社内SEの仕事内容とは?やりがい・必要なスキル・年収目安も紹介

社内SEとは、エンジニアの職種の一つです。社内SEには明確な職種の定義がなく、企業によって職務が異なる場合があります。社内SEにはどのような仕事内容があるのでしょうか。また、社内SEを目指すのに必要なスキルはあるのでしょうか。本記事では社内SEに転職する際のポイントを見ていきましょう。

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社内SEとは

社内SEは、自社内のSE(システムエンジニア)のことです。社内システムの設計・開発・テスト・保守を担います。また、社内システムの窓口として、社員からシステムに関するヘルプやトラブル対応があれば行うことも多いです。

ただし、社内SEの仕事は多岐にわたるため、具体的な仕事内容は勤務先によって異なります。

そもそもシステムエンジニアとは?といった点が気になっている方は、これらの関連記事をご覧ください。
【エンジニアのプロ監修】システムエンジニア(SE)とは?仕事内容・年収・なり方を解説

社内SEと常駐SE・SI・SESの違い

社内SEと常駐SEの違いは、所属先です。社内SEが自分の勤務先で稼働するのに対し、常駐SEはSIer(システム開発に関する業務を受託する)企業などに勤める人が、クライアントのオフィスに常駐します。

また、社内SEとSIやSESの主な違いが、仕事を依頼する相手です。社内SEが自社のシステム運用・保守などを担うのに対し、SIやSESは社外企業から依頼されたシステム開発などを請け負います。
また関わる企業の業界や業務によって、SEの中にも「メーカー系SE」「金融系SE」「ブリッジSE」などの種類が存在します。

なお、SI(システムイングレーション)はシステム要件の定義・開発・運用・保守まで一貫して請け負う仕事です。また、SES(システムエンジニアリングサービス)は主にSIの一次請け・二次請けとして、プロジェクトの開発や実装を担う仕事を指します。

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社内SEの年収目安

システムエンジニアのノートパソコンの写真

社内SEの平均年収を示した公的なデータはありません。経済産業省が2017年に実施した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、SE・プログラマの平均年収は「ソフトウェア製品の開発・実装」が568.5万円、「組み込みソフトウェアの開発・実装」が603.9万円でした。

そのため、600万円前後が社内SEの平均年収の目安といえるでしょう。ただし、社内SEの実際の年収は所属する企業の規模や業務範囲、年齢によっても異なります。

社内SEの平均年収や、年代による年収差について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
社内SEの年収相場や上がらない理由を解説!700・1000万円を目指す

参考:経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」

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社内SEの仕事内容・業務内容

ノートパソコンの写真

社内SEの主な仕事内容・業務内容は、以下のとおりです。

  • システムの予算作成
  • システムの企画・導入
  • システム開発・スケジュール調整
  • システムの運用・保守
  • 問い合わせ対応

それぞれ解説します。

システムの予算作成

システムの予算作成とは、年間や期末ごとにシステム開発や運用などの予算を作成することです。技術面でかかるコストだけでなく、システムに関する部署全体の予算を作成することもあります。

また、予算作成後に実際に発生したコストを都度チェックし、設定した予算が範囲内におさまるように管理することも業務のひとつです。

システムの企画・導入

システムの企画とは、自社の経営課題を解決するために、どのようなシステムを導入すべきか考える業務のことです。勤務先の経営戦略を考慮した上で、業務効率の向上や、経費削減、事業の拡大などの観点から企画していきます。

また、勤務先の管理職・役員などの決裁権限者に立案した企画を提案し、システム導入に向けた準備を進めていくことも社内SEの役割です。

システム開発・スケジュール調整

会社によって、自社でシステムを開発する場合と外注する場合があります。

自社で開発する場合は、システムの設計・開発・テストなどが社内SEの役割です。基本的に、社内が開発工程をすべて担当します。

一方、開発を外注する場合は、ベンダーの選定やスケジュールの調整が社内SEの役割です。また、進捗状況についても管理しなければなりません。

システムの運用・保守

システムの運用・保守とは、システム導入後に問題が生じないよう管理することを指します。一般的に、システムの運用が定期的な業務であるのに対し、システムの保守が突発的に発生する点が主な違いです。

システムの運用とは障害が発生したり、システムが停止したりしないように調整する業務を指します。一方、システムの保守とはシステムにトラブルが生じた際に対応する業務のことです。

