フリーランスが個人事業主になるために必要な開業届の書き方を解説! | レバテックフリーランス
フリーランスが個人事業主になるために必要な開業届の書き方を解説!
個人事業主になるのに必要な開業届の作成には、さほど手間はかかりません。「副業だから必要ない?」と考える人もいますが、開業届が受理されると複数のメリットが得られます。
この記事では、開業届の書き方についてまとめました。記入例や提出方法、開業届を出すメリット・デメリットについても解説します。事務手続きの不安を解消したい方は、ぜひ参考にしてください。
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開業届の各項目の書き方と記入例
以下は、フリーランスが個人事業主になるための開業届です。
引用元 : 個人事業の開業・廃業等届出書|国税庁
この章では、各項目の書き方を記入例とともに解説していきます。
なお、書類を提出したあとに税務署から受理の連絡が届く仕組みはありません。窓口へ提出する場合はその場で控えが渡され、郵送した場合は数日後に受領印を押された控えが返送されます。e-Taxで手続きした際は、システムから発行される受信通知が受理の証拠となります。
1.提出先・提出日
引用元 : 個人事業の開業・廃業等届出書|国税庁
納税地を管轄する税務署名と、提出する日付を記入する欄です。管轄の税務署が分からない方は、国税庁のWebサイトで調べられます。
郵送の場合、提出する日付の欄には投函日を記載しましょう。
2.納税地・住所
引用元 :個人事業の開業・廃業等届出書|国税庁
納税地の区分を以下3つの中から選択し、住所・電話番号を記入します。
| 区分 | 意味・該当する場所 |
|---|---|
| 住所地 | 生活の本拠となる住所(住民票がある場所) |
| 居住地 | 国内に住所はないが継続して居住している場所 |
| 事務所など | 店舗や事務所といった住所地以外に事業の拠点がある場所 |
自宅を事務所としているなら、「住所地」を選択します。判断に迷う場合は管轄の税務署へ確認するのがおすすめです。
なお、税務署からの通知はここで選択した納税地へ届きます。納税地とは別の場所に事業所を構えているケースでは、下の欄にその住所を記入しましょう。
3.氏名・生年月日・個人番号
引用元 :個人事業の開業・廃業等届出書|国税庁
事業者の「氏名」「生年月日」を記載します。氏名はフリガナ付きで記入し、生年月日は該当の元号に印を入れたうえで記入してください。
「個人番号」の欄には、マイナンバーカードに記載されている12桁の番号を記入しましょう。
4.職業
引用元 :個人事業の開業・廃業等届出書|国税庁
職業欄ではどんな事業をしているのか、税務署に伝わるように記入するのがポイントです。選んだ職業により個人事業税の税率が変わる場合があるため、プログラマーやWebデザイナー、ライターなど、実態に即した職業名を明記しましょう。複数の事業を手掛けているときは、「プログラマー、翻訳」のように併記しても差し支えありません。
5.屋号
屋号欄には、事業を行っている店舗名や事務所名を記載します。屋号は任意なので、つけない場合やまだ決めていない場合は空欄で問題ありません。
あとから屋号をつけたい場合や変更したい場合は、確定申告書類の屋号欄に新しい屋号を記入するだけで、税務署への届け出として認められます。
引用元 :個人事業の開業・廃業等届出書|国税庁
6.届出の区分・所得の種類
引用元 :個人事業の開業・廃業等届出書|国税庁
「届出の区分」は、新規に事業を開始する場合であれば「開業」に丸をつけます。
その他の項目(新設・増設・移転・廃止など)は、すでに事業を営んでいる方が変更の手続きを行う際に使用するものなので、新規開業時は空欄のままで問題ありません。
「所得の種類」は、一般的な事業による収益であれば「事業所得」を選択します。ただし、不動産賃貸がメインの場合は「不動産所得」、山林の伐採や譲渡による所得の場合は「山林所得」を選択してください。
7.開業・廃業等日
引用元 :個人事業の開業・廃業等届出書|国税庁
「開業日」の欄には、事業を行う店舗のオープン日やサービス・サイトを始めた日の日付を記入します。
フリーランスでサイトや店舗の開設をしていない場合は、事業を始めた日で問題ありません。開業日に関する特別なルールはないため、自分が事業を開始したと認識した日付を記載しましょう。開業日は開業届の提出日と一致している必要はありません。
8.開業に伴う届出書の提出の有無
引用元 :個人事業の開業・廃業等届出書|国税庁
開業届と併せて「青色申告承認申請書」を同時に提出する場合は、上段で「有」を選択しましょう。
下段は、開業に合わせて「消費税課税事業者選択届出書」を提出するかどうかの確認です。消費税課税事業者選択届出書とは、「免税事業者(基準期間の課税売上高が1,000万円以下で、消費税の納税義務を免除されている事業者)」が、自ら消費税を納める「課税事業者」になるために提出する書類です。主に、大きな設備投資で支払った消費税の還付を受けたい場合や、インボイス登録を行う場合などに提出します。
