インフラエンジニアが独立する5ステップ。案件獲得に必要なスキルは?具体的に解説 | レバテックフリーランス
インフラエンジニアが独立する5ステップ。案件獲得に必要なスキルは?具体的に解説
- 独立後のフリーランスエンジニアの働き方や案件の種類
- インフラエンジニアの独立に必要なスキルや準備
- 独立までのステップと独立後に年収アップする方法
インフラエンジニアの独立成功には、事前の準備が欠かせません。あらかじめ副業で経験を積んだり、案件の獲得方法を把握したりすれば、独立後の成功率を高められます。
この記事では、独立までの5つのステップやフリーランスのインフラエンジニアの働き方、案件の傾向・探し方を解説します。
なお、そもそものインフラエンジニアの仕事について知りたいという方は「【エンジニアのプロ監修】インフラエンジニアとは?仕事内容や年収・必要スキル・資格などを徹底解説」の記事でおさらいしておきましょう。
レバテックフリーランスはITエンジニア専門の
フリーランスエージェントです案件を探してみる
目次
フリーランスインフラエンジニアの働き方と仕事内容、案件の傾向
インフラエンジニアとして独立を目指すには、独立後の働き方や仕事内容、案件の種類を事前に把握すべきです。独立後の具体的な働き方を知っておけば、理想の実現に近づきます。
そこで、インフラエンジニアの独立後の働き方と仕事内容を紹介します。フリーランスといっても案件によって働き方が異なるので、自分がどんな働き方をしたいか考える参考にしてください。
フリーランスインフラエンジニアの働き方
フリーランスとして独立したインフラエンジニアの主な働き方は、「客先常駐」と「在宅勤務・リモートワーク」の2つです。従来のインフラエンジニアの仕事は、客先に設置されたネットワーク機器などの運用が多く、現場に常駐する働き方が一般的でした。
近年はクラウドサービスが増えた影響で、リモートワークが可能な案件も見つかりやすくなっています。フリーランスインフラエンジニアとして働くイメージをつかむため、それぞれの具体的な働き方を確認していきましょう。
客先常駐
客先常駐は、クライアントのオフィスに常駐し、現場で作業をする働き方です。
客先常駐のメリットは、現場で多くのエンジニアと関われ、会議や質問の機会を通じてコミュニケーションが取りやすいことです。デメリットとしては、関係者の多くが「お客さま」という環境となるため、人間関係の面で気疲れしやすいことが挙げられます。
しかし、積極的にコミュニケーションをとり、緊張を緩和できれば、デメリットはメリットに変わる可能性もあります。フリーランスエンジニアとしての人脈づくりの面から、客先で働くことを好む人もいるでしょう。
次のような人は、客先常駐の働き方が向いている可能性が高いです。
- 現場で多くのエンジニアと関わっていきたい方
- 対面のほうがコミュニケーションがとりやすい方
在宅勤務・リモートワーク
在宅勤務・リモートワークは、自宅や好きな場所で作業できる働き方です。自由度の高い働き方ですが、インフラエンジニアの場合はセキュリティ環境に十分な注意を払う必要があります。
また、フリーランスインフラエンジニアは仕事の性質上、完全在宅勤務(フルリモートワーク)の案件は多くありません。
「ミーティングの日には出勤する」「週◯日は現場に行く」といった案件が多い傾向です。トラブル対応で現場に行くときもあるでしょう。インフラエンジニアの在宅勤務・リモートワークについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
インフラエンジニアの在宅勤務・リモートワークが可能な求人案件はある?
