パートナー契約とは?フリーランスの企業選びや書類作成ポイント | レバテックフリーランス
パートナー契約とは?フリーランスの企業選びや書類作成ポイント
パートナー契約について、実は詳しく知らないフリーランスの方もいるのではないでしょうか。
本記事では、パートナー契約の概要や種類、契約時の注意点などについて解説しています。個人、法人それぞれとパートナー契約を結ぶ際のメリット・デメリットについても紹介しているため、パートナーを選ぶ際はぜひ参考にしてみてください。
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■この記事の監修
岡元 拓都
高卒自衛官から独学でITエンジニアで転職。
入社した会社で1か月目に資格修得Javaを使ったシステム開発に参画。その後web制作に興味を持ち、会社員時代に営業を行い半フリーランスとして活動。2年後に独立しweb制作を中心に活動。
調理師→自衛官→IT企業勤務→フリーランス。 業種問わず全力投球する道産子です。web制作/ライター/動画編集/動画作成さまざまな分野に手を出しています。
目次
パートナー契約とは
パートナー契約とは、個人同士または個人と法人、法人同士がパートナーシップを交わし、2人以上で連携してプロジェクトを進める契約のことです。パートナー契約は事業やプロジェクトの規模を問わずに結ばれ、契約を結んだ両者は業務をサポートし合う関係になります。
パートナー契約はシステム開発の現場でよく見られます。その理由は、自社で使う業務用システムを開発できない会社が、パートナーを求めることがあるからです。自社でシステムを開発するノウハウを持たない企業にとって、開発を任せるパートナーは重要です。そこで一定のスキルや開発ノウハウを持つフリーランスエンジニアのニーズが生まれます。
なお、副業で個人事業主になることを検討している方にはこちらの関連記事もおすすめです。
会社員が副業するなら個人事業主に!おすすめする理由や確定申告などを解説
フリーランスが結ぶパートナー契約の種類
フリーランスのエンジニアが結ぶパートナー契約には、「準委任契約」と「請負契約」があります。以下では、それぞれの特徴について見ていきましょう。
準委任契約
準委任契約では、依頼された業務を履行すれば報酬が支払われることになっており、依頼主が希望する結果が達成できなかったとしても、契約違反とはみなされません。
また、作業時間や期間に対して報酬が支払われるので、無理なく働きやすいのが特徴です。
請負契約
一方、請負契約は「仕事の完成」を約束するものであり、目的を達成すること(成果物がある場合は引き渡しを行うこと)ではじめて報酬が発生します。
働く時間に関する指定はないため、自分が得意な分野であれば短期間で報酬が得られ高収入につながるメリットがあります。ただ、時間がかかると時給換算した場合の収入が極端に低くなる場合もあるので注意が必要です。
また、請負契約の場合、契約不適合責任を負います。契約不適合責任とは、完成物に不具合が生じた場合、その不具合が契約不適合だった際に生じる責任です。一定期間内に不備を修正できなければ損害賠償を求められることもあるため、トラブルにならないよう、よく理解を深めておきましょう。
このように、契約の種類によって報酬が発生する条件や働き方は異なります。パートナー契約を結ぶ際は必ず契約内容を確認するようにしてください。
フリーランスが結ぶ契約の種類や契約締結時の注意点については、以下の記事でも詳しく説明しています。
フリーランスと業務委託契約の違いは?トラブル防止のコツも紹介
フリーランスがパートナー契約を結ぶ意義
フリーランスは、特定の企業や団体に所属せず、案件ごとに契約を結ぶ働き方をします。会社員に比べて働く時間や作業場所などに融通がききますが、下記のような悩みを抱えるフリーランスの方は多いようです。
- 収入が不安定で将来の生活が心配
- 継続して案件を受注できるか不安
- 日々の業務に精一杯で、営業活動が思うように進まない
- 経理業務が苦手で後回しにしがち
会社員は基本的に一定の収入が保障されていますが、フリーランスは自身の営業活動や受注する案件によって報酬や状況が変わります。
不安を抱きながらの業務はモチベーション低下につながるため、何らかの改善策をとることが必要です。上記のような不安を解消したい方は、パートナー契約を検討してみるのも良いでしょう。
パートナーシップ契約を結ぶことで得られる効果や注意点については、以下の記事でも紹介しています。
フリーランスがパートナーシップ契約を結ぶメリット・デメリットとは?
