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フリーランスエンジニアの手取り|税金の計算方法と年収・月収別のシミュレーション

フリーランスは手取りを計算するうえで、国民年金保険料や国民健康保険料、所得税、住民税、個人事業税、消費税などを収入から差し引く必要があります。ただし、個人事業税や消費税は、すべてのフリーランスが対象となるわけではありません。

フリーランスエンジニアが手取りを増やすためには、65万円の青色申告特別控除を受ける、必要経費を漏れなく計上するといったことを実践すると良いでしょう。

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この記事の監修
あおば会計事務所 共同代表
税理士 小池 康晴(こいけ やすはる)氏

SESや受託開発を行うIT関連の企業やフリーランス(個人事業主)の顧客を多く持ち、それぞれのニーズを重視した税務アドバイスとコンサルティングを行う。IT業界の税務や新しいサービスの動向などにも精通している。中小企業庁による認定経営革新等支援機関の認定済み。

小池康晴氏プロフィールページ

目次

フリーランスが支払う社会保険料と税金
【月収別】手取り金額のシミュレーション
【年収別】手取り金額のシミュレーション
フリーランスが手取りを増やすには
税金や経費の仕組みを正しく理解しよう

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フリーランスが支払う社会保険料と税金

フリーランスは、一般的に会社や組織と雇用契約を結ばずに独立した立場で専門的な技術を提供する人のことを指します。フリーランスとして活躍している人が多い職種には、エンジニアやライター、Webデザイナーなどが挙げられます。

フリーランスは月給制の会社員とは異なり、給与から社会保険料や税金が天引きされることはないため、状況に応じて下記のような保険料・税金を自分で納める必要があります。

  • 国民年金保険料
  • 国民健康保険料
  • 所得税
  • 住民税
  • 個人事業税
  • 消費税

国民年金保険料

日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は、国民年金に加入します。会社員や公務員は厚生年金に加入しますが、このときも自動的に国民年金に加入しており、国民年金・厚生年金を合わせた保険料を納めます。

国民年金のみに加入している場合、所得に関わらず一定の保険料を納めるのが特徴。2020年度の1ヶ月あたりの国民年金保険料は、1万6,540円です。

なお、経済的に国民年金保険料を支払うのが難しい人は、保険料免除・納付猶予制度を利用することができます。ただし保険料免除・納付猶予制度を利用した場合、その分将来受けとる国民年金が少なくなるという点に注意が必要です。

そのほか、国民年金には前納(まとめて前払い)すると保険料が割引される制度もあります。

国民健康保険料

フリーランスの場合、会社員時代の健康保険を任意継続しないのであれば、基本的に国民健康保険に加入します。

国民健康保険は、下記の3つで構成されています。

  • (1)基礎(医療)分保険料
  • (2)支援金分保険料
  • (3)介護分保険料

上記の3つのうち、介護分保険料の支払いは40歳以上65歳未満の方が対象です。そのため40歳未満・65歳以上の方は、基礎(医療)分保険料と支援金分保険料を合わせた国民健康保険料を納めます。

国民健康保険料は、居住地や所得、世帯人数によって変わるのが特徴。国民健康保険料を計算する際は、居住地の自治体の公式サイトで保険料率などを確認しましょう。

所得税

所得税は、1年間の課税所得に対してかかる税金です。フリーランスにおける課税所得は、1年間の総収入金額から、後述する必要経費、青色申告特別控除、所得控除(基礎控除や社会保険料控除など)を差し引いたものを指します。

なお、2013年から2037年までは、所得税と合わせて「復興特別所得税」を納めます。復興特別所得税は、東日本大震災の復興のための財源確保を目的として創設された税金です。復興特別所得税の金額は、その年に納める所得税に2.1%を乗じて算出します。

住民税

住民税は、下記の2つを合わせたものを指します。

  • 市町村民税(東京23区の場合「特別区民税」)
  • 道府県民税(東京都の場合「都民税」)

住民税は前の年の所得に対してかかる税金で、所得によって支払う金額が増減するのが特徴です。また居住地によっても税額に若干ながら差が生じます。

個人事業税

個人事業税は、法定業種(地方税法等で定められた70の業種)に従事する人が納める税金です。

請負契約で案件を受注するフリーランスエンジニアの場合、法定業種の一つである「請負業」と見なされて個人事業税を納めることになります。

ただし準委任契約で企業に常駐するフリーランスエンジニアの場合、指揮命令系統のルールのもとで作業を行うなど雇用者に近い状況のため、個人事業税は課税対象外となることが多いようです。