フリーランスインフラエンジニアの仕事内容
フリーランスエンジニアの仕事内容は、会社員の場合と大きく変わりません。主に、ネットワークやサーバーの設計・構築・運用を行います。
設計 | 顧客の要望を聞き取り必要な機器やサービスを選定 |
---|---|
構築 | 設計書にもとづくネットワーク機器の調達や設置 / 初期設定やソフトウェアのインストール |
運用・保守 | 構築したインフラが正常に稼働するように定期的なメンテナンスを行う / トラブル発生時の対応 |
インフラエンジニアの詳しい仕事内容を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
インフラエンジニアの仕事内容|必要なスキル・資格、求人・案件例を紹介
フリーランスインフラエンジニアの案件の傾向
インフラエンジニアはネットワークやサーバーに関連する機器を扱うため、客先常駐案件が多い傾向です。ただ、サーバーをクラウド環境に移行しているクライアントの案件は、リモートワークでも対応できます。
最近はクラウドサービスが主流になりつつあるため、オンプレミスで運用しているサーバーをクラウドへ移行する案件が増加中です。
業務範囲としては、設計から構築、運用・保守という一連の流れを担当する場合もあれば、運用・保守のみの案件も存在します。運用・保守案件は設計や構築と比べると難易度が低く、駆け出しのフリーランスにおすすめです。
インフラエンジニアの一般的なキャリアパス
フリーランスエンジニアになるには、まずは会社員エンジニアとして経験を積むのが一般的です。インフラ系の企業でインフラの設計や構築、保守・運用の工程を経験し、インフラエンジニアとしてのスキルを磨きます。
ある程度スキルを磨いたら、その後はマネージャーやスペシャリスト、コンサルタントを目指すのが一般的なキャリアパスです。将来の方向性を考えるためにも、それぞれ確認していきましょう。
チームをまとめたい人は「マネージャー」
チームを牽引するリーダーとして活躍したい人には、マネージャーが向いています。マネージャーは、プロジェクトに参加する複数のエンジニアを取りまとめ、インフラ構築を成功に導きます。また、プロジェクトが円滑に進むようにスケジュール管理を行うのも仕事です。
マネージャーになるには、関係者とやり取りするコミュニケーション能力やリーダシップが求められます。
技術を極めたい人は「スペシャリスト」
インフラエンジニアとして技術を磨き続けたい人には、スペシャリストがおすすめです。
スペシャリストはマネージャーのように管理業務を行うのではなく、あくまでもエンジニアとして技術力の向上を目指します。
スペシャリストには、仮想化技術といった高度な専門性を身につけ、難しい案件をこなす力が必要です。また、最新の技術情報を収集し、どの技術を身につけるべきかを見極めるセンスも求められるでしょう。
課題解決に興味がある人は「ITコンサルタント」
インフラ構築で培った知識を活かしてアドバイザーとして活躍したい人は、ITコンサルタントに向いています。ITコンサルタントとは、ITを活用して企業の課題を解決する専門家です。
ITコンサルタントになるには、インフラに限らず一般的なIT知識を身につける必要があります。また、経営戦略に関する助言を求められることもあり、経済情勢といったビジネス視点の知識も必要です。
ITコンサルタントの詳しい仕事内容について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
ITコンサルタントとは?仕事内容やフリーランス事情を解説
フリーランスとして独立できるとメリットが増す
フリーランスは会社員と違って働き方や給与の制限がなく、自由に働ける、年収アップできるなどのメリットがあります。
「DX白書2023」によると、DX人材の「量」が大幅に不足していると認識する日本企業の割合は49.6%でした。また、DXを推進する人材の「質」の確保が大幅に不足しているとした日本企業は51.7%に及びます。
