Androidエンジニアの需要は?将来性や仕事内容・年収・求人動向を解説

Androidエンジニアとは、Android上で動くアプリの開発を行うエンジニアであり、スマートフォンの急速な普及とともに需要が拡大している職種です。今回は、Androidエンジニアの将来性や年収、仕事内容、求人・案件の傾向、求められるスキルなどについて解説し、Androidエンジニアの魅力に迫っていきます。

なお、エンジニア市場全体の動向については「ITエンジニアの将来性」で詳しく解説しています。

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目次

Androidエンジニアの需要
Androidエンジニアの将来性
Androidエンジニアの年収
Androidエンジニアの仕事内容
Androidエンジニアに必要なスキル
Androidエンジニアの需要に関するよくある質問

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Androidエンジニアの需要

AndroidはiPhoneのiOSと双璧をなすスマートデバイス向けOSです。Androidエンジニアは、Android上で動作するアプリケーションを開発するエンジニアを指します。

Androidは、開発元のGoogleによってオープンソースとして公開されており、世界中のさまざまな情報機器メーカーがAndroid搭載のスマートフォンやタブレットを開発し、販売しています。それだけに端末の種類も豊富で、世界のモバイルOSのシェアではiOSを大きく上回ります。Webブラウザの利用シェアなどを調査する「StatCounter」が集計した世界のスマートフォンOSのシェアは、2021年2月時点でAndroidが70.46%、iOSが28.81%となっていることから、Androidアプリ開発を担うAndroidエンジニアの需要は潜在的にも大きいといえます。

※参考 : StatCounter「Mobile & Tablet Operating System Market Share Worldwide」

Androidエンジニアの求人・案件

Androidエンジニアの求人・案件の傾向について解説します。レバテックフリーランスに掲載されている2021年3月時点のAndroidの求人・案件数は約700件となっています。

Androidの求人・案件一覧

比較的高単価の求人・案件が多いことも特徴で、同時点で月100万円以上の高単価案件が20件以上あり、最高月単価は125万円でした。

こうした高単価案件の内訳としては、仮想通貨系アプリや時間取引サービスアプリなどのFinTech系アプリの開発案件や、医療・ヘルスケア向けアプリ開発案件などがあります。

iOSエンジニアの求人・案件

Androidエンジニアの求人・案件と比較するために、スマートフォンアプリ開発で肩を並べるiOSエンジニアの求人・案件の傾向を見ていきましょう。レバテックフリーランスに掲載されている2021年3月時点のiOSエンジニアの求人・案件数は約500件となっています。

iOSの求人・案件一覧

Androidエンジニアの求人・案件数には及びませんが、C++の求人・案件数(約500件)とほぼ同等であり、C言語(約350件)やVB.NET(約400件)といった比較的メジャーな言語の求人・案件数を上回っています。「Apple製品のアプリ開発に特化した仕事」というiOSエンジニアの特性を踏まえれば、十分に高いニーズのある技術領域といえるでしょう。

Androidエンジニア同様、iOSエンジニアも高単価の案件が多いことが特徴に挙げられます。同時点で月単価100万円以上の高単価案件は16件あり、最高月単価125万円の案件も複数件ありました。

高単価案件の内訳は、時間外取引やコイントレードなどのFinTech系アプリ開発や医療業界・ヘルスケア向けアプリ開発など、Androidエンジニアと似た傾向です。iOSとAndroidはスマートデバイスOSの二大巨頭であるため、アプリ開発においても両方のOSに対応したものを作ることが多く、必然的にAndroidエンジニアと近い案件傾向となります。

関連記事 : iOSエンジニアの需要|将来性が見込める分野や今後の求人・案件の動向は?

Android案件を提案してもらう

Androidエンジニアの将来性

総務省発表の「令和元年通信利用動向調査報告書(世帯編)」にある「世帯の情報通信機器の保有状況」によれば、調査対象となる47都道府県の満20歳以上の世帯主がいる世帯の中で、スマートフォンを保有する世帯の割合は83.4%と、国民の間に広くスマートフォンが浸透していることが判ります。

※参考 : 総務省「令和元年通信利用動向調査報告書」

同じく総務省発表の「平成29年版情報通信白書」にある「世界のスマートフォンOS別インストールベース台数」のデータによれば、「2016年時点で、スマートフォンのOSインストールベース台数の推計値は39.6億台と、全世界の人口の過半数に達している」とされており、特にAndroidのインストールベース台数は大きく伸び続けることが予測されています。この結果を踏まえれば、Androidアプリの市場は非常に大きいといえるでしょう。

