フリーランス年収700万円の手取りは?税金の早見表や個人事業主向け知識 | レバテックフリーランス
フリーランス年収700万円の手取りは?税金の早見表や個人事業主向け知識
フリーランスで年収700万円の手取りは約550万円となります。もっとも、節税や経費計上のコツを実践すればさらに手取りを増やせるでしょう。また、年収700万円で十分稼げているかは、年齢や家族構成にもよります。例えば老後に十分な年収・手取りにできているかは、必要な生活費からきちんと把握しておかなければいけません。
そこで、年収700万円から引かれる税金の種類や、年収700万円以上を目指せる職種について紹介していきます。フリーランスや個人事業主の方は、お金の悩みを減らすためにも参考にしてください。
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目次
フリーランスの収入見込みをチェック
年収700万円のフリーランスの手取りは約550万円
フリーランスで年収700万円の場合の手取り額の目安は約550万円です。
レバテックフリーランスの案件ページにある収支シミュレーションをもとに、年収700万円の手取りを紹介します。月収58万円の12カ月分、年収696万円としてシミュレーションしています。
シミュレーション項目 | 金額 |
---|---|
年収 | 696万円 |
所得税 | 35万7,900円 |
住民税 | 40万2,696円 |
国民年金 | 19万6,920円 |
国民健康保険 | 50万5,824円 |
手取り額 | 549万6,660円 |
年収700万円では年収と手取りの間に150万円程度のひらきがあること分かります。
フリーランスは目標を売上にする場合が多いですが、年収だけでなく手取りも意識しましょう。手取りは実際に手元に残るお金なので、具体的に把握しておくと家計や貯蓄の計画を立てやすくなります。
「ITエンジニアの求人・案件一覧」では、各案件の詳細画面から収支シミュレーションを確認できます。また、月収別の手取りを詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスエンジニアの手取り|年収・月収の目安や税金の計算
既婚のフリーランス・年収700万円の手取り金額は?
既婚・独身の手取りのどちらが高いとは明言できないのが現実です。既婚者は受けられる控除の種類が増える一方、国民健康保険や国民年金の負担は扶養する家族分の負担が増えるからです。
既婚者が受けられる控除としては、配偶者控除や一般扶養控除などがあげられます。控除を受けて課税所得をおさえられれば節税につながり、手取りが増えるでしょう。
一方で、国民健康保険や国民年金保険には扶養制度がないため、加入する家族分の保険料を全額自分で支払わなければなりません。結果的に独身のフリーランスよりも手取りが少なくなる可能性もあります。
フリーランスが支払う税金と保険料
フリーランスが支払う税金は主に4種類、保険料は2種類あります。条件次第で納税しないで良いものもあるので、自分が何を納めるべきなのか確認していきましょう。
フリーランスが支払う税金
フリーランスが支払う税金は、主に「所得税」「住民税」「個人事業税」「消費税」です。所得税と住民税は一定の所得があれば必ず納税すべき税金です。個人事業税と消費税は、業種や売上高によっては納税しなくて良い場合もあります。
ここでは、それぞれの税率や計算方法も紹介していきます。自分がどの程度税金を納めるのか確認してください。
所得税
フリーランスは、年間の所得額に応じて所得税を支払います。所得税額を算出するためには、課税対象となる所得の金額を明らかにする必要があります。計算式は以下のとおりです。
課税所得金額=1年間の収入-経費-所得控除
課税所得金額を算出したら、その金額に応じた税率をかけて控除額を差し引き、所得税額を導き出します。
所得税額=課税所得金額×所得税率-控除額
所得税は「累進課税制度」で、所得額に比例して税率も上がります。所得ごとの税率は、以下のとおりです。