この数字からは、インフラエンジニアを含むDX人材の需要が伸びていることが分かり、スキルがある人は独立が十分に可能です。エージェントなどのサービスを使えば希望に合う案件を見つけられるでしょう。
独立を検討する際は、必要な資金の種類を把握するとともに、個人事業主と法人どちらで独立するか決めましょう。それぞれ解説するので確認してください。
独立に必要な資金について
独立に必要な資金は、自宅を作業場にするか、新たに事務所を構えるかで大きく異なります。事務所を借りる場合は、敷金・礼金などの物件取得費用のほか、当面の家賃も貯めておくと安心です。
また、フリーランスは体調を崩して仕事ができなくなるとすぐに収入が途絶えてしまいます。独立資金を貯めるるのはもちろん、独立後は「所得補償保険」に加入しておくといざというときのリスクに備えられます。
個人事業主か法人か
インフラエンジニアとして独立する際は、個人事業主と法人のどちらで独立するかを選びます。迷う際は、それぞれの特徴を比較しましょう。
個人事業主 | 法人 | |
---|---|---|
設立の手続き | 開業届の提出 | 法人登記(書類や会社印の準備が必要) |
社会的信用度 | 法人に比べて低い | 個人事業主に比べて高い |
確定申告 | 個人で行える | 個人事業主より複雑で税理士が必要なことが多い |
経費の範囲 | 事業にかかった費用を経費にできる | 事業にかかった費用に加えて、給与や賞与、退職金も経費にできる |
赤字の繰越し | 3年(青色申告) | 10年 |
社会保険の加入義務 | 従業員5名以下は義務なし | 加入義務あり |
法人は、個人事業主よりも社会的信用度が高く顧客に信頼されやすいのがメリットです。また、法人税は最大でも23.2%なので、一定の売上がある場合は法人の方が節税できるのが利点です。
ただ、法人は登記申請の手続きが必要だったり、経理業務が複雑だったりするデメリットもあります。個人事業主と法人の違いを詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
個人事業主と法人どっちで起業する?それぞれの特徴やメリットを解説
インフラエンジニアが独立するための5ステップ
インフラエンジニアとして独立するには、まずはスキルを身につけ実務経験を積むことが第一歩です。まったくの未経験者がいきなりフリーランスになって成功する可能性は低いので、段階を踏んでステップアップしていきましょう。
これから独立を目指す方に向けて、フリーランスになるまでの5つの過程をまとめました。現状の自身のレベルと照らし合わせ、今何をすべきか考える参考にしてください。
1.未経験の場合は必要スキルを習得する
未経験からフリーランスインフラエンジニアを目指す場合、まずはネットワークやサーバーの知識を身につける必要があります。
「CCNA」や「LinuC」といった資格は、インフラエンジニアになるための基礎知識が学べ、スキルの指標にもなります。資格があるとクライアントからの信頼も高まるため、資格勉强は学習の一つとして取り組む価値があるでしょう。
必要なスキルの習得法やおすすめの資格について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
未経験からインフラエンジニアになるには|求人数や転職後の年収、おすすめの資格を紹介
2.実務経験を積む
プロとしてのスキルを期待されるフリーランス案件に、実務未経験から参画するのは難しいのが現実です。たとえば、高負荷に耐えるインフラの構築・運用が求められる案件に、座学の知識だけで対応するのは難しいでしょう。
フリーランスを目指すのであれば、まずは会社員のインフラエンジニアとして働き、十分な経験を積むのがおすすめです。また、多くはありませんが、「未経験OK」の案件をこなし、こつこつと実績を積んでいくのも良いでしょう。
インフラエンジニアの向き・不向きなど、未経験者が押さえるべき情報を詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
「インフラエンジニアはきつい」と言われる理由|激務って本当?未経験でも大丈夫?
