セキュリティエンジニアになるための勉強方法|未経験から目指すのに必要な知識は?

セキュリティエンジニアとは、ITのセキュリティ確保を担当するエンジニアです。セキュリティに配慮したシステム設計や運用を行う必要があり、サイバー攻撃を防ぐための調査や対策などの業務も担当します。セキュリティ知識に加えてネットワークやセキュアプログラミングなどの知識も必要となりますが、未経験から独学で目指すことも可能です。

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セキュリティエンジニアになるための勉強方法

セキュリティエンジニアは、作業によりインフラに関する知識やプログラミングの知識などが必要になることがあります。よってサーバー、ネットワークの知識やプログラミングを理解しているセキュリティエンジニアは、価値が高まる傾向にあります。

未経験からセキュリティエンジニアを目指す場合、経験者よりも不利な状況からのスタートになります。業務経験がない未経験者からセキュリティエンジニアになるには、事前学習が効果的です。

セキュリティエンジニアになるための勉強方法にはさまざまなものがありますが、代表的な例として以下が挙げられます。

  • Webサイトで独学する
  • 未経験者・初心者向けの本で独学する
  • 大学で勉強する
  • スクールを利用する
  • 勉強会に参加する
  • 資格取得に向けて勉強する

必ずすべての方法で学習する必要はなく、自身に合う勉強方法を選択することが大切です。どの方法がよいか判断できるよう、次項からそれぞれの方法について詳しく解説します。

Webサイトで独学する

Webサイトでの学習は、Web上にある情報を読みながら覚えるものや、実際に手を動かしながら学習するものなどさまざまです。情報が古い場合もあるため、信頼性の高いサイトを利用するようにしましょう。

また、セキュリティエンジニア向けの学習をしていると、サーバーやネットワークに関する用語が登場することもあります。IT業界が未経験の場合は、まずはITエンジニア向けの基礎学習を進めるとよいでしょう。

未経験者・初心者向けの本で独学する

Webサイトを利用するほかに、参考書で独学する方法もあります。自身のペースで学習できる点がメリットとして挙げられます。本を見ながらPC画面で手を動かすことができるのも、本での学習のメリットです。

参考書で学習する場合の注意点としては、できる限り最新バージョンのもので学習する点が挙げられます。同じ著者の本でもバージョン管理されているものがあり、古いバージョンで学習すると古い知識が身についてしまいます。目的があって古いバージョンの参考書で学習するのは問題ないですが、そういった特別な理由がない限りは新しいものを利用しましょう。

セキュリティエンジニア向けの学習本を2冊紹介します。

セキュリティエンジニアの教科書

『セキュリティエンジニアの教科書』(日本ビジネスシステムズ株式会社 セキュアデザインセンター=著、C&R研究所)は、対象が未経験から3年未満といった初心者エンジニアのため、セキュリティエンジニアとは何か、などの概要がつかみやすい本になっています。セキュリティエンジニアの業務内容などが網羅的に記載されている本です。

※参考 : セキュリティエンジニアの教科書|株式会社 C&R研究所

情報処理教科書 情報処理安全確保支援士 2021年版

『情報処理教科書 情報処理安全確保支援士 2021年版』(上原 孝之=著、翔泳社)は、国家資格の「情報処理安全確保支援士」に関連する参考書ですが、セキュリティの知識を幅広く身につけることができるため、資格を受験しない場合でも役立つ本です。情報処理安全確保支援士の資格を取得すると、セキュリティエンジニアとしての価値を高められる可能性があることから、知識の習得以外にも転職向け対策になり得ます。

※参考 : 情報処理教科書 情報処理安全確保支援士 2021年版(上原 孝之)|翔泳社の本

大学で勉強する

大学を卒業することは、セキュリティエンジニアになるために必須ではありません。理工学部や情報系の大学でなく文系を専攻していたとしても、セキュリティエンジニアになることは可能です。しかし、専攻が理工学部や情報系の場合、セキュリティエンジニアに必要な知識の一部を授業で学ぶことができます。

厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET)によると、「情報セキュリティ技術者」を含む「セキュリティエキスパート(オペレーション)」は「入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、大卒以上で、専攻は理工学部の情報系や社会情報系が多い」「セキュリティ専門の学科等を設ける大学も増えてきている」という説明があります。理系や情報系の大学を卒業しておけば、就職や転職の際に有利に働くこともあるでしょう。

※参考 : 厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET)「セキュリティエキスパート(オペレーション)」

また、大学での学習は、分からない部分は講師やほかの生徒に聞くことができるというのがメリットです。特に基礎の知識に関しては繰り返し講義で触れられることもあるため、分からない部分は放置せず、しっかりと復習する姿勢が大切です。

一方で、大学での学習は主に講義のため、自分のペースで学習しにくいという懸念もあります。将来的にセキュリティエンジニアになることを志しているのであれば、受け身にならず、積極的に学ぶようにするとよいでしょう。

スクールを利用する

スクールでは、講師と1対1で学習する形式や、複数人のグループで学習する形式があります。オンラインで受講することも可能なため、移動時間を省きたいという人はオンラインという選択肢もあります。

メリットとしては、分からないことを講師に確認できることが挙げられます。分からないまま挫折してしまう可能性が低くなるので、すぐ諦めてしまいがちという人にもおすすめの学習方法です。

また、講師にもよりますが、実際の業務向けの技術や手法を学ぶことができるという点もメリットとして挙げられます。講師が元エンジニア職の場合「業務ではこのように利用される」といった情報を得ることができるでしょう。

スクールの形式は多種多様なため、「自身が学びたい技術を取り扱っているか」「受講する難易度は適切か」などをよく確認し、選択するようにしましょう。

勉強会に参加する

勉強会とは、セミナーやイベントなども含まれる勉強方法で、あらかじめ発表されているテーマについて登壇者が解説してくれます。講義の形式以外でも、実際に手を動かしながらハンズオンのような形式で学ぶ勉強会もあります。

テーマについて事前に調べるなど予習することでより深く学ぶことができますが、何も学習していなくても参加可能な勉強会が一般的です。

勉強会は基本的に不定期開催となることから、この勉強方法だけで自己学習を完結させることは難しいかもしれません。

ほかの学習方法と併せて取り入れることで、より効果を発揮する可能性があります。新しい技術に触れられることや、参加者のモチベーションに影響されて勉強する意欲がかき立てられることなどがメリットとして挙げられるでしょう。

内容が自身のレベルと合っているものを選択することで、効率的に知識を理解できます。背伸びして難しすぎる内容に手を出すと有益にならない可能性もあるため、事前のテーマや参加者のレベルなど確認しておきましょう。

資格取得に向けて勉強する

資格取得に向けた学習方法には、参考書や開催されている講義の受講などさまざまな方法があります。過去問題を解いて学ぶというのは、資格試験特有の学習方法です。

資格取得の学習を通してセキュリティと関連知識を一から体系的に学ぶことができるので、基礎からしっかり学びたいという人に向いています。

また、資格を取得することで、転職活動が有利に進められる可能性があります。独学で学習する場合は、モチベーションを失わないように学習計画を立てましょう。いつまでに資格を取得するかというゴールを明確にすることで、継続して取り組むことができます。

セキュリティエンジニア向けの資格はさまざまですが、代表的な資格としては以下のようなものが挙げられます。

  • 情報セキュリティマネジメント試験
  • 情報処理安全確保支援士
  • シスコ(Cisco)技術者認定
  • CompTIA Security+
  • LinuCレベル3 Security
  • AWS認定セキュリティ専門知識

セキュリティに特化した試験もありますが、中にはネットワークやサーバーの知識を得られる試験も含まれています。

情報セキュリティマネジメント試験

「情報セキュリティマネジメント試験」はIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する試験で、平成28年度春期から試験が開始されています。業務で個人情報を取り扱うすべての方におすすめの資格試験です。

サイバー攻撃手法などの情報セキュリティ全般に関する知識から、ネットワークやデータベースに関する知識まで、さまざまな問題が出題されます。

試験は午前と午後に分かれており、特に午後の試験では実務を意識したケーススタディ形式の問題があるので、実務にも役立てることができます。

※参考 : IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 : 制度の概要 : 情報セキュリティマネジメント試験