課税対象となる所得金額(1,000円未満の端数は切り捨て) | 所得税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円~194万9,000円 | 5% | 0円 |
195万円~329万9,000円 | 10% | 9万7,500円 |
330万円~694万9,000円 | 20% | 42万7,500円 |
695万円~899万9,000円 | 23% | 63万6,000円 |
900万円~1799万9,000円 | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円~3999万9,000円 | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 479万6,000円 |
住民税
住民税は、個人が都道府県や市区町村に支払う税金です。税額は、1年間の所得に応じて金額が決まる「所得割」と、自治体ごとに定額の「均等割」の2種類を合計額です。計算式は以下になります。
住民税額=所得割額+均等割額
住民税の徴収方法には、「特別徴収」「普通徴収」の2パターンがあります。特別徴収は、企業が従業員の給与から天引きして住民税を納める方法です。普通徴収は、納税者本人が納付通知書で税金を納める方法です。
会社に雇用されていないフリーランスは、普通徴収で納税します。市区町村によってはクレジットカードでの支払いに対応しているところもあるので、確認しましょう。
個人事業税
個人事業税は、法定業種に該当する事業を営み、年間の所得が290万円以上のフリーランス(個人事業主)に課せられる税金です。法定業種は全部で70あり、以下の業種は対象外です。
- システムエンジニア
- プログラマー
- 作家・漫画家
- 通訳・翻訳業
個人事業税額は下記の計算式で算出できるので、納税の条件にあてはまった方は確認しましょう。
個人事業税額=(所得金額+青色申告をしている場合は青色申告特別控除-一律290万円の事業主控除など)×個人事業税率
なお、個人事業税率は3%~5%で、事業区分(第1種~第3種)により異なります。
参考:【2023】フリーランス初心者におすすめの職種、案件の探し方、必要手続き
消費税
消費税は、前々年の課税売上高が1,000万円を超えた場合に課税される税金です(従業員を雇っていない場合)。事業開始から2年間は、基本的に消費税が免除される「免税事業者」となります。
本則課税の場合、実際に納付する消費税額は次の式で導き出されます。
消費税額=課税期間中の課税売上高に対してかかる消費税額-課税期間中の課税仕入れなどに対してかかる消費税額
フリーランスが支払う保険料
フリーランスは税金のほかに、「国民健康保険料」と「年金保険料」を納めます。
家族の扶養に入っていない場合、基本的に国民健康保険と国民年金に必ず加入しなければなりません。これから会社を辞めてフリーランスになる方は、退職後14日以内に市区町村役場の窓口で加入手続きを行いましょう。
ここでは、手続きの前に知りたい基本的な知識を紹介します。
国民健康保険
フリーランス・個人事業主は通常、国民健康保険に加入します。国民健康保険の種類は、市区町村が母体のものと、国民健康保険組合(特定の業種ごとの組合)が運営するものの2種類です。
市区町村の保険料には医療分保険料のほか、40歳以上~65歳未満の人が支払う介護分保険料や後期高齢者支援分保険料もあります。
もう一つの国民健康保険組合の保険料は、多くの場合所得に関わらず固定額で設定されています。国民健康保険との違いは、傷病手当金制度を設けている場合があることです。
傷病手当金は怪我や病気で働けなくなった際に支給されるお金で、フリーランスにとって心強い仕組みです。そのため、加入できる国民健康保険組合がある場合は、利用を検討すると良いでしょう。
そのほか、会社を退職した後も一定条件のもとで、元勤務先で加入していた保険を任意継続する方法もあります。フリーランスの健康保険について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
フリーランス初心者が知りたい保険の知識|加入できる健康保険やおすすめの保険は?