3.副業でスキルを磨く
会社員として働いている人は、副業でフリーランスインフラエンジニアを始め、経験を経てから本格的に独立するのがおすすめです。具体的には、以下のような案件を探すことで必要な経験を積んでいけます。
- サーバー構築
- サーバー移行
- SSL化業務
ただし、フリーランスインフラエンジニアの案件は「週◯日稼働」といった条件になっているものがほとんどです。コンプライアンスやセキュリティ上の都合もあり、副業として始められる案件の数は限られることに注意しましょう。
フリーランスでの副業について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
会社員が副業フリーランスになるメリット・デメリットは?注意点や案件の探し方
人脈を作る
独立後に安定して案件を獲得するには、人脈を作っておくことも大切です。
「フリーランス白書2023」によれば、直近1年の受注経路として「人脈(知人の紹介含む)」と返答した人は70.6%でした。案件獲得にあたって人脈形成がいかに大切であるかが分かるでしょう。
会社で関わっている人と積極的に交流を深め、信頼関係を構築するほか、勉強会や交流会へ参加することでも人脈を築けます。
4.独立資金をためる
会社員時代に独立に必要な資金を貯めておきましょう。資金の目安は以下の通りです。
- 事務所の取得にかかる費用:50万円(敷金、礼金、仲介手数料など含む)
- パソコンやプリンターなどのオフィス用品:80万円
- 当面の生活費:50~70万円
自宅で作業する場合は、事務所にかかる費用は不要です。すでにパソコンやプリンターなどの機材がある場合もその分の資金は不要となります。独立直後は収入が安定しない恐れもあるため、当面の生活費は必ず用意しておきましょう。
5.独立しフリーランスとして活動を開始する
実務経験を積んでスキルを身につけたら、独立の手続きに入り本格的にフリーランスインフラエンジニアとして活動します。
副業で本業の隙間時間に案件に対応していた人も、独立後は稼働日数が多い案件や難易度が高い案件に挑戦できます。自分に合った案件獲得経路を見つけて高単価の案件を受注し、事業の安定を目指しましょう。
独立成功に必要なスキル
インフラエンジニアには、開発に用いるサービスや技術の知識が欠かせません。また、フリーランスは働き方が自由な分、自分をコントロールする力が必要です。
フリーランスは個人で働くイメージがありますが、クライアントとのやり取りにおいてはコミュニケーション能力も求められます。独立に必要なスキルをまとめたので、これから何を身につければ良いのか確認していきましょう。
技術スキルや関連サービスの利用経験
即戦力となることを期待されるフリーランスの場合、会社員以上にインフラエンジニアとしての技術スキルが重要視されます。具体的には以下のようなスキルが必要です。
- サーバー
- OS(Windows Server、Linux、Unixなど)
- ネットワーク
- ストレージ
- データベース(Oracle Database、MySQLなど)
- クラウド(IaaS、PaaS、SaaS)
- 仮想化技術(VMware、KVM、Docker、Kubernetesなど)
昨今需要が高まっているインフラエンジニアのスキルの一つがクラウドです。具体的には、AWSやGCP、Azureといったサービスの使用経験が求められるケースが増えています。
セルフマネジメントスキル
フリーランスになると働き方の自由度が上がる分、会社員よりも自己管理能力が問われます。就業時間が決まっていないフリーランスは、つい作業が長時間に及び、プライベートと仕事のメリハリがなくなりがちです。
長時間の作業が続くと過労で体調を崩し、最悪の場合収入が途絶えてしまいます。フリーランスとして長く活躍するには、スケジュールや作業時間を管理し、無理のない生活を送るセルフマネジメントが必要です。
コミュニケーションスキル・営業力
ヒューマンスキルとしては、コミュニケーションスキルが必要です。
インフラエンジニアは、クライアントとの打ち合わせやチームの会議に参加することがあります。クライアントの要望を整理してまとめたり、チーム内で意見や案を出し合ったりする際にコミュニケーションスキルは欠かせません。
また、会社員と違って自分で案件を受注するフリーランスには営業力も必要不可欠です。クライアントにメリットを感じてもらえるよう、自身の実績やスキル、強みを上手にアピールすることを意識しましょう。
インフラエンジニアとして独立するメリット
インフラエンジニアとして独立すると、会社員時代と比べて収入が上がったり、働き方が自由になったりするメリットがあります。インフラエンジニアはほかのエンジニア職と比べ、長期の案件が多く収入が安定しやすいことも利点です。