情報処理安全確保支援士

「情報処理安全確保支援士」もIPA(独立行政法人情報処理推進機構)の資格です。資格学習を通じてサイバーセキュリティリスクの分析・評価や、情報システムの安全を確保することができるようになるため、セキュリティエンジニアを目指す人におすすめの資格試験となっています。

出題範囲としては、情報セキュリティマネジメントに関する問題や、情報システムの企画・設計・開発・運用を行う上でのセキュリティ確保に関連する問題などがあります。

春期と秋期の年2回の受験が可能で、試験は午前と午後に分かれており、それぞれの対策学習を行う必要があるでしょう。

※参考 : IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 : 制度の概要 : 情報処理安全確保支援士試験

シスコ(Cisco)技術者認定

シスコ(Cisco)技術者認定は、シスコシステムズ社が主催している、ネットワークエンジニアの技能を認定する世界共通基準の資格です。

資格区分はエントリー、アソシエイト、プロフェッショナル、エキスパートに分かれていますが、初心者の場合はアソシエイトレベルの「CCNA」など難易度が低めの試験から受験することをおすすめします。

CCNAではネットワークエンジニアとしての基礎知識を学習することができます。特にシスコ製品の扱いがある企業で役に立つでしょう。

さらに上位資格のCCNP、CCIEなどを取得することで、ネットワークやサーバーに関する知識を深めることが可能です。

※参考 : シスコ技術者認定 - トレーニング & 認定 - Cisco

CompTIA Security+

「CompTIA Security+」は、米国シカゴで発足した非営利のIT業界団体のCompTIAが主催する資格です。国際的に認知された資格のため、グローバルな企業でも通用する知識を学べます。

アプリケーション、ネットワーク、デバイスなどのセキュリティ確保についての知識を深めることが可能です。

習得できるものとしては、必要なシステムのインストールや設定、プラットフォームへの脅威に対する分析や対応、関連ポリシーや法規制を正しく認識した運用を行うために必要な知識・スキルなどが挙げられます。

※参考 : CompTIA Security+ | CORE|CompTIA JAPAN (コンプティア 日本支局)

LinuCレベル3 Security

「LinuCレベル3 Security」は、LPI-JAPANが主催する資格です。LinuCはレベルごとに分けられており、レベル3の合格認定のためには、レベル1とレベル2の合格が必要です。そのため、まずはレベル1から受験しましょう。

レベル3のSecurityの試験は、Linuxを利用したエンタープライズレベルの大規模システム構築やコンサルティングが可能なスキルの証明になります。

※参考 : LinuCレベル3 303 Security 試験概要 | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan

AWS認定セキュリティ – 専門知識

「AWS認定セキュリティ – 専門知識」は、AWS認定資格のひとつです。AWSとはAmazonのクラウドサービスで、この試験を通してクラウドを利用したセキュリティに特化した内容を学習することができます。

AWSが提供するセキュリティに関するサービスの紹介や、データ保護のメカニズムなどが出題範囲に含まれています。

この資格を取得することで、AWSを利用したシステムの設計・構築・運用保守作業といった仕事に役立つでしょう。

※参考 : AWS認定セキュリティ – 専門知識

セキュリティエンジニアの仕事事情について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
セキュリティエンジニアとは?仕事内容やフリーランス事情を解説

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セキュリティエンジニアになるために必要な知識

セキュリティエンジニアが取り扱う技術は幅広く、新しい技術が登場することもあるので、一概にこれだけを学習しておけばよいというのはありません。常に学び続けることが大切ですが、ここではセキュリティエンジニアになるための必要な知識の例について、5つほど紹介します。

  • 取り扱うシステムの知識
  • サイバー攻撃手法の知識
  • セキュアプログラミングの知識
  • ネットワークの知識
  • 法令・規格の知識

取り扱うシステムの知識

システムによって、導入されているソフトやツールは異なります。そのシステムに合ったセキュリティ対策を講じる必要があることから、システムに関する知識は持っておく必要があるでしょう。