消費税

消費税は、前々年の課税売上高(1年間の売上高)が1000万円を超える場合に納めます。

なお、前々年の課税売上高が1000万円以下であったとしても、「前年の1月1日から6月30日までの課税売上高が1000万円を超える」かつ「その期間の従業員への支払った給与の額が1000万円を超える」ときは、消費税を納める必要があります。

関連記事 : フリーランスなら押さえておきたい!今さら聞けない「税金・保険・年金」のキホン

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【月収別】手取り金額のシミュレーション

フリーランスの手取り月収を、下記のケース別に計算していきます。

  • 月収30万円の場合
  • 月収50万円の場合

以下で算出した手取り月収はあくまで目安であり、実際の手取りとは異なる場合がある点には留意してください。また、税金や社会保険料の金額は2020年時点の税率・保険料率をもとにして計算しています。

月収30万円の場合

東京都世田谷区在住、準委任契約で企業常駐型のフリーランスエンジニアとして働くAさんは28歳・独身・扶養家族なしで、青色申告者です。月収は年間を通して30万円(前年・前々年も同様)、必要経費は収入の3割、所得はすべて事業所得としてシミュレーションしていきましょう。

Aさんの月収が30万円の場合、必要経費は1ヶ月あたり30万円×0.3=9万円になるので、Aさんのプロフィールは以下のようになります。

年齢 : 28歳
職種 : 企業常駐型フリーランスエンジニア
居住地:東京都世田谷区
扶養家族 : なし
月収 : 30万円(年収360万円)
必要経費 : 1ヶ月あたり9万円(年間108万円)
確定申告 : 青色申告者(65万円の青色申告特別控除を受けると想定)
所得区分 : 事業所得


上記のプロフィールにもとに、個人事業税と消費税は0円として計算すると、月収30万円のフリーランスエンジニアであるAさんの手取り月収(目安)は25万2,785円です。

月収 30万円
国民年金保険料 1万6,540円
国民健康保険料 1万6,502円
所得税・復興特別所得税 4,227円
住民税 9,946円
個人事業税 0円
消費税 0円
手取り 25万2,785円


それぞれの税金や社会保険料の計算方法について、以下で説明していきます。

国民年金保険料の計算式

国民年金保険料は毎年度一律で決められるため、計算の必要はありません。2020年度における国民年金第1号被保険者の国民年金保険料は1ヶ月あたり1万6,540円です。

国民健康保険料の計算式

国民健康保険料は、加入者の所得金額によって保険料が増減する「所得割額」と、所得金額に関わらず1人あたり一定の保険料を支払う「均等割額」に分かれています。そのため、国民健康保険料を計算するときには、所得割額と均等割額を足した額を算出します。

また、国民健康保険料は、国保財政の基礎財源である「基礎(医療)分保険料」、後期高齢者医療制度への支援金である「支援金分保険料」、そして40歳から64歳までの人に対してかかる「介護分保険料」で構成されています。Aさんは28歳なので、介護分保険料は計算に含めません。

Aさんが住んでいる東京都世田谷区の場合、令和2年度における基礎(医療)分と支援金分の所得割額の保険料率、均等割額は下記のとおりです。

区分 所得割額 均等割額
基礎(医療)分
(最高限度額63万円)
加入者全員の賦課基準額
×7.14%
加入者数
×3万9900円
支援金分
(最高限度額19万円)
加入者全員の賦課基準額
×2.29%
加入者数
×1万2900円

参照 : 世田谷区ホームページ「保険料の計算方法」

上記の表の所得割額の欄にある「賦課基準額」は、フリーランスの場合、下記の計算式で求められます。

収入-経費-青色申告特別控除-基礎控除(住民税の基礎控除と同額。2020年度までは一律33万円、2021年度からは一律43万円)=賦課基準額

よって月収30万円=年収360万円のAさんの場合、基礎控除は2020年度までの金額である33万円として計算すると、賦課基準額は360万円-108万円-65万円-33万円=154万円です。