インフラエンジニアが独立するメリットをまとめました。独立を迷う方は、会社員と比べてフリーランスの良さは何なのかを確認していきましょう。
正社員のインフラエンジニアよりも高収入が期待できる
会社員は毎月の給与に上限がありますが、フリーランスの報酬に制限はありません。年功序列といった会社のルールにも縛られないので、実力次第で収入を増やせます。高いスキルを持つ方であれば、独立することで実力に見合う収入を得られるでしょう。
独立後経験を積んで十分な実績を重ねたら、単価が高い案件のみを選んで受注する働き方も可能です。
働き方や休日を自分で決めやすくなる
会社員は、基本的には会社で定めたカレンダーに従うことになります。一方で、フリーランスはクライアントとの調整がうまくいけば、好きな日に休みを取ることが可能です。
案件によっては必ずしも希望が通るわけではありません。しかし、会社員と比べると自由度が高い働き方ができるのは、フリーランスの大きなメリットです。
自分で案件を選べる
フリーランスは会社員と違って、自分が興味のある案件を選べます。たとえば、「クラウド移行の案件に挑戦したい」「設計や構築を行いたい」といった希望を実現できます。
また、フリーランスは自分が挑戦したい業界の案件を選ぶことができ、多様な案件を通してスキルアップしていけます。
長期かつ継続的に受注できる案件が多い
インフラエンジニアの案件は、ほかのエンジニア職と比べて長期間に及ぶものが少なくありません。一つの案件を獲得できれば、仕事にしばらく困らないのは大きなメリットといえるでしょう。
長期にわたって特定のクライアントと付き合うことには、互いの信頼関係が深まる良さもあります。信頼関係が構築されると、案件を継続して受注しやすく収入を安定させられます。
インフラエンジニアとして独立するデメリット
フリーランスとして独立したインフラエンジニアは、会社員ほどは収入が安定せず、税金や社会保険の手続きも自分で行います。フリーランスは同僚がいないので、一人で働く孤独感に悩まされることも多いようです。
独立を考える際は、メリットだけではなくデメリットにも注目し、具体的な働き方をイメージしていきましょう。
確定申告を行う必要がある
独立したインフラエンジニアは、自分で確定申告を行い、税金を納めなければなりません。会社員のインフラエンジニアは、会社が年末調整を行ってくれるため、税金についてあまり意識しなかったという人も多いでしょう。
しかし、独立後は自分で経費や売上を管理し必要な手続きを行う手間がかかります。フリーランスエンジニア全般にあてはまる確定申告について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスエンジニアの確定申告|経費や青色申告、節税を解説
社会保険料を自分で納める必要がある
会社員とフリーランスでは、社会保険にも違いがあります。年金制度では、会社員は厚生年金に加入しますが、フリーランスは国民年金の第1号被保険者となります。
国民年金のみのフリーランスは会社員より将来の年金額が少ないので、公的年金以外に老後資金の対策をする必要があるでしょう。
また、会社員の場合は本人と会社側が折半で社会保険料を納めます。しかし、フリーランスの社会保険料は全額自己負担です。独立後は会社員時代より保険料の負担を大きく感じる可能性があります。
収入が安定しにくい
会社員のインフラエンジニアは基本的に固定給が支払われます。一方、フリーランスは一般的に案件ごとに契約を結び報酬を受け取る働き方です。そのため、もし案件を獲得できなければ、その間は収入が0になってしまう可能性があります。
また、会社員と違って休職といった制度もないため、病気や怪我で働けなくなった際に収入が途絶えるリスクが大きいです。
孤独を感じることがある
フリーランスには、会社員のように同僚や先輩、上司といった仲間がいません。仕事の相談ができる相手がいないために、孤独を感じることもあるでしょう。特に、自宅で作業するリモート案件では、1日中誰とも話さない場合もあります。
一人で作業する働き方には、人間関係に悩まない良さがあります。しかし、一人で作業するのが苦手な人や、人と協力しながら仕事を進めたい方は辛く感じるかもしれません。
社会的な信用度が高くない
収入が不安定なフリーランスは会社員と比べて社会的信用が低く、クレジットやローンなどの審査に通りにくい傾向があります。特に、独立したばかりで実績がない状態だと、高額のローンを組むのは難しいでしょう。
また、「フリーランスは不安定」というイメージから、結婚する際に相手の親に心配されるケースもありがちです。