システム開発におけるパートナー企業の種類と特徴
ここでは、フリーランスのITエンジニアがパートナー契約を結ぶ企業の例と、それぞれの特徴をご紹介します。
- メーカーと契約を結ぶ場合
- 独立系企業と契約を結ぶ場合
企業ごとの特徴を理解し、自分が希望する働き方ができる企業を見つけましょう。
メーカーと契約を結ぶ場合
多くの場合、メーカーは元請けとして案件を依頼します。大手電機メーカーや通信事業者など、日頃生活する中でよく耳にする企業が多いでしょう。小さな開発から最先端技術に携わる開発まで案件は多種多様で、報酬も高い傾向にあるのが特徴です。
一度信頼を得られれば、継続して案件を受注しやすいのがメーカー企業とパートナー契約を結ぶメリットです。個人では請け負えない案件に参画できる機会もあり、別の個人・法人と契約を結ぶ場合にも、アピールできる実績を積めるでしょう。
独立系企業と契約を結ぶ場合
独立系企業は親会社を持たず、独自のシステム開発を行う中小企業のことです。下請け・元請け両方の開発を行う企業も少なくありません。独立系は特定の領域に特化した技術を持っていることもあり、参画するプロジェクトを通して新しいスキルを身につけられるのがメリットです。
独立系企業の詳細について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
独立系IT企業とは?特徴や働くメリットをエンジニアが解説
パートナー契約を結ぶ相手の選び方
パートナーシップ契約を締結する際は、企業規模や事業・開発内容だけにとらわれず、以下のように自分が希望するキャリアや身につけたいスキルによって案件を選ぶことが大切です。
- プログラミングスキルを磨きたいなら2次請け案件
- リーダー経験を積みたいならチームで開発をする案件
- 事業の成長を感じたいなら新規プロジェクト
それぞれ詳しく解説していきます。
プログラミングスキルを磨きたいなら2次請け案件
これからプログラミングスキルを磨いていきたい場合は、2次請けや3次請けなどプログラミング業務が多い案件の依頼を出している個人・法人をパートナーに選びましょう。
フリーランスとして駆け出しの場合、2次請け・3次請けの案件で十分なスキルを身につけてから、より上流の開発案件にチャレンジするのも一つの手です。
リーダー経験を積みたいならチームで開発をする案件
リーダーとしてのキャリアやマネジメント経験を積みたい場合、チームで連携した開発を行っている案件を選びましょう。
事業の成長を感じたいなら新規プロジェクト
会社や事業が成長する過程に関わりスキルアップしたいなら、新規プロジェクトの立ち上げが盛んな企業とパートナー契約を結びましょう。小さなプロジェクトの初期段階から参画すると、一つの事業が拡大していく過程を間近で体験でき、自らの成長にもつながります。
ただ、新規プロジェクトに関わりたい場合、ある程度のスキルが必要です。まだ経験が不十分だと感じる方は、以下の記事を参考にしてください。
スキル不足でフリーランスエンジニアになったら?失敗例や必要なスキル
パートナー契約を結ぶメリット・デメリット
パートナー契約は個人と結ぶ場合もあれば、法人と結ぶ場合もあります。
ここからは、個人・法人と契約を交わすそれぞれのメリット・デメリットを解説するので、これからパートナーを探す際の参考にしてください。
個人とパートナー契約を結ぶ場合
個人とパートナー契約を結ぶメリット・デメリットを紹介します。
メリット
個人とパートナー契約を結ぶメリットは以下のとおりです。
- 発注者とうまく連携できれば受注量や納期の調整がしやすい
- 親しいフリーランス仲間なら業務に関する悩みを相談できる
- 個人間で情報共有するのでお互いにスキルを把握しやすい
- 異なるスキルを持つ人と連携すると受注する案件の幅を広げられる
個人とのパートナー契約には、契約後の調整がしやすく気軽に悩みを相談しやすい面があります。パートナーとの信頼関係が築ければ、より多くのメリットを享受できるでしょう。
デメリット
一方で、個人間のパートナー契約のデメリットは、以下のとおりです。
パートナー契約を結ぶ際にルールが生まれ、1人で活動するより自由度が低くなる
個人で受注できる案件は限られているので、法人と比べると案件の選択肢が少ない
営業を任せにすると、相手のパフォーマンスによって受注量や収入が変わる
パートナーのミスによってクライアントとの信頼関係に支障をきたすことがある
個人間での契約は、案件の選択肢が限られてしまうのがデメリットです。案件の受注や報酬の支払い関連のトラブルが生じる心配もゼロではないため、親しい人とパートナー契約を結ぶ際でもお互いにルールを明確にすることが大切です。
法人とパートナー契約を結ぶ場合
次に、法人とパートナー契約を結ぶメリット・デメリットを紹介します。
メリット
法人とパートナーシップを結ぶ場合は、以下のメリットがあります。