国民年金
国民年金は、日本国内に住む20歳以上~60歳未満の人が全員加入する保険です。通常、フリーランスを含む個人事業主は「第1号被保険者」(自営業者、農業・漁業者、無職者などが該当する区分)にあたります。
国民年金保険料は年度ごとに多少異なり、令和5年度の第1号被保険者の保険料は月額16,520円です。フリーランスが加入する国民年金について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
個人事業主が加入する年金は?必要な手続きや受給金額を増やす方法を解説
独立後に年収700万円を目指せる職種
レバテックフリーランスの案件をもとに、年収700万円以上を目指せる職種を紹介します。平均年収・月額最高単価・月額平均単価を紹介するので、IT系職種を目指す際の参考にしてください。
プログラマー | 平均年収804万円(最高単価155万円/平均単価67万円) |
---|---|
SE(システムエンジニア) | 平均年収852万円(最高単価170万円/平均単価71万円) |
インフラエンジニア | 平均年収816万円(最高単価165万円/平均単価68万円) |
フロントエンドエンジニア | 平均年収864万円(最高単価145万円/平均単価72万円) |
ネットワークエンジニア | 平均年収792万円(最高単価145万円/平均単価66万円) |
テストエンジニア | 平均年収708万円(最高単価145万円/平均単価59万円) |
ネットワークエンジニアとテストエンジニアは平均年収が700万円台。プログラマーやSE、インフラエンジニア、フロントエンジニアでは、平均年収は800万円を超えます。
スキルや経験にもよりますが、レバテックフリーランスなら年収700万円を超えるフリーランスを目指せます。「案件検索」では、目指す職種や希望する条件で案件を探せるので、ぜひチェックしてください。
フリーランス・個人事業主で年収700万円の人の割合
内閣官房日本経済再生総合事務局の「フリーランス実態調査結果」によると、年収700~800万円のフリーランスは全体の3%です。
ちなみに会社員で年収700~800万円の人は、国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると4.6%です。
これらの調査からは、年収700万円から800万円の人の割合は、フリーランスと会社員で大きく変わらないこと分かります。
フリーランスの年収分布
フリーランスがどれくらい稼げるか目安を知るには、各年収帯の割合を見るのが良いでしょう。「フリーランス実態調査結果」をもとに、フリーランスの年収分布を表にまとめました。
年収額 | 割合 |
---|---|
100万円未満 | 16% |
100万円以上~200万円未満 | 16% |
200万円以上~300万円未満 | 19% |
300万円以上~400万円未満 | 16% |
400万円以上~500万円未満 | 12% |
500万円以上~600万円未満 | 8% |
600万円以上~700万円未満 | 4% |
700万円以上~800万円未満 | 3% |
800万円以上~900万円未満 | 2% |
900万円以上~1,000万円未満 | 2% |
1,000万円以上 | 4% |
フリーランスで年収700万円以上を稼ぐ人の割合は、それほど多くはないことが分かります。ただし、1,000万円以上を稼ぐ人の割合は、年収700万円以上~800万円未満の人の割合よりもわずかに高くなっています。
フリーランスは実力次第で高収入を目指せる働き方であることが想像できるでしょう。
年収700万円の人の生活レベル
厚生労働省の「国民生活基礎調査」によれば、1世帯あたりの平均所得額は約564万円です。フリーランスが年収700万円の場合の手取り額は約550万円なので、平均的なレベルの生活を送れます。
注意したいのは、同じ年収700万円であっても生活スタイルや配偶者・子どもの有無によって生活レベルが変わることです。
具体的なイメージを持てるよう、独身・既婚者別に家計の目安を紹介します。年収700万円を稼いだ際に自分がどの程度の生活レベルを送れるか考える参考にしてください。
独身の場合の例
年収700万円の場合、手取りの目安である550万を12で割ると、月々に使えるお金は45万円です。あくまでも一例ですが、独身の場合は以下のような家計が想定されます。
- 家賃:15万円
- 食費:4万円
- 水道光熱費:1万円
- 通信費:5千円
- 趣味・娯楽費:3万円
- 雑費:1万円
- 貯金:20万5000円