独立のデメリットを解消する方法
「確定申告が面倒」「孤独に悩まされるかも」といったフリーランスのデメリットを解消するには、次のような対策が考えられます。
フリーランスのデメリット | 対策 |
---|---|
確定申告が面倒 | 会計ソフトを活用する |
社会保険の負担が大きい | 会社の健康保険を任意継続する |
収入が不安定 | エージェントなどのサービスを使い案件を安定的に受注する |
一人で働く孤独感がある | フリーランス向けのコミュニティに参加する |
社会的な信用度が低い | 会社を辞める前にローンやクレジットカードの申請をする |
フリーランス向けの会計ソフトを利用すれば、会計の知識がなくても帳簿の記帳ができ、確定申告にかける労力を減らせます。
社会保険料の負担を減らしたい方は、会社の健康保険の任意継続を検討しましょう。任意継続は、退職後も会社の健康保険に継続して加入できる制度で、国民健康保険より保険料を抑えられる可能性があります。
案件が受注できず収入が安定するか心配な方は、フリーランス向けのエージェントを使って案件を探すと良いでしょう。フリーランス仲間をつくりたい場合は、交流会や勉強会に参加するのがおすすめです。
フリーランスインフラエンジニアの案件獲得方法
フリーランスインフラエンジニアが案件を獲得するには、以下のような方法があります。
- ブログやSNSを通して実績をアピールする
- クラウドソーシングサービスやスキルシェアサービスを利用する
- フリーランスエージェントに登録する
- 人脈を活用する
独立後の案件獲得方法について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【2023年】フリーランスエンジニアの案件獲得方法|仕事別の単価相場も
フリーランスが案件を獲得するためには営業力が問われます。営業力に自信がない方や効率的に自分に最適な案件を獲得したい方は、フリーランスエージェントを活用するのが良いでしょう。
フリーランス登録者数No.1を誇るレバテックフリーランスでは、ITエンジニア案件の継続提案をしています。会員登録やカウンセリングは無料なので、ぜひご希望をお聞かせください。
独立後のインフラエンジニアの単価相場と年収
独立後のインフラエンジニアの単価は、実力によって異なります。また、フリーランスになってから稼げるようになるまでの期間も、現時点での経験やスキルに左右されるでしょう。
独立後の生活をイメージできるように、フリーランスインフラエンジニアの平均単価と最低・最高単価を紹介します。事業が軌道に乗るまでの目安期間も把握し、独立のタイミングを考えていきましょう。
フリーランスインフラエンジニアの単価相場
レバテックフリーランスのインフラエンジニア案件の月額単価相場(2023年8月時点)は以下の通りです。
平均単価 | 68万円 |
---|---|
最高単価 | 165万円 |
最低単価 | 12万円 |
インフラエンジニアに限らず、フリーランスエンジニアの案件の単価は経験やスキルレベルによって変わります。実績を積み、高いスキルを持つフリーランスインフラエンジニアになれば、より高単価の案件を受注しやすくなります。
フリーランスインフラエンジニアの年収相場
レバテックフリーランスによる単価相場をもとに算出したフリーランスインフラエンジニアの年収相場は、以下の通りです。
平均年収 | 816万円 |
---|---|
最高年収 | 1980万円 |
最低年収 | 144万円 |
これはあくまで目安ですが、最低年収と最高年収を見てわかるように、同じフリーランスインフラエンジニアでも収入差があります。スキルレベルや実績により、受注できる案件が異なるためです。
また、本業フリーランスと副業として案件を受注する人では、稼ぐ額に差が出るでしょう。
独立後に稼げるまでにかかる時間
独立してから稼げるまでにかかる時間は、「実務経験がありスキルが高い人」と「経験やスキルが少ない人」で異なります。経験豊富でスキルがある人は、独立後すぐに高単価の案件を受注し、高収入を得られる可能性が高いです。
一方で、経験が少ない人は難易度が低い案件から実績を積む必要があり、ある程度稼げるまでに3年ほどかかると予想されます。
いずれにしても、実力があるフリーランスは会社員と同等かそれ以上の収入を得ることが可能です。独立後すぐに稼げなくても、スキルアップを意識し実力をつければ少しずつ収入アップできるでしょう。
フリーランスのインフラエンジニアの年収や単価相場に関してさらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスインフラエンジニアの年収|求人・案件の単価相場は?
