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個人事業主として副業をするメリット・デメリット|会社員が開業するには

会社員の副業による所得は一般的に事業所得か雑所得に区分されますが、確定申告で副業分の所得が事業所得と判断される場合、個人事業主として副業をしていると言えます。個人事業主として副業をするメリットのひとつは、青色申告ができるためさまざまな税制上の特典を受けられることです。

会社員の副業であっても、事業所得を生ずべき事業をスタートするのなら、原則として開業届を提出する必要があります。会社員が副業を始めるにあたって開業届を出すメリットには、事業を行っていることを証明しやすくなること、給付金や補助金の受給がスムーズになることなどが挙げられます。

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この記事の監修
あおば会計事務所 共同代表
税理士 小池 康晴(こいけ やすはる)氏

SESや受託開発を行うIT関連の企業やフリーランス(個人事業主)の顧客を多く持ち、それぞれのニーズを重視した税務アドバイスとコンサルティングを行う。IT業界の税務や新しいサービスの動向などにも精通している。中小企業庁による認定経営革新等支援機関の認定済み。

小池康晴氏プロフィールページ

目次

個人事業主とは
個人事業主として開業して副業をするメリット
個人事業主として開業して副業をするデメリット
個人事業主の開業方法
個人事業主としての副業と確定申告
個人事業主としての副業と社会保険
個人事業主になると副業はバレる?
制度を理解してからの副業がおすすめ

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個人事業主とは

個人事業主とは、個人で事業を営んでいる人を言います。副業として事業を行っている会社員も、副業による所得が確定申告で事業所得として認められているのなら個人事業主であると言えます。

国税庁のWebサイトによると、事業とは「対価を得て行われる資産の譲渡および貸付け、ならびに役務の提供が反復、継続かつ独立して行われること」を指します。また、事業所得とは「農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得」と定義されています。

参照 : 国税庁「No.6109 事業者とは」
参照 : 国税庁「No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)」

関連記事 : 個人事業主になるには|退職から開業、契約、確定申告までの手続き

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個人事業主として開業して副業をするメリット

個人事業主として開業して副業をすることには、以下のようなメリットがあります。

  • 青色申告の特典を受けられる
  • 事業を行っていることを証明しやすくなる
  • 屋号名の銀行口座が作れる
  • 給付金の受給がスムーズになる
  • 確定申告用紙が送付される

副業であっても、事業所得を生ずべき事業を開始をした場合、その事実があった日から1ヶ月以内に開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を提出する義務がありますが、開業届を出さないこと自体へのペナルティはなく、開業届で「所得の種類」を「事業(農業)所得」として届け出たからといって、副業によって生じた所得が必ず事業所得と判断されるわけではありません。すなわち、一概に「開業届を出せば個人事業主になる」とは言えないケースもあります。

参照 : 国税庁「[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続」

青色申告の特典を受けられる

事業所得を生じる副業を行っている場合、確定申告を青色申告で行うことができます。青色申告には、以下のようなメリットがあります。

最大で65万円の青色申告特別控除が適用される

複式簿記による記帳など一定の要件を満たすと、最大で65万円の青色申告特別控除を受けられます。

参照 : 国税庁「No.2072 青色申告特別控除」

最長で3年間赤字を繰り越せる

青色申告をすると、赤字があるときに翌年以降最長で3年間にわたって赤字を繰り越すことができ、黒字化した際に相殺することが可能です。

家族に支払う給与を経費にできる

青色申告者と生計を一にしている家族などのうち、青色申告者の事業に専ら従事している15歳以上の者に支払った給与は、適正な金額であれば経費として計上することができます。

参照 : 国税庁「No.2070 青色申告制度」

事業を行っていることを証明しやすくなる

開業届の写しは、事業を行っていることを証明する必要があるシーンで役立ちます。

確定申告書の写しも事業を行っていることを証明する書類として役立てられますが、フリーランスとして独立したばかりで確定申告を行っていない場合、開業届の写しがあると便利です。

屋号付きの銀行口座が作れる

開業届に屋号を記入すれば、屋号付きの銀行口座を作ることが可能です。事業の口座とプライベートの口座を分けたいときなどに、屋号付きの口座を開設できると便利でしょう。また、屋号付きの口座があると、取引において先方から振り込みをしてもらうときに、安心感を持ってもらうことにもつながります。

屋号付きの口座を開設する際は、屋号名が書かれた開業届の控えや印鑑などを銀行の窓口に持参します。銀行によって必要書類や手続きの流れは異なるため、事前に確認してください。

給付金の受給がスムーズになる

開業届の写しは、給付金や支援金、補助金などの申請時にも有用になることがあります。

2020年11月時点で、個人事業主などが持続化給付金の申請をする場合、原則として確定申告書類の写しを提出する必要がありますが、2020年に事業を開始したばかりで確定申告をしていないケースでは、5月1日以前に開業届を提出していなかった場合、基本的に給付金を受給することができません。

参照 : 経済産業省「持続化給付金申請要領(個人事業者等向け)」
参照 : 経済産業省「持続化給付金申請要領(主たる収入を雑所得・給与所得で確定申告した個人事業者等向け)」