独身のフリーランスの場合は、これらの額をすべて自分のためだけに使えるため、かなり余裕を持って生活できます。将来に向けて貯蓄額を増やしたり、さらに収入アップするための自己投資をしたりできるでしょう。
配偶者と子どもが一人いる場合の例
配偶者と子ども一人を想定した場合の家計の例を紹介します。
- 家賃:15万円
- 食費:8万円
- 水道光熱費:2万円
- 通信費:1万円
- 趣味・娯楽費:3万円
- 養育費:2万円
- 雑費:1万円
- 貯金:13万円
配偶者と子どもがいる場合、食費や水道光熱費、通信費などが独身時と比べて上がります。
また、この内訳はあくまで一例なので、家族が増えて広い家に引っ越した場合、家賃も上昇するでしょう。養育費も子どもの成長に伴い上がっていきます。
ただ、月に10万円以上の貯金ができれば経済的に安定した生活を送るれます。共働き家庭の場合は、より経済的な余裕を持てるでしょう。
年収700万円の将来の不安
年収700万円があれば平均的な暮らしを送れますが、将来を考えると不安もあります。りそなグループの発表によると、男性の生涯の手取りは1.89~2.16億円。年収700万円の手取りで達成を目指すなら、およそ34年から39年かかります。
現時点の年齢によっては、今から年収700万円を実現しても老後までに上記の金額に達しない人もいるでしょう。また、この生涯手取りはあくまで平均で、ゆとりのある老後を目指すならさらに多くの額を稼がなければなりません。
すでに資産がある人は別として、将来の不安を払拭するには、年収800万円、900万円とより高収入を目指すのが賢明です。
フリーランスで高収入は難しいと思うかもしれませんが、「フリーランス白書2023」によると、年収800万円以上の人は18.9%います。また、レバテックフリーランス利用者の平均年収は876万円です。
したがって、スキルや受注する案件次第で年収700万円以上に稼ぐのは十分可能といえます。レバテックフリーランスは、業界トップクラスの高単価なので、ぜひご相談ください。
フリーランス・個人事業主と会社員の手取りの違い
フリーランスと会社員では、受けられる控除や加入する保険に違いがあるため、同じ年収700万円でも手取り額に差が出ます。たとえば、会社員は所得額に応じて給与所得控除を受けられます。
給与所得控除は最大195万円。課税所得が抑えられるので、フリーランスより手取り額が多くなることもあるでしょう。
また、フリーランスは国民健康保険と国民年金の保険料を全額自己負担で支払います。一方、会社員は健康保険と厚生年金に加入し、保険料は企業と折半できます。さらに、会社員が加入する健康保険と厚生年金は、扶養家族がいても支払う保険料が変わりません。
こういった違いから、場合によってはフリーランスの方が保険料の負担が大きくなり、手取り額が少なくなることもあります。
将来的に受け取れるお金にも違いがある
フリーランスと会社員とでは、手取り額だけでなく、将来的に受け取れる金額にも違いがあります。
会社が加入する厚生年金は、国民年金(基礎年金)と厚生年金の2階建て構造です。現役時代に支払う保険料には、国民年金保険料も含まれています。将来的に年金を受給する際には、国民年金分と厚生年金分の両方を受け取とれます。
そのため、国民年金のみに加入しているフリーランスに比べ、受給額が2倍~3倍ほど高くなる場合も。また、退職金制度を設けている企業の会社員であれば、退職時に退職金をもらえます。
中央労働委員会の「退職金、年金及び定年制事情調査」によると、退職金の平均額は約2,230万円でした。当然フリーランスには退職金はないため、老後資金の面でフリーランスよりも会社員の方が有利だといえます。
会社員との違いを考えると、フリーランスは目先の収入のみならず、将来を見据えてお金の管理に気を配る必要があります。老後のお金の不安を解消したい人は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスが将来・老後のマネープランを考えるときに知っておきたいこと
フリーランスが手取り額を増やすコツ
フリーランスが手取りを増やすには、税金対策をしたり、スキルアップしたりする方法があります。具体的には、経費をしっかり計上するほか、年収に応じて法人化することです。
他にもクライアントのニーズに対応するスキルを磨くことで、より高単価の案件を受注できます。年収700万円以上を達成するために、手取りを上げる工夫を11個紹介していきます。
税金面でのコツ6つ
税金面では、経費や控除の知識をつけて節税対策を行うのが基本です。「税金関連の手続きは難しそう」と思う人は多いでしょう。しかし、経費や控除を活用して課税所得を減らすことで、実質的な手取りアップを実現できます。