また、均等割額の欄の「加入者数」には自分+扶養家族の人数を入れるため、扶養家族がいない場合は「1」を乗じることになります。

基礎(医療)分と支援金分を合わせた国民健康保険料の計算式は以下のとおりです(小数点以下の金額は四捨五入)。

154万円×0.0714=10万9,956円(基礎(医療)分の所得割額)
154万円×0.0229=3万5,266円(支援金分の所得割額)
10万9,956円+1人×3万9,900円=14万9,856円(基礎(医療)分の国民健康保険料)
3万5,266円+1人×1万2,900円=4万8,166円(支援金分の国民健康保険料)
(14万9,856円+4万8,166円)÷12ヶ月=約1万6,502円(1ヶ月あたりの国民健康保険料)

所得税・復興特別所得税の計算式

所得税の金額は、以下の計算式で算出します。

収入-経費-青色申告特別控除-社会保険料控除・基礎控除などの所得控除=課税所得金額
課税所得金額×所得税率-控除額=所得税の金額


国民年金保険料、国民健康保険料はいずれも全額社会保険料控除の対象となるので、Aさんが年間に納める国民年金保険料19万8,480円+国民健康保険料19万8,022円=39万6,502円を社会保険料控除額とします。

まず、Aさんの課税所得金額から計算していきます。Aさんは月収30万円、年収360万円で、年間の必要経費は108万円です。青色申告特別控除は65万円、所得控除は社会保険料控除+基礎控除の48万円のみとして計算すると、Aさんの課税所得金額は360万円-108万円-65万円-39万6,502円-48万円=99万3,498円です。

所得税は、課税所得金額が大きくなるにつれて税率もアップする「累進課税」となっています。所得税の金額は、国税庁のWebサイトにある以下の速算表を使って計算します。なお、表内の課税所得金額は1,000円未満の端数金額を切り捨てた金額です。

課税所得金額 税率 控除額
0円~194万9,000円 5% 0円
195万円~329万9,000円 10% 9万7,500円
330万円~694万9,000円 20% 42万7,500円
695万円~899万9,000円 23% 63万6,000円
900万円~1,799万9,000円 33% 153万6,000円
1,800万円~3,999万9,000円 40% 279万6,000円
4,000万円以上 45% 479万6,000円

参照 : 国税庁「No.2260 所得税の税率」

上記の表に当てはめて計算すると、所得税率は5%、控除額は0円なので、Aさんの所得税の金額は99万3,498円×0.05=約4万9,675円、1ヶ月あたり約4,140円になります。

また、復興特別所得税の計算式は、所得税額×2.1%なので、4万9,675円×0.021%=約1,043円、1ヶ月あたり約87円になります。

所得税と復興特別所得税を合算すると、4万9,675円+1,043円=約5万718円、1ヶ月あたり約4,227円になります。

住民税の計算式

Aさんは東京都世田谷区在住なので、特別区民税と都民税を合わせた住民税を納めます。

特別区民税と都民税には、それぞれ「所得割」と「均等割」があります。所得割は所得に応じて納める金額が変わりますが、均等割は所得に関係なく一人あたり一定の金額を支払います。

住民税の計算式は以下のとおりです。

収入-経費-青色申告特別控除-基礎控除・社会保険料控除などの所得控除=課税標準額
課税標準額×住民税率(特別区民税率+都民税率)-税額控除=所得割の金額
所得割の金額+均等割の金額(特別区民税3,500円+都民税1,500円)=住民税の金額


参照 : 世田谷区ホームページ「令和2年度版区税ガイドブック」

住民税の基礎控除は2020年度までの33万円、所得控除は基礎控除・社会保険料控除のみとしてAさんの課税標準額を計算すると、360万円-108万円-65万円-33万円-39万6,502円=114万3,498円です。

税額控除を省略すると、Aさんの住民税の所得割額は114万3,498円×(0.06+0.04)=約11万4,350円になります。よって、Aさんが納める住民税の金額は11万4,350円+5,000円=約11万9,350円、1ヶ月あたり約9,946円です。

月収50万円の場合

Aさんの月収が50万円だった場合(前年・前々年も同様)をシミュレーションしてみましょう。必要経費は収入の3割のままとすると、Aさんのプロフィールは以下のとおりです。