上記のようなシステムの構成はもちろん、業界、システムの規模、どれくらいの利用者がいるかなどの情報も必要になります。

たとえば、役所や銀行などの場合、取り扱う個人情報の機密性が高いことから、厳重なセキュリティ対策が必要です。反対に氏名や住所などの情報を扱わないシステムの場合は、対策する項目が比較的少なくなることから、セキュリティ対策における機密性は低くなる傾向があります。

このように、システムごとの分析を行うことで、より適切なセキュリティ管理や運用が可能となるでしょう。

サイバー攻撃手法の知識

セキュリティエンジニアの主な業務は、情報セキュリティの知識にもとづいたシステムの設計や運用ですが、未然にサイバー攻撃を防ぐような対策も行う必要があります。また、対策が破られてしまった場合、どこで破られたのかなどの調査を行うこともあるでしょう。

セキュリティリスクに関する修正は、影響が大きい場合は基本的に緊急での対応が求められます。その場合は調べながら作業するのでは間に合わないこともあり、スムーズにトラブル対応を行うには前もって学習しておく必要があります。

近年のサーバー関連業務は、より高度化したサイバー攻撃への対応が求められます。セキュリティエンジニアは企業にとって不可欠な役割となっているため、サイバー攻撃の対処法を知っておく必要があります。

セキュアプログラミングの知識

セキュアプログラミングとは、システムやアプリケーションの脆弱性を事前に排除することにより、情報漏洩や乗っ取りなどの予期しない動作を防ぐためのプログラミング手法です。

代表的な脆弱性としては、クロスサイトスクリプティング、セッションの乗っ取り、SQLインジェクションなどがありますが、それぞれセキュアプログラミングを行うことで対策が可能です。

対策の基本的な考え方は共通となっていることもありますが、プログラミング言語により対策コーディングは異なります。すべてのプログラミング言語を習得する必要はありませんが、脆弱性の事象とどのような対策を行うのかについての知識を習得する必要があるでしょう。

ネットワークの知識

ネットワークやシステムを外部の攻撃から守るため、ネットワークについての知識を学んでおくことは重要です。ネットワークの知識を理解しておくことにより、要所にセキュリティ対策を敷くことができるようになります。

ネットワークエンジニアがいる現場の場合、コミュニケーションを取る機会が増えます。その場合、ネットワークの知識を持っていることで、ネットワーク関連の相談や提案などがしやすくなり、業務を効率よく進められるようになります。

法令・規格の知識

法令や規格に関する知識は常にアップデートされることから、継続的な情報収集を行うことが大切です。

インターネットが普及してからというもの、ITに関する法改正は適宜行われてきました。担当するシステムについても、システムを安全に運用するためには法改正に合わせてシステムをチューニングする必要があります。

不正アクセス、個人情報の保護、プライバシーマークについての法令など、企業に所属した際には触れることが多い傾向があるので、こういった用語に関する理解を深めるとよいでしょう。

関連記事 : セキュリティエンジニアの資格

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セキュリティエンジニアの勉強方法に関するよくある質問

ここでは、セキュリティエンジニアの勉強方法に関するよくある質問に答えていきます。

Q. セキュリティエンジニアには、どのようなスキルが求められますか? 

セキュリティエンジニアには、情報セキュリティに関する知識、暗号化や認証技術に関する知識、プログラミングスキルやネットワークの知識が求められます。 

Q. フリーランスや個人事業主にとって、セキュリティエンジニア向けの資格を取得することのメリットは何ですか?

フリーランスや個人事業主がセキュリティエンジニア向けの資格を取得することで、クライアントにスキルをアピールでき、仕事の幅が広がるため、報酬アップに繋がることがあります。

Q. セキュリティエンジニアには、どのようなキャリアパスがありますか?

セキュリティエンジニアのキャリアパスには、セキュリティアナリスト、セキュリティアーキテクト、セキュリティコンサルタントなどの職種があります。

Q. 情報セキュリティマネジメント試験に合格するためには、どのくらいの学習時間が必要ですか?

個人の学習ペースによって異なりますが、約200時間程度の学習時間が必要です。

Q. セキュリティエンジニアのスキルアップのために、どのような取り組みが必要ですか?

スキルアップのためには、資格取得、最新の技術トレンドの把握、勉強会への参加、実務経験の積み重ねが必要です。

最後に

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