なお、問題に対応するため、勤務先からの指示に従いシステム変更・拡張することも業務として挙げられます。

問い合わせ対応

問い合わせ対応とは、自社の従業員から問い合わせがあった際に対応する業務のことです。主な問い合わせとして、導入したシステムの操作方法や、不具合が生じた場合の解決方法などが挙げられます。

勤務先の業種、従業員のITリテラシーによって、パソコンの使い方やプリンターの設定方法、パスワード管理に関することなど、基本的事項について問い合わせがあるケースもあるでしょう。

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社内SEのやりがい・魅力

社内SEのやりがいや魅力は、以下のとおりです。

  • 納期の交渉をしやすい
  • 幅広い業務に携われる
  • その場で利用者のフィードバックを受けられる

詳しく説明します。

納期の交渉をしやすい

納期の交渉をしやすい点が、社内SEの魅力です。

基本的に、SEの仕事には納期が設定されます。そのため、クライアントの案件を引き受ける際に納期に遅れて信頼を損なうことがないよう、プレッシャーを抱えながら業務を進めなければなりません。納期を守るために、勤務時間を超過することもあるでしょう。

それに対して社内SEの場合は、相手が勤務先のため、外部とやり取りをするケースと比べると納期の交渉がしやすいです。ただし、遅れが続くと勤務先に迷惑をかける上、査定にも大きく影響するため、社内SEであっても納期を守るよう心がけなければなりません。

幅広い業務に携われる

幅広い業務に携われる点が、社内SEのやりがいです。

社内SEには、システムの企画・運用・保守など幅広い業務に携わる機会があります。一部の工程にのみ携わることが一般的なSEと異なり、一貫してプロジェクトに携わるため、システムが導入するまでの流れをはっきりと掴めるでしょう。

なお、フリーランスのエンジニアは、案件を引き受ける上で知識・スキルに加えて経験も重要です。社内SEとして幅広い業務に携わることが、将来フリーランスとして独立する場合にも役立つでしょう。

システムエンジニアの将来性について知りたい人は、こちらの記事を参考にしてみてください。
システムエンジニア(SE)の将来性|これからのIT業界で需要があるスキルや資格

その場で利用者のフィードバックを受けられる

基本的に、社内SEはその場で利用者のフィードバックを受けられます。なぜなら、システムを利用する人が自分が勤める会社にいるためです。

自分が導入したシステムを利用している様子をすぐに確認できるため、やりがいを感じやすいです。また、トラブルへの対応を迅速に進められるため、働きやすいでしょう。

休憩中の何気ない会話や、懇親会の場などで、システム導入による成果について直接感謝を伝えられる機会もあります。その結果、仕事へのモチベーションの向上にもつながるでしょう。

どのような人がシステムエンジニアに向いているのか知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
システムエンジニアに向いている人の特徴|SEに求められる適性とは

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社内SEになる上で大変なこと

コーディングをしている人のパソコン画面

社内SEになる上で、以下の点が大変とされています。

  • 未経験者でいきなり転職は難しい
  • 初歩的な問い合わせに対応しなければならない
  • 在籍する企業によって業務内容が異なる

それぞれ確認していきましょう。

未経験者でいきなり転職は難しい

そもそも、未経験者でいきなり社内SEに転職することは難しいでしょう。なぜなら、社内SEには会社の重要なシステムに迅速・適切に対応する能力が求められるためです。

未経験者でも社内SEになる機会を掴みたい場合は、知識習得に努める必要があります。また、資格取得をして一定のスキルがあることを証明することにより、未経験からでも社内SE転職に結びつけられる可能性はあります。

未経験から社内SEに就職や転職しようと考えている方は、これらの記事も参考にしてみてください。
社内SEに未経験から転職できる?仕事内容や求人状況を解説
システムエンジニア(SE)に文系から就職できる?|仕事内容はきつい?楽しい?