年齢 : 28歳
職種 : 企業常駐型フリーランスエンジニア
居住地:東京都世田谷区
扶養家族 : なし
月収 : 50万円(年収600万円)
必要経費 : 1ヶ月あたり15万円(年間180万円)
確定申告 : 青色申告者(65万円の青色申告特別控除を受けると想定)
所得区分 : 事業所得


同じく個人事業税・消費税は課税されないものとして、月収30万円の場合と同じ方法で各種税金・社会保険料を計算すると、月収50万円のフリーランスエンジニアであるAさんの手取り月収(目安)は41万4,684円です。

月収 50万円
国民年金保険料 1万6,540円
国民健康保険料 2万9,704円
所得税・復興特別所得税 1万4,792円
住民税 2万4,280円
個人事業税 0円
消費税 0円
手取り 41万4,684円


税金や社会保険料の計算式は以下のとおりです。

国民年金保険料の計算式

国民年金保険料は収入に関わらず、一律で毎月1万6,540円のため、計算は不要です。

国民健康保険料の計算式

600万円(収入)-180万円(経費)-65万円(青色申告特別控除)-33万円(基礎控除)=322万円(賦課基準額)

322万円(賦課基準額)×0.0714=22万9,908円(基礎(医療)分の所得割額)

322万円(賦課基準額)×0.0229=7万3,738円(支援金分の所得割額)

22万9,908円+1人×3万9,900円=26万9,808円(基礎(医療)分の国民健康保険料)

7万3,738円+1人×1万2,900円=8万6,638円(支援金分の国民健康保険料)

(26万9,808円+8万6,638円)÷12ヶ月=約2万9,704円(1ヶ月あたりの国民健康保険料)

所得税・復興特別所得税の計算式

600万円(収入)-180万円(経費)-65万円(青色申告特別控除)-35万6,446円(社会保険料控除)-48万円(基礎控除)=271万3,554円(課税所得金額)

271万3,554円×0.1(所得税率)-9万7,500円(控除額)=約17万3,855円(所得税の金額)

17万3,855円×0.021%=約3,651円(復興特別所得税の金額)

17万3,855円+3,651円=約17万7,506円(1ヶ月あたり約1万4,792円)

住民税の計算式

600万円(収入)-180万円(経費)-65万円(青色申告特別控除)-33万円(基礎控除)-35万6,446円(社会保険料控除)=286万3,554円(課税標準額)

286万3,554円(課税標準額)×0.1(住民税率)=約28万6,355円(所得割の金額)

28万6,355円(所得割の金額)+5,000円(均等割の金額)=約29万1,355円(1ヶ月あたり約2万4,280円)

関連記事 : 個人事業主の年収|平均年収や会社員との手取り比較も  

【年収別】手取り金額のシミュレーション

次に、フリーランスの手取り年収を、下記のケース別に計算します。

  • 年収500万円の場合
  • 年収700万円の場合
  • 年収1,000万円の場合

こちらも月収と同じく、以下で算出した手取り年収はあくまで目安と考えましょう。税金・社会保険料の計算方法は、基本的に月収別の手取り金額シミュレーションで紹介したものと同様です。

年収500万円の場合

東京都世田谷区在住、準委任契約で企業常駐型のフリーランスエンジニアとして働くBさんは32歳・独身・扶養家族なしで、青色申告者です。年収は500万円(前年・前々年も同様)、必要経費は収入の3割、所得はすべて事業所得としてシミュレーションしていきます。
Bさんの年間の必要経費は500万円×0.3=150万円になります。Bさんのプロフィールは以下のとおりです。

年齢 : 32歳
職種 : 企業常駐型フリーランスエンジニア
居住地:東京都世田谷区
扶養家族 : なし
年収 : 500万円
年間必要経費 : 150万円
確定申告 : 青色申告者(65万円の青色申告特別控除を受けると想定)
所得区分 : 事業所得


上記のプロフィールをもとに、個人事業税と消費税は0円として計算すると、年収500万円のフリーランスエンジニアであるBさんの手取り月収(目安)は417万352円です。

年収 500万円
国民年金保険料 19万8,480円
国民健康保険料 29万436円
所得税・復興特別所得税 11万2,776円
住民税 22万7,956円
個人事業税 0円
消費税 0円
手取り 417万352円


