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未経験からプログラマーになることはできる?
結論から述べると、未経験からプログラマーになることは可能です。実際に未経験OKのプログラマー向け求人を探してみると、多くの企業が求人を出しており、需要があることが分かります。
経済産業省のIT人材需給に関する調査によると、IT人材の需要に対して供給が不足。特にAIやIoT、ビッグデータに関する職種において、2025年から2030年の間に人材不足が進むと見られています。
企業側としては即戦力採用できるのがベストではありますが、採用ニーズに対してプログラマーの数が足りていないのが現状です。このような背景から、教育制度を整えて、未経験でもプログラマーとして活躍できる仕組みを作る企業が増えています。
30代・40代未経験でもプログラマーになれる?
IT業界では、30代・40代の人材をプログラマーとして雇用している企業も存在します。
先述した経済産業省のIT 人材需給に関する調査によると、年々IT人材の年齢シフトが進み、2020年には40~44 歳の IT 人材の割合が最も高くなると試算されています。少子化の影響で20代の母集団が小さくなってきていることに加えて、IT人材の年齢層が上がっていることがその理由です。
未経験の場合、成長を加味する意味で若い世代が採用されやすい傾向がある点はどの業界でも変わりません。一般的に20代よりハードルが高くなる傾向がある点は心にとめておきましょう。
企業によっては、異なる業界で培ってきた業務知識やスキルとの掛け合わせ、コミュニケーション能力やプログラミングに対する学習意欲などを評価する場合もあります。これまで培ってきたスキルがプラスになる職場を選ぶのも、30代・40代未経験からプログラマーになるためのコツです。
プログラミング未経験からスキルを習得するための方法
プログラミング未経験者がスキルを習得するためには、いくつかの方法があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
書籍や動画で学ぶ
自分1人で学習を続ける自信がある人は、書籍や動画、学習サイトなどで独学すると良いでしょう。低コスト、かつ自分のペースで勉強できるのが独学の魅力です。
書籍は1冊でまとまった情報が手に入るのがメリット。自分のレベルに合っていて、学習目的にかなう本を選ぶようにします。書店で手に取って内容を確認したり、事前にネット上のレビューを参照したりするのが書籍選びのコツです。
動画のメリットは、実際のプログラミングの様子を映像で確認できること。文字の説明だけだと分かりにくい部分も、映像なら一目瞭然です。
学習サイトのメリットは、サイトによりまちまちです。学習後にコード記述の練習ができる、特定の言語を専門に扱っているなど、サイトごとに特色があります。書籍と同じく、自分のレベルや学習目的に合ったサイトを選んでください。
プログラミングスクールに通う
「独学に自信がない」「体系的に知識を身につけたい」という方は、プログラミングスクールが適しています。スクールではプロがカリキュラムを組んでいるので、必要な知識を効率的に学べるのがポイントです。
疑問点を講師に質問できるのも、スクールのメリットです。独学だと原因不明のバグが出た際、解決に何時間もかかってしまうことも。その点、スクールならすぐに質問できるため、時間を無駄にすることはありません。
専門学校に進学する
専門学校への進学もプログラミングスクール同様、体系的な知識を習得するのに適した方法です。プログラミングスクールがコースを設けて学習事項を絞っているのに対し、専門学校はより全般的な内容を扱う傾向にあります。
専門学校への進学で考慮したいのが、実習時間の長さ。実習時間を多くとる専門学校であれば、実践的なスキルが身につくと考えられます。
卒業時には「新卒」扱いになるので、就職しやすくなるのが専門学校のメリットです。
大学の情報科に進学する
経済的・時間的余裕がある人は、大学に進学して情報科学を学ぶのも手。大学は修業年数が長く、授業料も高額になるので、目的意識を持って進学することが大切です。
大学進学のメリットは、年収アップにつながりやすいこと。大学卒の人は、マネジメントにも従事する総合職として採用される傾向にあるためです。情報科学以外の授業を履修して幅広い教養が身につくのも、大学に通う魅力だといえます。
資格を取得する
資格の勉強を通じて実用的なスキルを身につける方法もあります。
資格選びに際しては、学習したい言語を扱うものがあるかをまずチェックしてください。「PHP技術者認定試験」「Ruby技術者認定試験」「Javaプログラミング能力認定試験」などが言語別資格の例に挙げられます。
