額が2,350万円以下の個人に対しては控除額が10万円引き上げられました。
また、2013年から課税が始まった「復興特別所得税」は、東日本大震災の復興に使う財源を確保するための税金で、すべての所得税納税者に納付の義務があります(対象期間は2013年1月1日~2037年12月31日)。
参考 :
令和7年度税制改正の大綱|財務省
個人の方に係る復興特別所得税のあらまし|国税庁
住民税
住民税は、住んでいる市区町村(市区町村税)と都道府県(都道府県民税)に納める税金で、自治体が住民サービスを提供するための財源となります。前年の所得に応じて課税される「所得割」と、一律で課税される「均等割」で構成されており、2024年度からは均等割とあわせて「森林環境税」の徴収が始まりました。
確定申告をしている個人事業主は、毎年6月頃になると市区町村から納付書が届くので、基本的には4回に分けて納付を行います。納付を分けずに、1年分をまとめて納付することも可能です。
参考:森林環境税及び森林環境譲与税について|総務省
個人事業税
個人事業税は地方税の一種で、都道府県に納付します。個人事業税は法律で定められた70の業種に対して課税され、業種によっては事業を営んでいる個人事業主も納付の対象となることがあります。また、1年間事業を営んでいれば、事業主控除として一律で290万円が控除されますが、青色申告特別控除は適用されません。
参考:個人事業税|総務省
消費税
消費税は、製品の販売、サービスなどの取引に対して課される税金です。前々年の課税売上高が1,000万円を超えた場合か、前年の1月1日から6月30日までの課税売上高が1,000万円を超え、なおかつ従業員に支払う給与などの支払い額(賞与や手当も含む)が1,000万円を超えた場合に課税事業者になります。
国民健康保険料
日本では、すべての国民が何らかの公的医療保険に加入することになっています(国民皆保険)。会社員であれば、通常は職場の健康保険に加入しますが、個人事業主は原則として市区町村または国民健康保険組合が運営する国民健康保険に加入します。
参考:国民健康保険の保険料・保険税について|厚生労働省
国民年金保険料
日本に住む20歳以上60歳未満の人には、国民年金への加入が義務付けられています。保険料は毎年改定されますが、2025年度の1ヶ月あたりの保険料は17,510円です。
参考:国民年金保険料|日本年金機構
個人事業主が手取りをアップさせる方法
個人事業主が年収800万円のときの手取りをシュミレートして、思ったより手取り額が少ないと感じた方もいるのではないでしょうか。ここでは、個人事業主が手取りをアップさせる方法を紹介します。
経費を適切に計上する
所得税は、収入から経費や所得控除を差し引いた金額に対して課税されるため、漏れなく経費を計上することで、所得税を抑えられる可能性があります。経費にできるのに、計上し忘れている支出がないか見直してみましょう。
たとえば、「自宅が仕事場を兼ねている」「自家用車を仕事にも使っている」といった場合は、「家事按分(かじあんぶん)」を活用すると節税に効果的です。家事按分とは、プライベートと事業の両方で使っている費用を、事業で使った分だけ経費として計上できる仕組みです。主に、家賃や水道光熱費、通信費、ガソリン代が家事按分の対象となります。
そのほか、経費で計上できるものについて詳しく知りたいという方は、下記の記事をご覧ください。
個人事業主が経費に計上できるもの一覧!上限や節税のテクニック
所得控除を活用する
所得控除を活用することでも、課税所得が減るので実質的な手取り収入アップをはかれます。医療費控除や扶養控除など、対象となるものがないか確かめましょう。
確定申告を青色申告で行う
確定申告を青色申告で行うと、最大で65万円の青色申告特別控除の適用を受けられるといった、さまざまな税制上のメリットがあります。
参考:青色申告制度|国税庁
案件を安定して受注する
収入を増やすには、案件を安定的に受注することも必要です。そのためには、長期的に取引できるクライアントを見つけることがポイントの一つになります。質の高い仕事をしてクライアントの信頼を獲得し、長く取引できる関係性を築きましょう。同じクライアントと取引して成果物の質を上げていけば、単価交渉もしやすくなります。
スキルアップをはかる
たとえば、フリーランスエンジニアであれば、使用できる言語を増やすといったスキルアップをすることで、受注できる案件の幅が広がり、収入アップにつながります。書籍やスクール、セミナーなどを利用して、新しい技術を身につけましょう。