税金・社会保険料の計算式は以下のとおりです。

国民年金保険料の計算式

1万6,540円×12ヶ月=19万8,480円(年間の国民年金保険料)

国民健康保険料の計算式

500万円(収入)-150万円(経費)-65万円(青色申告特別控除)-33万円(基礎控除)=252万円(賦課基準額)

252万円(賦課基準額)×0.0714=17万9,928円(基礎(医療)分の所得割額)

252万円(賦課基準額)×0.0229=5万7,708円(支援金分の所得割額)

17万9,928円+1人×3万9,900円=21万9,828円(基礎(医療)分の国民健康保険料)

7万3,738円+1人×1万2,900円=7万608円(支援金分の国民健康保険料)

21万9,828円+7万608円=29万436円(年間の国民健康保険料)

所得税・復興特別所得税の計算式

500万円(収入)-150万円(経費)-65万円(青色申告特別控除)-29万436円(社会保険料控除)-48万円(基礎控除)=207万9,564円(課税所得金額)

207万9,564円×0.1(所得税率)-9万7,500円(控除額)=約11万456円(所得税の金額)

11万456円×0.021%=約2,320円(復興特別所得税の金額)

11万456円+2,320円=約11万2,776円(所得税+復興特別所得税の金額)

住民税の計算式

500万円(収入)-150万円(経費)-65万円(青色申告特別控除)-33万円(基礎控除)-35万6,446円(社会保険料控除)=222万9,564円(課税標準額)

222万9,564円(課税標準額)×0.1(住民税率)=約22万2,956円(所得割の金額)

22万2,956円(所得割の金額)+5,000円(均等割の金額)=約22万7,956円(住民税の金額)

年収700万円の場合

Bさんの年収が700万円(前年・前々年も同様)だった場合をシミュレーションしてみます。同じく経費は収入の30%とすると、プロフィールは以下のとおりです。

年齢 : 32歳
職種 : 企業常駐型フリーランスエンジニア
居住地:東京都世田谷区
扶養家族 : なし
年収 : 700万円
年間必要経費 : 210万円
確定申告 : 青色申告者(65万円の青色申告特別控除を受けると想定)
所得区分 : 事業所得


同じく個人事業税・消費税はかからないものとして計算すると、年収700万円のフリーランスエンジニアであるBさんの手取り年収(目安)は577万7,219円です。

年収 700万円
国民年金保険料 19万8,480円
国民健康保険料 42万2,456円
所得税・復興特別所得税 24万7,091円
住民税 35万4,754円
個人事業税 0円
消費税 0円
手取り 577万7,219円


各種税金・社会保険料の計算式を以下に示しています。

国民年金保険料の計算式

1万6,540円×12ヶ月=19万8,480円(年間の国民年金保険料)

国民健康保険料の計算式

700万円(収入)-210万円(経費)-65万円(青色申告特別控除)-33万円(基礎控除)=392万円(賦課基準額)

392万円(賦課基準額)×0.0714=27万9,888円(基礎(医療)分の所得割額)

392万円(賦課基準額)×0.0229=8万9,768円(支援金分の所得割額)

27万9,888円+1人×3万9,900円=31万9,788円(基礎(医療)分の国民健康保険料)

8万9,768円+1人×1万2,900円=10万2,668円(支援金分の国民健康保険料)

31万9,788円+10万2,668円=42万2,456円(年間の国民健康保険料)

所得税・復興特別所得税の計算式

700万円(収入)-210万円(経費)-65万円(青色申告特別控除)-42万2,456円(社会保険料控除)-48万円(基礎控除)=334万7,544円(課税所得金額)

334万7,544円×0.2(所得税率)-42万7,500円(控除額)=約24万2,009円(所得税の金額)

24万2,009円×0.021%=約5,082円(復興特別所得税の金額)

24万2,009円+5,082円=約24万7,091円(所得税+復興特別所得税の金額)

住民税の計算式

700万円(収入)-210万円(経費)-65万円(青色申告特別控除)-33万円(基礎控除)-42万2,456円(社会保険料控除)=349万7,544円(課税標準額)

349万7,544円(課税標準額)×0.1(住民税率)=約34万9,754円(所得割の金額)