確定申告用紙が送付される

開業届を出していると、確定申告時期の前に税務署から確定申告用紙が送られてきます。基本的には毎年2月16日から3月15日まで(土日祝日に当たる場合はその翌日)に、前年分の所得税および復興特別所得税の確定申告を行います。

参照 : 国税庁「所得税のしくみ」

新型コロナウイルス感染症の影響拡大を受け、2019年分の確定申告は、期限までの申告が困難だった場合「期限を区切らずに」受け付けられることになりましたが、原則として確定申告の義務があるにも関わらず申告を忘れてしまうと延滞税、無申告加算税などのペナルティが課されるため、「確定申告の時期が来たのをすっかり忘れていた」という理由で申告漏れが生じるのを防ぐ意味ではメリットになるでしょう。

参照 : 国税庁「4月17日(金)以降の申告・納付の対応について」
参照 : 国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」

関連記事 : 個人事業主と副業

個人事業主として開業して副業をするデメリット

個人事業主として開業して副業をするデメリットのひとつは、「開業届を出すこと自体に手間がかかる」ことと言えます。

基本的には副業であっても事業所得を生ずべき事業を開始をした場合は開業届を出す義務がありますが、開業届を出さないことによるペナルティはないため、本業のフリーランスであっても開業届を出さずに活動している人もいます。

開業手続きに手間がかかる

開業届には氏名、生年月日、個人番号、職業、納税地、事業の概要などを記入する必要があり、書類作成を億劫に感じてしまう人もいるかもしれません。

税務署の受付時間は平日の8時30分から17時までなので、平日に時間を取るのが難しい場合は、郵送やe-Taxなどでの提出を考えましょう。

参照 : 国税庁「【税務署の開庁時間】」

関連記事 : 個人事業主と会社員の違い

個人事業主の開業方法

開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。開業届を入手するには、主に直接税務署に出向いて手に入れる方法と、国税庁のWebサイトからダウンロードする方法があります。

参照 : 国税庁「個人事業の開業・廃業等届出書(提出用・控用)」

管轄の税務署で受け取りたい場合は、国税庁のWebサイトにある「国税局・税務署を調べる」のページから最寄りの税務署を調べてみましょう。

参照 : 国税庁「国税局・税務署を調べる」

開業届の提出方法

開業届の提出方法は、基本的に以下の4つとなります。

  • 税務署の窓口に行く
  • 税務署の時間外収受箱に投函する
  • 税務署に郵便・信書便で送付する
  • e-Taxを使って提出する
税務署の窓口に行く

税務署に直接出向くと、開業届の書き方なども質問しやすいのがメリットです。確定申告に関する書類など、開業届以外の必要書類が税務署にあれば入手することもできます。

税務署の時間外収受箱に投函する

土日祝日など、税務署の閉庁日でも、税務署の時間外収受箱に投函することにより提出が可能です。収受日付印のある開業届の控えが必要なときは、封筒に開業届の控えと、宛名を記入し切手を貼付した返信用封筒を同封します。

参照 : 国税庁「申告書等の提出方法のお知らせ」

税務署に郵便・信書便で送付する

開業届は税務署に郵便・信書便で送付する形で提出することも可能です。収受日付印のある開業届の控えを受け取るためには、時間外収受箱に投函するときと同様、封筒に開業届の控えと返信用封筒を同封しましょう。なお、郵便・信書便で送付する場合は、封筒の通信日付印に表示された日が提出日とみなされます。

参照 : 国税庁「税務手続に関する書類の提出時期」

e-Taxを使って提出する

開業届は国税電子申告・納税システムの「e-Tax」を使って提出することができます。ただし、e-Taxを初めて使うときには利用開始のための手続きが必要になるので、ある程度余裕を持って準備をしておきましょう。

参照 : 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)

開業届を提出するタイミング

開業届を提出するタイミングは、事業を開始した事実があった日から1ヶ月以内とされています。ただし、1ヶ月を超えて提出しても受理してもらえないわけではなく、提出しなかったとしても罰則はありません。

副業の場合、事業を開始した日付があいまいな場合があるかもしれませんが、その場合は実態として事業の開始日に近いと考えられる日付を「開業や廃業、事務所・事業所の新増設等のあった日」として記入しましょう。

関連記事 : 個人事業主の開業届|フリーランスの開業に必要な手続きを解説

個人事業主としての副業と確定申告

会社員の場合、通常は会社が年末調整をしてくれるため、基本的に確定申告をする必要はありませんが、副業で一定以上の収入を得ると確定申告の義務が生じます。

ただし、確定申告をしたとしても、会社員が副業を行ったことにより生じた所得は、事業所得と認められないケースもあります。その場合、副業による所得は基本的に「雑所得」に区分されます。事業所得と雑所得の所得区分は、営利性、有償性の有無、継続性・反覆性の有無、自己の危険と計算における企画遂行性の有無などを総合的に検討して判断されます。