つまり、この欄は、免税事業者の要件を満たしている方が、あえて課税事業者となることを選択する必要がなければ「無」で差し支えありません。インボイス制度について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
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9.事業の概要
引用元 :個人事業の開業・廃業等届出書|国税庁
「事業の概要」欄は、どんな事業を行うのかを記載する項目です。たとえばプログラマーなら「システム開発」、Webデザイナーなら「Webサイトのデザイン」のように、概要を簡潔に記入します。
ほかには、ライターなら「◯◯に関する記事を雑誌に提供」、飲食店経営なら「フレンチレストランの経営」と記載しましょう。どんな事業を行っているのか、客観的に分かる書き方にすれば問題ありません。
10.給与等の支払の状況
引用元 :個人事業の開業・廃業等届出書|国税庁
「給与等の支払の状況」欄は、家族への給与(専従者給与)や従業員への給与支払いがある場合に記入する項目です。専従者や従業員がいない場合は空欄で問題ありません。専従者がいる場合は「専従者」欄に、それ以外の従業員がいる場合は「使用人」欄に従業員数を記入します。
「税額の有無」は、給与から源泉徴収として所得税を天引きする必要があるかどうかの確認を行う項目です。原則として、従業員の給与の月額が8万8,000円以上の場合は「有」を選択します。
開業届の手続き方法
開業届とは、個人事業主として事業を始めたことを税務署に知らせる書類で、正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。
会社員の場合は給与から所得税が差し引かれますが、個人事業主は自ら税額を計算し確定申告を行わなければなりません。税務署は、出された届出書を確認して初めて「この場所で誰がどのような商売を始めたか」を認識します。提出がない状態では、税務署側は誰が納税の対象者であるか判断できません。正しく受理されることで、申告の時期に案内が届いたり、税務上の相談ができたりする状態となるのです。
この章では、開業届の提出方法や注意点をまとめました。開業届は提出期限や提出方法が決まっているので、手順を確認してスムーズに手続きを進めましょう。
提出方法と注意点
開業届はどこの税務署に出しても良いわけではなく、提出先の税務署に指定があり、提出期限も決まっています。
あらかじめ提出のやり方を知っておくと、忙しくても自分に合った方法で手続きできます。これから独立する方、すでに独立しているものの届出を出していない方は、ルールや罰則の有無を確認して準備を進めましょう。
納税地の税務署に提出する
開業届は、納税地を管轄する税務署に提出しましょう。税務署の開庁時間は、平日の午前8時半から午後5時までです。開庁時間外や土日祝の閉庁日に来庁した場合も、税務署の時間外収受箱へ投函すると受け付けてもらえます。
郵送やe-Taxでの提出も可能です。
控え用も提出し返送されたら保管する
紙の書類を窓口へ持参したり郵送したりする場合は、同じ内容のものを2部用意してください。税務署側で複写やコピーを用意してくれる仕組みはないため、自分で2枚準備する形となります。1部を提出用、もう1部を自分用の「控え」としてセットで出すと、窓口や郵送にて日付印を押した状態で戻されます。受領印がある開業届の控えは個人事業主として開業した証明になるので、なくさずに保管しましょう。
一方でe-Taxを利用して手続きした際は、送信後にシステムから発行される「受信通知」が控えとなります。この受信通知と送信したデータの原本を合わせれば、紙の控えと同じように証明として扱えるため、必ず保存しましょう。
事業開始日(開業日)から1ヶ月以内に提出する
開業届の提出期限は、事業を開始した日から1ヶ月以内です。期限を過ぎて出しても罰則は科されませんが、遅れると節税面で不利益を被る可能性があります。
青色申告をしたい場合は、開業届と一緒に「青色申告承認申請書」を提出しましょう。青色申告承認申請書の提出期限は、青色申告したい年の3月15日までです。例外として1月16日以降に開業した人は、開業日から2ヶ月以内までが提出期限となります。
開業届の入手方法
開業届は、全国各地の税務署で入手できるほか、国税庁のWebサイトからダウンロードできます。開業届の様式は税務署で定められているため、書き方を遵守するだけでなく、この2箇所のいずれかで手に入れたものを使用しましょう。
e-Taxを利用すれば、紙の書類を用意する手間を省き、自宅から手続きを済ませられます。
開業届以外に必要な手続きについて詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