初歩的な問い合わせに対応しなければならない

勤務先によって、初歩的な問い合わせに対応しなければならない点が、社内SEとして勤める上で大変な点です。ITツールに不慣れな従業員が多い企業の場合、IT全般に関する質問に対して都度丁寧に対応しなければなりません。

また、一般的なSEと比べて人と関わる機会が多いため、コミュニケーションが苦手な方は大変と感じるでしょう。

在籍する企業によって業務内容が異なる

在籍する企業によって業務内容が異なる点も、社内SEならではの大変さでしょう。

開発を外注している企業に勤め、管理業務ばかりを任せられる場合、社内調整や保守・運用が主な業務です。開発のスキルや経験は、なかなか積めません。

また、企業の規模・業種によって勤める社内SEの数が異なります。社内SEが少人数の場合、自分があらゆる業務に対応しなければならないため、重い負担がのしかかるでしょう。

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社内SEになるには?必要なスキルや資格、キャリアパスについて

プログラミングの学習をするシステムエンジニア

社内SEを目指している方向けに、以下の情報を紹介します。

  • 社内SEに必要なスキル・知識
  • 社内SEになるまでに積むべき経験・キャリアパス
  • 社内SEの業務に関連する資格

それぞれ確認していきましょう。

社内SEに必要なスキル・知識とは?

自社で開発する会社に勤める場合、プログラミングに関するスキルが欠かせません。大規模開発に使われやすいJavaや、近年ニーズが高まっているPythonなどは押さえておきましょう。

また、システムに関する予算を管理するスキルや、財務知識を求められることもあります。さまざまな従業員とやり取りをするため、コミュニケーションスキルも大切です。

社内SEに必要なスキルや知識についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
社内SEに必要なスキル|仕事内容や役立つ資格、転職方法は?

社内SEになるまでに積むべき経験・キャリアパスは?

社内SEでどのような業務を担うかによって、積むべき経験やキャリアパスも異なります。たとえば、主に開発を担当したい場合は、技術を磨き特定分野におけるスペシャリストを目指さなければなりません。

また、システムの企画や導入が中心の社内SEを目指す場合は、別の部署に所属している際に企画力を磨いておくとよいでしょう。

システムエンジニアの周辺職種について具体的に知っておきたい方は、こちらの記事をご覧ください。
SEの職種一覧|やめとけと言われる理由やシステムエンジニアの分類

社内SEの業務に関連する資格は?

社内SEになるに当たって、不可欠な資格はありません。ただし、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験、ITパスポート試験などの国家資格を持っていると業務に役立つことがあります。シスコシステムズをはじめとする大手ベンダーの認定資格も、自分の知識やスキルを証明することに役立つでしょう。

システムエンジニア全般に求められる各資格の試験内容については、以下の記事を参考にしてください。
システムエンジニアに資格は必要?取得のメリットや効率的な学習方法も解説

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フリーランスで社内SE案件を受けられる?

ノートパソコンで作業をするミニマリストのフリーランスエンジニア

コストなどを理由に企業が今まで社内SEに任せていた案件を外注にまわすような場合、フリーランスで社内SE案件を受けられる可能性があります

しかし、社内SEのフリーランス案件をすぐに受けることは簡単ではないでしょう。なぜなら、高い知識や豊富な経験を有する相手でなければ、企業は安心して自社の重要なシステムの開発・運用を任せられないためです。

また、自社の従業員でなければ、会社の経営方針などを汲み取ることが難しいことも理由として挙げられます。

フリーランスSEで案件を探す方法については、以下の記事を参考にしてください。
フリーランスSEの年収は?高単価スキルや案件の探し方も解説

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社内SEに関するよくある質問

ここでは、社内SEに関するよくある質問に答えていきます。

Q. 社内SEの平均年収はどの程度ですか?

社内SEの平均年収は340万円〜600万円程度と言われています。

Q. 社内SEの基礎スキルを証明できる資格はありますか?

社内SEは基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、ITパスポート試験等の資格で自分の基礎スキルを証明できます。

Q. 社内SEの業務内容にはどのようなものがありますか?

社内SEはシステムの企画・導入、システム開発やベンダーとの調整業務、システムの運用保守等の業務を担います。

Q. 社内SEとして働く上で、どのようなスキルアップ方法がありますか? 

社内SEがスキルアップするには、技術書で自己学習する、オンライン学習サイトを活用する、スキルアップイベントに参加する等の方法があります

Q. 社内SEへの転職は難しいと言われる理由は何ですか?

社内SEが転職先として人気である、応募数が少なく倍率が高い、求めるスキルと求職者のスキルのミスマッチが起きやすい、望ましい年齢が限定的である等の理由が挙げられます。

※本記事は2023年2月時点の情報を基に執筆しております。

最後に

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