個人事業主・フリーランスのエンジニアが年収を増やす方法をより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスエンジニアの平均年収はいくら?言語・職種・経験年数別に紹介
個人事業主が法人化するメリット・デメリット
個人事業主・フリーランスとして高年収を稼げるようになると、法人化を視野に入れる人もいるかもしれません。ここでは、法人化のメリット・デメリットを紹介するので参考にしてください。
個人事業主が法人化するメリット
個人事業主が法人化することには、いくつかのメリットがあります。主なメリットは以下の3つです。
税金負担が少なくなるケースがある
個人事業主が納める所得税は、課税所得が多いほど税額が増える累進課税方式です。一方、法人が納める法人税は固定税率なので、年収が一定額を超えている場合は、法人化することで節税できる可能性があります。
消費税の免税事業者となる期間を伸ばせるケースがある
フリーランスを含む個人事業主と同様に、法人の消費税の基準期間も前々事業年度、特定期間は前事業年度開始日以後6ヶ月間となるため、個人事業主として課税事業者になる前のタイミングで法人化すれば、消費税の免税事業者となる期間を実質的に伸ばすことが可能になります。
社会的な信用を得やすくなる
一般的には、法人化することで社会的な信用を高めることができます。たとえば、金融機関から融資を受ける際も、個人事業主より法人のほうが信用度が高く、資金調達しやすい場合が多いでしょう。
個人事業主が法人化するデメリット
一方で、個人事業主が法人化することには、デメリットもあります。以下のデメリットを理解した上で、法人化を検討すると良いでしょう。
社会保険料の負担が大きくなる
個人事業主は、従業員を雇っていたとしても、常勤の従業員が5人未満であれば厚生年金や健康保険に加入する義務はありません。しかし、法人化すると従業員の人数は関係なく、代表者1人であっても社会保険に加入することが義務づけられているため、社会保険料の負担は大きくなります。
設立に手間と費用がかかる
個人事業主は、税務署に開業届を出すだけで開業でき、開業にあたって手数料もかかりません。一方、法人を設立するには、定款認証手数料や登録免許税などの初期費用が必要となるでしょう。
赤字でも税金がかかる
法人化すると、「法人住民税」を支払う必要があります。法人住民税には均等割があるため、赤字であっても一定の税金を納めなくてはいけません。
事務や会計が複雑化する
基本的には法人化すると事務手続きが増え、会計処理が複雑になります。法人税申告書は税法の知識がないと作成が難しいとされ、料金を払って税理士に依頼するのが一般的です。また、社会保険の手続きなどを担当する事務スタッフが必要になることもあります。
法人化についての詳細を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
法人化・法人成りとは?個人事業主から法人になる意味は
年収800万円のときの個人事業主の税金に関するよくある質問
ここでは、年収800万円のときの個人事業主の税金に関するよくある質問に答えていきます。
Q. 青色申告を行うことで、どのような税制上のメリットがありますか?
青色申告のメリットとして、最大65万円の特別控除が受けられること、最長3年間赤字を繰り越せることなどがあります。
Q. 個人事業主が手取り額を増やす方法を教えてください。
個人事業主が手取り額を増やすには、経費をしっかりと計上する、青色申告をする、売上によっては法人化するなどの方法が有効です。
Q. 個人事業主が法人化するメリットを教えてください。
個人事業主が法人化することで得られるメリットとしては、売上によっては節税効果があることや社会的信用を得やすくなることなどがあります。
Q. 個人事業主が所得税や住民税などを納付するためには、どのような方法がありますか?
所得税や住民税は、年1回の確定申告で納付する必要があります。納付方法としては、口座振替や銀行振込、税務署での現金納付などがあります。
Q. 法人化における設立にかかる費用の具体的な内訳は何ですか?
法人化における設立費用の内訳は、定款認証時の印紙代や定款認証の手数料、登録免許税などが含まれます。
※本記事は2025年12月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
簡単4ステップ!スキルや経験年数をポチポチ選ぶだけで、あなたのフリーランスとしての単価相場を算出します!
※相場算出に個人情報の取得はおこないません。
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