- 案件が豊富な法人であれば安定して受注できる
- 個人では出会えなかった案件を受注できる可能性がある
- 営業活動や経理業務を一定の知識、経験のある人に任せて日々の業務を効率化できる
法人を相手とするパートナー契約は、報酬のトラブル発生率が低く安定した案件があること、個人では参画するのが難しい開発に携われるチャンスがあることが魅力です。
デメリット
一方、法人の場合は以下のようなデメリットが挙げられます。
- 親交のある個人の発注者に比べると納期などの調整が難しい
- 案件の発注者と対面での情報共有が難しい場合、認識違いが起きやすい
法人とのパートナー契約は、個人と比べて融通が利きにくいことや、状況によって意思疎通がうまくいかないリスクが高いことがデメリットです。
このように、パートナー契約は個人、法人と結ぶ場合でそれぞれメリット・デメリットがあります。自分が希望する働き方や取り組みたい案件を考えたうえで、パートナー契約を結ぶ相手を選びましょう。
これからフリーランスのエンジニアを目指す方は、フリーランスの働き方や案件の探し方についても知っておく必要があります。以下の記事もぜひ参考にしてください。
フリーランスとは?仕事内容や職種の一覧・必要な準備について解説
パートナー契約を結ぶ際に書類で確認すべきポイント
パートナーシップ締結時には書類を作成するのが基本です。ここでは、特にチェックするべき項目を紹介していきます。
- 契約期間
- 報酬
- 契約の種類
契約を結ぶ際は、この3つを必ず確認するようにしてください。
契約期間
携わる案件の業務内容はもちろん、プロジェクトの期間と自分自身の契約期間についてはしっかり把握しておきましょう。
特に、契約が自動更新か否かはチェックしたいポイントです。自動更新の場合、参画後に作業内容が合わないと感じたり、報酬に納得できないと感じたりしても、途中で放棄するのは難しくなります。
その場合の対策として、契約期間については、あらかじめ期間の変更や途中解除に関する条件を定めておくと安心です。自動更新ではなく契約期間が長い場合も、家庭の事情などによって参画が難しくなる可能性はゼロではありません。そのため、自動更新でない場合でも同様の対策を行うのが賢明です。
報酬
報酬に関しては、パートナーにより「月単位」「日単位」「時間単位」「業務内容」など設定されている単位が異なります。想定以上に報酬が得られなかった場合はトラブルにつながりますし、その後の信頼関係にも影響を及ぼしかねません。
報酬のトラブルを防ぐには、自分の作業範囲を明確にし、必要に応じて業務や期間ごとの細かな単価を契約書に記載しておきましょう。
契約の種類
前述したように、パートナー契約には主に「準委任契約」と「請負契約」の2種類があります。どちらの契約が良いかは本人のスキルやスケジュール管理能力によるところが大きいため、自分の状況を踏まえて慎重な判断を行いましょう。
契約期間や報酬、契約の種類に納得がいかなかった場合、書類が作成された段階では、まだ相談の余地があります。書類に署名・捺印してしまうと契約成立に至ってしまうため、その前に十分な確認を行いましょう。疑問がある場合は、一度書類を持ち帰って落ち着いて確認することも必要です。
パートナー契約に関するよくある質問
ここでは、パートナー契約に関するよくある質問に答えていきます。
Q. フリーランスがパートナー契約を結ぶ際に注意すべきポイントはありますか?
フリーランスがパートナー契約を結ぶ際には、契約の期間や範囲、報酬の明確化、契約解除条件などに注意が必要です。
Q. フリーランスがパートナー契約を結ぶ相手を選ぶ際のポイントはありますか?
自分が希望するキャリアや身につけたいスキル、収入などによってパートナー企業との相性を考慮することが大切です。
Q. フリーランスがパートナー契約を結ぶ際にはどのようなトラブルに注意すべきですか?
支払い遅延や業務の追加、契約の打ち切り、知的財産権に関するトラブルなどがありますので、契約書の明確な内容を確認する必要があります。
Q. 準委任契約のメリットとデメリットは何ですか?
準委任契約のメリットは、報酬をリスクなく得られることや、柔軟な仕事のスケジュールが挙げられますが、契約解除のリスクが高いというデメリットがあります。
Q. 請負契約のメリットとデメリットは何ですか?
請負契約は作業に関して自由度が高く、効率的に行えば短期間で報酬が得られるというメリットがありますが、何度も修正を求められたり、時間がかかると時給換算した場合の収入が極端に低くなる場合もあるというデメリットもあります。
※本記事は2024年1月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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