フリーランスが開業届を提出するメリット
フリーランスの中には、事務作業への苦手意識から開業届を提出しない人もいるようです。しかし、提出すると顧客から信頼を得られたり、節税につながったりするメリットがあります。
個人事業主向けの制度を利用するにも、開業届の控えが必要な場合があります。開業届の提出に迷う方は、メリットを確認していきましょう。
屋号で仕事ができ、社会的信用を得やすくなる
開業届を出す際に「屋号」を登録すると、屋号付きの銀行口座を開設できます。
ネットショップなどで面識のない相手とやり取りする際、振込先が個人名のみでは、支払いをためらわせてしまうおそれも否定できません。ショップ名を含む屋号付き口座であれば、事業の実態が伝わりやすく、社会的な信用度を高める一助となるでしょう。
屋号付き口座は、プライベートの家計と事業資金を明確に分離できるため、お金の動きを把握しやすくなるというメリットもあります。個人名義の別口座を事務用にする方法もありますが、屋号付きであれば「事業専用の財布」であることが公的に示されるため、税務調査で公私混同を疑われる心配がありません。
青色申告が可能になり節税になる
青色申告によって大幅な節税ができるという点も、大きなメリットです。青色申告とは、「青色申告承認申請書」を提出し要件を満たせば、税金面における優遇措置を受けられる制度を指します。この手続きを行わない場合は、自動的に「白色申告」として扱われ、優遇の幅が狭まる点に注意してください。
白色申告に比べて記帳の手間は増えますが、納める税額を抑えて手元に残る資金を増やすためには、活用すべき仕組みといえます。
65万円の特別控除を受けられる
青色申告の大きな特徴は、所得から最高で65万円を差し引ける特別控除の仕組みです。この控除を適用すれば課税対象となる金額を抑えられるため、納める税額を減らす結果につながります。
e-Taxによる申告や複式簿記での記帳といった条件はありますが、その労力に見合うだけの高い節税効果が期待できる制度です。
貸倒引当金を経費として計上できる
事業上の取引で生じた売掛金や貸付金について、将来回収できなくなるリスクに備えた準備金を、一定額まで経費に算入できるというメリットもあります。これを「貸倒引当金」と呼び、白色申告では認められない青色申告特有の制度です。
実際に損失が出る前の段階で費用として計上できるため、資金繰りの面で助けとなるでしょう。
赤字を3年間繰り越せる
経営の中で損失が出た際、その赤字を翌年以降3年間にわたって持ち越せるという特徴があります。翌年以降に利益が出たとき、過去の赤字分を差し引いて税金を計算できる点がメリットです。設備投資がかさむ開業1年目の赤字を、2年目や3年目の黒字と相殺して税額を抑えられるため、収入が不安定な立ち上げ時期を支える心強い仕組みといえます。
青色申告について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
小規模企業共済に加入できる
開業届を出して個人事業主になると、小規模企業共済に加入できる点もメリットの1つといえるでしょう。小規模企業共済は、小規模企業の経営者や役員、個人事業主が廃業・退職した際に、積立金額に応じた共済金を受け取れる制度です。
積み立ての毎月の掛金は、1,000円から7万円までの範囲で自由に選べます。さらに掛金は全額所得控除にできるので、節税にもつながります。
開業届を提出するデメリット
開業届を提出すると屋号の取得や節税といったメリットを受けられますが、一方で失業保険の受給に影響が出たり、申告の形式によっては管理の手間が増えたりするデメリットもあります。
デメリットを把握したうえで、今のタイミングで開業届を提出するかどうか検討しましょう。
複式簿記による帳簿付けが難しい
青色申告で最高65万円の控除を受けるためには、複式簿記という形式で日々の取引を記録しなければなりません。この手法は、一つの取引を二つの側面から捉えて記載するルールであり、慣れるまでは記帳のやり方に戸惑う可能性があります。
ただし、10万円の特別控除を選択するケースでは、家計簿に近い感覚で書ける簡易簿記による記録で差し支えありません。この場合は記帳の負担も抑えられるため、必ずしも高度な専門知識を揃える事態にはならないといえます。
簿記の知識が浅い場合でも、会計ソフトを導入すれば銀行口座やカードの明細を自動で取り込み、正確な書類を作成できます。自力での管理が厳しいと感じる際は、税理士などへ業務を委託する手段も検討すると良いでしょう。
失業保険が受けられなくなる
開業届を提出するタイミングによっては、失業保険が受けられなくなる可能性があります。そもそも失業保険は、企業に就職したいと考え転職活動をする間、生活費の心配をしなくて済むように手当が支給される制度です。
企業に再就職せず、退職後すぐにフリーランス(個人事業主)として活動していく場合は、原則として失業手当は受け取れません。
開業届を書いて提出しないとどうなる?