※参考 : 総務省「平成29年版情報通信白書|数字で見たスマホの爆発的普及(5年間の量的拡大)」

もうひとつ興味深い資料があります。総務省発表の「令和2年版情報通信白書」の中の「世界のモバイル向けアプリ市場規模の推移及び予測」では、「スマートフォン・タブレット向けのアプリケーション市場は、これまで消費者向けのゲームの伸びが市場全体の伸びを牽引してきたが、今後はゲームに加え翻訳や学習、健康管理などの生活密着型アプリの成長が見込まれる」と記されており、新たなアプリ市場が成長しつつあることがわかります。

※参考 : 総務省「令和2年版情報通信白書|レイヤー別にみる市場動向」

これらの資料やデータをもとに考えると、スマートフォン自体の所有率も高くなっており、同時にスマートフォンアプリ市場も拡大していることから、Androidエンジニアは将来性豊かな職種だといえます。

関連記事 : Javaの将来性|Javaエンジニアの今後の需要や現状の求人案件数は?

Androidエンジニアの年収

レバテックフリーランスに掲載されている2021年3月時点のAndroidの求人・案件をもとにすると、Androidエンジニアの平均月額単価は77万円、最高単価は125万円、最低単価は35万円となっています。これを12ヶ月分にして年収換算すると、以下のようになります。

Androidエンジニアの年収相場

参照元 : Androidの求人・案件一覧

平均年収(フリーランス) 924万円
最高年収 1500万円
最低年収 420万円


これはレバテックフリーランスの求人・案件にもとづくデータなので、Androidエンジニア全体の平均年収とは異なりますが、スキルによっては高収入が見込めるのは魅力といえます。

iOSエンジニアの年収

スマートフォンOSにおいて、Androidと双璧をなすiOSのアプリ開発を行うiOSエンジニアの年収を見ていきましょう。

レバテックフリーランスに掲載されている2021年3月時点のiOSの求人・案件をもとにしたデータでは、iOSエンジニアの平均月額単価は77万円、最高単価は125万円、最低単価は36万円となっており、これを同様に年収換算すると以下のようになります。

iOSエンジニアの年収相場

参照元 : iOSの求人・案件一覧

平均年収(フリーランス) 924万円
最高年収 1500万円
最低年収 432万円


同じスマートフォンアプリの開発ということもあり、ほぼAndroidエンジニアと同等の年収レベルになっています。

Kotlinエンジニアの年収

Kotlinとは、Google社がAndroidアプリ開発における公式開発言語として採用しているプログラミング言語です。

レバテックフリーランスに掲載されている2021年3月時点のKotlinの求人・案件一覧を見てみると、Kotlinエンジニアの平均月額単価は82万円、最高単価は125万円、最低単価は42万円となっており、これを同様に年収換算すると以下のようになります。

Kotlinエンジニアの年収相場

参照元 : Kotlinの求人・案件一覧

平均年収(フリーランス) 984万円
最高年収 1500万円
最低年収 504万円


レバテックフリーランスの求人・案件をもとにしたデータでは、Kotlinエンジニアの平均年収はAndroidエンジニアよりやや高い傾向にあります。Kotlinは2011年に公開された比較的新しい言語であり、現状スキルの希少性が高いため高単価に結びついているという見方もできるでしょう。

Javaエンジニアの年収

Javaは、デスクトップアプリからWebアプリ、組み込みシステムまで幅広いプラットフォームに対応する汎用性の高い言語ですが、Androidのアプリ開発でもKotlinと並んでよく用いられています。

レバテックフリーランスに公開されている2021年3月時点のJavaの求人・案件一覧を見ると、Javaエンジニアの平均月額単価は69万円、最高単価は145万円、最低単価は32万円となっており、これを年収換算すると以下のようになります。

Javaエンジニアの年収相場

参照元 : Javaの求人・案件一覧

平均年収(フリーランス) 828万円
最高年収 1740万円
最低年収 384万円
 

平均年収はAndroidエンジニアやKotlinエンジニアと比較するとやや低めですが、これはJavaが汎用性の高い言語であるがゆえに、スマートフォンアプリ以外にもさまざまなプラットフォームの開発案件が含まれているためと推測できます。

関連記事 : Kotlinエンジニアの年収|求人・案件事情や他言語との比較も解説

Androidエンジニアの仕事内容

次に、Androidエンジニアの仕事内容について解説します。ここでは、Androidエンジニアが担う、代表的な以下2つの仕事内容を中心に説明します。

Androidアプリの設計・開発

Androidは、スマートフォンやタブレットを中心に、最近ではカーナビや家電といったIoT機器にも搭載されるようになりました。したがって、これらのデバイス上で動くアプリケーションの設計・プログラミングを行うことがAndroidエンジニアの主な仕事になります。