ネットワークやデータベース、セキュリティなど幅広い知識を身につけたい人は、「基本情報処理技術者試験」も選択肢の一つになるでしょう。
なお、「プログラマーになるための勉強法|プログラミング初心者におすすめの学習内容」でもプログラミングの勉強方法を解説しています。あわせて参照してみてください。
プログラミング未経験者におすすめの言語
ここでは、プログラミング未経験者が勉強するにあたり、おすすめの言語をいくつかご紹介します。とはいえ、数多くのプログラミング言語からおすすめをご紹介するのは難しいことも事実です。以下はあくまで参考までに留め、利用シーンや目的などを踏まえたうえで最新の情報を収集してみてください。
言語 | 特徴 |
---|---|
JavaScript | フロントエンド、サーバーエンド両方の開発が可能 |
PHP | Web開発でよく採用されるサーバーサイドの言語 |
Ruby | 日本人が開発した言語。初心者でも比較的コーディングがしやすい |
Python | コードがシンプルで、読みやすい |
Go言語 | Googleによって開発された言語。シンプルで軽量な動作でプログラミングが可能 |
HTML | Webページの要素を記述するための言語(厳密にはマークアップ言語) |
CSS | Webページを装飾するための言語(厳密にはスタイルシート言語) |
Kotlin | Javaの改良言語で、Androidアプリ開発に用いられる |
Swift | アップル社が開発。iOSやMacアプリを開発する |
C# | マイクロソフト社が開発。Windowsとの相性が良い |
R言語 | Pythonと同様、機械学習などに用いられる |
未経験からプログラマーに転職するには?
「未経験からプログラマーになるにはどうしたらいいのか分からない」という人も多いでしょう。ここでは、プログラミング未経験からプログラマーに転職する方法をご紹介します。
転職サポートのあるスクールに通う
スクールによっては、企業の斡旋や模擬面接などを行ってくれる場合があります。自分で求人を探したり、面接対策をしたりすることに自信がない人は、スクールを頼るのがおすすめです。
未経験OKの求人を探して応募する
自分で求人を探す場合は、「未経験者歓迎」「未経験可」の記載がある求人を探しましょう。未経験者を雇用する企業では、新人研修やOJT、Off-JTといったジョブトレーニングを通して人材育成を行う場合があります。
未経験OKの求人を探す際は、派遣やパート、アルバイトなどの雇用形態も選択肢に入れてみてください。正社員のみで探すよりも就職のチャンスが広がります。
未経験からプログラマーへの転職を成功させる6つのヒント
ここでは、未経験からプログラマーへの転職を成功させるヒントを6つご紹介します。
どの分野のプログラマーになるか決める
一口にプログラマーといっても開発するものはWebサイトやアプリなどさまざま。どの分野のプログラマーを目指すかを最初に決め、その目標(ゴール)に向けて必要なスキルを身につけるのが得策です。
目標となる分野を決める際は、まず書籍などを参考に多種多様な言語に触れてみてください。言語の概要を大まかに把握したら、スクール講師や現役エンジニアからアドバイスをもらいつつ目標を絞っていきます。
自らプログラミングの勉強をする
同じ「未経験」でも、スクールや独学でプログラミングの勉強をしている人と、全く勉強していない人では、採用に大きな差が出る場合があります。
後者は「なぜ今まで何もしなかったのか」「本当にプログラマーになりたいのか」「入社してもすぐにあきらめてしまうのではないか」といった懸念を持たれやすく、不採用になる可能性は否定できません。
PCさえあれば個人の環境でもプログラミングはできる以上、「やる気があります」という姿勢を示すためには、コードを書き、実際に動くプロダクトを見せることが大切です。
IT業界について理解を深めておく
未経験プログラマーは、あらかじめIT業界について学んでおくことも重要です。IT業界についてよく知らないまま転職してしまうと、働き始めてから自分の持つ業界のイメージとのギャップが生じるケースも。可能であれば、実際にエンジニアとして働く人から話を聞けると、具体的なイメージが湧くはずです。
GitHubやポートフォリオなどで成果物を見せられるようにする
求人に応募する前に、アウトプットを示せるよう準備しておきます。GitHubでコードを見せられるようにしたり、制作したWebサイトなどをポートフォリオにまとめたり、学習の成果を技術ブログにまとめたり、アウトプットを示せるよう準備しておくのが得策です。