経費計上や青色申告など、確定申告の前に身につけておきたい基礎知識6つ紹介するので、内容を確認して節税につなげましょう。
経費を適切に計上する
事業に関わる出費の多くは必要経費として計上でき、支払う税金の軽減につなげられます。仕事に関わる出費が発生したら、必ず領収書を保管し経費に計上するようにしましょう。一例として、次の項目は経費にできます。
- 事務所の家賃
- 仕事に使うPCの購入費
- 取引先までの交通費
- 出張時の宿泊費
どこまでが経費になるのか詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスの経費はどこまで?計上できるものやいくらまでの割合が適正か
所得控除を活用する
経費と同時に、所得控除を活用することで課税所得を減らせます。たとえば、フリーランスが加入できる「国民年金基金」や「小規模企業共済」の掛金は、全額が所得控除の対象になります。
所得控除は種類ごとに受けられる条件が異なるため、自分が対象になるかを確認し、活用できる控除は最大限に活用しましょう。所得控除の種類について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
所得控除の種類
青色申告で確定申告を行う
確定申告の種類には「白色申告」と「青色申告」の2種類がありますが、フリーランスは「青色申告」がおすすめです。下記のメリットを得られます。
- 最大65万円の「青色申告特別控除」を受けられる
- 赤字の繰り越しが3年間可能になる
- 30万円未満の固定資産の経費を一括で計上できる
- 家賃・水道光熱費などを家事按分で計上できる
- 従業員として働く家族への給与を経費で計上できる
青色申告で確定申告をするには、あらかじめ、「青色申告承認書」を税務署に提出しましょう。青色申告の詳しいやり方について知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスに青色申告がおすすめの理由とやり方、初心者向け節税方法
NISAやiDeCoをはじめる
iDeCoやNISAの活用も節税につながります。
iDeCoは、投資商品を積み立て老後に備える制度で、拠出時の掛金が全額所得控除となるほか、運用益も非課税になります。また、将来的に受け取る年金が退職所得控除・公的年金控除の対象となるのもメリットです。
NISAは、少額から投資を行える制度です。iDeCoと違っていつでもお金を引き出せるので、教育費や住宅購入資金などの用途で活用する人が多くいます。NISAの場合は、運用益が非課税となります。
収入が不安定なフリーランスは、節税に加えて将来の生活や大きな出費に備えるためにも、これらの制度を活用すると良いでしょう。
節税できる年収を把握する
所得税は所得が増えるほど税率が上がるため、節税できる年収を把握することもポイントです。
年収600万円前後だと税率を10%に抑えられますが、年収700万円になると税率は20%のラインに上がります。手取りを増やすために年収700万円を目指す場合は、税率も意識しておきましょう。
また、年間所得が290万円以下なら個人事業税は非課税です。副業としてフリーランス活動をする際は、この額を意識することもポイントになります。
法人化を検討する
売上によっては、個人事業主から法人化すると節税できる可能性があります。
個人事業主が納める所得税は累進課税であるため、収入が増えるほど税率が上がり税負担が重くなります。しかし、法人が納める法人税は税率が23.3%に固定されるため、売上が増えても税負担は変わりません。
個人事業主の税率が最大で45%まで上がるのと比べると、かなりの節税効果が期待できるでしょう。一般的に、課税所得が900万円を超えると法人化で税金を抑えられるといわれます。
法人化の詳しいメリットについて知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスが法人化するメリットとは?必要な手続き、タイミングとあわせて徹底解説
スキル面でのコツ3つ
フリーランスとしてのスキルを磨くことも、収入アップにつながります。
フリーランスのスキルは、業務に関する専門知識から営業力まで幅広いです。業務の専門性に伸びしろがある人は自己研鑽を行い、営業が苦手な人は営業活動のやり方を工夫すると良いでしょう。
業務面のスキルと営業力のどちらも身につければ、より単価の高い案件を受注できるようになります。具体的なスキルの伸ばし方を3つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