インフラエンジニアがフリーランスで高収入を得る方法
独立後に高収入を得るには、マネジメント業務を含む案件を受注したり、より需要が高いスキルを磨いたりすることが必要です。また、案件の探し方を工夫すると、高単価の案件に出会える可能性が高まります。
フリーランスが収入を安定させるには、より効率的に稼げる方法を知っておくことがポイントです。独立後にキャリアを築く際の参考になるよう、具体的な方法を紹介します。
マネジメント経験・上流工程の経験を積む
インフラエンジニアの高単価案件では、マネジメントや要件定義・設計といった上流工程の経験が求められることがよくあります。プロジェクトマネジャーを任せられる案件では、ほかのエンジニアをまとめてプロジェクトを進めるスキルが必要です。
独立後は、地道にインフラ構築の経験を積みながら、こうした案件に対応できるスキルを身につけていきましょう。
希少性が高く需要があるスキルを磨く
対応できる人材が少ない案件は、必然的に単価がアップします。そのため、希少性が高いスキルや需要の高いスキルを持っているインフラエンジニアは、高単価案件を受注できる可能性が高いです。
具体的には、近年需要が高まっている以下に関連するスキルを磨くと良いでしょう。
- AWSやGCP、Azureなどのクラウドサービス
- Docker、Kubernetesといったコンテナ型仮想化
長期的に付き合えるクライアントを見つける
インフラエンジニアは仕事内容の性質上、クライアントと長期的に付き合うことが多いです。長期間にわたって付き合いを続けられるクライアントを見つけられると、単価交渉もしやすく収入アップにつながるでしょう。
クライアントの信頼を得るには、「ニーズを理解した提案を行う」「納期を徹底して守る」などの意識が求められます。
複数のエージェントを活用する
フリーランス向けのエージェントには高単価の案件を取り扱うサービスもあるため、独立後は登録をおすすめします。エージェントでは、希望条件やスキルにあった案件の提案を受けられるほか、キャリアを含むさまざまな相談に乗ってもらえます。
その際、複数のエージェントに登録することで、より多くの案件から希望条件に合った仕事を選べるようになるでしょう。
資格を取得する
資格を取得することで、スキルを客観的に証明でき、クライアントにアピールしやすくなります。資格取得を通して新たなスキルを学ぶこともでき、インフラエンジニアとしてのレベルアップにもつながるでしょう。
実務経験が少ない人は、資格を持つことで経験不足をカバーできる可能性があります。フリーランスインフラエンジニアにおすすめの資格を紹介するので、取得を検討する際は参考にしてください。
CCNA(シスコ技術者認定試験)
「CCNA」は世界的な通信機器メーカーのシスコシステムズ社が認定する資格です。試験では、ネットワークやセキュリティの基礎、IPサービス、自動化についての知識が問われます。
CCNAは、シスコ技術者認定試験の中では「アソシエイト」レベルの難易度です。上位資格にはCCNP、CCIEなどが用意されています。
資格名 | CCNA(Cisco Certified Network Associate) |
---|---|
運営 | シスコシステムズ社 |
試験日 | 随時 |
受験料 | 42,900円(税込) |
合格基準 | 非公開 |
受験資格 | なし |
公式サイト | https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/certifications/associate/ccna.html |
LinuC(Linux技術者認定試験)
LPI-Japanが実施する「LinuC」は、仮想環境を含むLinuxシステムの知識・スキルを証明できる資格です。難易度はレベル1〜レベル3に分かれています。
インフラエンジニアの多くはLinuxOSに触れるので、非常に実用性が高い資格といえるでしょう。
資格名 | Linux技術者認定試験LinuC |
---|---|
運営 | LPI-Japan |
