個人事業主の利益とは?利益を上げるための経費・節税のポイント

個人事業主にとっての利益とは、収入から経費を差し引いた所得と同義のものと考えられます。個人事業主が利益を上げていくには、事業による収入を増やすことだけでなく、経費を削減していくことも重要になります。

また、個人事業主は基本的に利益のなかから税金や保険料を自分で納める必要があるため、手取りを増やすには青色申告をしたり、所得控除を活用したりして、節税に取り組むこともポイントになるでしょう。

ちなみに、個人事業主の経費について詳しく知りたい方はこちらの解説記事をチェックしてみてください。
個人事業主が経費に計上できるもの一覧|上限や裏技的な方法も紹介

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個人事業主の利益とは?

個人事業主にとっての利益とは、基本的に収入から必要経費を差し引いた「所得」と同義であると考えられます。

たとえば、一般的に「粗利」といわれる売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いた金額を指しますが、個人事業主の場合は、収入から事業に必要となった経費を引いた金額である所得が利益に該当するでしょう。

関連記事 : 個人事業主なら知っておきたい「財務諸表」の見方

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個人事業主が利益を上げるためのポイント

個人事業主が利益を上げるためのポイントとしては、主に事業による収入を増やすこと、経費を削減することの2点が挙げられます。

個人事業主の経費削減のポイント

個人事業主が経費として計上できるのは以下のようなものです。

  • 通信費
  • 広告宣伝費
  • 水道光熱費
  • 地代家賃
  • 旅費交通費
  • 接待交際費
  • 外注工賃
  • 荷造運賃
  • 消耗品費
  • 減価償却費

利益アップのためには、これらの経費を減らすことが大切です。たとえば、毎月支払う必要がある通信費、水道光熱費などは、プランを見直すと経費削減につながることがあります。

関連記事 : 個人事業主の経費と税金|どこまでOK?経費にできる範囲を具体的に解説

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個人事業主が利益から支払う税金・保険料

個人事業主は、原則として利益のなかから「所得税」「住民税」「個人事業税」「消費税」「国民健康保険料」「国民年金保険料」などを自分で支払うことになります。

所得税

所得税は、個人の所得に対してかかる税金です。個人事業主の場合、利益からさらに基礎控除などの所得控除を差し引いた課税所得金額をもとに税額が決まります。

住民税

住民税は、居住地のある自治体に納める税金です。「市区町村民税」と「都道府県民税」を合算したものが住民税となります。いずれも所得割と均等割によって構成され、所得割は前年の所得をもとに計算されます。

個人事業税

個人事業税は住民税と同じく地方税で、個人事業主として営んでいる事業が地方税法などで定められた全70種類の法定業種に該当する場合に課税される税金です。

国民健康保険料

国民健康保険料は、企業の健康保険などに加入せず国民健康保険に加入している人が支払う保険料です。個人事業主の多くは国民健康保険に加入し、前年の所得に応じた保険料を納めることになります。

国民年金保険料

国民年金保険料は、会社員の場合は会社と折半して納付しますが、厚生年金保険や共済組合などに加入していない国民年金第1号被保険者の個人事業主は、自分で全額を負担することになります。保険料は一律で、年度ごとに改定されます。

参照 : 「第1号被保険者」、「第3号被保険者」とは何ですか。|日本年金機構

関連記事 : 個人事業主が納める税金の種類|計算方法や税金総額のシミュレーションを紹介

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個人事業主の手取りサンプル

個人事業主の利益から税金や保険料を差し引いた手取り額のサンプルとして、レバテックフリーランスの案件ページにある収支シミュレーションをもとに、収入に対する手取り額の目安を紹介します。年収504万円(月単価42万円×12ヶ月分)の手取り例は以下のとおりです。

年収 504万円
所得税 12万1,404円
住民税 22万8,900円
国民年金 19万6,920円
国民健康保険 32万3,616円
手取り額 416万9,160円

※世田谷区在住/30歳 / 独身・扶養なし/国民年金加入/常駐型フリーランス/青色申告/月額経費10万円の場合

上記サンプルは、2020年2月時点の法令を基礎とした納税額の簡易計算です。上記の手取り額に経費代は含まれないものとします。算出ロジックは下記のとおりです。

【所得の算出方法】
(月額単価×12ヶ月)-(経費×12ヶ月)

【税・年金・保険額について】
年間所得額をもとにした所得税/住民税(世田谷区)/国民健康保険額です。

【消費税について】
前々年の課税売上高が1,000万円以下の場合として算出しています。

関連記事 : 個人事業主の年収|平均年収や会社員との手取り比較も

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個人事業主の節税のポイント

個人事業主は利益を上げたうえで、節税をすることが手取り額を増やすことにつながります。個人事業主の節税のポイントとしては、青色申告をすること、所得控除を活用することなどが挙げられます。

青色申告をする

個人事業主の節税で重要なのが「青色申告」です。最大65万円の「青色申告特別控除」や、個人事業に専従する家族などへの給与を経費として計上できる「青色事業専従者給与の特例」、赤字の繰越制度などの特典があり、「白色申告」と比べて節税効果が高い申告方法です。

所得控除を活用する

「医療費控除」「社会保険料控除」「生命保険料控除」などの所得控除を活用することも、個人事業主の節税につながる大きなポイントです。小規模企業共済、iDeCo(個人型確定拠出年金)などを活用すると、個人事業主として老後資金の対策ができるだけでなく、掛け金が所得控除の対象になるため節税面でメリットがあります。
 
関連記事 : フリーランス(個人事業主)のための賢い節税対策入門

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個人事業主の利益に関するよくある質問

ここでは、個人事業主の利益に関するよくある質問に答えていきます。

Q. 節税のポイントについて詳しく教えてください。

節税のポイントとしては、経費を適正に計上することや所得控除を活用すること、青色申告を利用することなどがあります。

Q. 個人事業主が経費として計上できる項目には、具体的にどのようなものがありますか?

個人事業主が経費として計上できる項目には、広告宣伝費、賃金給与、家賃・賃料、通信費、交通費、雑費・消耗品費などがあります。ただし、事業とは関係のない支出は経費として計上できません。

Q. 青色申告を利用することで、具体的にどのような税制上のメリットがありますか?

青色申告を利用することで、10万円または65万円の特別控除を受けられます。また、赤字を3年間繰り越せる制度や家族への給与を経費に計上できるといったメリットがあります。

Q. 個人事業税は、具体的にどのような業種が対象となりますか?

個人事業税の対象となる業種には、物品販売業、飲食店業、保険業、不動産売買業、医業、水産業などが含まれます。

Q. 国民年金第1号被保険者と第3号被保険者はどのような人が該当しますか?

第1号被保険者は、国内に住んでいる20歳以上60歳未満の自営業者や農業者、学生などが該当します。第3号被保険者は、第2号被保険者に扶養されている配偶者が該当します。

※本記事は2020年12月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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