Webエンジニアになるには、プログラミング言語やライブラリ・フレームワーク、Webデザイン、データベース、セキュリティ、SEOなどの知識が求められることがあります。
担当する業務によっても必要な知識やスキルは異なりますが、本記事では一般的なWebエンジニアが身につけておくと役立つ知識や、勉強方法などについて紹介します。
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Webエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションなど、Webで提供されるシステムの設計・構築・運用・保守といった作業を行う職種です。
Webエンジニアはユーザーが触れる部分を構築するフロントエンドエンジニアと、ユーザーからは見えない部分を構築するバックエンドエンジニアに大きく分けられることがあります。
Webエンジニアの業務内容は企業や案件ごとに幅があり、上流から下流までの幅広い工程に携わる場合もあれば、一部の工程のみを担当する場合もあるようです。
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Webエンジニアになるための勉強法は、大きく分けると以下の4つがあります。
Webエンジニアになるにはプログラミングなどの知識が必要ですが、そうした知識は本やオンラインのプログラミング学習サイトなどを使って独学で学ぶことが可能です。
独学は自分のペースで勉強を進めることができ、都合のよい時間を選んで勉強できます。また、書籍代やサイト利用料は基本的にスクールなどに通うよりも安く済むので、費用を抑えられるのもメリットです。
その反面、学習のモチベーションを常に保つ必要がある、わからない部分をすぐに人に聞くことができないため基本的に自分で解決しないとならないというデメリットがあるため、途中で挫折してしまう人も少なくありません。
プログラミングスクールでは、カリキュラムに沿って授業が進められます。スクールに行けばプログラミングの基礎から順を追って勉強できる、わからない部分があれば講師に質問できるため学習を先に進めやすい、といったメリットがあります。また、多くのプログラミングスクールの教材は初心者向けに作られていることが多いため、プログラミングが初めての人はインターネット上の情報を拾うより、スクールに通う方が理解しやすいかもしれません。
スクールに通うデメリットとしては、一般的に数万円~数十万円の授業料が必要となること、通いやすい場所にスクールがあるとは限らないこと、就業している人は時間がとりにくいことなどが挙げられます。
入社後研修を行うのを前提として未経験の方を募集している会社もあります。研修のある会社では、入社後に数週間~数ヶ月間の研修を行い、一から実務で使えるレベルまでのスキルを習得することが可能です。働きながらスキルを身につけることができる点が、最も大きなメリットと言えます。
デメリットは、面接を受けて採用されなければ研修を受けることができない点です。未経験を募集している求人であっても、入社する前に最低限の自主学習は必要になるでしょう。
エンジニア向けのセミナーや勉強会に参加することで、Webエンジニアに必要な知識やスキルを得ることができます。会場では講師や他の受講者などがいるためわからない部分を聞ける点、実務に即した知識やスキルを習得しやすい点などがメリットです。
デメリットとしては、勉強会は1週間に1回などと開催頻度が少ないため、勉強会だけでWebエンジニアに必要なスキルをすべて身につけるのは難しく時間もかかること、勉強会ごとに取り扱う内容が異なり、必ずしも自分が身につけたいスキルの勉強会が開催されるとは限らないことなどが挙げられます。
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未経験から独学でWebエンジニアになることは可能です。独学でWebエンジニアになろうとする場合、一般的には3ヶ月程度あれば最低限のプログラミングスキルは身につけられると言われるケースもありますが、プログラミング言語を複数学ぶ場合やネットワーク・データベースなどの知識やスキルもしっかり身につけるとなると、より長い勉強期間が必要となるでしょう。
未経験から最短でWebエンジニアを目指す場合には、自分でオリジナルのWebサイトやアプリケーションなどを作ってみるといいでしょう。実際にコンテンツの制作を経験することで実務に役立つノウハウが得られるほか、就職・転職活動でポートフォリオにすることもできるからです。
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Webエンジニアに求められるスキルは、担当領域や業務内容によって異なりますが、一般的なWebエンジニア業務に役立つスキルを10項目紹介します。
コーディングとは、Webページのデザインや内容をソースコードとして記述していく作業です。Webエンジニアのコーディングでは、以下のような言語が多用されます。
上記の言語はWebページを表示・装飾するときに使われるので、フロントエンドエンジニアには必須のスキルと言えます。