所得税法では、事業の開始から1ヶ月以内に届出書を出す義務が定められています。期限を過ぎても直接的な罰則は科されませんが、法律で決まったルールである点は念頭に置いておきましょう。
届出を済ませていない状態では、青色申告による特別な控除を選べないため、白色申告による高い税負担を負います。
開業届を出さず、屋号付きの口座を作れない状況は、取引の場面で不都合を招くかもしれません。振込先が個人名のみでは、請求書の記載と口座名義が一致しているか相手方に慎重な確認を強いる可能性があります。
さらに、銀行から融資を受けたりオフィスを借りたりする際は、事業を営んでいる公的な証拠として開業届の控えを求められるケースが多いです。この書類がないと、事業の実態を客観的に証明できず、審査の手続きが滞るおそれも否定できません。
フリーランスが開業届を提出する際に揃える書類
開業届以外に必要な書類についても把握しておきましょう。必要書類が足りないと、再び税務署を訪れるか郵送で再提出する手間が発生します。
開業届の提出時に用意する書類は以下の通りです。
- 個人事業の開業・廃業等届出書
- 届出書の控え(自分用)
- 本人確認書類(マイナンバーカードや免許証など)
控えの書類は、受付印を押したうえで戻されます。屋号付きの口座を作る際や、共済への加入手続きで提示を求められるため、紛失しないよう保管してください。万が一受付印が押されていなかったり、控えをもらい忘れたりした場合は、税務署で再発行が可能です。
提出方法によっては、以下の書類が追加で必要になります。
| 提出方法 | 追加で用意するもの |
| 窓口へ持参 | ・本人確認書類の原本 (提示のみで可) |
| 郵送・収受箱へ投函 | ・本人確認書類の写し ・切手を貼った返信用封筒 |
郵送や時間外収受箱を利用する際は、マイナンバーカードの表裏をコピーした書面を同封しましょう。控えを返送してもらうための封筒には、あらかじめ自分の住所と氏名を書き入れ、必要な料金分の切手を貼っておきます。
確実に届けたい場合は、レターパックといった追跡機能が付いたサービスでの郵送がおすすめです。
フリーランスの開業届に関するよくある質問
ここでは、フリーランス(個人事業主)の開業届に関するよくある質問に答えていきます。
Q.フリーランスは開業届が必要?
フリーランスの場合、開業届の提出は不要です。個人事業主になる場合は、新しく事業を開始した際に税務署へ届け出るよう所得税法によって定められています。副業として活動している場合でも、継続して収入を得る予定なら書類を出さなければなりません。届け出を怠ったとしても罰則は受けませんが、ルールに基づいた手続きを済ませるのが基本です。提出を済ませておけば、税務署から確定申告の案内が届いたり、公的な書類で個人事業主である証明が行えたりするようになります。
Q.フリーランスが開業届出を出さないとどうなる?
節税につながる青色申告を選べず、税務上の恩恵を受けられないというデメリットがあります。事業用の銀行口座を屋号で作れないため、フリーランスとしての社会的信用を得られないおそれもあるでしょう。さらに、確定申告の時期に税務署から案内が届かないため、申告漏れを起こすリスクも高まります。無申告を指摘されたり、延滞税を徴収されたりする事態を防ぐためにも、早めの手続きをおすすめします。
※本記事は2026年5月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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