専門性が高いスキル・需要が高いスキルを身につける
すでに習得している分野の専門性を深め、難易度の高いニーズに応えられる力を身につけましょう。専門性を身につけたフリーランスは市場価値が高く、より条件の良い案件を獲得できます。
また、自分が関わる業界・業種に関する最新情報に常にアンテナを張り、需要が高いスキルを身につけることも大切です。需要が見込める複数のスキルを磨くと、対応できる案件の幅が広がり収入アップにつながります。
営業力を磨く
営業では、良質なクライアントを見極め、自分のスキルや経験がどのように役立つかを的確にアピールすることが大切です。得意分野やこれまでの実績を整理し、できればポートフォリオを作成してスキルを分かりやすく伝えましょう。
なお、営業に苦手意識を持つ方は、フリーランス向けエージェントを利用して案件を獲得する手段もあります。レバテックフリーランスでは、キャリア相談や案件の提案、単価交渉を行うので、営業が苦手な方も高単価の案件を獲得できます。
専門分野以外のスキルを活かす
自分が得意とする分野からスキルの幅を広げると、フリーランスとしての価値が上がり年収アップを目指せます。
エンジニアなら、ITスキルに加えて金融系や医療系などの知識を身につけることで、業界に詳しい開発者として需要が高まります。今あるスキルにほかのどんなスキルを掛け合わせれば強みになるかを考え、自己研鑽に励みましょう。
そのほかのコツ2つ
節税とスキルアップのほかにも、手取りを上げるコツがあります。たとえば、経費で節税するだけではなく、そもそも事業にかかるコストを下げることで経営を安定させられるでしょう。
そこで、手取りを上げるためのコツを2つ解説していきます。手取りアップの方法を漏れなく把握し、着実に収入を確保するためぜひ参考にしてください。
コストを下げる
毎月の支出を見直すことは、実質的な収入アップにつながります。仕事に必要な支出は経費に計上できるとはいえ、無駄遣いは禁物です。フリーランスの節約法として、以下のような例が挙げられます。
- 賃貸オフィスではなくレンタルオフィスを活用する
- コピー機を白黒設定にする
- 消耗品(文房具など)を最低価格にする
- 請求書や納品書をペーパーレス化する
ちょっとしたことでも、日頃から気をつけていると大幅なコストカットにつながります。手取りアップを目指す人は、コストの面にも目を向けましょう。
単価アップや受注数増を目指す
現状の単価で年収700万円の達成が難しい場合は、単価アップを目指しましょう。案件を受注する際は、自分のスキルや経験に見合った単価であるか確認します。また、すでに取引しているクライアントがいれば、単価を上げられないか交渉すると良いでしょう。
交渉するのは、「実績を積んでクライアントの信頼を得られた」「新しいスキルを取得した」といったタイミングがおすすめです。交渉の詳しいやり方について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスの単価の決め方|単価アップ方法や交渉の注意点なども解説
また、案件の受注数を増やすことも手取りアップにつながります。SNSやエージェント、フリーランス向けの交流会などの受注経路を使って、受注件数を増やしてみましょう。
レバテックフリーランスは5,000社以上と取引しているため、豊富な選択肢から希望の案件を見つけられます。
フリーランスの手取り早見表
年収500万円台・600万円台・700円台・800円台の手取りを紹介します。早見表でまとめたので、それぞれの年収帯でどれくらいの金額が手元に残るのかイメージする参考にしてください。
年収 | 手取りの目安 |
---|---|
504万円(年収500万円台の参考) | 416万9,160円 |
600万円(年収600万円台の参考) | 486万4,260円 |
696万円(年収700万円台の参考) | 549万6,660円 |
804万円(年収800万円台の参考) | 618万1,068円 |
こちらの表にある年収帯では、年収の約7割から8割が手取りになることが分かります。それぞれの詳しい計算過程や税金・保険料の内訳を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスで年収500万円の手取りシミュレーション|税金・保険料の計算方法も解説
フリーランス・年収600万の手取りシミュレーション|支払う税金・保険料とあわせて解説
フリーランス・年収800万円の手取りはいくら?引かれる税金・保険料とは
独立後のお金の不安を解消する方法