HTML(HyperText Markup Language)は、Webページを構築するのに使われるマークアップ言語です。HTMLは文字コンテンツに見出しをつけたり、段落をつけたり、リンクを表示したりといったWebページを作るために基本的な機能を備えています。
CSS(Cascading Style Sheets)は、主にHTMLで作られたWebページを装飾するのに使われるスタイルシートです。文字の色や背景、大きさを変えたり、レイアウトや余白を調整したりと、CSSはHTMLだけではできないことをWebページ上で表現できます。スマートフォンとパソコンでWebページのレイアウトを切り変える「レスポンシブデザイン」を実装する際にも使われます。
Webエンジニアが使うプログラミング言語は、以下のようなものがあります。
フロントエンドとバックエンドでは使われる言語の傾向が異なります。たとえば、JavaScriptはWebページのコンテンツを移動させたり、拡大させたりなど何か動きをつける際に使うため、フロントエンドエンジニアの業務でよく使われます。
JavaScriptは、HTMLやCSSと同じくフロントエンドで多用される言語です。Webページでアニメーションやポップアップ、フォームの入力チェックなど動的なコンテンツを作るときに使われます。
PHPはJavaScriptと同様、Webページ制作に広く用いられている言語です。また、有名なCMSのWordPressはPHPで作られており、カスタマイズするためにはPHPのコーディングスキルが必要です。
PythonはAI開発にも使われており、近年注目度が高まっている言語です。GoogleやYouTube、Dropbox、Instagramなどのサービスも開発にPythonが使用されています。「Django」はWeb開発の現場で使われることが多いPythonフレームワークのひとつです。
Rubyは日本で誕生した言語であるため日本語のドキュメントが多く、学習しやすいのが特徴です。Webアプリケーション開発用のフレームワークである「Ruby on Rails」がよく使われています。
Webエンジニアが使うライブラリやフレームワークには以下のようなものがあります。
ここに挙げたのはいずれもJavaScriptのライブラリですが、バックエンドエンジニアも開発でライブラリやフレームワークを使用する機会があります。
Reactは「React.js」などとも表記されるJavaScriptのライブラリです。SPA(Single Page Application)の開発にも使用することができます。
jQueryもJavaScriptのライブラリで、アニメーションの実装やAjaxの実装、マップやドロップダウンメニュー、スライドショーの表示などを簡単に行うことができます。
Web開発は複数人で行うのが一般的ですが、そこで必要になるのがバージョン管理システムです。
バージョン管理システムでは、開発者の誰かがファイルを変更した際に、更新日時やアクションなどが記録されます。そのように管理することで、問題が起きたときに原因を特定したり、前のバージョンに戻して検証したりすることが可能になります。
主要なバージョン管理システムのひとつがGitです。
Gitは分散型のバージョン管理システムです。バージョン管理システムでは、更新箇所や更新時間を記録する「リポジトリ」を使ってバージョンを管理します。Gitでは、リポジトリがローカルリポジトリとサーバーにあるリモートリポジトリに分かれているのが特徴で、たくさんのエンジニアが参画する開発プロジェクトで役立ちます。
同じ分散型のバージョン管理システムには、主にPythonで実装されている「Mercurial」があります。
Webエンジニアが身につけておくとよいデザインの知識には、以下のようなものが挙げられます。
Webデザインそのものは基本的にWebデザイナーが行いますが、Webエンジニアの中でも特にフロントエンドエンジニアは、これらの知識を持っていると望ましいでしょう。
Webサイトを見るデバイスは、主にパソコン・スマートフォン・タブレットの3つですが、それぞれのデバイスで画面の大きさが違うため、デバイスごとの画面の大きさに合わせてWebサイトを最適化させることが求められます。それらに対応するために必要なのがレスポンシブデザインです。
レスポンシブ対応のWebサイトでは、CSSなどを使ってアクセスされた端末によってページのレイアウトや文字・画像などのサイズを変化させています。
UI(ユーザーインターフェース)は、Webサイトやアプリケーションなどとユーザーの接点を指します。メニューやCTA、入力フォームなどもUIに含まれるといえます。
UX(ユーザーエクスペリエンス)は、Webサイトやアプリケーションなどを使う人が得られる体験のことです。
UI/UXデザインとはこれらを最適化することで、フロントエンドエンジニアはこの知識を持っておくと、より質の高い仕事ができるようになるでしょう。
Webサービスでは、基本的にデータベースに情報が蓄積されます。たとえばECサイトなら、年齢や性別、住所、購入品目といった個人情報などがデータベースに保存されることになります。
データベースの構築は通常バックエンドエンジニアが担当しますが、データベースの情報をページなどに表示させるのはフロントエンドなので、フロントエンドエンジニアにもデータベースに関する知識が求められます。