試験日 | 随時 |
受験料 | 16,500円(税込) |
合格基準 | 非公開 |
受験資格 | なし(認定を取得するには、レベル2はレベル1の取得、 レベル3はレベル2の取得が条件。受験のみであれば上のレベルを先に受験可能) |
公式サイト | https://linuc.org/ |
AWS認定
「AWS認定」は、Amazon Web Servicesに関するスキルや専門知識があることを認定する資格です。
主要なものは、ベーシックレベル・アソシエイトレベル・プロフェッショナルレベルの3つのレベルに分けられた6つの認定資格です。また、より専門性の高い5つの専門知識認定があります。
資格名 | AWS認定 |
---|---|
運営 | Amazon |
試験日 | 随時 |
受験料 | 150~300 USD |
合格基準 | ベーシックレベル:700点 / アソシエイト:720点 / プロフェッショナル:750点 / スペシャリティ:750点 |
受験資格 | なし |
公式サイト | https://aws.amazon.com/jp/certification/ |
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IT系の資格では数少ない国家試験です。ITエンジニアに求められるスキルや知識を網羅的に問う内容で、難易度は比較的易しく未経験者も挑戦しやすいでしょう。
インフラエンジニアはもちろん、IT系のほかの職種でも幅広く役立つ知識を身につけられるので、取得しておいて損はありません。
資格名 | 基本情報技術者試験 |
---|---|
運営 | IPA 情報処理推進機構 |
試験日 | 随時 |
受験料 | 7,500円(税込み) |
合格基準 | 各科目 600点/1,000点満点 |
受験資格 | なし |
公式サイト | https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/fe.html |
インフラエンジニアの資格について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
インフラエンジニアの資格|仕事に役立つおすすめの資格一覧と難易度を紹介
フリーランスのインフラエンジニアに関するよくある質問
Q. インフラエンジニアの案件の特徴は?
インフラエンジニアは長期の案件が多いのが特徴です。AWSなどのクラウドサービスの経験が求められる案件が増加傾向です。運用・保守のみを担う案件も少なくありません。常駐案件が多い傾向ですが、在宅ワークできる案件も存在します。
Q. インフラエンジニアの独立には実務経験が必要?
一般的には3年以上の実務経験があると良いといわれています。実務未経験者がフリーランスインフラエンジニアを目指す場合は、まず会社員として3年以上の経験を積むのがおすすめです。一定レベルのスキルや対応力を身につけ、独立を目指すのが良いでしょう。
Q. インフラエンジニアが独立する際に大切なことは?
独立後は、スケジュール管理や体調管理などの自己管理能力が求められます。DevOpsの概念への理解やクラウド上でのメンテナンス自動化のプログラム作成スキルも必要です。システム増設を見越した構築や管理方法の選定ができると重宝されます。
Q. インフラエンジニアの需要が高い企業とは?
リモートワークに柔軟に対応するベンチャー企業や、自社開発のWebサービスを運用する企業があげられます。そのほか、自社の情報システムをオンプレミスからクラウドへ移行したいと考える企業でも、インフラエンジニアの需要が高いです。
※本記事は2023年8月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
簡単4ステップ!スキルや経験年数をポチポチ選ぶだけで、あなたのフリーランスとしての単価相場を算出します!
※相場算出に個人情報の取得はおこないません。
役に立った/参考になったと思ったら、シェアをお願いします。