未経験でも具体的な成果物があれば、書類選考や面接で自分のスキルを示すことができます。自ら学習する前向きさや向上心も伝えられるでしょう。
前職で身につけたスキルもアピールする
前職で身につけたスキルのうち、プログラミングにも通じるものは応募書類でアピールすると良いでしょう。事務職の方なら、「VBAで業務を一部自動化し、手作業を削減していた」などです。
ただスキルや経験を伝えるだけでなく、それらをどのように応募先企業で活かすかもアピールできるのが望ましいといえます。採用担当者に「入社後に戦力になってくれそうな人材」だと思ってもらうことが重要です。
自分に合った転職先を見つける
転職を成功させるには、自分に合った企業を選択することも重要です。自分に合った転職先を見つけるためには、企業選びの基準(就活軸・転職軸)を設定するのが効果的でしょう。
正規雇用か派遣かといった雇用形態を考えるのはもちろん、未経験からスキルを磨ける研修制度が充実しているか、交通面・通いやすさはどうかなど、自分の希望をいくつか出しておきますしょう。
また、希望企業が業界内でどのくらいのシェアなのか、どのようなスキルを必要としているのかなど、最新情報を集めておくのも大切です。
プログラミング未経験者にとって大切な3つの力
未経験からプログラマーになれるといっても、無条件に採用されるわけではありません。プログラミングスキル以外にも、伸びしろがある・一緒に働きたいと思わせる要素があるかどうかも重要です。未経験プログラマーにとって大切なことをそれぞれ見ていきます。
コミュニケーション力
プログラマーにはコミュニケーション力が求められます。ディレクターの要求に合わせた成果物を作るためのヒアリングやチーム開発における連携ができないと業務がスムーズに進まないからです。
未経験だからこそ、相手の意図をしっかり汲み取ったり、自分の意見を適切に伝えたり、コミュニケーション力を武器にしていくことを意識しましょう。
努力する力
未経験者がプログラマーとして就職・転職を目指すのであれば、一から教えてもらうという姿勢ではなく、プログラミングを独学するなど、努力する力や姿勢が大切です。
また、プログラマーとして業務を進める上では技術的な困りごとにもしばしば遭遇します。その際に、自分の力で解決を試み、それが困難な場合はどのようにして他者の力を借りるか、といった対応力も求められます。
継続力・粘り強さ
プログラマーには継続力と粘り強さも必要です。ひたすらコードを書いたり、エラーやバグの原因を特定したりするのも仕事のうちなので、精神的な粘り強さも求められます。
IT業界の技術は変化が激しいので、常に勉強し続けることも大切。継続力が弱い人にとっては、プログラマーを続けるのは難しいでしょう。
プログラマーの仕事内容とは?
プログラマーの基本的な仕事内容は、システムエンジニア(SE)が作った設計に沿ってプログラミングを行うことです。プログラムやシステムが正常に動作するかどうかのテスト作業もプログラマーの業務に含まれます。
担当する仕事によって使用する言語が変わることもあるため、スキルアップには複数のプログラミング言語を使った業務の経験が欠かせません。多彩な業務に対応する手段を増やし、対応可能な領域を広げていくことが大切です。
詳しい仕事内容については、「プログラマーとは|仕事内容・種類・年収・資格など基本情報を紹介」も参考にしてみてください。
プログラマーの平均年収
賃金構造基本統計調査によれば、プログラマー全体の平均月収(額面・賞与含まず)は30~36万円でした。年収にすると360~432万円となります。幅があるのは、企業規模(社員数)などによっても異なるためです。
年齢別にすると、20代は月収24~31万円で年収288~372万円程度、30代は月収40~49万円で年収480~588万円、40代は月収52~59万円で年収624~708万円となっています。
プログラマーの年収についてさらに知りたい方は、「プログラマーの平均年収・給料|未経験からの転職でどれくらい稼げる?」も参照してください。
未経験プログラマー求人の平均年収
2019年度の厚生労働省による「賃金構造基本統計調査」では、経験年数1年未満のプログラマーの平均月収(残業や休日出勤などを含まない所定内給与・男性)は、22.4万円ほどとされます。
平均月収を12か月換算して平均賞与41万円を加えると、平均年収は310万円ほどであることが分かります。なお、経験年数1年未満における35~39歳の平均月収は31万円程度。賞与19万円と合わせた年収は380万円ほどです。