広く用いられているリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)のひとつに「MySQL」があります。
MySQLはオープンソースのRDBMSです。RDBMSでは、データをテーブル形式で管理し、それぞれのテーブルを関連づけることができます。
MySQLは世界中のさまざまなWebサイトで使用されていて、MySQL Workbench、phpMyAdminといった管理ツールも充実しています。
CMS(コンテンツマネジメントシステム)は、HTMLやCSSを知らなくてもWebサイトを構築できるシステムです。CMSを使って、Webサイトのテキストや画像、レイアウトなどを簡単に管理することができます。
最もよく使われているCMSのひとつが「WordPress」です。Webサイト制作に携わるフロントエンドエンジニアには、WordPressに関する知識を求められるシーンも多くあります。
WordPressは、Webサイトやブログなどを作成できるCMSです。操作が簡単で、Webサイトやブログ用のデザインテンプレートも豊富に用意されています。
プラグインにもたくさんの種類があり、PHPを使ったカスタマイズがしやすいのもメリットです。
LinuxはオープンソースのOSで、多くの企業がサーバー用のOSとして使っています。
そのため、バックエンドエンジニアの業務で使用することが多く、サーバーの構築・操作などを行う際にLinuxのスキルが必要になることがあります。
SEOはSearch Engine Optimizationの頭文字を取った略語であり、日本語では「検索エンジン最適化」と呼ばれます。また、SEO対策とは、検索エンジンで狙ったキーワードで検索したときに、検索結果の上位に対象となるページが表示されるようにするための取り組みのことです。
検索エンジンでのページの表示順位を上げるためには、コンテンツの見直しや、UI・UXの改善などを行う必要があるため、特にフロントエンドエンジニアが身につけておきたい知識です。
Webサイトやアプリケーションを公開する際には、サーバーに保存されている個人情報などを守るために、不正アクセスや脆弱性・セキュリティホールへの対策などを行う必要があります。
セキュリティに関する知識・スキルは、特にバックエンドエンジニアに必要とされるといえるでしょう。
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Webエンジニアになるために必須の資格はありません。ただし、以下のような資格を取得しておくと、業務で役立ちます。
ITパスポート試験は、基本的なIT知識を問われる国家試験です。ソフトウェア、ハードウェア、ネットワーク、プログラミング、セキュリティなどの基礎と合わせて、ITを用いた経営戦略や法務などの知識も問われます。基本情報技術者試験の下位にあたる資格なので、Webエンジニアを目指す人が最初に取得することも多い資格です。
試験は1000点満点で600点以上得点すると合格です。合格率は50%前後で、学生やIT企業以外の人も多く合格しているので、Webエンジニア未経験でも十分合格を狙える資格といえます。
参照 : 【ITパスポート試験】情報処理推進機構
HTML5プロフェッショナル認定試験は、HTML5のほか、CSS3、JavaScriptなど、特にフロントエンドエンジニアに必要なスキルや知識を問われる試験です。
レベル1とレベル2の試験があり、レベル1ではWebやAPIの基礎知識などが問われ、レベル2ではより高度な動的コンテンツの制作や、システム間連携などに関するスキルを問われる問題が出題されます。
参照 : 「HTML5プロフェッショナル認定試験」公式サイト
PHP技術者認定試験は、PHPのスキルや知識を認定する試験です。フロントエンド・バックエンドにかかわらず、WebエンジニアならばPHPのスキルがあると業務に役立つでしょう。
レベルによって出題範囲は異なりますが、ITスキル標準(ITSS)のレベル1にあたる初級試験は、7割の正解が合格ラインとされています。
参照 : PHP技術者認定機構
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Webエンジニアはフロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアに分けられることがあるように、担当領域や業務内容には幅があるため、使用する言語や必要とされるスキルや知識も状況によって変わってきます。これからWebエンジニアを目指す人は、自分がどのようなWebエンジニアとして働きたいかをしっかりと考えたうえで、効率よく学習を進めましょう。
関連記事 : Webエンジニアの仕事がきついって本当?転職前のチェックポイントと将来性
ここでは、webエンジニアの勉強法に関するよくある質問に答えていきます。
書籍や学習サイトで独学する、プログラミングスクールに通う等の方法が効率的です。
Webエンジニアに資格は必須ではありませんが、資格を取得することで、自身のスキルや専門性を証明できます。
バックエンド開発ではPython、Java、C#、Java、PHP等の言語が多く使用されています。
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