34万9,754円(所得割の金額)+5,000円(均等割の金額)=約35万4,754円(住民税の金額)

年収1,000万円の場合

最後に、Bさんの年収が1,000万円(前年・前々年も同様)だった場合をシミュレーションしてみます。プロフィールは以下のとおりです。経費は同じく収入の30%とします。

年齢 : 32歳
職種 : 企業常駐型フリーランスエンジニア
居住地:東京都世田谷区
扶養家族 : なし
年収 : 1,000万円
年間必要経費 : 300万円
確定申告 : 青色申告者(65万円の青色申告特別控除を受けると想定)
所得区分 : 事業所得


個人事業税は課税されず、消費税も免税事業者として手取り年収を計算すると、年収1,000万円のフリーランスエンジニアであるBさんの手取り年収(目安)は800万610円です。

年収 1,000万円
国民年金保険料 19万8,480円
国民健康保険料 62万486円
所得税・復興特別所得税 63万5,473円
住民税 54万4,951円
個人事業税 0円
消費税 0円
手取り 800万610円


税金と社会保険料の計算式は下記のとおりです。

国民年金保険料の計算式

1万6,540円×12ヶ月=19万8,480円(年間の国民年金保険料)

国民健康保険料の計算式

1,000万円(収入)-300万円(経費)-65万円(青色申告特別控除)-33万円(基礎控除)=602万円(賦課基準額)

602万円(賦課基準額)×0.0714=42万9,828円(基礎(医療)分の所得割額)

602万円(賦課基準額)×0.0229=13万7,858円(支援金分の所得割額)

42万9,828円+1人×3万9,900円=46万9,728円(基礎(医療)分の国民健康保険料)

13万7,858円+1人×1万2,900円=15万758円(支援金分の国民健康保険料)

46万9,728円+15万758円=62万486円(年間の国民健康保険料)

所得税・復興特別所得税の計算式

1,000万円(収入)-300万円(経費)-65万円(青色申告特別控除)-62万486円(社会保険料控除)-48万円(基礎控除)=524万9,514円(課税所得金額)

524万9,514円×0.2(所得税率)-42万7,500円(控除額)=約62万2,403円(所得税の金額)

62万2,403円×0.021%=約1万3,070円(復興特別所得税の金額)

62万2,403円+1万3,070円=約63万5,473円(所得税+復興特別所得税の金額)

住民税の計算式

1,000万円(収入)-300万円(経費)-65万円(青色申告特別控除)-33万円(基礎控除)-62万486円(社会保険料控除)=539万9,514円(課税標準額)

539万9,514円(課税標準額)×0.1(住民税率)=約53万9,951円(所得割の金額)

53万9,951円(所得割の金額)+5,000円(均等割の金額)=約54万4,951円(住民税の金額)

関連記事 : フリーランスの税金計算|所得税・住民税・個人事業税・消費税

フリーランスが手取りを増やすには

フリーランスの方が手取りを増やす方法として、「65万円の青色申告特別控除を受ける」「必要経費を漏れなく計上する」の2つが挙げられます。

65万円の青色申告特別控除を受ける

前の項目で手取りを算出する際、65万円の青色申告特別控除が適用されることを想定して計算しました。

ここで注意したいのが、65万円の青色申告特別控除は、青色申告者であっても一定の条件を満たさないと適用されないという点。65万円の青色申告特別控除を受けたいと考えているなら、事前に条件をチェックしておく必要があります。

なお、2020年分の確定申告から65万円の青色申告特別控除の適用条件が変わるため、当記事では改正前(2019年分まで)と改正後(2020年分から)の条件をそれぞれご紹介します。

2019年分まで

2019年分までの確定申告では、下記の3つの条件を満たすことで65万円の青色申告特別控除を受けられます。

  • (1)事業所得あるいは不動産所得を得ていること
  • (2)正規の簿記の原則(複式簿記)で記帳していること
  • (3)確定申告書に貸借対照表と損益計算書を添付し、期限内に確定申告していること
2020年分から

2020年分からの確定申告では、改正前に設けられていた3つの条件に加えて、電子申告または電子帳簿保存を行うことも条件となります。

  • (1)事業所得あるいは不動産所得を得ていること
  • (2)正規の簿記の原則(複式簿記)で記帳していること
  • (3)確定申告書に貸借対照表と損益計算書を添付し、期限内に確定申告していること
  • (4)電子申告(e-Taxによる確定申告)あるいは電子帳簿保存をしていること

