フリーランスの収入見込みをチェック
個人事業主とは
個人事業主とは、個人で事業を営んでいる人を指します。国税庁のWebサイトでは、個人事業主の例として、「小売業や卸売業をしている人」「賃貸業や取引の仲介、運送、請負、加工、修繕、清掃、クリーニング、理容や美容といった業を営んでいる人」「医師、弁護士、公認会計士、税理士などの人」を挙げています。
参照 : 国税庁「No.6109 事業者が事業として行うものとは」
関連記事 : 個人事業主になるには|退職から開業、契約、確定申告までの手続き
「個人事業主は楽」といわれる理由
会社員から独立した人のなかには、「個人事業主は楽」という人もいます。理由として挙げられるのが、「働き方に自由が多いこと」です。
作業時間の自由度が高い
会社員の場合は基本的に就業時間が決まっていますが、個人事業主は作業時間の制約が少ないことが特徴といえます。フリーランスエンジニアの案件で多い常駐案件では、オフィスの開閉時間や契約の精算幅に合わせてある程度作業時間の制限がありますが、会社員と比べれば自己裁量に任される範囲は大きいでしょう。
作業場所の制限が少ない
在宅案件を受注する個人事業主は、作業場所の制限も少ないことがメリットです。契約内容を守り、情報漏えいなどに十分注意したうえであれば、カフェや図書館、コワーキングスペースなどで作業することが可能な場合もあります。
仕事上関わる人を選べる
会社員から個人事業主になっても、人間関係の悩みが全くなくなるわけではないでしょう。ただし、個人事業主の場合、クライアントは自分の意思で選ぶことができます。良好な関係を保っていくのが難しいと感じる仕事相手とは、無理に関わらなくてもかまわないという点で、「個人事業主は楽」という人もいます。
収入の上限がない
会社員の場合、社内でキャリアを積んだとしても年収の上限が決まっていることがあります。一方、個人事業主は、たくさん案件を受注したり、スキルや実績を活かして高単価の案件を受注したりすれば、それだけ多くの収入を得られる可能性があります。逆に「今月は収入を少なめにして休みを取ろう」という働き方も可能です。
仕事への満足度が高い
個人事業主はスケジュール、作業時間、作業量、収入などを自分でコントロールしやすいため、「働かされている」と感じづらく、仕事への満足度が高い人が多いようです。フリーランスを例にとると、内閣官房日本経済再生総合事務局による調査で、フリーランスとして働く人のうち「達成感や充実感」の面で「非常に満足」「満足」と回答した人は全体の80%以上にのぼるというデータもあります。
参照 : 内閣官房日本経済再生総合事務局「フリーランス実態調査結果」
個人事業主は、納品物の完成度をどこまで上げるか、どれだけ時間をかけるかなども、契約で定められた範疇であれば、基本的には自分次第。「納得いくまで仕事に打ち込みたい」と考える人は満足しやすいでしょう。
関連記事 : 個人事業主のメリット・デメリット|法人化や会社員との比較
個人事業主は楽ではない?
一方で、「個人事業主は楽」とは一概にいえない面ももちろんあります。主に「収入の不安」や「責任の大きさ」、「孤独感」などが挙げられるでしょう。
自分にかかる責任が大きい
個人事業主は会社員と違い、確定申告や保険の手続きなどを自分自身で行う必要があります。また、案件を獲得するためには自ら営業が必要なことも。営業が苦手な場合は、ポートフォリオを作成する、フリーランスエージェントに登録してみるなど、何か対策を考えましょう。
収入の不安がある
基本的に毎月一定の収入が約束されている月給制の会社員と比べると、個人事業主の収入は変動しやすい傾向にあります。大きな収入を得られた月があっても、案件の受注状況によっては、次月も同じように稼げるとは限りません。また、会社員であれば、傷病手当や有給休暇、育児休暇などの制度がありますが、個人事業主の場合、病気や怪我、出産などで働けない期間があると、収入がなくなることに直結しやすいといえます。
社会的信用度が低い
会社員に比べると、個人事業主の社会的信用は低い傾向にあります。具体的には「クレジットカードの作りづらさ」や「住宅ローンの組みづらさ」などが挙げられます。会社員と比べ収入が不安定な個人事業主は、各種審査に通りづらいことがあります。クレジットカードを作ったりローンを組んだりする予定がある人は、できるだけ会社員のうちに審査を済ませたほうが良いでしょう。
孤独感を感じることもある
いざ個人事業主として独立してみると、想像以上に孤独感を感じる人もいます。特に在宅案件中心の個人事業主は、基本的にひとりで作業するため、悩みを相談できる人が周りにいないと、孤独感が強くなってしまうケースもあるようです。
社会保険料が全額自己負担
会社員は年金保険料や健康保険料を会社側と折半で支払います。一方、個人事業主になると全額自己負担となるため、会社員時代よりも保険料が高くなることがあります。
関連記事 : 個人事業主の社会保険|加入義務や負担額をケース別に解説
法人と個人事業主はどちらのほうが楽?
個人事業主から法人化するとどうなるのか、気になっている人もいるでしょう。もちろん、どちらが楽かはケース・バイ・ケースですが、法人化するかどうかの判断材料のひとつとして、個人事業主が法人化するメリット・デメリットを紹介します。
法人化のメリット
個人事業主が法人化するメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
社会的信用度が高まる
法人は「会社」なので、個人事業主と比べて社会的信用度が高くなる傾向があります。クレジットカードや住宅ローンなどの審査も、法人化することで通りやすくなる可能性はあるでしょう。
資金集めの選択肢が広がる
社会的信用が高まることで、資金調達の手段も増えることが考えられます。銀行からの融資限度額なども増える可能性があり、事業展開はしやすくなるでしょう。
節税できるケースがある
所得税と法人税は課税の仕組みが異なるため、一定以上の収入がある個人事業主は、個人事業主のままでいるよりも法人化したほうが税金負担が少なくなることがあります。
法人化のデメリット
一方、個人事業主が法人化するデメリットとしては、以下のような点が考えられます。
社会保険料の負担が増える
個人事業主が法人化すると、本人を含め、要件を満たす従業員を全員社会保険に加入させる義務が生じます。社会保険料は労使折半で、本人・従業員側が半分、会社側が残り半分を負担することになるため、基本的に社会保険料の負担は大きくなります。
設立にコストがかかる
法人は設立にあたり、登記や定款の作成・認証など、事務手続きが多いです。加えてこれらの手続きには費用がかかるものもあります。最低でも数十万単位の費用がかかると考えておきましょう。個人事業主の場合、開業届を提出すればすぐに開業できる上、提出にかかる費用は無料です。スタートするための時間的・金銭的コストには大きな差があるといえるでしょう。
事務作業が煩雑になる
手続きにかかる手間は、法人設立後も続きます。法人は個人事業主に比べ、経理処理も複雑になります。加えて、法人化して従業員を雇った場合などは、社会保険の加入手続きや給与の支払いなどの業務も発生するため、事務作業が煩雑になることが考えられます。
関連記事 : 法人化する目安・タイミングは?法人化・法人成りの費用までFPが解説
※本記事は2020年12月時点の情報を基に執筆しております。
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