設計フェーズでは、アプリケーションの仕様策定や基本設計、画面設計、UI設計などを行い、開発フェーズでは「Android Studio」などの統合開発環境を用いて「Kotlin」や「Java」といったプログラミング言語を使って、プログラミングやテストを行っていくことが仕事の中心となります。テストでは、操作に関するUIテストや画面遷移テスト、各機能のテストなどに関するテスト仕様を作成し、それにのっとり評価・検証作業を進めていきます。

Androidアプリの運用

スマートフォンのアプリは、リリース後もバグ修正や機能追加などで定期的にバージョンアップを行いながら完成度を高めていく必要があるため、そうしたアプリの運用もAndroidエンジニアの重要な仕事です。

また、サーバーと連動してサービスを実現するアプリも多いことから、サーバー側のエンジニアと連携を図りながら常にアプリが正常に稼働するよう保守を行っていくことも仕事のひとつとなるでしょう。

関連記事 : Androidエンジニアの仕事内容

Androidエンジニアに必要なスキル

次に、Androidエンジニアに求められるスキルについて解説をします。

Kotlin・Javaのプログラミングスキル

Androidネイティブアプリの開発では「Kotlin」もしくは「Java」を用いることが多く、これらの言語を扱うためのプログラミングスキルが必須です。

単にコーディングスキルだけでなく、プロジェクトの基本設計にもとづきプログラム設計(詳細設計)を行うスキルなどもあれば、プロジェクトでより重要なタスクを任される機会が生まれ、さらなるスキルアップにつなげていくことができるでしょう。

Android Studioなどの開発環境の使用スキル

Androidネイティブアプリの開発では、Google社が提供する統合開発環境「Android Studio」などを用いることが一般的です。そのため、「Android Studio」のような統合開発環境の使用スキルも必要になるでしょう。

「Android Studio」以外の統合開発環境としては、マイクロソフトの「Visual Studio」に同梱されている「Xamarin」や、Facebook提供の「React Native」などがあり、ゲームアプリ開発の場合はユニティ・テクノロジーズ提供の「Unity」があります。

こうした統合開発環境の使用スキルを身につけることで、UI制作からプログラミング、デバッグ、テストまで一連の工程を統合開発環境上で行えるようになります。

コミュニケーションスキル

Androidアプリ開発に限らず、システム開発では、ほかのプロジェクトメンバーたちといかに円滑な連携体制を築けるかが重要となります。そこで欠かせないことが積極的にメンバーたちとコミュニケーションを図る姿勢です。

技術的なアドバイスをもらいたい場合やメンバー間で進捗や課題などを共有する場合、PMやPLの指示を正しくキャッチする場合などのほか、クライアントとの折衝・調整の場面においてもコミュニケーション力が求められます。アプリ開発は人と人の連携が土台となっているため、このようなコミュニケーション能力が重要となります。

関連記事 : Javaの勉強方法|独学で入門するための学習のコツとステップアップの流れ

Androidエンジニアの需要に関するよくある質問

Androidエンジニアの需要に関連するよくある質問をまとめました。

Q. Androidエンジニアは今後の需要が期待できる仕事ですか?

A. 2021年2月時点の「StatCounter」のデータによると、世界におけるスマートフォンOSのシェアではAndroidが70%以上を占めていること、さらに日本国内におけるスマートフォンの保有率やモバイルアプリの市場規模は年々伸びていることなどを踏まえると、Androidエンジニアは今後も一定の需要が見込める仕事といえるでしょう。

Q. Androidエンジニアの平均年収はいくらですか?

A. 2021年3月時点でレバテックフリーランスに掲載されているAndroidの求人・案件の平均月額単価は77万円となっており、これを12ヶ月分にして年収換算すると、Androidエンジニアの平均年収は924万円となります。ただし、これらの金額はあくまでもレバテックフリーランスの求人・案件にもとづく数字であり、目安のひとつと考えてください。

Q. 未経験からAndroidエンジニアに転職するには、どんなスキルが必要ですか?

A. KotlinやJavaといったAndroidアプリ開発で用いられるプログラミング言語のスキルは必須といえます。KotlinはAndroidアプリ開発に使われることが中心の言語ですが、Javaは幅広い開発で用いられる汎用性の高い言語であるため、Androidアプリ以外の開発経験も武器になるでしょう。また、「Android Studio」のような統合開発環境の使用スキルなども求められます。プラットフォームは異なりますが、iOSアプリ開発用の「Xcode」やゲームエンジンの「Unity」などの使用スキルも武器になり得ます。

関連記事 : モバイルエンジニアとは?仕事内容や年収、求人状況、今後の需要を解説

最後に

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