参照 : 国税庁「所得税法」

副業で20万円超の所得があると確定申告が必要

副業をしていない会社員は、基本的に会社の年末調整を受けるだけで所得税の計算が済むため、確定申告は不要です。

ただし、副業による所得の合計金額が20万円を超える場合は、確定申告をする必要があります。所得とは、収入から必要経費などを差し引いた金額です。

また、所得が20万円以下でも医療費控除や寄附金控除(ふるさと納税)などの適用を受けたい場合は、確定申告を行う必要があります。

参照 : 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
参照 : 国税庁「副収入などがある方の確定申告」

青色申告をするとメリットが多数

副業による所得が事業所得と認められる規模である場合、確定申告を青色申告で行うことができます。確定申告には白色申告と青色申告があり、個人事業主が青色申告をするためには、原則として青色申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以降に事業を開始した場合は、事業開始日から2ヶ月以内)に、管轄の税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。

個人事業主が青色申告を行うメリットには、以下のようなものがあります。

  • 最大65万円の青色申告特別控除を受けられる
  • 最長3年間の赤字繰越ができる
  • 生計を一にする家族などに支払う給与を経費にできる(青色事業専従者給与の特例)

最大65万円の青色申告特別控除を受けるためには複式簿記による記帳が条件のひとつになりますが、青色申告は税制上のメリットが大きいため、開業届を出すときには青色申告承認申請書を合わせて提出するケースが多いようです。

参照 : 国税庁「[手続名]所得税の青色申告承認申請手続」

年末調整の注意点

会社員が副業による所得について確定申告を行う場合、会社で年末調整が終わったあとにもらえる源泉徴収票が必要になるので、捨ててしまわないように注意しましょう。

また、給与収入が年間2,000万円を超えているときなどは、年末調整の対象にならないため、副業をしていなくても自分で確定申告を行う必要があります。

関連記事 : 個人事業主の確定申告とは?基礎を解説します

個人事業主としての副業と社会保険

会社員としての本業と個人事業主としての副業を両立する場合、年金や健康保険、雇用保険などの社会保険料の負担が増えるのではないかと不安に思う方もいるかもしれませんが、基本的に社会保険料が増えることはありません。

会社を退職して個人事業主として独立した場合は、国民年金と国民健康保険の切り替え手続きが必要ですが、会社員が個人事業主として副業をするケースでは、本業で働いている会社で厚生年金や健康保険、雇用保険などの社会保険に加入しているのであれば、切り替え手続きなどは不要です。

関連記事 : フリーランスなら押さえておきたい!今さら聞けない「税金・保険・年金」のキホン

個人事業主になると副業はバレる?

会社員が副業をするときに個人事業の開業届を出したり、副業による所得が確定申告で事業所得と認められたりしたからといって、基本的には会社に副業がバレる直接的な原因にはなりません。

副業がバレる主な原因は住民税

会社に副業がバレる主な原因は、住民税の金額と言えます。一般的に会社員は毎月給与から住民税が天引きされる「特別徴収」で住民税を納めていますが、住民税の金額は本業と副業の所得の合計金額をもとに計算されます。給料に対して住民税の金額が高いことがバレると、「副業をして収入を得ているのでは?」と疑われる原因になります。

副業の収入があることを会社に知られたくない場合は、確定申告書の「住民税・事業税に関する事項」にある住民税の欄で「自分で納付」に丸をつけると、副業分の所得にかかる住民税を「普通徴収」で納めることができ、会社員としての本業の所得にかかる住民税は給料からの天引きで、個人事業主としての副業の所得にかかる住民税は自分で納めることが可能になります。

参照 : 国税庁「手順6 住民税、事業税に関する事項(申告書第二表)を記入する」

なお、副業の所得が20万円以下で、確定申告をしなかったケースでも、住民税の申告は必要になります。住民税の課税所得があったとしても、確定申告をする場合と同様に、住民税の申告時に副業分の所得にかかる住民税を普通徴収で納付することにすれば、会社にバレる確率は低くなるでしょう。

副業禁止の場合にバレるとどうなる?

禁止されているにも関わらず副業をしていることがバレるとどうなるかは、会社の就業規則などによって異なります。

2020年に厚生労働省が発表した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」改訂版では、「労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由」とする一方、以下を会社が副業・兼業を制限することが許されるケースとして挙げています。

  • 1. 労務提供上の支障がある場合
  • 2. 業務上の秘密が漏洩する場合
  • 3. 競業により自社の利益が害される場合
  • 4. 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合

参照 : 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」

会社員が会社に秘密で副業していたことがバレると、上司や同僚から職務に専念していないという印象を持たれてしまうかもしれません。また、会社が就業規則で副業禁止を明示している場合は会社のルールを破ったことになるので、処分を受ける可能性もあります。

関連記事 : 会社員がフリーランスとして副業をすることはできる?おすすめの仕事も紹介

制度を理解してからの副業がおすすめ

厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表しているように、近年は会社員の副業を積極的に認めていく動きが広がっていますが、副業を禁止としている企業も多くあります。会社員が副業を始めるのであれば、個人事業主の定義、開業届の提出や確定申告といった手続き、会社の就業規則などを事前に理解しておくことをおすすめします。

関連記事 : エンジニアが副業する7つのメリットと案件の探し方

最後に

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