実際、未経験者OKのプログラマー求人では、新卒初任給程度からスタートするケースが多いようです。また、自社開発企業やWeb系など、企業の属性や業務内容によっても収入は変わります。
プログラマーからのキャリアアップ
プログラマーになることを目指すのであれば、なった後のプランも考えておけると働いた後のギャップを減らせるでしょう。プログラマーとして経験を積んだ後のキャリアを見ておきましょう。
SE(システムエンジニア)
SEはプログラムの設計や仕様書の作成など、システム開発の上流工程を担当します。日々の運用や保守業務、システムの作成といった下流工程に比べると、収入もSEの方が高くなる傾向があります。
「システムエンジニア(SE)とは|仕事内容やスキル、年収、プログラマーとの違いも解説」もチェックしてみてください。
PL(プロジェクトリーダー)
PLは担当しているプロジェクトの推進を行うポジションです。実作業がメインのプログラマーやSEと比べ、顧客折衝やスケジュール管理などマネジメント業務が中心となります。
「プロジェクトリーダー(PL)とは?役割や仕事内容、スキル、年収などを解説」も参考にしてみてください。
PM(プロジェクトマネージャー)
PMはプロジェクト全体を管理する責任者であり、予算・人員・納期・利益などを管理するのが仕事です。PL・PMでは、対外的なコミュニケーション力やマネジメント力が求められます。プロジェクトのマネジメントに関わるという点はPLと共通しており、PL・PMを明確に区別しないケースも少なくありません。
なお、「プロジェクトマネージャー(PM)とは|役割や仕事内容、年収は?」でもPMについて解説しています。
ITコンサルタント
PMから、ITコンサルタントを目指す道もあります。ITコンサルタントは、クライアントが持つ経営に関する要望や問題点を、ITを活用して解決するのが仕事です。
具体的には、「経費削減」を解決する場合、単純にシステムやアプリを提案するのではなく、クライアントの経費に無駄がないか、どのような改善をすべきか、どのようなIT技術で実現可能かなど、経営者目線で考える必要があります。
プログラマーに向いている人・向いていない人
プログラマーに向いている人・向いていない人の特徴も紹介します。
プログラマーに向いている人
プログラマーに向いているのは、次のような人です。
- 論理的思考に長けている
- 物事に集中できる
- 協調性があり、チームで働くのが得意
機械は曖昧な指示を理解することができないため、情報を整理して正確にプログラミングする必要があります。また何時間もじっくりとコードに向き合って作業する必要があるので、集中力も大切です。
プログラマーというと、一人で作業するイメージもありますが、実際はディレクターやデザイナーとのコミュニケーションも発生します。チームメンバーとのコミュニケーションを円滑にとれることも、プログラマーに大切な要素です。
プログラマーに向いていない人
反対に、プログラマーに向かないのは以下のような人です。
- そもそもITに関心がない
- スキルアップの意欲に乏しい
ITに関心がない人・スキルアップの意欲に乏しい人は、プログラマー向きではないと考えられます。技術の進歩が速く、次々と新しい言語やツールが登場するのがIT業界です。最新技術に常にアンテナを張り、スキルアップを楽しめる人が、プログラマーとして生き残っていけるでしょう。
プログラマーの適性については、「プログラマーに向いている人・向いていない人の特徴|適性をチェックする方法を紹介」もご覧ください。
プログラマーの需要と将来性
すでに述べたとおりIT人材は不足しているので、プログラマー自体の需要と将来性は高いと考えられます。ただし、将来性の程度は目指す分野や習得するスキルにより異なるでしょう。流行が過ぎた分野・言語を選んでしまうと、世の中のニーズに応えることが難しくなる可能性もあります。
これからプログラマーを目指す人は、現代社会が何を求めているかを見極めることが重要です。たとえば、近年はAIや機械学習のニーズが高まっているとされます。成長分野に必要なプログラミングスキルを習得すれば、プログラマーとして長く活躍できるでしょう。
マネジメントをはじめとした上流工程のスキル、セキュリティのようにどの企業でも有用な知識を習得するのも効果的です。対応できる業務が増え、プログラマーとしての付加価値が高まります。
「プログラマーの需要|将来性とともに今後必要なことを考える」でも需要と将来性について言及しているので、あわせて参考にしてみてください。
最後に
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