2020年分からは、上記の4つの条件を満たすと65万円の青色申告特別控除が適用されますが、(1)(2)(3)の3つの条件を満たしている人の場合、55万円の青色申告特別控除が適用されます。

なお、65万円あるいは55万円の青色申告特別控除が適用されない青色申告者は、10万円の青色申告特別控除を受けることになります。

参照 : 国税庁「令和2年分の所得税確定申告から青色申告特別控除額 基礎控除額が変わります!!」

必要経費を漏れなく計上する

国民健康保険料や所得税、住民税を求める際、年収(総収入金額)から必要経費を差し引いて計算しました。

必要経費は、フリーランスとして業務を行う上で必要となる費用のこと。必要経費を漏れなく計上しないと、その分賦課基準額や課税所得が多くなり、支払う保険料・税額も増えることになります。

フリーランスエンジニアの必要経費として下記の例が挙げられるので、どのようなものがあるか確認しておきましょう。

  • 交通費 : クライアント先へ移動する際の電車代など
  • 通信費 : インターネット利用料や電話代、書類の郵送料など
  • 接待交際費 : 業務に関係する飲み会代など
  • 消耗品費 : 筆記用具、コピー用紙代など

交通費、通信費、接待交際費、消耗品費のいずれも、プライベートと業務の区別に気をつけて計上する必要があります。業務に関係のない費用を計上してしまうことがないよう、領収書を大切に保管する、通信費は利用時間を記録するといったことを心がけましょう。

関連記事 : 個人事業主の経費と税金|どこまでOK?経費にできる範囲を具体的に解説

税金や経費の仕組みを正しく理解しよう

フリーランスは、税金や経費の仕組みを正しく理解することで、手取りを増やせるケースもあります。作業に追われていると、税務や保険に関する対応はおろそかになりがちですが、よく理解しないままでいると、最終的には自分が損をすることになってしまいます。もし不安がある場合は、必要に応じて税理士など専門家の力を借りることも考えましょう。

関連記事 : フリーランスが納める税金の種類|計算方法と納税方法を解説

フリーランスの手取りに関するよくある質問

フリーランスの手取りに関するよくある質問と回答を以下にまとめました。

フリーランスの手取りを計算するときにどんな税金を差し引きますか?

フリーランスの手取りは、所得税、住民税、個人事業税、消費税などを収入から差し引いて計算します。差し引かれる税額の計算方法は税金の種類によって異なり、たとえば所得税は、収入から経費を引き、青色申告で確定申告をした場合はそこから青色申告特別控除を引き、さらに社会保険料控除や基礎控除などの所得控除を引いて、課税所得金額を求めます。その課税所得金額に所得税率を乗じて控除額を引けば、所得税額が算出できます。

フリーランスの手取りを計算するときにどんな保険料を差し引きますか?

フリーランスは基本的に国民年金と国民健康保険に加入することになるため、国民年金保険料と国民健康保険料を差し引いて手取りを計算します。国民健康保険料は前年の所得によって納める金額が変わりますが、国民年金保険料の金額は一律で、年度ごとに改定されます。2021年度の国民年金保険料は、毎月1万6610円です。

フリーランスエンジニアが手取りを増やすためにやるべきことは何ですか?

フリーランスエンジニアが手取りを増やす方法のひとつは、青色申告をすることです。青色申告の承認を受けるには、青色申告をしようとする年の3月15日(提出期限が土日・祝日に当たる場合は、これらの日の翌日)までに「青色申告承認申請書」を所轄の税務署に提出します。なお、その年の1月16日以降に新しく事業を開始した場合は、事業開始の事実があった日から2ヶ月以内が期限となります。複式簿記による記帳、e-Taxによる電子申告もしくは電子帳簿保存など、一定の要件を満たせば最大65万円の青色申告特別控除を受けられるのがメリットです。

参照 : 国税庁「[手続名]所得税の青色申告承認申請手続」

※本記事は2019年7月時点の情報を基に執筆し、2020年11月に加筆・修正を行いました。

最後に

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