フリーランスは会社員と比べると収入が不安定であるため、収入アップを含めて自分でしっかりお金の管理を行う必要があります。
基本としては、日頃の出費がどれくらいか把握することや案件が途切れないための工夫を行うことが重要です。フリーランスは月々の収入の保障がないといわれますが、自分で対策すれば一定の貯蓄や収入を確保できます。
お金の不安を解消するための具体的な方法を挙げていくので、独立後に安心して生活するためのヒントにしてください。
毎月の生活費を把握する
毎月の生活費を把握することで、月に必要な収入と仕事量を明確にできます。できれば、独立後にかかる経費がいくらかも見積もり、個人でかかる生活費と経費の支出の合計を算出しましょう。
目標とする収入を達成できそうになければ、案件の受注数を増やすといった対応を行います。あらかじめ必要な金額を頭に入れておけば、収入が不足した際にすぐに気づいて行動に移せ、生活を安定させられます。
独立前に一定の貯蓄をする
フリーランスが経済的に困窮するのを避けるには、独立前に一定の貯蓄をすることもポイントです。独立後はすぐに案件が見つかるとは限りません。事業が軌道に乗るまでにはある程度の時間がかかると考え、半年から1年分の生活費を貯蓄しましょう。
経済的な余裕があると、お金のために気が進まない案件を引き受けたり、無理をして多調を崩したりするリスクを減らせます。
老後資金形成の知識を増やす
会社員と比べて老後の保障が手薄なフリーランスは、自分から積極的に資金形成の知識を増やすことが求められます。手取りを上げるほかにも、以下のような制度を活用して老後に収入を得るための準備をしましょう。
- 小規模企業共済
- 国民年金基金
- iDeCo
フリーランスの老後のマネープランについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスが将来・老後のマネープランを考えるときに知っておきたいこと
複数の取引先を確保する
フリーランスが収入を安定させるには、複数の取引先を確保するのがおすすめです。取引先が複数あると、万が一取引先が倒産した際や、契約を打ち切られた際にも収入が途切れずに済みます。
また、多様な案件をこなすことはスキルアップにもつながります。多くの経験を積んでスキルを磨くことで、自身の市場価値を上げて手取りを増やしていけるでしょう。
年収700万円のフリーランスの手取りに関するよくある質問
フリーランスで年収700万円を目指す場合、実際の手取りや差し引かれる税金について気になる方がいるのではないでしょうか。一般的に、手取りは年収の7~8割といわれており、稼いだ金額のすべてが手元に残るわけではありません。
フリーランスになって収入アップしたい方は、まずは年収と手取りの知識を見につけ、自分がどのくらい稼ぐか目標を決めましょう。年収や手取り、売上に関するよくある質問をまとめたので、お金の知識を身につける参考にしてください。
Q. 年収700万円の手取りはいくら?
フリーランスで年収700万円の手取りはおよそ550万円です。フリーランスの年収からは、所得税や住民税、国民健康保険、国民年金の保険料が差し引かれます。そのため、手元に700万円を残したい場合は、年収700万円以上稼がなければなりません。
Q. 売上と年収は何が違う?
フリーランスの「年収」は、1年間に稼いだ総収入のことで、税金や社会保険料を差し引く前の金額を指しています。「売上」も事業による総収入を指しますが、定められた期間がなく、「◯年間の売上」といった表現を使うのが特徴です。
Q. 年収を聞かれたらどの額を答える?
年収は、税金や社会保険料などが差し引かれる前の収入を指しています。そのため、年収を聞かれたら、手取りではなく年間の総収入金額を答えるのが一般的です。フリーランスの場合、確定申告書の「所得金額の合計」に記載する金額と考えて良いでしょう。
Q. 年収700万円の税金はいくら?
年間では、所得税はおよそ35万円、住民税はおよそ40万円です。このほかに、業種や売上高によっては個人事業税と消費税が発生することもあります。手取りを求める際は、各種社会保険料も差し引く必要があるので注意してください。
※本記事は2023年5月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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※相場算出に個人情報の取得はおこないません。
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